記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成25年12月3日(火曜日)8時01分 於:官邸エントランスホール)
バイデン米副大統領の来日
【NHK 渡辺記者】米国のバイデン副大統領が来日しておりますが,今回の来日の期間中に,普天間基地の移設問題につきまして,関連して沖縄への何か負担軽減策そういったものに何か一致する予定はあるのでしょうか。
【岸田外務大臣】今回のバイデン副大統領の訪日に際しましては,改めて日米同盟の強化・連携についてしっかりと確認する機会にしたいと考えています。その際に,沖縄の負担軽減の問題,中国の防空識別圏の問題,更にはTPPを始め,日米の関わる具体的な課題についても意見交換が行われるのではないかと想像いたします。
実際のところは,今の段階で予断することは出来ませんが,そういった話題が取り上げられることは想定されるのではないかと思います。
特定秘密保護法案
【NHK 渡辺記者】現在,審議中の特定秘密保護法案についてですけれども,昨日の話しではありますが,自民党の石破幹事長のブログでデモを批判する趣旨の記述をしておりまして,それに対して野党からも批判が高まっておりますけれども,改めてそうした中で,この法案の審議にあたってそういった野党の批判についてどう受け止めていらっしゃるのでしょうか。
【岸田外務大臣】石破幹事長の発言については,与党幹部の発言であり,政府の立場から何か申し上げるのは,控えさせていただきたいと思いますが,石破幹事長におかれましても,この発言については一部撤回をされ,そして,その真意について説明する努力を続けておられると承知をしております。いずれにせよ,デモに関しましては,法令の範囲内で行われるものについては言論の自由であると考えます。
バイデン米副大統領の来日
【朝日新聞 菊地記者】バイデン副大統領とは,中国の防空識別圏についても取り上げられるということですけれども。
【岸田外務大臣】ではないかと想像,これは首脳会談ですから,首脳がどういうやり取りをするか,私(大臣)から確たることは申し上げられませんが,おそらく,そうなるのではないかと想像いたします。
中国の防空識別圏
【朝日新聞 菊地記者】米国務省が週末にホームページで,民間の航空会社に対して飛行計画の提出,一般論として容認されるということで,少し日米で中国の防空識別圏に対する考え方に違いがあるのではないかと思うのですけれども。
【岸田外務大臣】この防空識別圏の問題につきましては,まず,米国政府自身,いち早く強い懸念を表明しています。そして,民間航空機に対する対応についても,外交ルートで確認をいたしましたが,米国政府として中国の防空識別圏について飛行計画を提出するようなど指示したことはないということであります。
米国政府の立場は一貫していると認識をしております。是非,この問題についても,日米連携をしっかりと確認していきたいと思っています。
【朝日新聞 菊地記者】一方で民間航空会社の対応では,日本側の航空会社は出しておりませんが,米国では出していると,対応が分かれている現状なのですけれども,大臣はどのようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】米国の民間航空会社の対応について私(大臣)の方からコメントするのは控えたいと思いますが,いずれにせよ米国政府の立場考え方においては,一貫していると認識をしておりますし,日米でしっかり連携をしていきたいと考えております。
在コンゴ民主共和国大使館事務所火災(当省職員の逮捕)
【フジテレビ 山崎記者】昨日,外務省職員が逮捕された件で,報道などでは現場からマッチが見つかったとか,山田容疑者の部屋からポリタンクが見つかったというような話しも出ていますけれども,大臣ご自身が把握しているかどうかということと,それから,今後,外務省としては調査をされるということですが,具体的にどのような点について調査を続けていくおつもりなのでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,外務省職員が逮捕されたことについては,大変遺憾に思い,外務大臣として申し訳なく思っております。そして,その上で引き続き原因究明 ,それから事実の解明のために捜査に全面的に協力していかなければならないと考えています。そして,外務省は,この問題について事件発生後ずっと調査を続けてきました,引き続き今後とも,調査は続けて行きたいと考えております。ただ,この具体的な中身については,今逮捕され,そして究明が警察当局において進められておりますので,私(大臣)から具体的なものに触れることは控えさせていただきたいと思います。原因究明,そして事実の解明にしっかり協力した上で,それが究明,解明された後,しかるべく外務省としても対応を考えいかなければならないと考えております。
バイデン米副大統領の来日
【TBS 井本記者】バイデンさんとの会談の中で日中,日韓関係については,どのように扱って欲しいと大臣としては考えるのか,また,バイデンさんは中国,韓国と訪問されるわけですけれども,日本の立場をどのように伝えて欲しいと大臣としてはお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】まず,バイデン副大統領訪日に当たっては,先ほど申し上げましたように日米同盟の強化,連携をしっかり確認したいと思いますが,あわせて,中国,韓国,こうした近隣諸国との関係について我が国の立場をしっかり説明させていただくことになると思います,しなければならないと考えます。それを是非,ご理解いただいた上で次の訪問先へ向かっていただくことは大切なことではないかと考えます。いずれにしても,総理とバイデン副大統領との会談ですので,私(大臣)の立場からは,そういったやり取りがあるのではないかと想像する,考える,それ以上のことは申し上げることはできません。
沖縄負担軽減策
【日本テレビ 中村記者】2+2で,先ほど沖縄の負担軽減策の話しがでましたけれども,ホテル・ホテル訓練区域の問題ですとか,先月末までに結論を出すようなことを外務省が,それの現在に進捗状況はどうなっているのでしょうか。
【岸田外務大臣】日米2+2で確認された沖縄の負担軽減策については,その後,両国の関係者において鋭意検討を続けております。結果については結論が出次第,公にしたいと思っていますが,今現在,まだ検討が続いていると,調整が続いているという報告を受けております。出来る限り結論を急ぎ,そして,公表できるように努めたいと考えています。