記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年8月16日(木曜日)11時25分 於:コロンビア・ボゴタ)

冒頭発言

【河野外務大臣】日本の外務大臣としてのコロンビア訪問は,10年前の中曽根大臣以来ということになります。ドゥケ新政権は8月7日に発足したばかりでございましたが,大統領,外務大臣,それから,2,3の閣僚とさまざま意見交換をして,新政権の方向性というものを確認することができたのは非常に有意義だったと思います。
 今年は日・コロンビアの国交樹立110周年にあたるということもありますし,また新政権が発足し,外務大臣,農業大臣など,日本語を多少なりとも話される閣僚もいらっしゃるということで,日本とコロンビアの関係をこれから強化していこうということで一致をいたしました。
 コロンビアからは,私からTPP11についてお話を申し上げましたが,コロンビア側からは,今実際に交渉が進行している日本とのEPAをまずやりたいというお話がありました。さまざまな形で両国の経済関係を強くしていくと共に,多岐にわたる分野での二国間関係の強化に努めていきたいというふうに思います。
 コロンビア国内の平和定着に向けてのドゥケ大統領のリーダーシップに期待を申し上げ,それが地域の安定,そしてコロンビアの持続的な経済成長につながることへの期待を表明をいたしました。また,日本としてコロンビアの和平プロセス,継続的に支援をしていきたいというふうに申し上げました。
 二国間関係に加えて,安保理改革,あるいは核軍縮といった国際場裡での問題,あるいは避難民支援を含むベネズエラ情勢についても意見交換をいたしました。
 コロンビアとは,自由,民主主義,法の支配といった,基本的な価値感を共有する関係でございますので,この両国関係をさらに強めて参りたいというふうに思います。

質疑応答

【記者】もともと前政権では,TPPに関しては前向きな意向を表明されていたかと思うんですけれども,今回,この新政権に関しては,その部分については特段言及がなかったということなんでしょうか。

【河野外務大臣】まず,交渉がすでに始まっている日本とのEPAに対する期待の表明というのがございました。特に,農業分野をはじめ,さまざま,これから経済を多角化する中で,日本との経済関係を強めていきたいという話がございました。

【記者】大臣の方からは,TPPに関しては,参加してほしいというようなことは伝えたということでよろしいでしょうか。

【河野外務大臣】TPPに関して,前政権でも,加入に向けた意思表明というのがありましたので,ぜひそれを継続し,交渉に臨んでくれるように,私からはお話を申し上げました。

【記者】TPP,具体的な項目だと思うんですけれども,それよりもう少し広い範囲で,自由貿易の推進という点では,新政権とは一致できたことはあるんでしょうか。

【河野外務大臣】自由貿易ということについても,さまざま,意見交換をさせていただきました。そういう意味で日本とのEPAに対する期待というのは非常に大きいということを感じ取りました。

【記者】コロンビア和平についてですけれども,今の政権は,前サントス政権が結んだ和平合意について,一部見直しを選挙中なんかに主張されていたかと思うんですけど,その点について何か先方から説明があって,日本側から要望を伝えたりというのはあったんでしょうか。

【河野外務大臣】先方からは,和平協定は維持するものの,一部見直しをする必要があるという説明をいただきました。日本といたしましては,この日本とコロンビアの経済関係を強くする,あるいは日本からの投資を促進する意味でも,国内の和平が定着することが極めて大切だということを申し上げ,必要な支援については日本も支援をしていく用意があることを申し上げました。

【記者】今のコロンビア和平に関してなんですけれども,具体的に日本としては地雷撤去であったりとか,元戦闘員の職業訓練だったりとかというふうに支援をされているかと思うんですけれども,それについても改めて支援を継続していくということは伝えたりされたのでしょうか。

【河野外務大臣】地雷の除去について,これまでも10億円規模の支援をしておりますし,農村開発協力などについても,日本はしっかりとやっていきたいということを申し上げました。

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