記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年10月30日(火曜日)16時22分 於:本省中央玄関ホール)

冒頭発言

【河野外務大臣】日本と韓国は1965年に日韓基本条約並びに関連協定を結び,日本が韓国に資金協力をすると同時に請求権に関しては完全かつ最終的に終わらせたわけであります。これが国交樹立以来の日韓両国のいわば関係の法律的な基盤となっていたわけでありまして,今日の韓国の大法院の判決はこの法的基盤を韓国側が一方的かつかなり根本的に毀損するものとなりました。日本の企業あるいは国民がこの判決によって不当な不利益を被ることがないように韓国政府において毅然とした必要な措置をとっていただきたいというふうに思っております。法の支配が貫徹されている国際社会の中ではおよそ常識で考えられないような判決でありますので,韓国側には韓国政府にはしっかりとした対応を取っていただきたいと思いますし,日本としてはまず韓国政府のしっかりとした対応が行われるということを確認をしたいというふうに思っております。私からは以上です。

質疑応答

【記者】今回の判決を受けて日韓関係の悪化を懸念する声がありますけれども,その辺どのようにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】この請求権協定というのは日本と韓国の言わば国交の法的基盤となっていたものでありますから,この基盤が毀損されることになればですね,日韓関係に影響が生じざるを得ないということになる可能性もあります。日本政府としては,まず韓国政府が毅然とした対応をとってくれることを期待を致しますが,それがとられない場合には,国際裁判を含め,あらゆることを視野に入れた対応をせざるを得ないと思います。

【記者】韓国側の大使とお話されてきたと思いますけれども,そこでの反応というのはいかがでしたでしょうか。

【河野外務大臣】大使にはしっかりとこうしたことを韓国政府に至急伝えて頂きたいということと,日本政府の口上書をお渡しを致しましたので,至急転送願いたいということを申し上げました。

【記者】今後,康京和(カン・ギョンファ)外相との電話等をお考えでしょうか。

【河野外務大臣】必要とあらば行います。

【記者】今回送られた口上書にはどのようなことが書いてあるのでしょうか。

【河野外務大臣】今申し上げたようなことを書いてあります。

【記者】韓国政府に期待する毅然たる措置というのは具体的にはどのようなものを想定されていらっしゃいますか。

【河野外務大臣】韓国政府が日本の国民あるいは日本の企業に不当な不利益をもたらさないようにとらなければならない措置というのはよくご理解されていると思っております。

【記者】大使からは何か反応,説明はあったのでしょうか。

【河野外務大臣】至急,そのとおりに正確に転送するという話を頂きました。

【記者】日韓請求権協定3条に基づく2国間の協議の申し入れというのは現段階ではどのようにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】韓国政府がこの判決を受けて,しっかりとした対応をとってくれるというふうに私は今思っております。

【記者】日韓関係に影響を生じかねないということですけど,北朝鮮問題の対応の連携への影響というのはどうお考えですか。

【河野外務大臣】そうしたことに影響が出ないように韓国政府がきちんと対応をとってくれることを思っております。

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