記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年8月4日(火曜日)8時41分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言
(1)ASEAN関連外相会議岸田外務大臣出席
【岸田外務大臣】私(大臣)は,8月5日水曜日夜から6日にかけてマレーシアを訪問し,ASEAN関連外相会議に出席をいたします。本年はASEAN共同体構築の年であるとともに,EAS設立10周年という節目の年にあたります。一連の会議において,私(大臣)は,ASEAN共同体設立支援,EASの強化,南シナ海問題などの地域・国際情勢について協議を行いたいと考えています。地域の平和と安定に向け,参加国との連携と協力を強化しきたいと考えています。
(2)西サハラ地域の一部地域について危険情報「退避勧告」発出
【岸田外務大臣】先般のシリアにおける邦人人質殺害事件を受けた海外の邦人安全対策の強化策として「退避勧告」の発出にあたりましては,国民への周知強化のため,基本的に私,外務大臣から発表することといたしました。
今般,その第一段として,北アフリカの西サハラ地域の一部について「退避勧告」を本日付で発出することとしたのでお知らせをいたします。退避勧告地域への渡航は延期するよう強くお願いをいたします。詳細につきましては,別途報道発表をいたします。
ASEAN関連外相会議
【日本テレビ 鳥羽記者】まず大臣から発言ありましたASEANに関連してなのですが,今回,対北朝鮮とのバイなど,色々な,各国とのバイも想定されますが,どういった対話を重視して望んでいきたいと考えていらっしゃいますか。
【岸田外務大臣】まずバイ会談につきましては,議長国マレーシアを含め,いくつかの国とバイ会談を行うよう,今調整中であります。中身については,それぞれ異なりますが,我が国の考え方,その相手国との二国間関係も,もちろんですし,地域情勢,特にASEAN地域,そして,最近においては,南シナ海の動き等が大きな議論になっていますが,こうした地域情勢についても意見交換をしていきたいと考えています。
ロシアの極東地域の土地を無償分与する法案
【日本テレビ 鳥羽記者】ロシア政府が,北方領土の国民に対しての無償分与を進める法案を進めているという話が報道でされています。年内にプーチン大統領の訪日を構える中,こうしたことが,もし実行された場合,どのような影響があるとお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず報道は承知しております。そして,北方領土問題,北方四島開発をめぐる問題につきましてのロシア側の動きは注視をしております。こうした問題については,根本的解決のためには,北方領土問題,それ自体の解決が必要だと認識をしております。
是非,双方受け入れ可能な解決策に向けて,粘り強く交渉を続けていきたいと考えています。そしてプーチン大統領の訪日,そして外相訪露につきましては,今現在,まだ何も決まっておりません。引き続き様々な観点を総合的に検討したうえで決めていくべきものであると思っております。
ウィキリークス発表による米国情報機関による通信記録の収集について
【NHK 栗原記者】ウィキリークスというサイトでですね,アメリカ政府が日本政府の高官や,民間企業などの通話を盗聴していたという文書が公表されています。これについて,政府として,事実関係などをどのように確認されているのかということについておうかがいできますか。
【岸田外務大臣】まず,ウィキリークスは民間の組織です。民間であるウィキリークスが出所不明の文書に基づいてプレスリリースをした,こうしたことについて,政府としてコメントすることは控えたいと思います。その上で申し上げるならば,仮に報道されているようなことが事実であるとしたならば,極めて遺憾なことと思います。
そして,本件につきましては,政府として,クラッパー米国家情報長官と連絡を取りあっているところですが,我が国としましては,引き続き事実関係の確認を強く求めていく所存です。
【NHK 栗原記者】極めて遺憾ということでしたけれども,事実関係が確認できたら,その遺憾の意をアメリカの政府に伝えるということでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,現段階では,事実を確認中であります。ですから,先ずは確認をしてからということだと思います。