記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成29年12月10日(日曜日)19時35分 於:アラブ首長国連邦・アブダビ)

冒頭発言

【河野外務大臣】UAEは,外務大臣就任以来,初めての訪問になります。ムハンマド・アブダビ皇太子及びアブダッラー外相とそれぞれ会談をいたしまして,かなり,率直に意見交換をすることができました。両方とも予定時間をかなりオーバーしましたが,二国間の関係をさらに強化していくということでは,お二人とは一致をいたしました。
 来年三月に,海上油田権益について期限が来ますが,これについての協力の要請をいたしました。先方から,日本との関係を重視しているという発言がございました。外務大臣との間では,教育に関する協力に対する強い期待の表明がありました。これは,UAEから日本に来る,あるいは,日本からUAEに来る,双方向のことを考えていこう,ということになりました。さらに,お二人からは,防衛協力は両国の重層的な関係の厚みを増やしていく,その契機になるという,期待感の表明がありまして,一層の関係の強化の重要性というところで認識は一致をいたしました。
 地域情勢として,北朝鮮の話,中国の話,それから,エルサレム,カタール,イラン,イエメン,こういった,それぞれの地域情勢について,かなり長い間,意見交換をいたしました。昨日,マナーマでも申し上げました,河野4箇条のもとでの中東の安定化に向けた積極的役割を日本が果たしていく,ということを申し上げると同時に,自由で開かれたインド太平洋について,重要性の説明をいたしまして,お二人からは歓迎の意思表示がありました。UAEは非常に多様性に富んだ,また,寛容な国柄でありますし,政治的な安定性,経済力,それから非常に旺盛なインフラ需要に鑑みると,我が国に有力なパートナーとして,今後もUAEと緊密な連携をとっていきたいと思います。これは二国間だけじゃなく,日本とUAEでグローバルに様々なことをやっていこう,ということになりましたので,様々,これからグローバルな課題に両国であたっていきたい,というふうに思っています。

質疑応答

【記者】会談の中身についてなんですけれども,海上権益の延長に関して協力を要請というのは,引き続き,日本企業として,ということでしょうか。

【河野外務大臣】引き続き,日本企業としてやらせていただきたい,ということと,それに対して,先方から,歴史的にも日本と良い関係にあった,ということは十分考慮するし,歓迎していくという話がありました。これから,来年にかけて,いろんなことが起こるんだろうと思います。

【記者昨日もですね,現下の中東情勢については,バーレーンとも意見を交わされました。ぶら下がりででもですね,現実的な考え方をしている部分があったとおっしゃっていましたけれども,今日も同じような意見交換をされたかと思いますが,今日はどういった受け止め方を先方(UAE)はされていたでしょうか。

【河野外務大臣】比較的,冷静な受け止め,と同時に,やはり,この中東の,特にこのパレスチナに関する和平について,アメリカの関与というのが必要だ,という認識は共有をしていると思います。日本としても,中東のパレスチナ・イスラエル双方との関係,あるいは,ヨルダンをはじめ周辺諸国と非常に良好な関係がある,また,アメリカときっちり同盟国として話ができる,という日本の立場をよくご理解をいただいているような気がいたします。

【記者】今回,この中東,サウジアラビアはちょっとあれでしたけれども,二カ国回りました。
 まさに現下の中東情勢を踏まえ,日本としてコミットメントしていく上でですね,今後,それこそイスラエル,パレスチナですとか,イランですとか,そういった国々も直接訪問されてですね,対話を重ねていくというお考えはございますでしょうか。

【河野外務大臣】今後,どこへ行くかというのはまだ決まってはおりませんけれども,やはり,中東とは重層的な関係をつくっていく必要があると思います。総理も中東,これまで様々いらっしゃいましたし,外務大臣のレベルでも,外務大臣,あるいは様々な関係者との人間関係をつくっていくことの重要性というのもありますし,日本企業がやはり中東の様々なプロジェクトに積極的にコミットしていくということも十分必要なことだと思っておりますので,日本と中東の関係をさらに強化する,という意味で,たびたび中東には足を運んでいきたいというふうに思っております。

【記者】エルサレム問題についてお伺いします。大臣,トランプ大統領の声明の中で,双方が望めば,二国家解決を支持する,といった部分を評価できるというふうにこれまで発言されてこられましたが,一方的な首都の認定というのは,二国家解決に向けた当事者間の努力を台無しにするものだという指摘もあります。声明の中での論理矛盾について,大臣は如何にお考えですか。

【河野外務大臣】トランプ大統領は,かなり気をつけて声明を書いたんだろう,というふうに思います。エルサレムをどういうふうに,イスラエルとパレスチナが首都として分けるのか,そこについてはまったく触れておりません。そこは当事者同士の話し合いで決めることであって,最終的にイスラエルのポジションについて,アメリカはとやかく言ってはいない,ということですから,非常に気をつけて書いたんだろうというふうに思っております。ただ,今,ここで,ああいうアメリカの声明があったことによって,中東の情勢が,ガザをはじめ,悪化しているという現実はありますから,これをエスカレートさせないように,我々としても気をつけていかなければいけませんし,対応できるところは,様々な中東各国と連携しながら対応していく必要があるというふうに思っています。

【記者】別の質問になるんですけれども,国連のフェルトマン事務次長さんがですね,北朝鮮リ・ヨンホ外相と会談をして,朝鮮半島の衝突リスクを減らすために,対話のルートを開くことが早急に必要である,という認識を示したということなんですが,このフェルトマンさんの北朝鮮側に伝えた意向については大臣はどのようにお考えですか。

【河野外務大臣】国連の事務局から北朝鮮に対して,様々,意向を伝えてきたというふうに思います。それに対して北朝鮮側からどのような返事があったかというのは,我々としても国連事務局からきっちり情報をとっていきたいというふうに思っておりますが,北朝鮮がこういう形で対話を求めてきたというのは制裁が少しずつ効果を発揮しているんだろうと思います。我々は北朝鮮がきちんと政策を変更する,ということを明確にした上で,対話に臨んでくるならば,しっかり国際社会として対話をしなければいけない,というふうに思っておりますが,かつてのような,対話のための対話を繰り返す,ということはすべきではない,というふうに思っております。

【記者】カタール断交についてなんですけれども,今年6月に断交してもう半年経ってなかなか事態が改善しない状況が続いているんですけれども,これについては具体的にどのような意見交換をされたのでしょうか。

【河野外務大臣】かなり詳しく,いろんな話をお聞きをいたしましたし,それぞれの見方が,UAE,バーレーンそれぞれの見方があるんだろうなというふうに思っております。どういう中身かは,先方が信頼して話をしてくれたことですから,外に向かって話をするわけにはいきませんけども,かなり突っ込んだ情報交換をすることができた,というのは非常に有益だったと思います。カタールとは日本もガスをはじめ,様々,つながりがありますし,日本とカタールは非常に友好的な関係にもありますので,カタールの断交問題が長引くというのは,日本にとっても良いことではありません。日本としてできることがあれば,しっかりこの問題に関与して,なるべく早く,問題が地域の話し合いで解決されるように,望んでおります。

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