記者会見
河野外務大臣臨時会見記録
(平成30年3月17日(土曜日)10時37分 於:米国・ワシントンD. C.)
冒頭発言
それから,昨日(16日)の午後,第1回になります「アメリカで沖縄の未来を考える」,略称TOFUプログラムに参加している高校生・大学生20名とお目にかかりました。ワシントン,それからおそらく今日ニューヨークにも行くんではないかと思いますが,こうした沖縄の高校生・大学生の20人が,アメリカで様々な人にお目にかかって,意見交換をして,アメリカから日本を見る,アメリカから沖縄を見る,そして,沖縄の未来を考えるというこのプログラムのねらい通りに,様々なことを考え,それを沖縄の友人と共有してもらいたい,というふうに思っております。意見交換もさせていただきましたが,やっぱり随分いろんなことを考えているんだな,というのが率直な印象です。彼らがいろんなことを考え,また,こういうことをやったらいいんじゃないか,ということは,外務省としても,少ししっかり,サポートできるところはサポートしていきたい,このプログラムをしっかり継続することによって,沖縄の若い人がいろんなことを一度外から見ながら,いろんなことを考えてくれるとうれしいな,というふうに思います。このプログラムが当初のねらい通りに,いろんな場を提供することにつながっていけば,外務省として,こんなにうれしいことはありません。私からは以上です。
質疑応答
【記者】北朝鮮が仮にIAEAの査察を受け入れる場合に日本が初期費用を負担する用意があるということは,今日伝えたのでしょうか。
【河野外務大臣】韓国側にもIAEAの査察を受け入れるということは必要だというのは共有認識です。日本として初期コストを負担する用意があるということは申し上げました。
【記者】拉致問題について南北首脳会談で取り上げるよう要請されたとのことですが,韓国サイドはどのような返答だったのでしょうか。
【河野外務大臣】会談をどういうふうにするか,というのはこれから様々な議論が続けられるということになると思いますが,拉致問題を韓国としても日本としっかり連携をしてこの問題を解決する必要があるという認識は一致をいたしました。
【記者】全体のことなんですけれども,南北,ないしは米朝と流れが続いていく中で,韓国サイドから日本にどのような協力を求めるかという点については言及あったのでしょうか。
【河野外務大臣】一つは北朝鮮が言っている非核化というのを現実に移していくためにはやはりしっかりと圧力をかけ続けていかなければいけない,それから北朝鮮が非核化に向けて行動を段階的に取るだろうと思いますが,それに対してどういうふうに応えていくかというのを日米韓三カ国で連携をして,齟齬のないように三カ国しっかりやっていきたいということでございます。それは昨日(16日)のアメリカ側の認識とも一致をしておりますので,この対応について,日米韓が同じ方向を向いて同じような考え方を広く共有出来ていると思っております。
【記者】とりわけ日本にこういう役割を果たして欲しいとか,そういったスペシャルなものはあったのでしょうか。
【河野外務大臣】ここは日米韓が連携をして,いずれ具体的な役割分担という話が将来的に出てくるかもしれませんが,今は方向性としてCVIDそれからICBMだけでなく短距離・中距離のレンジのミサイルの廃棄といったものをきっちりと実現させる必要があるということで三カ国で緊密にやりとりをしていこうと,そういうことでございます。
【記者】IAEAの査察の初期費用の話なんですけれども,アメリカ側との一連の会談の中でお考えを表明されたのでしょうか。
【河野外務大臣】IAEAに先般訪問して,天野事務局長と様々な意見交換をした話は,昨日のアメリカ側とも話をしました。その際に,IAEAの査察に必要な初期コストについて,日本が負担する用意があるということはアメリカにも申し上げています。
【記者】未来志向の二国間関係というふうに言われてましたけれども,慰安婦問題に関する日韓合意について何かやりとりはあったのでしょうか。
【河野外務大臣】今回は北朝鮮の問題にほぼ時間を費やしましたので,そうした個別の案件に入る時間はありませんでした。
【記者】大臣の方から合意の履行について求めたりすることはなかったのでしょうか。
【河野外務大臣】今回は二国間の具体的な話をする時間はありませんでした。
【記者】話題は変わるのですが,最近の報道各社の世論調査で,内閣の支持率が急落しています。支持率と不支持率が逆転するような調査もありますけれども,この支持率の下落の原因というのはどこにあるとお考えでしょうか。
【河野外務大臣】今週末,様々な報道機関が世論調査をやられるというふうに聞いておりますので,その数字を見たいと思いますが,やはり今回の森友の問題というのが支持率に関わっているというのは否定はできないと思います。政府としてしっかり説明すべきものを説明をしていく必要があるというふうに思いますし,また,それぞれ閣僚が自分の担当しているところを一生懸命やるというのが大事だろうと思います。外務大臣として,この北朝鮮問題をはじめ自分がやらなければいけないところをしっかりと全力で当たっていきたいというふうに思います。
【記者】国会答弁の信頼性等,立法府の信頼が揺らいでいるという指摘もありますが,国会議員のお一人として今回の事態をどのようにご覧になっていますでしょうか。
【河野外務大臣】立法府の信頼?
【記者】国会や答弁の信頼性です。
【河野外務大臣】そこは国権の最高機関でありますから,国会での質疑というのはやはり真摯にやっていく必要があるというふうに思います。