記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年11月11日(火曜日)10時12分 於:本省会見室)

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冒頭発言

(1)第3回核兵器の人道的影響に関する国際会議

【岸田外務大臣】12月8日,9日にウィーンで開催されます「核兵器の人道的影響に関する国際会議」については、これまでより出席レベルを上げることといたしました。これまでは課長レベルが団長でありましたが,今回は佐野軍縮代表部大使を団長とする代表団を派遣し,議論に積極的に貢献する考えです。
また,我が国は,本会議に核兵器国を含む幅広い参加を得ることの重要性を訴え,働きかけてきたところですが,本会議に米国が参加することを高く評価し,歓迎をいたします。日本政府は,唯一の戦争被爆国として,国境と世代を超えて核兵器の非人道性についての認識を広げ,「核兵器のない世界」を目指すという立場から,本会議の議論が充実したものとなることを期待いたします。

(2)エボラ出血熱流行に対する専門家の派遣

【岸田外務大臣】もう一点ですが,この度,エボラ出血熱対策として,WHOを通じてリベリア及びシエラレオネに新たに4名の専門家を派遣することを決定いたしました。4名の専門家は11月中に順次出発する予定にしています。今回の派遣により延べ10名の日本人専門家がWHOミッションに参加することとなります。日本は,エボラ出血熱の終息に向けて,引き続き様々な支援を切れ目なく行っていきます。

日中関係

【共同通信 斎藤記者】日中関係についてお伺いします。 先日の日中首脳会談の土台になった日中合意があるわけですが,その日中合意の中の尖閣に関する部分,中国メディアは,日本側が大幅に譲歩したというような報道も一部出ております。それで日本のほうは,そうしたことはないというメッセージを出しているように私は理解しているのです。
 そこで改めてお伺いしたいのは,この日中首脳会談を受けた現時点での日本政府の尖閣におけるポジション・立場を改めて大臣のほうからご説明願いたいと思います。

【岸田外務大臣】改めて申し上げますが,尖閣をめぐる我が国の立場は全く変わっておりません。そして,ご指摘のこの4項目の中の尖閣に触れた部分ですが,あれは尖閣諸島等東シナ海の情勢というようになっていたと思いますが,東シナ海においては,「東シナ海防空識別区」の問題もあれば,海底資源の掘削の問題もあれば,さまざまな課題が存在いたします。それらにおいて,緊張状態が存在する,そういった表現が続いていると思います。
 そういった課題において,この緊張状態があり,そして,それについて見解の違いがある。これは全く,従来の我が国の立場と違いはないと思っております。改めて,我が国の立場は変わっていないということは強調しておきたいと思います。

【共同通信 斎藤記者】これはまた念押しなのですが,今,全くポジションに変わりがないというご発言がありましたけれども,そうしますと,尖閣諸島は我が国の固有の領土であって,日中間で現に領土問題は存在しないという点においていささかの変化もない。こういう理解でよろしいでしょうか。

【岸田外務大臣】はい。そのとおりです。

【フリーランス 上出氏】今の斎藤さんの質問に重ねてお伺いします。 確かに,中国メディアは相当はっきりした形で,いろいろなところで,人民日報を含めてですけれども,異なる見解ということをきちっと示したということは,これは領土問題のことなのだということをはっきり,学者さんも含めてですけれども,いろいろな方が言っております。
 そしてもう一つ,歴史問題について若干の認識,一致を見たということを言っておりました。これは安倍首相が靖国に参拝しないということを意味するのだという,大体そういうような解説が,ある程度,共産党としっかりつながった人たちが言っております。
 この辺については,どのように評価といいますか,読み取るべきだと考えておりますでしょうか。また,問題点があれば。

【岸田外務大臣】まず,尖閣等のこの東シナ海の情勢については先ほどお答えしたとおりであります。改めて繰り返しません。
 それから,歴史認識の部分ですが,これはさまざまなこの歴史認識に,全体について述べているものであり,個別具体的に何か取り上げて指しているものではないと認識をしております。さまざまな歴史認識の問題にはさまざまな課題・指摘がありますが,その全体を指して言っているものであると認識をしております。

衆議院の解散

【産経新聞 山本記者】衆議院の解散が取りざたされておりますが,年内の衆議院解散についての大臣のご見解と受けとめと,あと,この時期の解散が適切かどうかについてお聞かせください。

【岸田外務大臣】衆議院の解散は,私(大臣)から改めて申すまでもなく,総理の専権事項であり,総理が判断されることだと思います。よって,閣僚の一人であります私(大臣)が何か申し上げるのは適切ではないと存じます。それが適切かどうかも含めて,総理が判断されるものだと考えます。

消費税関係

【読売新聞 仲川記者】今の質問に関連なのですけれども,消費税を10%引き上げるかどうかという判断は近々行われる,7~9月の速報値を見て判断されるという考えを安倍首相が表明しています。
 そもそも,2012年の三党合意がございましたけれども,当時,岸田外務大臣は自民党の国会対策委員長であった。そのときの決定というものは非常に重たいものであるというように当時の会見でも繰り返していらっしゃったと思いますが,今,そういう重要な節目が近々迫っていることについて,現時点でご感想・お気持ちなどをお聞かせいただければと思います。

【岸田外務大臣】ご指摘の法律の成立については,当然のことながら,大変重たいものであると認識をしています。そして,その法律に基づいて総理はこれから,この消費税のさらなる引き上げを判断されるわけですので,これは総理として,内閣として,しっかり状況を見きわめた上で判断をすることになると存じます。法律の重みはもちろんですが,それに基づいてしっかりとした判断が行われるべきであると思っております。

APECにおける日韓首脳間の接触

【共同通信 松浦記者】APECの話に話を戻してまいりたいのですけれども,昨日の夕食会で総理と朴槿恵大統領が会話されました。このことの意義と,日中が首脳会談ができたことがこの会話を促したというようなお考えはありますでしょうか。

【岸田外務大臣】昨日10日に,APECの夕食会の場で安倍総理と朴槿恵大統領が隣同士になったという報告を受けております。そして,その際にさまざまな点について両首脳間で議論が行われたということも報告を受けております。そして両首脳は,現在行われております局長級の協議があります。この局長協議を円滑に前進させていく。この点においては一致したということでありました。
 その首脳間の意思疎通が何らかの,この背景によって影響を受けたのかというご質問ですが,これは今,申し上げた夕食会での意思疎通があったということに尽きるかと思っています。

日露首脳会談

【共同通信 市ノ瀬記者】日露首脳会談についてお伺いしたいのですけれども,来年の大統領来日に向けて準備ということで合意をされたんですけれども,その場合,日本の政策の問題となっておりますウクライナ情勢なんですけれども,現時点で親露派の独自選挙が行われるなど必ずしも安定化には向かっていないという状況だと思うんですけれども,大統領来日を実現させるためにはやはりウクライナ情勢が今よりかなり良くならないといけないのではないかと思うんですけれども,その辺の見通しですね,どのように見てらっしゃるのか,ということが一点と,もう一点はプーチン大統領の方からも平和条約交渉について言及がありましたけれども,見方によってはですね,ロシアの方は経済協力を獲得したいので,それで平和条約交渉を言及したのではないか,本当の狙いは経済協力獲得にあるのではないかという見方もありますけれども,この2点についてお聞かせください。

【岸田外務大臣】まず我が国としましては,ウクライナ情勢をふまえてG7との連携を重視し,そして現在,対露措置をとっているわけですが,一方でこの日露間の政治対話,これは大変重要であるという認識を持っています。そういったなかで,9日に日露首脳会談が行われました。明年の適切な時期にプーチン大統領訪日を実現するための準備を具体的に開始する,こういったことを一致をした次第でございます。今後具体的な時期につきましては,種々の要素を勘案し,総合的に考慮して検討していくことになると考えております。そして,北方領土問題,平和条約問題,これと経済協力との関係についてご質問を頂きましたが,これについては日露の政治的対話は大変重要であるという認識のもとに引き続き,大切なこの課題であります北方四島の帰属を明らかにして平和条約を締結するというこの問題について真剣に取り組もうということで率直な意見交換が首脳間で行われたわけでありますし,その背景のロシア側の意図について私から何か申し上げることは,材料もありませんし出来ないと考えております。

APECにおける日韓首脳間の接触

【共同通信 松浦記者】朴大統領との総理の会談が出来たことの意義を教えていただけませんでしょうか。

【岸田外務大臣】我が国はですね,まず日本と韓国2つの国は隣国であり,我が国におきましてこの二国間関係は大切な日韓関係であると認識をしています。難しい問題が二国間の間には存在いたしますが,問題があるからこそ対話が重要であるということを働きかけてきました。さまざまなレベルにおいて対話のドアはオープンだということを申し上げてきましたし,そして何よりも高い政治のレベルでの対話は重要であると申し上げてきました。様々な形において首脳間が意思疎通を図るということ,これは歓迎すべきことではないかと考えます。

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