記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年10月17日(金曜日)8時35分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言-エボラ出血熱の流行に対する専門家の派遣
【岸田外務大臣】エボラ出血熱の被害が更に拡大し,その猛威がますます深刻化していると深く憂慮しております。我が国は国際社会とともにエボラ出血熱に全力で立ち向かう決意です。この観点から,我が国は医療関係者2名を新たにWHOミッションに派遣することを決定いたしました。これら2名の医療関係者は20日シエラレオネに向けて出発する予定です。今後も専門家の更なる派遣に向け,WHOと調整していきたいと考えています。結果としまして今まで4名このWHOミッションに参加しておりますので,2名加わって合わせて6名になる次第です。
エボラ出血熱の流行に対する専門家の派遣
【TBS 法亢記者】今おっしゃったのは,これはこれまでの支援策の中の枠組みということでよろしいでしょうか?
【岸田外務大臣】先の国連総会の際には,我が国としまして4000万ドルの支援策を発表いたしました。併せて人的貢献あるいは候補薬さらには防護服,こうした貢献を表明していますが,その人的貢献のうちのもう一つだと認識をしております。
【TBS 法亢記者】総理がミラノでまた更なる追加支援を検討していると表明されましたけれども,それについては時期ですとかどのような追加支援を検討しうるとお考えでしょうか?
【岸田外務大臣】まずですね,我が国としましては先の国連総会の際に発表しました4000万ドルのうち,すでに2200万ドル支援の実施を決定しております。まず,やるべきことは公表した支援策のうちの残りの部分をですね,できるだけ速やかに行う,加速化させることだと思っています。ただ,エボラ出血熱の現状,大変深刻なものであると考えています。やはり国際社会として,手を緩めるわけにはいかないと考えています。我が国としましても,是非追加の貢献策をですね,考えていかなければならないと思っています。ただ,まずは現在表明している残りの部分をしっかりと実施し,その上の話ですから,追加策につきましてはこれからしっかり具体的に検討していきたいと考えます。
日朝関係
【TBS 法亢記者】日朝関係なんですけれども,家族会の方などからは昨日,安否に関する報告を受けるまでは訪朝を見合わせた方が良いのではないかという申し出がありました。大臣としては,調査状況を聞く段階での訪朝の必要性というのはお感じになっていますでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,様々な関係者の皆様から色んなご意見をいただいているということは承知しています。是非これからも拉致被害者の家族の皆様方をはじめ,多くの関係者の声にはしっかりと耳を傾けていきたいと思っています。そして,その上で調査を前に進める観点から政府全体として,総合的に判断していかなければならないと思っています。まずは,様々な声,しっかりと耳を傾けたいと思います。
【TBS 法亢記者】判断の時期なんですけれども,調査の状況ということであれば,なるべく早くという考えもあるかと思うんですけれども,実際に行って早急に検討したいと大臣そうおっしゃっていましたけれども,いつ頃の判断が適切だとお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず今,様々な機会を捉えて様々なご意見を受け承っております。今はその段階ですので,具体的にいつ判断するとか,いつ何をするかとかこういったことについては何も決まっていません。是非政府全体として,しっかりとした判断をしたいと考えています。
国内におけるエボラ出血熱対応策
【日本経済新聞 宮坂記者】エボラ出血熱の関連なんですけれども,日本人,邦人に感染者が出る可能性というのも十分想定できる状況かと思うのですが,仮に邦人感染者が出た場合の対応というのはどういうように検討されていらっしゃるのでしょうか。
【岸田外務大臣】当然のことながら,我が国も国際社会と連携しながらこのエボラ出血熱の問題にしっかりと取り組み,貢献していかなければならないわけですから,あらゆる事態を想定して,準備をしておかなければならないと思っています。ただ,今貢献策について表明した部分の実施等を進めている段階ですので,様々な準備は当然進めていますが,具体的な対応については引き続き,状況の変化等も考えながらですね,機動的に,具体的に考えていかなければなりません。今の段階でこれをやりますと確定的に申し上げる状況ではないと思っています。是非今後の状況も把握しながら,必要なことはしっかり準備していかなければならないといった認識に立って対応を考えていきたいと思っております。
日中関係
【読売新聞 仲川記者】11月のAPECに併せた日中首脳会談に向けた調整状況を現状でいかがか教えていただけますでしょうか。
【岸田外務大臣】日中間においては,難しい問題がありますが,難しい問題があるからこそ,対話そして高い政治のレベルでの対話が重要だということを申し上げてきました。そうした考えに基づいて,様々なレベルで意思疎通を図ってきているところです。是非こうした積み重ねの結果として首脳会談が実現することを安倍総理も期待しておられます。是非こうした積み重ねを引き続き,冷静に続けていきたいと考えています。