記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成30年6月20日(水曜日)8時53分 於:本省中央玄関ホール)

冒頭発言

 火曜日の閣議後の記者会見でも話題になりました韓国の「女性と共にする平和(Action with Women and Peace)」イニシアティブ及びその関連の諮問委員会につきましてぶら下がりでも韓国の真意を伺いたいということを申し上げましたが,韓国の外交部からこのイニシアティブについては,女性平和安全保障分野において,より韓国政府が積極的な貢献をするために作った枠組みであるという説明がございました。また,この件は慰安婦問題とは全く無関係であるという旨が外交部当局者から我が方に対して説明がありました。このイニシアティブについては,特定の問題提起ではなく,これを日韓合意と関連づけることは適切でないという旨を韓国外交部も対外的に説明をしているというふうに理解を致します。日韓パートナーシップ宣言20周年というこの年に日韓関係を前向きに未来志向で進めて行こうという話を康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と私も年初来してきたところでございますので,そうしたことがしっかり前向きに未来志向の関係が作れるように,我々も一所懸命努力をしたいと思いますし,韓国側もそれに向けた環境整備を是非やって頂きたいというふうに思っております。この慰安婦関係の問題につきましては,日韓合意に尽きておりますし,竹島について日本はもうこれは平和裏に解決をするということで何らそれ以外のアクションは起こしていないわけでございますから,韓国側も不必要な問題を提起することなく,両国関係が前向きに未来志向で色々と発展させることが出来るように両国の外交当局間でしっかり努力をしてまいりたいと思います。

質疑応答

【記者】大臣は韓国側の説明について納得されたということなのでしょうか。

【河野外務大臣】韓国側がそういう説明をされておりますから,韓国側にはしっかりとその旨やって頂きたいというふうに思っております。

【記者】委員のメンバーには長年慰安婦問題に携わってきた市民団体の代表であるとか有識者も入っているんですけれども,それでも無関係だというふうにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】そうした方々が様々な活動をされてきたからといって,そうした方々が,全ての活動が一つのことに関連している訳ではないというふうに思っておりますし,韓国の外交部が丁寧に我が方にご説明を頂きましたので,そういうことだろうと承知をしております。そういうことで我々は前向きにこの関係を進めて行きたいというふうに思います。

【記者】今,無関係という外交部の見解をご紹介頂きましたけれども,これはその女性家族省が,韓国政府全体の見解として受け止めているということでよろしいのでしょうか。

【河野外務大臣】当然に韓国政府のご説明というふうに我々は理解をしております。

【記者】もしこのイニシアティブがですね,慰安婦の問題について言及したり取り上げるようになった場合は,どういうふうにご対応されるのでしょうか。

【河野外務大臣】韓国政府から,そうではないというご説明がありましたから,今そうした仮定の質問にあたかもそのようなことが行われるようにお答えするのは不適切だと思います。

【記者】最初にその齟齬が生じてしまったのはどういったところに理由があったのですか。

【河野外務大臣】少し説明の仕方,その他色々あったと思いますが,きちんとした説明を頂きましたので,そのようなことと受け止めております。

記者会見へ戻る