記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成28年5月17日(火曜日)8時30分 於:官邸エントランスホール)

日韓関係(日韓局長協議)

【記者】今日の午前中に,外務省の方で日韓の局長協議があります。こちらでは日韓合意の履行に向けてどういったところを確認したいとお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】本日,石兼アジア大洋州局長と先方が鄭炳元(チョン・ビョンウォン)東北アジア局長,この二人の間で日韓局長級協議を行う予定にしております。現時点で協議の中身について予断をするのは控えますが,日韓の諸課題について率直な意見交換が行われるものと思っております。その中にあって日韓合意につきましては,フォローアップの観点から現時点での状況について確認するとともに,これからの取り進め方等についても意見交換が行われるのではないかと考えます。

【記者】これからの取り進め方と言いますと…。

【岸田外務大臣】これから,日韓合意,合意を双方が誠実に履行しなければなりません。まだ履行は完了しておりません。この履行に向けて今後についても意見交換を行う,そういうことだと思います。

オバマ大統領の広島訪問

【記者】先日報道でもありましたように,オバマ大統領の先遣隊が,明日広島に来るとの報道があります。来日に向けてスケジュールの調整状況を教えてください。

【岸田外務大臣】まず,先遣隊については近日中に広島入りをするということを聞いておりますが,具体的な日時についてはまだ調整中であると考えます。オバマ大統領の広島訪問についての具体的な日程等については,こうした先遣隊の広島入り等を踏まえた上で,ぎりぎりまで調整が行われるものではないかと考えます。

【記者】オバマ大統領に関連してなんですけれども,アメリカのライス大統領補佐官がですね,いかなる状況でも我々は謝罪しないというような発言がありました。原爆投下について日本は謝罪を求めているわけではありませんが,広島出身の大臣としてはこの言葉どのようにお聞きになっているのでしょうか。

【岸田外務大臣】すべての被爆者の方々の強い思いは,二度と被爆の惨禍を繰り返してほしくないということであると考えています。
 オバマ大統領の広島訪問,これは犠牲者を慰霊するとともに,「核兵器のない世界」に向けて,国際的な気運を盛り上げていく貴重な機会になると考えています。謝罪するとかしないかではなくして,こうしたオバマ大統領の強い思いを受けて,「核兵器のない世界」を目指して,米国とも協力しながら,唯一の戦争被爆国として日本はこの現実的,そして実践的な取り組みをしっかり進めていかなければならない,このように感じています。

日韓関係(李丙琪秘書室長の辞任)

【記者】日韓合意に関してなんですけれども,先日,日韓合意の立役者ともなっていた李丙琪(イ・ビョンギ)大統領秘書室長が辞任されるという報道があったんですけれども,果たして日韓合意で合意したものがちゃんと履行される,そういう機運というものは出てきているのか,それとも後退しているのか,今の現状を教えていただけますでしょうか。

【岸田外務大臣】李丙琪室長におかれましては,駐日大使もお務めになり,日本を深く理解してくださっている方であると認識をしています。ただ,室長が交代されたからといって日韓合意に対する韓国政府の姿勢は,全く変わっていないと承知をしております。日韓両政府がともに合意の中身を誠実に履行していくことが重要であるということ,これは変りはありません。

伊勢志摩サミット関連

【記者】サミットに関連してなんですけれども,一部報道で本日ですが,伊勢志摩サミットにおいて経済イニシアチブ等,6つの付属文書があるということで調整しているという報道がありました。現在の調整状況いかがでしょうか。

【岸田外務大臣】サミットの成果については,既にテロとそして腐敗については行動計画を作成し,明らかにする,このことは既に公になってきたと思います。ただそれ以外の文書については,当然のことながら,サミットぎりぎりまで調整が行われ,そして議論が行われた成果として明らかにされるものであると考えます。

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