記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年4月7日(金曜日)8時40分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
(1)G7外相会合
【岸田外務大臣】国会の事情が許せば,9日から12日まで,イタリアのルッカを訪問し,G7外相会合に出席をいたします。
今回の会合では,テロ・暴力的過激主義や北朝鮮といった国際社会が直面する喫緊の課題や地域情勢につき,忌憚のない意見交換を行い,国際秩序の牽引役としてのG7の連携を確認したいと思います。
前議長,かつ,G7諸国の中で最古参の外相として,積極的に議論に参加し,G7ルッカ外相会合の成功に貢献したいと考えています。
また,この機会に米国,EU,イタリア,ドイツ等の外相との間で二国間会談を行う予定です。
(2)ジャパン・ハウス サンパウロ開館
【岸田外務大臣】海外の新たな対外発信拠点,ジャパン・ハウスの第1号の開館式を,サンパウロにて,日ブラジルの要人の参加を得て4月30日に行います。この施設を活用し,しっかりと日本を発信していきたいと考えています。
米中首脳会談
【記者】米中の首脳会談が始まりました。北朝鮮に対してどのように臨むかという点が注目されると思いますが,改めて日本として,具体的にどのような点に注目するか,どのような対応が必要だとお考えになっていますでしょうか。
【岸田外務大臣】基本的に,第三国間のやり取りについてコメントするのは控えますが,米中が北朝鮮問題を始め,それぞれの関心事について率直に,そして建設的な意見交換をするということ,このことは国際社会の平和や安定にも有意義なものであると受け止めています。そういった点から会談の行方は関心を持って注視をしていきたい,このように考えます。
【記者】北朝鮮に対して踏み込んだ対応が必要だと思われますが,その点についてはどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】米国との間においては,北朝鮮問題,様々なレベルで意見交換を行ってきました。その中で中国の役割が重要だという米国の考え方も聞いております。その中で米中間でどんなやり取りが行われるのか,注目をしていきたいと思っています。
日韓関係
【記者】日韓関係ですけれども,長嶺大使が帰任されましたが,まだ黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行との面会,実現していません。韓国当局からは消極的な姿勢が伝えられていますけれども,この現状についてどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,いろんな報道があることは承知していますが,長嶺大使の大統領権限代行への表敬については調整中であります。色々なことが言われていますが,かつて長嶺大使は朴槿恵(パク・クネ)大統領にも表敬をしておりますので,そういったことも踏まえて,引き続き調整を行っていきたい,このように思います。
【記者】これは,面会は実現するということなんでしょうか。
【岸田外務大臣】実現するべく,調整を今行っております。両国の間で調整を行っているという最中であります。
北朝鮮に対する制裁措置の延長
【記者】北朝鮮への独自制裁が2年間延長という関連法案が閣議で決定されましたが,その状況と意義についてお聞きします。
【岸田外務大臣】我が国の北朝鮮措置に関しては,本日の閣議において,4月13日に期限が到来する,全ての北朝鮮籍船舶,北朝鮮に寄港した全ての船舶及び国連安保理の決議等に基づき,制裁措置の対象とされた船舶の入港禁止措置,及び北朝鮮との間の輸出入禁止措置,これらを2年間延長すること,これを決定いたしました。
政府としては,これらの措置の実施を徹底するとともに,「対話と圧力」,「行動対行動」の原則の下に,拉致,核,ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて全力を尽くしていきたいと考えます。