記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成25年9月20日(金曜日)11時18分 於:本省会見室)
冒頭発言-国連総会関連会合出席及び二国間外相会談
【岸田外務大臣】国連総会出席につきまして申し上げさせていただきます。
23日からニューヨークに出張して,国連総会の関連会合に出席いたします。軍縮・不拡散,あるいはポストMDGs,安保理改革,女性・人権,テロ対策等,グローバルな課題に貢献するため,知恵を出し,汗をかいていく決意を伝えたいと存じます。
そして,現在,二国間会談として,英,仏,独,豪,イラン,そして,エジプト,こうした国々と二国間会談を行う予定にしております。
現在の国際社会の重要課題であるシリア情勢を巡り,各国外相と議論をするとともに,地域情勢やグローバルな課題についても,日本の立場への理解を求めていきたいと考えています。
二国間外相会談
【朝日新聞 菊池記者】今のお話にありました二国間会談ですけれども,今,上げられた六つの国ですが,欧州の国との二国間会談の狙いと特に中東の二カ国との狙いについて教えていただけますか。
【岸田外務大臣】まずは,先ほど申し上げましたようにシリア情勢を巡っての議論が大変大きなテーマの一つとして上げられると存じます。また,それぞれの国との間で二国間関係はもちろんですし,それぞれの地域情勢についてもしっかり意見交換,意思疎通を図っていきたいと存じます。それぞれの国と是非,有意義な外相会談を行いたいと考えています。
キャロライン・ケネディ次期駐日米国大使
【中国新聞 藤村記者】米国の次期駐日大使に指名されているキャロライン・ケネディ氏ですけれども,昨日の米上院公聴会での発言で,日本ほど私が赴任したいと思う国はないと,1978年に初来日したときに,エドワード・ケネディ上院議員と,叔父さんですけれども,広島を訪れて深く心を動かされたというように発言されました。
これについて,大臣はどのようにお感じになられたかというのを聞かせてください。
【岸田外務大臣】まず,我が国と米国は,核兵器のない世界を目指すという大きな目標については共有しております。私も広島出身でありますので,核兵器のない世界への思い,これは政治活動の原点となっていると思っています。こうした立場,考えに立つ者として,次期ケネディ駐日大使が,かつて広島を訪れ,そして大変心を動かされたという発言をされたということ,これは大変大きな重たい発言だと思いますし,是非,こうした核兵器のない世界へ向けての思いを共有し,共に努力をいただければと願っております。
【中国新聞 藤村記者】着任は来月以降ということですけれども,改めて被爆の実相に触れていただくということで,被爆地の広島や長崎を訪れて戴きたいというように思われるかどうか。
【岸田外務大臣】ケネディ次期駐日大使が着任した後に広島と長崎を訪問していただき,そして被爆の実相に触れていただく機会があれば,そういうことは非常に意義あることであると考えています。
【NHK 渡辺記者】今の質問の関連ですけれども,日米関係はいろいろ普天間の移設の問題とか懸案事項がありますが,日本にそういった理解を示す発言をされているケネディ次期大使,日米関係にどういう役割を果たしてもらいたいたいかその辺の期待されていることとかはありますでしょうか。
【岸田外務大臣】日米関係そして日米同盟については,言うまでもなく我が国外交の基軸であります。そしてこれからもアジア太平洋地域の戦略環境,この厳しい中にあって日米同盟は大変重要な関係だと思っております。そしてこうした戦略環境の変化に合わせて,日米同盟についてもたえず磨きをかけていかなければいけない,こうした課題だと思っております。是非,ケネディ次期駐日大使におかれましても日米同盟を進めていく上においてご活躍いただくこと,ご貢献いただくことを期待したいと思っています。
北朝鮮問題
【共同通信 斎藤記者】国連総会の関係ですけれども,国連総会で北朝鮮情勢をテーマとして日本のほうから提起する予定があるのかどうか。特に核問題ですね。北朝鮮の核問題の深刻さとか,これに対する対処の重要性を今度の国連総会で訴えるのかどうか,訴えの柱にする予定があるのかどうかこの点についてお聞かせください。
【岸田外務大臣】今までも各国外相等々の会談におきましては,地域情勢を巡って様々な意見交換を行い,その際に我が国,私(大臣)のほうからは東アジアの地域情勢として北朝鮮問題については必ず触れさせていただき理解を求めてきました。この問題については,引き続き東アジアの地域情勢として我が国の大変大きな関心事としてしっかりと説明していかなければならないと思っています。是非,こうした情勢について説明をし,各国の理解を得て国際的な連携を深めていく大事な視点だと思います。
【共同通信 斎藤記者】今の関連ですけれども,北朝鮮の核ミサイル問題,最終的に日本としてどのような形で解決に導いていくのかその姿勢を国際社会にどう説明するか,この点について大臣のお考えをお聞かせください。
【岸田外務大臣】我が国の北朝鮮に対する方針は従来から繰り返しておりますように,核,ミサイル,拉致,こうした諸課題を包括的に解決するべく対話と圧力の方針のもとに臨んでいく,関係各国としっかり連携をしながらこうした問題の解決に努めていく,この方針は従来どおり全く変わっておりません。この方針を従来からも説明し,理解を得てきましたが,こうした国連総会の場,各国の外相が集まる場におきましてもしっかりと説明をしていかなければいけないと思っておりますし,理解を得るべくしっかり引き続き努力をしていきたいと考えています。
【毎日新聞 影山記者】冒頭の国連総会での二国間会談に関連して,隣国の中国と韓国との会談の見通しについてと,大臣自身が会談したいという思いをお持ちでいらっしゃるかどうかを伺いたいと思います。
【岸田外務大臣】中国,韓国との二国間会談については,現在はまだ何も決まっておりません。従来から申し上げているように,我が国は対話が大変重要だと思っておりますし,意思疎通を図ることは重要だと考えています。
新興海洋国能力構築支援セミナー
【朝日新聞 広島記者】来週外務省で新興海洋国能力構築支援セミナーが開かれると思うのですけれども,そのセミナーで法の支配に基づいた,開かれ,安定した海洋を実現することの重要性などを議論するということですけれども,このセミナーの狙いの中に対中国というのは含まれているのでしょうか。
【岸田外務大臣】
すみません,そのセミナーの内容について私(大臣)自身,まだ十二分に報告を受けておりませんが,この海洋,法の支配,こうした考え方を従来から我が国は重視し,しっかり訴えてきているところでありますし,一方,恐らく特定の国を挙げて具体的な議論をするというものではないのではないかと想像はいたします。確認いたします。