記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成29年2月28日(火曜日)8時43分 於:官邸エントランスホール)

日米韓六者会合首席代表者会合

【記者】アメリカで行われた日米韓の高官協議に関してですけれども,北の挑発行為への対応,あるいは金正男氏の殺害事件についても意見交換されると見られていましたけれども,どういった内容だったのか,及び大臣の評価をお願いいたします。

【岸田外務大臣】2月27日,現地時間ですが,ワシントンDCにおきまして日米韓の六者会合首席代表による会合,開催されました。そして共同声明を発出いたしました。
 これは先般行われました日米韓の外相会合の結果を踏まえて,参加国の協力のあり方について議論を行いました。最近の北朝鮮情勢に関する意見交換を行うとともに,日米韓が連携しながら北朝鮮の挑発行動を自制させる,更には安保理決議等を遵守させる,こうしたことをしっかり強く求めていく,こういった点で一致をいたしました。併せて拉致問題についても,改めて米国,韓国から理解と支持を得た,こういった内容でありました。

【記者】大臣の評価としてはいかがですか。

【岸田外務大臣】北朝鮮の挑発行動,昨年から新たな段階に入ったと受け止めています。日米韓の協力の重要性はますます高まっていると思います。米国において新政権が発足した直後,先般,日米韓外相会合を行いましたが,是非,米国新政権との間においても3か国の協力の重要性をしっかり確認しながら,北朝鮮の行動に対してしっかり対応していかなければならない,その意味で六者会合首席代表間の3か国の連携,議論,これは重要であると認識をしています。意義ある会合であったと考えます。

北朝鮮関連

【記者】金正男氏の殺害事件に関して,韓国の情報機関がですね,国家テロだという見方を示していますが,この事件に対する日本政府の見方と,あとはアメリカではですね,テロ支援国家再指定の声も出始めているんですけれども,こうした動きに対する政府の対応をお願いします。

【岸田外務大臣】まず,ご指摘の事件については,今,マレーシア警察によって捜査が続けられている最中であると承知をしておりますので,今の段階で具体的に申し上げるのは控えます。
 ただ,VXの使用が指摘をされています。VX,これは化学兵器禁止条約上,生産・使用等が禁止された化学兵器であり,本件については重大な関心を持って情報収集・分析に努めているところです。引き続き,情報収集・分析を行い,今後の対応についても不断の検討を行い,そしていかなる事態にも対応できるように万全を期したいと思います。
 そして米国におけるテロ国家再指定の話ですが,これも米国国内の動きですので,今,私(大臣)の方から何か申し上げるのは控えたいと思います。

中国の海洋調査船による海洋の科学的調査

【記者】一部報道ですが,中国が日本の排他的経済水域(EEZ)の中の海底で,過去5年間で63件の調査活動を行っていたと,日本政府が把握している事実関係と受け止めをお願いします。

【岸田外務大臣】まず,相互事前通報の枠組みに基づかない形で中国船舶の海洋の科学的調査が行われていること,このことは極めて遺憾であると考えます。我が国としては,こうした活動が確認された場合,現場海域において海上保安庁巡視船等による当該活動の中止要求,あるいは外交ルートを通じた抗議,こういったものを行っています。引き続き,毅然かつ冷静に対応していきます。
 そして,実際がどうなのか,把握しているのかということですが,これは事柄の関係上,これを明らかにすること自体が我が国の情報収集能力・体制を明らかにすることにつながりかねませんので,具体的な内容については明らかにするのは控えるべき事柄であると考えます。

元外交官の再就職

【記者】文科省の元外交官のあっせん行為があったことについてなんですが,大臣の方で調査,指示されていますけれども,現状の調査状況と新たに分かったことがありましたら…。

【岸田外務大臣】今,引き続き調査は続いています。関係者の聞き取り調査も含めて,必要な調査を今行っていると承知をしています。引き続き,調査をしっかり進めさせたいと思います。

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