記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成29年2月14日(火曜日)8時34分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

G20ボン外相会合出席

【岸田外務大臣】私(大臣)は,16日及び17日に開催されるG20外相会合に出席するため,ドイツ・ボンを訪問する予定です。
 本会合において,私(大臣)から,世界各地で保護主義,あるいは内向きの傾向が強まる中,G20として取り組むべき方向性を積極的に発信していく考えです。
 また,この機会に,イタリア,ロシアなどと外相会談を行うとともに,EUのマルムストローム欧州委員とも,意見交換を行う予定にしております。この他の外相会談については,引き続き,今調整中であります。

G20外相会合

【記者】G20の関係で,バイの方はですね,中国あるいは韓国,北朝鮮のミサイル発射ですとか,韓国は慰安婦問題もあります。中・韓との調整,及びそれに対して大臣の意気込みをお願いできますか。

【岸田外務大臣】G20の際の外相会談については,先ほど紹介させていただいた国以外の国々に関しては、かなり多くの国から外相会談の申入れを受けております。そして今現在,調整中ですので,まだ具体的には決まっていないという状況です。日程につきましては,引き続き調整を行っていきたいと思います。よって外相会談はまだ決まっておりませんので,何か申し上げるのはまだ早いと思います。

北朝鮮による弾道ミサイル発射

【記者】北朝鮮のミサイルに関してなんですけれども,先ほど国連の安保理の緊急会合が終わりまして,非難声明が採択されました。先ほどの話ですけれども,受け止めと,国際社会でアメリカは,対北でより強硬に出るという見方もありますけれども,どういった連携を図っていくのか,それから独自制裁を科していますけれども,政府内からそれを強化するということに言及する声もありますけれども,この点どうお考えなのか,併せてお願いします。

【岸田外務大臣】まず,安保理の動きですが,14日,日本時間で朝7時ですが,非公式協議が開催されました。そして12日の弾道ミサイル発射を強く非難するとともに,北朝鮮が更なる安保理決議違反を控え,決議の義務を完全に履行すべきことを再確認する,こういった内容のプレスステートメント,日本時間で8時過ぎに報告を受けましたが,発出されたと聞いております。まず,迅速にこうしたメッセージが発せられたことは,歓迎したいと思います。
 そして今後の対応についてですが,安保理における対応,これは引き続きまして,関係国の間で議論が行われていくことになると思います。まずは既に出されている安保理決議2321を始めとする累次の決議が,しっかり履行されること,そして実効性が確保されること,これに努めなければならないと思います。そしてその上で議論が行われるということだと思います。
 そして我が国独自の措置についても,まずは着実な実施が重要だと考えておりますし,そして今後については,北朝鮮の反応を見ながら何が最も効果的なのかという観点から,不断の検討を続けていかなければならないと思います。そうした方針で臨んでいきたいと考えます。

G20外相会合

【記者】G20の関係なんですけれども,おっしゃられた保護主義,今年,選挙をやる国が多くてですね,あとはトランプ政権に対する警戒感というのがEU諸国で高まっていると思うんですが,トランプ大統領と一定の良好な関係を築いた日本の外務大臣として,そういう点でEU諸国に訴えたいこと,あとはイタリアの外務大臣との会合が設定されていますが,G7をにらんだ何か訴えたいことはどうなんでしょうか。

【岸田外務大臣】不透明感が漂っているからこそ,基本的な価値を共有する国々との連携が重要であるということ,これは再三申し上げてきたとおりであります。是非,多くの国々とも,そしてその中で特に,基本的な価値を共有する国々との連携をしっかり重視していきたいと思います。
 その中にあって,イタリア,ご指摘のとおりG7の議長国を今年務めています。そしてイタリアの外相,アルファーノ大臣,昨年12月に就任したばかりですので,外相会談が実現すれば,初めての外相会談ということになりますので,G7における協力,昨年の議長国である日本と,今年の議長国であるイタリアの間で,G7における協力をしっかりと確認することは大変重要であると考えます。このG7,まさしく基本的な価値を共有する国々の枠組みでありますので,G7の重要性はますます高まっていくと考えており,その中で今年の議長国イタリアとの連携,大事にしていきたいと考えます。

【記者】同じくG20でのバイの会談で,ロシアとの間はおそらく共同経済活動が議題になって,欧州委員との間では日EU・EPAが議題になると思うんですが,それぞれ目指すところの成果についてお願いします。

【岸田外務大臣】ロシアについては,昨年12月に行われました日露首脳会談後の肯定的な流れの中で,平和条約問題を始めとする二国間関係もちろんですし,また喫緊の国際情勢についても幅広く議論をしていきたい,このように思っています。
 そしてマルムストロームEU委員との会談ですが,先般,マルムストローム委員より日EU・EPAについて議論を行いという提案がありました。それを受けて,G20外相会合出席のための訪欧の機会を捉えて,同委員と会談を実施する予定にしたということであります。日EU・EPAにつきましては,大枠合意を早期に実現するために努力を続けていきたいと考えています。

【記者】今回の会談で大枠合意という見通しはあるんですか。

【岸田外務大臣】いいえ,会談の中身については予断をもって何か申し上げることは控えます。いずれにせよ,大きな方向性については一致をしています。その中で議論を行い,できるだけ議論を前進させたいとは思っています。

核兵器禁止条約関連

【記者】核兵器禁止条約の交渉に向けた準備会合が,今週ニューヨークで開かれますけれども,こちらには外務省からどなたか送られますでしょうか。

【岸田外務大臣】何もその点は決まったとは聞いておりません。

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