記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年5月8日(金曜日)8時39分 於:官邸エントランスホール)
世界遺産に関する日韓局長級協議
【テレビ東京 山口記者】日本の明治の世界遺産登録の関係ですけれど,韓国側が「徴用工」の問題を取り上げてかなり反発を強めています。この反発を強めている現状についてどのように受け止めていらっしゃるかと言うことと,この反発について日本政府としてどのように答えていこうと考えているかそれについてお願いします。
【岸田外務大臣】本件遺産については,対象とする年次が1850年代から1910年とされております。韓国が主張しておられるような,いわゆる朝鮮半島出身の「旧民間人徴用工」問題とは対象とする年代も,あるいは歴史的な位置づけ,さらには背景が異なるという認識をしています。あくまでも1850年代から1910年までの産業遺産として顕著な普遍的な価値に着目して推薦をしたものです。 今般イコモスから登録すべきであるという勧告がなされました。ぜひこの案件が技術的・専門的見地から審議されることを我が国としては期待をしたいと思います。世界遺産委員会あるいは世界遺産委員国に対しまして,しっかりと理解を得るべく努力をしていきたいと考えています。
【テレビ東京 山口記者】日韓との間で,この問題に関して直接協議をするという報道もありますけれども,月内に東京で開催するという一部報道もありますけれど,その調整状況についてはいかがでしょうか。
【岸田外務大臣】韓国との間で協議を開催する方向で調整はしております。具体的な日時,場所等についてはまだ決まったとは報告は受けておりません。
大臣の在任期間(戦後第10位)
【共同通信 蒔田記者】外務大臣としての在職日数が来週に歴代10位に達するようですけれど,長く続けることの意義など,ご所感をお伺いしたいのですけれど。
【岸田外務大臣】外務大臣に就任してから今まで54の国・地域を訪問するなど,各国との信頼関係を築いてきました。もちろん外務大臣に就任している期間が長ければいいというものではなくして,やはり外務大臣としてどのような仕事をしたのか,これが大事であると認識をしております。
今日まで各国との間で築いてきた信頼関係をもとに,引き続き外交においてしっかり結果を出すべく努力を続けていきたいと考えます。
【共同通信 蒔田記者】関連の質問ですが,長く続けることで,国内外での大臣の存在感も増していると思うんですが,大臣は宏池会の会長でもいらっしゃいますけれども,秋の総裁選について出馬するかどうか,対応は現時点でどうお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】総裁選挙については,総裁任期が今年の秋9月ということは承知しておりますので,状況によっては総裁選挙が行われるであろうとは認識をしておりますが,取り立ててこの周辺,これに向けて具体的な動きも存在しておりません。私自身も何も考えておりません。
【朝日新聞 今野記者】自民党幹部の谷垣さんとか二階さんからも,安倍総裁を再選支持する声も出ていますけれでも,その辺いかがでしょうか。
【岸田外務大臣】そう言った意見があるのは承知しております。ただ具体的に立候補の動きは,今のところないと思いますので,特段何も考えておりません。
【朝日新聞 今野記者】大臣としては立候補する考えはないのでしょうか。
【岸田外務大臣】何も考えておりません。
【朝日新聞 今野記者】宏池会会長であり,安倍内閣の主要閣僚でもあるわけですけれど,安倍総理を支持するというお考えはどうでしょうか。秋の総裁選に対してはどうですか。
【岸田外務大臣】急にご質問を頂きましたが,私自身,取り立てて今までそれについて考えたことはありません。これからよく考えてみます。
世界遺産に関する日韓局長級協議
【テレビ朝日 藤川記者】世界遺産の関連について確認したいのですけれど,韓国側との協議と先ほどおっしゃいましたけれど,これは日本から登録への理解を求めるという働きかけではなくて,韓国側と話し合いをする,協議をするということでしょうか。
【岸田外務大臣】韓国側にこの問題につきまして,理解を得ることについては,これまで外相会談を始め,様々な場で行ってきました。こうした韓国側との意思疎通,働きかけは,これまでも様々なレベル,様々な場を通じて行ってきました。その上で,この件について協議をすることについて,今,検討・調整をしているということであります。それについてはまだ具体的なことは決まっておりません。