記者会見

岸田外務大臣臨時会見記録

(平成28年4月30日(土曜日)17時00分 於:中華人民共和国・北京)

冒頭発言

【岸田外務大臣】本日,王毅外交部長,楊潔チ国務委員,そして李克強総理とお会いをいたしました。各会談におきまして,日中関係の重要性を確認し,更なる日中関係改善のために双方が努力していくことで一致をいたしました。新しい時代にふさわしい日中関係について私の考え方をしっかりと説明をし,率直に意見交換を行いました。今回の私の訪中を通じて,今後の外交日程について日中間でしっかりと意思疎通を進め,ハイレベルの交流を組み立てていくことで一致をいたしました。4年半ぶりの日本の外務大臣の二国間訪中でありましたが,有意義な訪問になりました。日中間の歯車を回す端緒になったと思っています。
 そして,それぞれの会談についてですが,まず,日中外相会談及び昼食会についてです。王毅部長とは,4時間以上にわたり,幅広い話題に関し,互いに胸襟を開いた真摯な対話ができました。私からは,日中関係の肯定的な側面を増やしていくため,当面両国が力を入れるべき「5つの協力分野」,すなわち1つ目としてマクロ経済・財務・金融,2つ目として省エネ・環境,3つ目として少子高齢化,4つ目として観光,5つ目として防災,この5つの分野について提起をし,さらには「3つの共通課題」の協力,すなわち1つ目として北朝鮮,2つ目として国連での協力,3つ目としてテロ対策・中東情勢,この3つの協力をあわせて提起をし,先方から前向きな反応がありました。そして,北朝鮮問題については,繰り返される挑発行動に対し深刻な懸念が双方から表明されるとともに,率直に意見交換が行われ,安保理決議の厳密な履行を含め,緊密に連携していくことで一致できたことは有意義であったと思っています。そして東シナ海,南シナ海等の懸案についても率直な意見交換を行いました。王毅部長との会談は今回で7回目になると思いますが,今回は二国間訪問ということもあり,時間をとって突っ込んだ意見交換ができ,有意義であったと受け止めています。
 そして,次に楊潔チ国務委員との会談ですが,楊潔チ国務委員とは初めての会談でありました。日中関係に対する互いの考えにつき,真摯な意見交換ができました。日中首脳会談の早期実現に向け,今回の私の訪中を皮切りに,しっかりとした外交日程を作り,ハイレベルの対話や具体的な協力を積み上げていきたいということで一致をいたしました。
 そして,次に李克強総理との会談ですが,李克強総理にお会いするのは,昨年11月の日中韓サミットの機会に続き3度目です。大局的な観点から,日中関係を一層改善させていくことの重要性について一致をいたしました。また,両国の喫緊の課題である世界経済の安定と発展に向けた協力を含め,特に経済面の協力強化について一致をいたしました。私から提案しました5つの分野における協力についても賛同をいただきました。ぜひ,具体的な協力につなげていきたいと考えています。
 そして,李克強総理からは大平総理の日中関係における特別な功績について触れられ,その政治の流れを賞賛する言葉をいただきました。私の方からはそうした流れを誇りに思い,これからも共に努力していきたいということを申し上げました。

質疑応答

【記者】外相会談の冒頭,王毅外相の方から,その日中関係改善に向けて日本側からの努力を示してほしいというような趣旨があったかと思いますけれども,今日大臣がご説明になった,新しい日中関係についての考え方,王毅外相とその他お2人から一定の理解が得られたというふうにお感じでしょうか。

【岸田外務大臣】私の方からは,まず日中関係を改善するためには双方の努力が必要であるということをしっかりと申し入れました。今後の日中関係については,それぞれの協力を通じて肯定的な側面を増やしていき,そして,課題や懸念については,率直な意見交換を行い,適切に対処していくべきであるという考えを申し上げさせていただきました。いずれにしましても引き続き,協力はもちろん,しっかりと協力をしていくわけでありますし,こうした課題についても,しっかりと意思疎通を図っていきたいと思います。

【記者】南シナ海,東シナ海については,中国が一方的な行動を続けているわけですが,向こう側に懸念なりは伝えられたのでしょうか。それとあと,向こう側の反応はどうだったんでしょうか。

【岸田外務大臣】王毅部長には,東シナ海,南シナ海といった懸案について提起をし,率直な意見交換を行いました。私からは日本側の立場をしっかり伝えさせていただきました。中国側からは,中国側の立場が説明されました。突っ込んだ,率直な意見交換を行いましたが,それ以上詳細は控えます。

【記者】今回の訪問,次の安倍総理,習近平国家主席との会談にどうやってつなげるかというのは大きな目的の一つだったと思うんですけども,今日3つの会談をしながら,大臣自身の手応えというかですね,向こう側のそういった気持ち,みたいなものをどういうふうに評価されますか。

【岸田外務大臣】今回の私の訪中,そして,今申し上げた一連の会談を通じまして,今後の外交日程について,日中間でしっかり意思疎通を進めていく,そして,ハイレベルの交流を進めていく,こういったことで一致をいたしました。ぜひ,引き続き,具体的な日程作成について議論を進めていきたいと考えております。今年の外交日程に向けて,両国で引き続き協議をし,協力をしていく,こういった点は確認できたと思います。

【記者】今回,李克強首相が大臣表敬を受けられましたけれども,それを含めて今回の大臣の訪問を受け入れる中国側の対応についてどのように評価されますか。

【岸田外務大臣】李克強総理との会談がセットされるなど,中国側も日中関係の重要性は認識をしておられるのではないかと感じています。ぜひ,両国が協力することが関係を進めていく上で重要だという私の考え方,説明させていただいた考え方にもとづいて両国関係を進めていくために協力をしていただきたいと考えています。今後に続く会談になったと受け止めています。

【記者】次のハイレベル対話に向けてですけれども,秋のG20を含め具体的なタイミングみたいな話は出たのでしょうか。

【岸田外務大臣】具体的なさまざまな会議,会合が今年は予定されております。それをめぐりまして,さまざまなやりとりは行いました。ただ,引き続きまして,具体的な日程を確定し申し上げる,今,引き続きしっかり詰めていかなければなりません。ぜひ,こうした努力を続けていくことによって,具体的な日程を明らかにしていきたいと思います。

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