記者会見
河野外務大臣臨時会見記録
(平成29年8月29日(火曜日)8時00分 於:本省大臣接見室前)
冒頭発言
【河野外務大臣】北朝鮮のミサイルの発射を受けて,7時45分から外務省の第一回目の緊急対策本部を開催しました。北京の大使館ルートを通じて,北朝鮮には最も強い形で抗議を申し入れると同時に,ニューヨークでは米国,韓国と連携をして,安保理議長国であるエジプトに対して,安保理の緊急会合を直ちに開催するよう,申し入れの連携を今とっているところです。様々な情報を集めながら,しっかりと北朝鮮に対して圧力をかけ続けるように努めて参りたいと思っております。私からは以上です。
質疑応答
【記者】久々の日本上空を越えるミサイル発射となりました。まず,その受け止めを伺えますか。
【河野外務大臣】相当我が国に対する危機というのが強くなってきていると思います。米国は様々なオプション,全てのオプションをテーブルの上にのせるとトランプ大統領の指示を言葉と口頭で表しておりますので,それを高く評価したいと思います。
【記者】NSCではどういった指示があったんでしょうか。
【河野外務大臣】NSCについては官房長官から話があると思います。
【記者】一点確認なんですが,米韓と連携して安保理の緊急会合,既にこれは申し入れたんでしょうか。
【河野外務大臣】これは申し入れをします。正式には手続き等色々あると思いますが少なくともその準備については始まっています。
【記者】今後,米国や韓国や中国と電話会談なり,どのように連携していくんでしょうか。
【河野外務大臣】電話会談については,もう既に申し入れをしておりますので,時間の調整を,今,しているところです。
【記者】申し入れている対象はどこでしょうか。
【河野外務大臣】それは控えたいと思います。
【記者】ミサイルの飛翔の場所が日本を越えたんですが,グアムには届いていないということで,このあたりのところをどう見ておられますでしょうか。
【河野外務大臣】東に向けて打とうが,南に向けて打とうが,我が国の上空を,しかも事前の通報もなく,通報があればよいというものではありませんが,航空機或いは船舶にかなり重大な危険もあったわけですので,これについては,今まで以上の圧力をかけていく必要があると思っています。
【記者】何の通告もなくミサイルを打つと先ほど仰いましたが,今回,被害はでていないものの,前も同様の事態がありまして,航空機,危ない局面もあったというようなこともあったのですが,今回そういった一歩間違えれば,というような事態は把握されているものはありますか。
【河野外務大臣】今のところ,危機に直面したという情報はまだ入っていませんが,これは通報があったからいいというものではありませんが,少なくとも通報もなくこうしたことが行われるというのは,本当に人命に関わる事態が起きる可能性があるので,これに関しては安保理でも今まで以上に強い姿勢を見せていく必要があると考えます。
【記者】グアム周辺じゃなくて北海道周辺に打ってきた,この北朝鮮の狙いというのはどのようにご覧になっていますか。
【河野外務大臣】北朝鮮が何を考えているかを申し上げるのは控えたいと思いますが,少なくとも,南に向けて打てば今までそれなりの挑発をし,米国がそれに対して対応をとっていたということを考えれば,北朝鮮が少しそれに対して怯んだ,ということではあるんだろうと思います。ただ,我が国にとってみれば,東へ向けて打つのも,南に向けて打つのも同じことですので,そこについては区別せずしっかり対応していきたいと思います。