記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年11月27日(金曜日)10時51分 於:官邸エントランスホール)

ロシア・フランス首脳会談

【テレビ東京 鵜飼記者】ロシアのプーチン大統領とフランスのオランド大統領が会談しまして,シリアでのイスラム国に対する攻撃の連携で一致するということが伝わっているのですが,この会談がシリア情勢の安定化につながるというお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,テロとの戦いにおいては関係国の結束が重要であるということを強く感じます。そういった意味でご指摘のロシア・フランスの首脳会談,それに先だって行われた米・仏の首脳会談,こうした関係国の間での緊密な意思疎通は歓迎したいと思います。
 今後について,決して楽観もできないし,見通しを立てることも難しいですが,引き続きこうした関係国が意思疎通を図って,そして結束をしていくことを望みますし,我が国としましても,関係国としっかりと連携をし,テロ対策に適切に取り組んでいきたいと考えます。

ミャン・ウイン・ミャンマー国民民主連盟(NLD)スポークスマンの訪日

【テレビ東京 鵜飼記者】この後大臣がお会いする, ミャンマーのNLDのミャン・ウイン氏なのですけれども,会談でどのような話をされて,日本政府として今後ミャンマーの新政権とどのような関係を作っていきたいとお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】ミャン・ウイン・ミャンマー国民民主連盟,NLDスポークスマンは,11月27日から12月3日まで外務省の招請で訪日をされます。今回の招聘は先般の総選挙で勝利したアウン・サン・スー・チー議長率いるNLDとの関係強化を通じてミャンマーとの伝統的友好協力関係を更に発展させること,これを目的とするものです。私自身も外務大臣になりましてから,アウン・サン・スー・チー氏とは2回会談を行っておりますが,我が国はミャンマーにおいて新たな(政権)発足に向けた対話が進み,そして 安定した政権の下でミャンマーの民主化,そして諸改革が進展していくことを期待いたします。我が国としましては,ミャンマーの発展,あるいは安定に向けて,引き続き支援をしていきたいと考えます。

「表現の自由」国連特別報告者の訪日予定

【TBS 深井記者】国連の「表現の自由」特別報告者の来日の要件なのですれども,デビッド・ケイ氏が今回の延期要請を受けて,今の日本の政府は以前ほどオープンではないという感覚があるとおっしゃっているのと,来年の訪日時期について,来年の秋か,それ以降だと打診されたというように明かしていますけれども,この延期要請を撤回するお考え等々ございますでしょうか。

【岸田外務大臣】延期については以前もお答えしたと思いますが,当初予定した時期が我が国の予算編成の時期と重なっていたものですから,我が国としましては受け入れについて万全な体制で受け入れるために再調整をお願いした,こういったものであります。引き続き,今後双方の都合の良い時期を改めて調整していきたいと存じます。我が国としてはそういった事情で日程の再調整をお願いいたしましたが,引き続き,しっかり協力していきたいと考えています。

【TBS 深井記者】来年の秋以降ということはないのですか。

【岸田外務大臣】まだ再調整の時期については具体的なものが上がっているとは聞いてはおりません。引き続き調整努力は続けます。

国際テロ情報収集ユニット

【NHK 渡辺記者】テロ対策の観点からお伺いしたいのですが,国際テロの情報収集組織を前倒しするという方向というように伺っているのですが,外務省の中にどういったところに組織を置くのか,どういったことを具体的に活動していくのか,その概要も含めお伺いしたいと思うのですが,どういったことをテロ対策でやろうとしているのでしょうか。

【岸田外務大臣】「国際テロ情報収集ユニット」についですが,これは国際テロ事案を未然に防止し,また発生した場合の有効な対処を実現するため,オールジャパンの体制で国際テロ情勢に関する情報収集を行い,そして国際テロ対策に取り組んでいく,こうしたことのために設置されるものです。こうしたテロ対策の推進には,国際社会や各国機関との連携が求められます。また在外公館の体制強化・活用,さらには各種の外交政策との連動,これが不可欠なことから,新ユニットは外務省の中に設置されることになります。そして同時に,新ユニットは,各国の事情や,語学に精通する外務省の職員のみならず,国際テロ対策の専門的知見を有する適材を関係省庁からも集め,日本政府全体の力を結集して進めていきたいと思います。これらの職員を預かる外務大臣としても,官邸ともしっかりと連携し,責任を持って新ユニットを指導し,国際テロ対策に取り組んでいきたいと考えます。

【NHK 渡辺記者】今後,時期についてはどうなりますでしょうか。

【岸田外務大臣】これは12月上旬を見込んでいると聞いております。

【NHK 渡辺記者】来年から前倒しということは,いろいろ調整があると思うのですが,今後の課題というか,どういったところに注意してやっていきたいというか,前倒しする以上,省庁の連携とか課題があると思うのですけれども,その辺どう考えていらっしゃるのでしょうか。

【岸田外務大臣】前倒しするからといって,これは内容が重要であるということは全く変わりはありません。昨今のパリでのテロ事件等考えましたときに,在外公館や日本人学校の警備強化などですね,こうした態勢強化と合わせて,こうしたユニットの重要性は論を待たないと考えます。そういったことから発足を急ぎたいと思いますが,いずれにせよ内容はしっかりしたものでなければならない,これは当然であると考えます。

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