記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成29年4月4日(火曜日)8時49分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
サンクトペテルブルク市内地下鉄における爆発事件
【岸田外務大臣】4月3日,ロシアのサンクトペテルブルク市内の地下鉄において,爆発事件が発生しました。亡くなられた方々及びその御遺族の方々に,心から哀悼の意を表させていただきます。また,負傷された方々にも心からお見舞いを申し上げるとともに,一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
爆発の原因については,ロシアの当局が調査中と承知しておりますが,このような卑劣な行為はいかなる理由においても許されず,断固として非難をいたします。
現時点までに邦人の被害は確認されておりません。外務省に連絡室を,在サンクトペテルブルク総領事館に現地対策本部を立ち上げており,引き続き,情報収集を進めるとともに,邦人の保護に全力をあげて取り組んでいるところであります。
日韓関係
【記者】日韓合意の見直しを求めている「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏が,韓国の大統領選で公認候補に選出されました。これについての受け止めとですね,また,次期政権に対してですね,日韓合意の履行,どのように対応を求めていくかをお願いします。
【岸田外務大臣】ご指摘の点については,他国の内政,そして選挙のことですので,私(大臣)の立場から直接コメントするのは控えたいと思いますが,いずれにせよ韓国は,我が国にとって戦略的利益を共有する最も大切な隣国であります。日韓関係の安定は,地域の平和と安定にも不可欠であると認識をしています。
是非,韓国の現政権とも,またこれから誕生する新政権とも,両国の関係を安定させていかなければならないと思っています。日韓合意の着実な実施とともに,様々な分野において日韓の協力を進めていきたいと考えます。
【記者】本日午後,長嶺大使が韓国に帰任しますが,改めてどのような成果を期待されるかお願いします。
【岸田外務大臣】長嶺大使,本日,帰任させることとしました。これについては昨日来申し上げておりますが,韓国におきまして5月9日に大統領選挙が行われる予定になっています。韓国が政権移行期にある中にあって,情報収集を行い,次期政権誕生に十分備えていかなければならないこと,さらには北朝鮮問題等において,日韓のハイレベルにおける緊密な情報交換,連携が重要であるということ,そして日韓合意については,今現在,結果は出ていないわけですので,長嶺大使から直接,黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行に合意の履行を強く働きかけ,次期政権にしっかり継承してもらう必要がある,こういったこと等を総合的に勘案した結果であります。
いずれにせよ日韓合意については,韓国政府に対して粘り強く履行を働きかけていく我が国の方針は全く変わりはありません。是非,帰任させる長嶺大使から直接働きかけを行わせたいと考えています。