記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年5月13日(火曜日)9時44分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言-グアム協定改正議定書の締結について
【岸田外務大臣】先ほどの閣議で,グアム協定改正議定書の締結を決定いたしました。明日(14日),米国政府と外交上の公文を交換し,発効する予定であります。
政府としては,改正後協定の下で,米国政府と協力し,在沖縄海兵隊のグアムへの移転事業を着実に進め,米軍の抑止力を維持しつつ,沖縄の負担軽減を早期に実現していく考えであります。
日韓局長級協議
【テレビ朝日 藤川記者】先ほど外務省から今月15日に日本と韓国の局長級の協議を行うということが発表されましたけれども,前回は慰安婦問題に関する協議が中心でしたが,今回の協議ではどういったことを期待されますでしょうか。
【岸田外務大臣】15日木曜日,伊原アジア大洋州局長は訪日する李相徳韓国外交部東北アジア局長との間で日韓間の諸課題について協議を行う予定ですが,今回,日韓双方の関心事項について協議をするということであります。双方から関心事が示され,協議の議題として取り上げられることになると想定しております。
【テレビ朝日 藤川記者】ということは,日本が大変関心を持っている徴用工の件ですとか,あと水産物の輸入制限の件についても議題になると考えてよろしいでしょうか。
【岸田外務大臣】ご指摘の件は,我が国にとりまして関心事の中に入っている,関心事の内の一つであると考えています。
【テレビ朝日 藤川記者】それを,局長級の協議を今後,どのようにして外相会談ですとか,首脳会談につなげていきたいとお考えですか。
【岸田外務大臣】とりあえず,局長級協議二回目が行われるわけですが,引き続きまして双方の関心事を取り上げしっかりと意思疎通を図ることが重要だと思っています,こうした局長級協議における意思疎通を図ることを通じて,信頼関係を積み上げていき高い政治のレベルでの対話にもつなげていきたいと考えています。
日朝関係
【テレビ朝日 藤川記者】他方,一部報道で日本と北朝鮮,岸田大臣と先方の外務大臣とASEAN地域フォーラムの際に外相会談を検討されているという報道がありますけれども,事実関係をお願いします。
【岸田外務大臣】そういった事実は全くありません。そういったことが決まっているということは全くありません。
【テレビ朝日 藤川記者】日本と北朝鮮の政府間の正式な協議というのは3月の末から行われていない状況ですけれども,今後どのように進めていきたいとお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】日朝の政府間協議については,3月末に行われ,そして協議を継続していくことで一致をしております。そして,その後,次回の協議についても調整を行っている最中です。是非,引き続き対話は続けていかなければならないと考えています。
米NSAによる我が方国連代表部の情報収集
【TBS 久保田記者】エドワード・スノーデン氏が本を出版されて,日本の国連代表部が傍受の対象だったというようにでているのですが,それについての,同盟国からの対象だったということについての受け止めをお願いします。
【岸田外務大臣】その点については,報道として承知をしていますが,事実関係も含めて確認した上でないと,我が国としては何も申し上げることはできないと思っています。そういった点について,関心を持って注視をして行きたい,そのように思っています。
【TBS 久保田記者】日本の情報管理について見直しを考えるだとか,そこまでには。
【岸田外務大臣】日本の情報管理につきましては,たえず我が国として万全を期さなければいけないと思っています。その点については,今までも,そして,これからもしっかりと努力をしていかなければならないと思っています。
【TBS 久保田記者】アメリカから事前でも事後でも説明というのはあったのでしょうか。
【岸田外務大臣】米国との間においては,絶えず意思疎通を図っています。詳細についてはこの場では控えたいと思います。
朝鮮総連本部の競売手続き
【産経新聞 山本記者】朝鮮総連の中央本部の競売の件ですが,昨日東京高裁が執行抗告を棄却しました。この件に関して,北朝鮮側は朝鮮総連本部の扱いについて様々な主張をしておりますが,日朝の協議にこの総連本部の売却の問題が与える影響について,大臣はどうお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,東京高裁が執行抗告を棄却したということ,当然承知をしております。ただ,裁判所の手続きの一つ一つについて,行政の立場から何か申し上げることは控えなければいけないと思っています。
日朝協議については,引き続き政府間協議を続けるということで一致をしておりますので,是非,協議は続けていきたいと考えています。
【日本テレビ 中村記者】宋日昊(担当)大使はこの問題が進展しない限りは日朝協議の改善はないとおっしゃっているのですが,政府間協議に影響を与えるというように考えていませんか。
【岸田外務大臣】この問題と協議の開催については,関連するとは,我々は考えておりません。引き続き,日朝協議,日朝政府間協議においては,双方の関心事が取り上げられることになるとは想定しております。いずれにせよ,協議を継続するということでは一致おりますので,次回協議は進めていきたいと思っています。