記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(平成29年8月6日(日曜日)20時01分 於:フィリピン・マニラ・PICC内)

質疑応答

【記者】外務大臣となって初めて外遊となった訳ですが,手応えとご所感をお願いします。

【河野外務大臣】何せ,3日に陛下から辞令を請け賜って,今日で3日ですか,手応えというよりは,頑張っているなという感じですね。今日のASEANとの外相会談の冒頭でブルネイのリム・ジョクセン外務大臣が安倍晋太郎さんと河野洋平,二人の日本の外務大臣の名前を出されて日本とASEAN,古くから色々と一緒にやってきたという話をされて,和んだところはありましたし,ASEANとメコンと二つ,外相会談を終えて,投球練習が終わったかなといった感じです。

【記者】南シナ海関係で中国とASEANの会議の場で行動規範(COC)について正式な承認が得られたとのことですが,このCOCをめぐって,法的拘束力がないとの指摘がありますけど,大臣としてどう評価をされるか,それを踏まえて今回の一連の会議でどういった働きかけをされていくかについてお願いします。

【河野外務大臣】COC,今議論されているのはまだ目次のようなものだと聞いておりますので,きちんと法的な拘束力のある中身をですね,なるべく早く詰めていただきたいと思いますし,その前提が東シナ海,現場での非軍事化というのが前提となると思いますので,そうしたことをしっかりと訴えて参りたいと思います。ASEANとの外相会談の中でも南シナ海の問題について触れさせていただきましたが,日本の主張をかなりバックアップしてくれる国もありましたので,そこは引き続き働きかけをして参りたいと思います。

【記者】北朝鮮問題ですが,日本時間の今朝,安保理でですね,新たな決議が採択されました。今回の決議の評価と実効性を担保するためにどういった主張をしてきたのでしょうか。

【河野外務大臣】前回の決議と比べるとかなり早く決議を採択できたと思っております。日米,かなり緊密に連携を出来た成果だと思っております。これがきちんと実行されれば,おそらく北朝鮮のミサイルの開発に流れていたお金を相当止めることが出来ると思いますので,これだけの決議案を全て賛成をして採択した訳ですから,各々の国が完全に実行するということが大事だと思います。決議はしたけども尻抜けになったということが無いようにきちんと実行をみんなでしていこうということを確認をして参りたいと思います。

【記者】投球練習が終わったとおっしゃいましたが,明日以降に向けて大臣として一番,この舞台で訴えたいことを改めてお願いします。

【河野外務大臣】ASEANの外相会談の中で,日本がこれまでASEANといろんなことをさせていただきましたが,支援ですとか,人材育成ですとか,そういったことを非常に高く評価していただいているなという実感があります。明日以降,日本とASEANの関係をさらに強めていくということが,一つ。それからもう一つが,この地域をめぐる安全保障の環境が今,大きく変わろうとしていますので,それについてですね,やはり,議長声明その他,しっかりとした発信をしていただくというのが大事だと思っておりますので,そこはしっかりと訴えていきたいと思っております。あと,それぞれ,ASEANの外務大臣,非常に暖かく迎えてくれましたので,今後こうした各外務大臣のみなさんと個人的な信頼関係をきちんと作った上で,様々な仕事をですね,日本とASEANと向き合ってやることもあると思いますし,ASEAN各国と日本が肩を並べてやらなきゃいけない,気候変動の話もありましたし,グリーンメコンの話もありましたけど,日本とASEANと肩を並べて色んなことやるのに信頼関係をきちんと作っていきたいと思います。

【記者】ブルネイとの懇談の中でお父様の話題が出たそうですけれども,いろんな方とお話する中で,お父様の存在を感じたりとか,自分のカラーを出していこうというのはどんなことを考えたでしょうか。

【河野外務大臣】ブルネイのリム・ジョクセンさんは,かつて外務次官だった時に,私の親父が外務大臣で,随分色々と個人的にもお世話になったようでございます。親父がブルネイに行ったときも大分お世話になったようですので,そんな話も出ましたし,そういう意味では,ご先祖様と言うと生きているから親父に怒られてしまうと思いますけど,そういうところは本当にありがたく感謝しながら使えるアセットとしてですね,使わせていただきたいと思っております。まず,今の段階では,河野太郎色を出す前に,まず,きちんと一人前に走れるというところを目指して,きちんと自分の足で立っていろいろとやれるというところから,まずそこを目指してその後,いろんなことを考えていかないといけないのかなと思っております。何せ3日に就任をして,まだ,3日しかたってませんから,まだ自分の色を出すというよりはきちんとやるべきことがやれるようになるというのが,今の時期の問題だと思います。

【記者】北朝鮮の外相,リ・ヨンホさんがいらっしゃっておりますけど,今日何か言葉を交わす瞬間はあったのでしょうか。

【河野外務大臣】ありません。特に予定もありません。

【記者】この後,明日明後日もないですか。

【河野外務大臣】予定はありません。

【記者】日ASEANについて,先ほど,予定どおり,技術協力協定が交渉開始で合意できたということですか。

【河野外務大臣】テクニカルなところは交渉開始で合意をいたしましたし,ビジョン・ステートメントの実施計画の改定もきちんと決まりました。その中には紛争解決について一般的な話ですが,法の解決の貫徹ということも入っておりますので,日本とASEAN,やるべきことはきちんとやれたかなと思います。

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