記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年3月6日(金曜日)8時33分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言-第2回日仏外務・防衛閣僚会合

【岸田外務大臣】第2回日仏外務・防衛閣僚会合を3月13日金曜日,東京において開催を予定しております。日本側から私(大臣)と中谷防衛大臣が出席し,フランス側からはファビウス外務・国際開発大臣及びル・ドリアン国防大臣が出席する予定になっています。
 日本が積極的平和主義を進める上で,フランスは重要なパートナーです。この会合では,両国の安全保障環境や,テロ対策を含む両国の安全保障・防衛協力強化の方策等について議論し,日仏間の「特別なパートナー関係」を更に強化したいと考えます。
 翌14日土曜日には国連世界防災会議に出席するファビウス外務・国際開発大臣と仙台で第5回日仏外相戦略対話を開催いたします。防災,気候変動を含む国際社会の諸課題について議論をし,日仏の連携を深めたいと考えます。

リパート駐韓国大使の負傷

【NHK 栗原記者】韓国でアメリカのリパート駐韓大使が男に襲われるという事件があるなどして,米韓関係がぎくしゃくしているように思えますけども,米韓関係とはいえ日韓関係や日米関係にどのような影響を与えるとお考えですか。また,日本の外交としてとるべき立場としてどのような立場をとっていくとお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,リパート駐韓米大使が暴漢に襲われ,負傷した事については,このような行為は許されるものではありませんし,強く非難をいたします。そして,被害に遭われたリパート大使にお見舞いを申し上げ,早期回復をお祈りしたいと思います。 今後,この背景等を含め,韓国において厳正に捜査が行われるものと思っております。私(大臣)の立場からはそれ以上のコメントは控えたいと思います。

【NHK 栗原記者】日米韓という枠組みがありますけれども,こうした枠組みは従来から重要な枠組みだと日本政府は位置づけていますが,この枠組みへの影響はということはありますでしょうか。

【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたように,事件につきましては韓国において厳正に捜査がこれから進められると考えています。それ以上のコメントは控えたいと存じます。日米韓の関係が重要であるということは言うまでもありません。

中国全人代の開催:国防費の発表

【NHK 栗原記者】中国で全人代が行われていて,国防費についてなのですけれども,去年と比べて10%余り増えるなど,引き続き高い伸び率を続けているのですが,この国防費の伸びについての受けとめをお伺いします。

【岸田外務大臣】まず,中国政府のそうした発表については承知しております。そして,国防費につきましては,27年間連続でほぼ2桁の伸びを示しているということでありますし,日本の防衛関係費と比べても3.6倍という数字になります。こういった点に留意し,今後の動向を注視していきたいと考えます。
 いずれにしましても,国防費を含む中国の国防政策,あるいは軍事力につきましては,その透明性を一層高めていくことが望まれると考えます。我が国としましても,ぜひ透明性の向上を働きかけていく考えです。

鳩山元総理のクリミア訪問計画

【NHK 栗原記者】一部報道で,鳩山元総理大臣がウクライナのクリミアへの訪問を検討しているという報道がありました。外務省として,この事実関係をどう把握されておられますかということと,あと,外務省としての対応についてお伺いできますでしょうか。

【岸田外務大臣】仮に鳩山元総理がクリミアを訪問するようなことがあれば,ロシアによる一方的なクリミア併合は決して認められないとする政府の立場と相入れず,遺憾に思っております。政府としては,鳩山元総理がクリミアを訪問しないよう働きかけております。

【NHK 栗原記者】その働きかけているというのは,鳩山元総理が行かれるということを前提に働きかけておられるのでしょうか。

【岸田外務大臣】3月5日に本件訪問の可能性についての情報に接し,直ちに外務省ロシア課長から鳩山元総理の秘書を通じて,元総理のクリミア訪問計画を再考するよう強く求めております。

国連防災世界会議関連

【NHK 栗原記者】来週末,国連防災世界会議がありまして,100カ国を超える国々から首脳や外相が集まるということですけれども,いろいろなバイ会談などやマルチ会談などが行われると思うのですが,日本政府として,その場をかりて,国際場裡にどんなことを訴えていかれるお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】仙台で予定されている国連防災世界会議ですが,多くの首脳・閣僚の出席があり,国内外から3万から4万人の出席者が予想される。こうした大きな会議になると考えています。
 この会議において,是非,この新しい防災に関する国際的な枠組みづくりを進めていかなければならないと思いますし,また,国連のさまざまな議論,この開発の分野等において,防災がテーマとして主流化する。こうした動きを後押しする。こういったことも期待されます。
 あわせて日本として,この防災の分野において,みずから持つさまざまな経験・知見等を活用し,議論をリードしていく。こうした役割も果たしていきたいと考えます。

鳩山元総理のクリミア訪問計画

【時事通信 松本記者】先ほどの鳩山元総理への働きかけに対して,鳩山さんの対応,回答はどうだったのでしょうか。

【岸田外務大臣】働きかけを行っているということは報告を受けておりますが,具体的な反応についてはまだ報告を受けておりません。

尖閣諸島関連

【産経新聞 楠城記者】昨日の自民党の外務と経済の合同会議で,尖閣諸島についての中国の地図が,尖閣諸島は日本領土だったとしている1969年発行の中国の地図が,外務省でコピーされて,ホームページ等で公表する方針であるということでしたけれども,いつごろ公表する予定なのかをお伺いいたします。

【岸田外務大臣】ご指摘の地図については,たしか先日,予算委員会でも提示されました。こうしたさまざまな資料を活用して,戦略的な対話・発信を行っていくという方針でおります。
 ただ,そういう方針ではおりますが,具体的にいつからということについては,今,承知しておりません。

日中韓外相会議

【読売新聞 仲川記者】大臣,日中韓の外相会議なのですけれども,日程の調整状況などをお聞かせ願えますでしょうか。

【岸田外務大臣】日中韓の外相会議については,今,引き続き調整は行っていますが,3月下旬までに開催する方向で調整しております。

第2回日仏外務・防衛閣僚会合

【共同通信 蒔田記者】冒頭の日仏2プラス2と,ファビウス氏とのバイの会談なのですけれども,この中で特にどういう点を日本政府として訴えたいかという思い等をお伺いしたいのです。

【岸田外務大臣】もちろん,日仏2国間関係について,しっかり議論を深めていくこと。更には国際情勢についても,この認識を共有することは大変重要であると思っています。
 加えて,ファビウス外相は今回の国連防災世界会議に,今年のCOP21の議長という立場で出席するとも承知しております。よって,環境の問題,あるいは防災の問題,こういった問題についても意見交換が行われるのではないかと想像はしています。
 いずれにせよ,これは相手がある話ですので,どんな議論になるのか。日本とフランス,この大切な二国間関係において議論すべき課題はたくさんあると思っています。

国連防災世界会議関連

【毎日新聞 鈴木記者】1点お願いします。防災会議のバイの関係なのですけれども,先ほど日仏の外相会談のお話をされましたが,首脳協議あるいは外相協議で,日仏以外に予定されている調整状況はいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】当日は多くの首脳・外相,更には副首相クラスも出席しますので,総理,そして私(大臣)是非,精力的にバイ会談にも臨まなければならないと予想しています。ただ,多くの国々から出席者が予定されていますし,当日の日程もまだ十分確定されていない部分もありますので,今,具体的な会談相手については調整中です。

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