記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成28年2月9日(火曜日)8時45分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
日露次官級協議の開催
【岸田外務大臣】2月15日,東京において,日露次官級協議を開催することになりました。協議は原田政府代表とモルグロフ露外務次官との間で行われます。
本年に入り,日露間では,1月に電話首脳会談,また,私とラヴロフ外相との間でも2回電話会談を行うなど,ハイレベルの対話が続いています。
今次協議では,そうしたよい流れの中で今後の首脳対話の準備のため,日露二国間関係全般について議論するとともに,北朝鮮やウクライナ情勢といった喫緊の国際問題についても,意見交換が行われる予定であります。平和条約交渉についても取り上げられることになると考えます。
日露次官級協議
【フジテレビ 藤田記者】日露次官級協議では,喫緊の問題として北朝鮮のミサイル発射についても話し合われるそうなんですけれども,北朝鮮に対して何かしらのメッセージを発出する,声明などを考えていらっしゃることはありますか。
【岸田外務大臣】協議はこれから行いますので,協議の結果について,今ここで具体的に予断することは控えますが,ロシアは安保理の常任理事国でもあり,安保理の議論においても大きな役割を果たすことになると思います。こうしたロシアとも連携しながら,北朝鮮に対して強いメッセージを出していくということは,大変重要なことではないかと思います。
北朝鮮のミサイル発射関連
【フジテレビ 藤田記者】話題は変わりまして,北朝鮮に関して,日本の独自の措置に関しては米韓との電話会談でも賛同を得られたかと思うのですけれども,今の調整状況と,いつ頃発出するかという目処というのはついているのでしょうか。
【岸田外務大臣】独自制裁につきましては,総理の指示も踏まえながら拉致,核,ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するために,我が国が取るべき最も効果的な手段は何なのかという観点から,政府全体として今検討を進めています。速やかに検討を行いたいと思っていますが,具体的にいつまでとか,具体的な日時はまだ決まってはおりません。
【フジテレビ 藤田記者】国連の方でも,国連安保理による制裁決議について話し合いが行われていますが,日本として隣国でもあります中国に何かしらの働きかけというのは考えていらっしゃるのでしょうか。
【岸田外務大臣】中国は常任理事国であり,そして我が国も非常任理事国であります。中国との間においても,様々なレベル,先日も齋木次官から程永華(てい・えいか)大使に対して,外務省にお越しをいただいた上で,話をさせていただきました。様々なレベルでの働きかけ,意思疎通を行っております。
【フジテレビ 藤田記者】電話会談というのは,未だ核実験後,一か月以上もたっているのですけれども,実現していませんが,こちらの方は何か調整など・・・。
【岸田外務大臣】中国との電話外相会談は,予定はされておりません。日本は様々な関係国と対話をすることは,それぞれ重要だとは思っております。
【共同通信 河内記者】今,日中の電話外相会談,核実験後行われていない,その理由についてどうお考えになるかということと,あと日中の首脳間での意思疎通を図る必要性はあるとお思いでしょうか。
【岸田外務大臣】外相間の電話会談については,既に日中間においては様々なレベルでの意思疎通は図ってきております。外相間の対話については,我々は対話のドアはいつもオープンです。中国側からは多忙であるということを聞いております。首脳電話会談等については何も検討しておりません。
【共同通信 河内記者】必要性については…。
【岸田外務大臣】検討しておりません。
日露次官級協議
【NHK 渡辺記者】日露の次官級協議のことでお伺いしたいと思いますけれども,大臣も外交演説の中でですね,ロシア外交取り組む姿勢をかなり強調されておりましたけれども,そういった観点から今回の次官級協議をどう位置づけていらっしゃるのかということと,それから,安倍総理のロシア訪問の日程とかですね,そういった今後の日露外交の日程についても話し合われるということでよろしいのでしょうか。
【岸田外務大臣】先ほど申し上げたように,次官級協議につきましては,今年に入りましてから電話首脳会談,あるいは電話外相会談,こうしたものが日露の間で行われており,こうした流れの中で議論を行い,首脳間の対話にもつなげていきたいとは思います。そして首脳間の対話ということについては,既にプーチン大統領の訪日の前に安倍総理が非公式にロシアを訪問するという方向で,一応,調整を行っているところです。ただ具体的な日時については,まだ何も決まっておりません。
【NHK 渡辺記者】次官級協議では,そういったことも含めて議論されるということでよろしいでしょうか。
【岸田外務大臣】先ほども言いましたように,日露二国間,全般について議論をいたします。先ほど申し上げた様々な地域情勢もあれば,平和条約交渉もあれば,様々な課題が議論されると思っています。
北朝鮮のミサイル発射関連
【NHK 栗原記者】独自の制裁について,先ほどですね,具体的に日程は決まっていないと伺ったのですけれども,いつ頃までにとかですね,近くとか,どれぐらいの目処にというのは,今,政府全体として共有されているものはありますでしょうか。
【岸田外務大臣】速やかに,検討するということだけです。
日露次官級協議
【時事通信 石垣記者】日露に戻りますけれども,昨年,平和条約交渉を再開したと思うのですけれども,今回また平和条約交渉ではなくて,次官級協議という位置づけになるのは,その理由というのはどうしてなんでしょうか。
【岸田外務大臣】平和条約交渉は様々なレベルで,様々な機会をとらえて行うべきであると思います。ですから今回の次官級協議においても取り上げられることになると考えています。