記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成30年1月19日(金曜日)10時35分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

ル・ドリアン・フランス欧州・外務大臣の訪日

【河野外務大臣】フランスのル・ドリアン外務大臣が1月26日から29日まで,外務省の賓客として来日されます。
 滞在中に小野寺防衛大臣,先方のパルリ軍事大臣と共に,第4回の日仏「2+2」を行います。また,ル・ドリアン大臣と私(大臣)との間で,7回目となります日仏外相戦略対話を行います。
 日仏友好160周年ということになりますので,両国の「特別なパートナーシップ」を強化をしてまいりたいと思いますし,また,フランスで「ジャポニズム2018」というのも開催されますので,日仏の戦略的な,あるいは文化的な関係を深めていきたいと思っております。

トランプ政権発足一年

【記者】明日で,アメリカでトランプ政権が発足してから1年となりますが,この1年の受け止めとですね,トランプ政権,国内外を問わず批判の声もありますが,そういったアメリカと今後どのように向き合っていくか教えてください。

【河野外務大臣】トランプ大統領,安倍首相の間で頻繁に首脳会談,電話会談が行われ,日米同盟はこれまでになく強固になってきていると思います。
北朝鮮危機の中で日本としては,すべてのオプションがテーブルにあるというアメリカの方針を引き続き支持してまいりたいと思いますし,先般のバンクーバーの会合でも朝鮮半島の核保有は認めないということ,圧力を最大限にして北朝鮮が非核化の道を歩むように,国際社会でしていくべきだという極めて強いメッセージを国際社会で出すことができましたので,引き続き日米,連携をしてそれをしっかり後押しをしていきたいと思っています。

日本漁船のロシアへの連行事案

【記者】昨日,北海道の根室沖で日本の漁船がロシアに連行されたということだそうなんですが,今までに分かっていることと日本政府としての対応を教えてください。

【河野外務大臣】操業日誌の不実記載の疑いがあるということで,今調査が行われていると認識をしております。引き続き事実関係を調査し,しかるべく対応をしていきたいと思っております。

北朝鮮外務報道官の発言

【記者】北朝鮮についてなんですけれども,総理が大臣の外遊先で圧力の強化を求めていることに対して,執拗に執着しているというような批判の言葉がありましたが,北朝鮮の外務省報道官がそのように述べたと向こうのメディアが言っているのですが,そういった発言をどのように受け止めていらっしゃいますか。

【河野外務大臣】国際社会が一致して北朝鮮に対して圧力を最大限にしていこうということが,極めて強いメッセージとして出ましたので,北朝鮮がそれに反応しているのだろうと思います。

南北実務者協議の開催

【記者】南北対話についてなんですけれども,この間,オリンピックへの参加をめぐって実務的な協議が行われて,種目によっては合同のチームを作ったりですね,そういった議論が結構速いスピードで進んでいるんじゃないかと思われるのですが,そうした南北対話の現状について,大臣どういうふうに受け止めていらっしゃいますか。

【河野外務大臣】この南北の対話,オリンピックに限る話ですから,その場面については2月の前半にもう開会しますから,どういうふうに参加するのかというのはかなり早く決めないと,実際にできないのだろうと思います。

【記者】関連して,文在寅政権がですね,そうした対話の中で宥和的になるんじゃないかという懸念もですね,出ているんじゃないかと思うのですが,そういった懸念についてどう受け止めていらっしゃいますか。

【河野外務大臣】バンクーバーの会合に韓国も来ておりましたが,圧力を最大限にかけていくということと,北朝鮮の制裁逃れが巧妙になっている,これをやはり日米韓が中心となって,制裁をしっかりやってもらえるような技術支援というようなこともやっていかなければいけないということで,日米韓外相会談その他でも確認をいたしましたので,そこはしっかりやっていきたいと思っています。

拉致問題

【記者】北朝鮮の話に戻るのですが,その批判の中で,拉致問題について既に解決されている問題だという指摘もしているようなんですが,それについてどうお考えですか。

【河野外務大臣】我々の立場は,北朝鮮とのストックホルム合意の立場を維持しておりますので,最終的に核とミサイル,そして拉致問題を解決するということを我々はしっかり目指していきたいと思っております。

安倍総理の平昌オリンピック開会式参加

【記者】平昌オリンピックに関連してなんですが,康(カン)外相から直接,安倍総理にですね,平昌オリンピックに合わせた訪韓についての要請があったということですけれども,大臣自身ですね,安倍総理の平昌オリンピック開会式のご出席についてのお考えというのはどうですか。

【河野外務大臣】国会日程,その他考慮して,総理の方で決められると思います。

トランプ政権発足一年

【記者】トランプ政権,1年に関連してなんですけれども,北朝鮮をめぐる安全保障の面ではすごくいい関係だと思うのですけれども,例えばTPPですとか,パリ協定ですとか,日本と深く関連する分野でかなり齟齬が生じていると思うんですけれども,不安定要因については,大臣,どのようにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】TPP,アメリカが離脱してしまったのは非常に残念ですが,アジア・太平洋の中で質の高い貿易に関するルール作りというのを日米でやっていこうということで,ライトハイザー通商代表とも話をしております。日米として,様々貿易面でもやれることはあると思いますし,先般のフランスの気候変動サミット,アメリカは州レベル,あるいは企業レベル,様々参加をしておりますので,ここはそれなりにアメリカの中でこのパリ協定にコミットしている部分というのはあるのだろうと思っております。

中国軍潜水艦の尖閣諸島接続水域航行

【記者】中国の潜水艦が,最近,1回ですけれど,尖閣諸島周辺接続水域を潜没して航行する動きがありましたけれど,それについての受け止めと,中国の狙いを大臣としてはどう分析しておられるのですか。

【河野外務大臣】中国の狙いについては,述べることは差し控えたいと思いますが,こうしたことが繰り返さないように,しっかり申入れをしていきたいと思います。

北朝鮮に関する関係国外相会合

【記者】カナダについてなんですけれども,マティス長官が北朝鮮対応について,戦争の計画があると,こういう発言をしたということですが,こういった発言はどのように分析されていらっしゃるのでしょうか。

【河野外務大臣】外には出さないという,夕食会での何があったかということは差し控えます。

日米原子力協定

【記者】日米原子力協定なんですけれども,この前の出演されたBSの番組でもおっしゃってましたが,今後通告すれば止められるという不安定な状態だという指摘もされていました。あとプルトニウムの利用計画については,国際社会にしっかり説明できるような状況を作る義務があるというふうにおっしゃっていましたが,具体的にそれについて,今後どういうふうに取り組まれるかお聞かせいただけますか。

【河野外務大臣】政府内でしっかり連携していきたいと思います。

【記者】枠組みをちょっといじるという格好になるのでしょうか。自動延長の枠組みを・・・。

【河野外務大臣】まだ何も決まっていません。

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