記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年9月14日(水曜日)22時47分 於:本省中央玄関ホール)

冒頭発言

日中外相電話会談

【岸田外務大臣】先ほど10時10分から30分間,中国王毅外交部長と電話会談を行いました。北朝鮮情勢について私の方から,北朝鮮が核実験を強行したことは,我が国の安全への直接的かつ重大な脅威であるとともに,地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであり,断じて容認できない旨述べ,責任ある常任理事国としての中国の建設的な対応を求めました。これに対し,王毅部長からは,朝鮮半島情勢に関する中国側の立場について説明があり,更なる制裁を含む新たな安保理決議の採択に向けて,安保理において連携していくこと,これを確認しました。また,王毅部長との間においては,先般のG20・杭州サミットにおける日中首脳会談の成果を前向きに評価し,外相間で緊密に意思疎通を図りながら日中関係を更に改善させていく,こうした点でも一致をいたしました。

質疑応答

【記者】王毅外相の方から,新たな安保理決議の採択に向けて連携というのがあったということですが,具体的な制裁の中身であるとか,スケジュール感であるとか,そのあたりの話,やりとりはあったのでしょうか。

【岸田外務大臣】これは,今言った中身,スケジュール,これはまさに安保理において協議を開始することを一致した直後ですので,これからの議論の行方によって決まっていくことであります。具体的な内容について,今の時点で何か確定的なことを言うことはできない課題であると考えます。

【記者】中国側と前回の核実験があった後,王毅外相とは2か月以上,電話会談をやっていませんでした。今回は早々に電話で会談をされていますけれども,この中国側の対応,日本が呼びかけて電話会談に応じているこの対応をどのようにご覧になっているのでしょうか。

【岸田外務大臣】中国側のこの対応の背景とか考え方について,何か申し上げる立場にはありませんが,日中関係を戦略的互恵関係に基づいて進めていく,プラス面を拡大しマイナス面をコントロールしていく,こうした点では日中首脳間で先般の首脳会談においても一致をしたところであります。こうしたことを踏まえて,引き続きさまざまなレベルで意思疎通を行い,率直な意見交換を行う,これは大変重要なことではないかと思います。今日の電話会談もそういった意味で意義あるものであると考えます。

【記者】今日の電話外相会談はどちらから提案された調整がなされたのかという点と,王毅外相の方から新たな安保理決議に向けての連携を確認したということなんですが,そうした中国側の反応についてはどのように評価されておられますか。

【岸田外務大臣】まず呼びかけは日本側から行いました。そして国連安保理において連携していくこと,これを確認したわけですが,中国は安保理常任理事国,日本は非常任理事国です。共に大きな責任を国際社会に負っている立場ですので,国連安保理の場において,今回北朝鮮が核実験を行い,その直後に緊急会合が開かれ,そして報道ステートメントが発出をされ,そして更なる制裁措置を含む新たな安保理決議の採択に向けて議論がスタートした,こうした取り組みが行われてきたわけですから,こうした議論の方向に沿って両国ともしっかりと責任を果たしていかなければなりません。連携をしていくこと,これは大変重要なことであり,これを改めて電話会談で確認できた,これは重要な意義があると考えます。

【記者】もう一点なんですが,今回の電話会談,安保理での主要国の中では,制裁決議について一致していくことが確認できたわけですけど,どのようなスピード感で新たな制裁決議に持って行くことを期待されますか。

【岸田外務大臣】スピード感,内容,これにつきましては,これまでも累次の安保理決議が採択されてきました。それぞれの決議においてそのときの状況ですとか,各国のそれぞれの考え方に応じてタイミングですとか内容は様々でありました。今回も出来るだけ速やかに明確なメッセージや結論を出すことは重要であるとは思いますが,具体的なスケジュール感ですとか,内容については今の段階で予断を持って申し上げることは控えなければならないと考えます。

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