記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年9月21日(水曜日)18時54分 於:米国ニューヨーク/国連本部)

冒頭発言

【岸田外務大臣】先ほど,ラヴロフ外相と6度目になりますが,日露の外相間で会談を行いました。30分ほどでありました。4月に東京で外相会談,そして先週もラヴロフ外相と電話会談を行いました。こうした会談に引き続き,有意義な会談を行うことができたと感じています。まず第一に,最近の一連の首脳・外相レベルの会談を踏まえて,12月に予定されるプーチン大統領の訪日に向けて,政治,経済,その他様々な分野で,しっかりと準備を進めていくことを確認いたしました。私からは,平和条約締結問題で前進を図ることの必要性を強調いたしました。大統領訪日の準備のため,大統領訪日前に,私が訪露してラヴロフ大臣と会談する方向で調整していくこととなりました。また,11月を目途に,シュヴァロフ第一副首相の訪日を得て,私との間で貿易経済政府間委員会を開催し,経済分野の準備を進めていくことを確認しました。第二に,北朝鮮の核・ミサイル問題について,私から,北朝鮮の行動を変えるためには圧力を強化する必要があり,新たな制裁措置を含む新たな安保理決議の採択に向けてロシアと連携していきたいと述べ,国連の場を含めて,日露で連携していくことを改めて確認いたしました。

質疑応答

【記者】12月のプーチン大統領の訪日に向けての話についてなのですが,大臣の方から平和条約締結の前進についてもお話しされたということなのですが,それに対してラヴロフ外相からは領土交渉,あるいは平和条約締結交渉についての言及というのはあったのでしょうか。

【岸田外務大臣】プーチン大統領の訪日の準備の一環としてのやりとりであります。こうした準備はしっかり進めなければならないということで,私の訪露,あるいはシュヴァロフ第一副首相の訪日,こういったものも確認いたしました。準備を前向きに進めていくということについては,ラヴロフ外相も積極的だったと受け止めています。

【記者】北朝鮮を巡る問題についてですけれども,ロシアは常任理事国でもありますし,北朝鮮との距離も近いと見られていますが,そういったロシアとの間で今回更なる制裁措置を含む決議について連携を確認できたというのは,今後の安保理での議論等にどのような手応えを感じてらっしゃいますか。

【岸田外務大臣】ラヴロフ外相も新たな制裁措置を含む,安保理決議の採択に向けては連携していきたい,このように言っておられました。ただ,内容等については引き続き安保理で議論が行われますので,こうした議論の行方はしっかりと見守っていかなければならないと思いますし,日本自身も安保理の非常任理事国ですので,しっかり貢献をしていきたい,このように思います。

【記者】大臣の訪露についてお伺いします。時期的にプーチン大統領の訪日前ということなんですが,詳細わかっているかという話と,お相手をどなたを想定されているのかというのと,その後シュヴァロフさんがこちらにいらっしゃって平和問題話すということは,大臣が行かれるというのはその点は条約締結交渉,そちらの方に主眼を置かれた訪露ということでよろしいでしょうか。

【岸田外務大臣】訪露自体はあくまでもプーチン大統領訪日の準備の一環としての訪露であると思っています。そして,4月にラヴロフ外相が日本を訪問しました。次は私が訪露する順番であるというようなことも踏まえながら,そして,国会情勢等もしっかり踏まえた上で,今後具体的な時期は検討していかなければならない,こういうふうに思っています。

【記者】シュヴァロフさんの訪日の前後関係というのは,大臣が行かれるのが後…

【岸田外務大臣】私の訪露は今言ったように国会日程等の関係でこれから検討していきます。何も決まっていません。具体的な日程についてはこれからです。一方,シュヴァロフ第一副首相の訪日については貿易経済政府間委員会の開催に合わせてということで,11月を目途に調整していきたい,こういったやりとりを行いました。

【記者】ウクライナ問題で経済制裁の対象になっているロシアと日本が交渉を進めていく上で,アメリカなんかはその過程,行方を注目していると思うんですが,今後のロシアとの距離感を縮める上で,アメリカに対して理解を求める必要性についてはどのようにお考えですか。

【岸田外務大臣】日本にとってやはりG7の連携は最も重要であると認識をしています。そして事実,ロシアに対する制裁,日本はG7と協調して,今,実行し続けています。そして,ロシアとの対話は平和条約締結交渉においても重要であると思いますが,併せてウクライナ問題,シリア問題,北朝鮮問題,こうした国際社会の課題においてロシアが建設的な対応をとる,こういったことを促していく上においてもこうした対話は重要であると考えています。こうした日本の対話の有りようについては,アメリカを始めG7諸国からは理解されると考えています。

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