記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成29年9月8日(金曜日)10時49分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

中東5か国訪問

【河野外務大臣】本日から9月13日まで,カタール,ヨルダン,クウェート,サウジアラビア及びエジプトを訪問いたします。
 エジプトで,一番最初の「日本とアラブの政治対話」を開催することになりました。アラブ連盟の事務総長と議長国であるアルジェリアの外務大臣と一緒に共同議長を務めます。
 その前に,カタール,ヨルダン,クウェート,サウジアラビアを訪問いたしますが,政治対話で来てくださる外務大臣に対しても,同じように申し上げようと思っておりますけれども,中東には北朝鮮との関係が深い国もありますし,北朝鮮からの労働者を数多く受け入れている国もありますので,現下の情勢に鑑み,日本の立場を申し上げ,こうした北朝鮮の労働者から北朝鮮に外貨が送金されているという実態に関して,少し対応をお願いをしてまいりたいと思っております。その他中東情勢について,意見交換もしっかりやってまいりたいと思っております。

日露首脳会談

【記者】昨日の日露の会談についてお伺いいたします。首脳同士の会談の中ではですね,北朝鮮への対応について,国連の場では緊密に協力していこうということでは一致をしましたけれども,安保理での厳しい制裁などについて,プーチン大統領との間での温度差は相変わらずあり,一致していない部分が多いですが,国際的な包囲網を作っていく上でロシアの協力というのは不可欠になると思います。今後,日本政府としてどういった対応をお考えでいらっしゃいますか。

【河野外務大臣】朝鮮半島の非核化がゴールであるということは,両国一致をしておりますし,国連の場などで連携をしていこうという合意もできております。もちろん安保理の決議に関して言えば,それぞれの国がいろいろ事情は抱えていると思いますが,最終的には国際社会として,北朝鮮に強いメッセージをやはり送らなければいけないというところは,そう違いがあるとは思いませんので,今,国連で安保理の決議の採択に向けて調整が行なわれておりますので,しっかりやってまいりたいと思います。

非核三原則

【記者】北朝鮮で核実験を行うなど,脅威のレベルが格段に上がった中ではありますけれども,自民党の石破元幹事長がですね,核兵器の国内持込みについての議論の必要性について唱えています。持つ,作るということはなくても,持ち込むということについては議論をしていかなければ抑止力にならないのではないかといったお考えですけれども,大臣はこれについてどう考えていらっしゃいますか。

【河野外務大臣】この危機の当初から,アメリカは拡大抑止を含む抑止力を日本に提供をする,トランプ大統領,ティラソン長官,マティス長官,あるいはマクマスター大統領補佐官,あらゆる段階で日米は100%ともにあるという発言を繰り返してコミットをしてくださっておりますので,現時点で拡大抑止を含むアメリカの抑止力は,極めて有効に働いていると思います。
 政府は非核三原則の見直しをこれまでしたことはございませんし,これからも見直しの議論をする予定はありません。

共同経済活動

【記者】昨日の日露首脳会談の関係で,共同経済活動について5項目で事業一致したわけですけれども,ロシアのトルトネフ副首相が2か月は待つけれども進展がなければ,経済特区で第三国の投資の参入を受け入れるという発言をしたんですけれども,その発言についての受け止めと,日本としては今後経済活動をどのように進めて,平和条約交渉進展にどうつなげるかについてお考えをお願いします。

【河野外務大臣】その発言は,私(大臣)は承知をしておりません。9月の終わりから10月にかけて調査団を派遣をしようと,これは日露で合意をしております。それに併せて様々な法的措置,法的な枠組みに関してもワーキンググループを立ち上げて,検討しようということになっておりますし,11月,あるいは12月になるかもしれませんが,日露の政府間委員会を開催をしようということも安倍・プーチン間で合意をされておりますので,きちんとこの5項目に関しては前に進んでいくものと,というのが日露共通の認識だと思います。

田原総一朗氏の発言

【記者】田原総一朗さんがですね,総理に六者協議再開のための訪朝を提案したということですが,それについて大臣,何か・・・。

【河野外務大臣】特に,総理からは何もありません。

北朝鮮の建国記念日

【記者】明日,北朝鮮が建国記念日を迎えますけれども,新たな挑発の可能性をどう考えるのかと,次なる挑発行為がもしあった際の国際社会との対応について,どのようにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】挑発というのは,この状況ではいつでもあり得ると思っておりますので,外務省,防衛省以下,政府連携して緊密に態勢は整えております。もう一度挑発があった場合には,国際社会としてやはり更なる圧力の強化,更に強いメッセージを北朝鮮に対して出す必要があると思います。

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