記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年3月4日(金曜日)9時45分 於:官邸エントランスホール)
北朝鮮関連
【テレビ東京 鵜飼記者】昨日,国連の安保理決議が採択された後に,北朝鮮が飛翔体を6発飛ばしたと,さらに朝鮮中央通信がですね,金正恩(キム・ジョンウン)第一書記が核弾頭を撃てるように準備せよと命じたというような報道がされているのですけれども,大臣の受け止めをお願いします。
【岸田外務大臣】まず,飛翔体の件については,報道は承知しています。そして北朝鮮に関しましては,引き続き情報収集,分析に当たっていますが,具体的な内容や,あるいは分析内容について明らかにすることは,我が国の情報収集能力を明らかにすることにつながりますので,控えたいと存じます。いずれにせよ,我が国に飛んで来る飛翔体は,確認はされていません。よって我が国の安全保障に直接影響する事態は認識はしておりません。引き続き,我が国としましては,あらゆる事態に備えられるよう万全な体制を整えていきたいと考えております。
そしてもう一つ,金正恩第一委員長の発言の方ですが,いずれにしましても北朝鮮の核,ミサイル開発は断じて容認はできません。国際社会と連携しながら,北朝鮮に自制を求め,そして安保理決議,六者会合共同声明等をしっかり重視するよう,求めていかなければならないと感じています。
【テレビ東京 鵜飼記者】後段の件なんですれども,そういうことを言っている北朝鮮に対して,恐らく米韓合同演習なども念頭にしていると思いますが,日本の外務省から北朝鮮に何か自制求めるような働きかけを,具体的にはやるような予定はありますか。
【岸田外務大臣】北朝鮮に対しては,国際社会と協力しながら様々なメッセージを送っています。必要に応じて北京の大使館ルート等を通じて,連絡を取ることもありますが,今のところ具体的には何か予定はしていません。今後とも必要に応じて,様々な形で北朝鮮にメッセージを送っていきたいと考えます。
【NHK 栗原記者】国連の安保理決議,北朝鮮への制裁に関する安保理決議なんですけれども,今後,実効性をどうやって高めるかということが,国際社会で課題になってくると思うのですが,主に国境を接している中国とかですね,そういうところに対して日本政府として,どのような働きかけをするかということについて伺えますでしょうか。
【岸田外務大臣】おっしゃるように北朝鮮に対する安保理決議が採択されたわけですので,その履行がしっかり行われることが重要であると認識をしています。今の時点では,決議が採択された直後ですので,関係国がそれぞれしっかりと履行に向けて責任を果たすことが重要であると思います。今の段階で個別に,どの国がどうするというような個別の事項について,申し上げるべきではないと思います。どの国もまずは履行に向けて努力するべきであり,今後様々な状況,あるいは北朝鮮の反応,そういったものを見ながら,さらに必要な対応を取っていきたいと考えます。
米国大統領選挙
【朝日新聞 安倍記者】アメリカは大統領選のスーパーチューズデーが終わりましたけれども,現地でだいぶ盛り上がっているようですが,大臣としてはどのような点に注目されて,ご覧になっているのでしょうか。
【岸田外務大臣】具体的な選挙結果については,他国の国内での選挙の結果ですから,私(大臣)の立場からも控えなければならないとは思いますが,いずれにせよ日米関係は我が国の外交にとって基軸であります。次の米国のリーダーが誰になるかということについては,関心を持ち,そして注視をしていきたいと考えます。誰がリーダーになったとしても日米関係をしっかり重視し,連携を大切にしていかなければならない,この点は変わらないと思っています。