記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成28年12月22日(木曜日)9時45分 於:官邸エントランスホール)

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冒頭発言

(1)今年1年の回顧と来年の抱負

 本年最後の閣議後ぶら下がりなので,この一年の総括と来年への抱負を,まず申し上げたいと思います。
 2016年は,日本外交にとりまして重要で責任の重い一年でありましたが,世界で大いに存在感を発揮した1年だったと総括できると考えます。
 G7外相会合では,議長国として「核のない世界」に向けた力強いメッセージを発出したほか,伊勢志摩サミットを成功に導くことができました。また,オバマ米大統領やG7の外相の広島訪問を実現できました。こうした一連の外交を進めてきた結果,国際社会における日本の存在感は飛躍的に高まっています。
 そして来年,2017年は「変化の可能性を秘めた一年」となるのではないかと感じています。1月には米国でトランプ大統領が就任します。グテーレス国連新事務総長も就任いたします。フランス,韓国,あるいはイランなどで大統領選挙が行われます。ドイツにおいても連邦選挙が行われ,中国においても5年に一度の中国共産党大会が開催されます。
 その中で,世界でも政治の安定している日本が国際社会で主導的な役割を果たしていくことで,日本の国益を一層増進していく,こうした気概と決意をもって新しい年に取り組んでいきたいと考えます。

(2)フランス・チェコ・アイルランド訪問

 私(大臣)は,来年1月5日から11日までフランス,チェコ,アイルランドを訪問いたします。世界が,法の支配に基づく国際秩序に対する挑戦や,保護主義の高まりの懸念に直面している中,基本的価値を共有する欧州との連携,益々重要になってきていると考えます。政治,安全保障分野での連携を深め,自由貿易の旗を共に掲げながら,国際社会の平和と繁栄に向けて欧州との協力を一層強化したいと考えます。
 フランスでは,稲田防衛大臣と共に,「2+2」を開催いたします。
 チェコでは,明年,国交回復60周年を迎えますが,その機会を捉えて外相会談を行いたいと思います。
 同じく明年,我が国との外交関係樹立60周年を迎えるアイルランドでは,60周年記念式典に出席をし,記念すべき1年のスタートを盛大に祝いたいと考えます。

南スーダン制裁決議案

【記者】国連の安保理で南スーダンへの武器禁輸の決議が,今,話題になっていますが,日本の対応と,その対応を取る理由をお願いします。

【岸田外務大臣】まず,ご指摘の点については,引き続き協議・議論が続いていますので,最終的な我が国の態度については,今の時点で申し上げるのは控えたいと思います。
 我が国としては,南スーダンに制裁措置を課すことが南スーダンの平和と安定に資するかどうか,こういった観点から検討が行われるべきであると考えて,こうした議論に臨んできました。こうした観点から南スーダン政府が進める地域保護部隊の早期展開のための協力,あるいは国民対話の実施等の状況改善のための取組,こうした南スーダン政府の取組を後押しをすることが重要であると考えており,そうした考えから,先日,私(大臣)も南スーダンのキール大統領と電話会談を行わせていただきましたし,また総理特使を派遣する,こういった外交努力を続けています。
 こうしたアプローチについては,安保理の理事国の中で異なる考えを有している国があるということも理解していますが,引き続き,我が国の考え方をしっかり説明しながら,この安保理理事国として安保理の協議,しっかりと参加をしていきたいと思います。議論は引き続き続いております。努力を続けます。

ユネスコ分担金の支払い

【記者】ユネスコについてお伺いします。日本政府が分担金の支払いを留保していたと思いますが,もう支払いされたという報道もあります。事実関係と支払いについて,いつ頃…。

【岸田外務大臣】まず支払いについては行いました。今週の始め行っていると承知をしています。我が国としましては,ユネスコのあらゆる取組が加盟国間の友好と相互理解の促進という,ユネスコ設立の本来の主旨と目的を推進するものになるよう,責任ある加盟国として取り組んできたところですが,その中で,例えば「世界の記憶」について申し上げれば,国際諮問委員会(IAC)の下に「レビュー・グループ」が設置され,専門家による制度の見直しを歓迎する決議が本年4月,執行委員会において全会一致で採択され,現在制度見直しの作業が進行していることを大きな進展と考えております。こうした様々な要素を総合的に判断し,本年分の分担金約38.5億円,支払うことを決定し,そして既に支払いを行いました。

岸田大臣の来年の抱負

【記者】来年ですね,大臣,年男で還暦を迎えられると思います。酉年に引っ掛けて来年の抱負をお願いします。

【岸田外務大臣】来年は,少なくとも新しい年は外務大臣として迎えることになりますので,外務大臣として引き続きしっかり努力を続けていきたいと思います。
 先ほど日本外交の来年のありようについては申し上げましたが,私自身も,例えばG7の外相の中で在任期間4年を超えるわけですが,他の外務大臣,今年から来年にかけて転身される外務大臣も随分おりますので,結果的に私(大臣)以外は,大体,在任1年程度の外務大臣ばかりになってしまいます。そうした立場を考えましても,しっかりとG7のみならず,国際的な議論をリードするために,責任を担わなければならないではないか,このように思います。
 酉年にからんで何か抱負ということですが,是非こうした責任を感じながら,国際社会,国会日程等もありますが,是非しっかりと飛び回れるように,体調も気力もしっかり充実させて新しい年を迎えたいと思っています。

韓国軍による竹島での軍事訓練

【記者】昨日,韓国軍が竹島に訓練で上陸したという報道がありました。その受け止めと対応をお願いします。

【岸田外務大臣】ご指摘の点,報道について,承知をしています。そしてこうした訓練は,竹島の領有権に関する我が国の立場に照らして受け入れることはできず,極めて遺憾であると考えます。韓国側に対しては,報道を承知した時点で,直ちに強く抗議を行いました。

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