記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成27年1月27日(火曜日)10時37分 於:官邸エントランスホール)
シリアにおける邦人拘束事案
【フジテレビ 藤田記者】先ほど長官と長くお話をされていたと思いますが,どういったことを打ち合わせ等されていたのでしょうか。
【岸田外務大臣】今時点までの状況を確認し,意見交換をして参りました。
【フジテレビ 藤田記者】そちらには中東アフリカ局長や齋木次官も同席して,今までの経緯を確認したということでしょうか。
【岸田外務大臣】はい,そうです。
【フジテレビ 藤田記者】何か新しい進展の報告等はありましたか。
【岸田外務大臣】いえ,現状を確認したということですので,改めて何か報告することはございません。
【フジテレビ 藤田記者】朝の閣議で,総理の方から何か指示等はあったのでしょうか。
【岸田外務大臣】閣議の中身については官房長官に確認してください。議事録も公開されると存じます。
【フジテレビ 藤田記者】昨日,総理の方から事態が長期化する可能性もあるというような話がありましたが・・・。
【岸田外務大臣】いや,そうではなくて,逆に今すぐ動く可能性もある。一般論としてこの事案は今すぐ動くかもしれない,また長期化されるかもしれない,全く分からないから緊張感をしっかり維持しろという指示でありました。
【フジテレビ 藤田記者】長期化にも備えなくてはいけないという意味合いは。
【岸田外務大臣】これは全く分かりません。これは相手のあることですし,どういった展開になるか,これは本当に最大限の努力をした結果ですので全く分かりません。いずれにせよ,心構えとしても,また,そうした様々な事態に対応するためにも,しっかりと緊張感を持って努力しろ,そういう指示でありました。
【フジテレビ 藤田記者】現地対策本部も,同じ陣容でやる場合には疲弊してくるかと思うのですが,例えば人員の交換,入れ替え,または増強という事は外務省の方でも考えていらっしゃるのでしょうか。
【岸田外務大臣】今現在,周辺の在外公館,また本省からも様々な応援はしております。そして,現時点で今の陣容を入れ替える等の予定は全くありません。引き続き,全力で取り組んでいきたいと思っています。
【フジテレビ 藤田記者】「イスラム国」の方から人質と死刑囚を交換するというような要求がされていますけれども,日本からパイロットと後藤さんの2人を解放の条件としてヨルダン側に働きかけるという考えはあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】ヨルダンには現地対策本部もあり,緊密に連絡は取っています。そして,今のご質問にありましたような具体的なやり取りについては,これは今,事態も推移しておりますし,何か申し上げることは控えなければならないと思っています。
【NHK 小嶋記者】先ほど,ヨルダン現地の陣容の補足はないとおっしゃいましたが,中山副大臣はニューヨークの出張から半月位経っているわけですけれども,現地の本部長についても引き続き,大臣としてはこのままやってもらいたいと思っているのでしょうか。
【岸田外務大臣】今現在,何か変更等は考えておりません。事態は今後どう推移していくのか,まったくこれは油断は許されません。ですから,今現在では現体制で引き続き努力をしていきたいと思っています。
【共同通信 蒔田記者】交渉の中身というか,ルートの確保のことなのですが,最初の動画のアップから1週間位が経ちましたけれども,意思疎通のルートは今でも中々厳しいのか,それともよりスムーズになってきているのか,どのような状況なのでしょうか。
【岸田外務大臣】様々な働きかけは様々なチャンネル,あるいは様々なルートを総動員して全力で行っております。十分なのかというご質問ですが,具体的な状況について申し上げることは控えたいと思います。
引き続き,持てる全てのルート,チャンネルを総動員して全力で後藤さん解放に取り組んでいきたいと考えています。
【産経新聞 山本記者】昨日,二階総務会長が今回の件について渡航をもう少し止める手立てがあったのではないかということで,危険区域に日本人が行く歯止めのかけ方について更に強化を図るべきだという主旨の認識を示しているのですが,現状の法律の枠組み等で渡航の制限等について新しい対応等のお考えはございますでしょうか。
【岸田外務大臣】今問題になっている地域への避難勧告,そして渡航を控えるというメッセージについては2011年からずっと発し続けております。是非,こうしたメッセージがしっかり伝わるように引き続き努力していきたいと思っております。