記者会見

林外務大臣会見記録

(令和4年2月22日(火曜日)10時55分 於:本省会見室)

(動画)林外務大臣会見の様子

冒頭発言

(1)ウクライナ情勢(ロシアによる「ドネツク人民共和国」及び「ルハンスク人民共和国」の「独立」承認)

【林外務大臣】私(林大臣)から、この2月21日に、ロシアが「ドネツク人民共和国」これ括弧付きですが、及び、括弧付きで「ルハンスク人民共和国」の、これも括弧付きで「独立」を承認する大統領令に署名をするとともに、ロシア軍に軍事基地等の建設・使用の権利を与える「友好協力相互支援協定」、これも括弧付きですが、これに署名をいたしました。
 こうした行為は、ウクライナの主権及び領土一体性を侵害し、国際法に違反するものであり、決して認められるものではなく、非難いたします。
 我が国として、改めてこの事態の展開を深刻な懸念を持って注視していくとともに、G7を始めとする国際社会と連携して、制裁を含む厳しい対応につき、調整を行ってまいります。私(林大臣)からは以上です。

(2)林大臣のインド太平洋閣僚会合出席

【林外務大臣】もう一つございました。
 本日、フランス・EU共催の「インド太平洋閣僚会合」にオンライン形式で出席をする予定でございます。
 今回の会合は、本年前半のEU議長国であるフランスのイニシアティブによるもので、EU加盟国やパートナー国の閣僚等が参加をする予定でございます。日本として、こうした会合が開催をされることを高く評価し、歓迎をしております。
 ウクライナ情勢への対応が現下の最も喫緊の課題であり、日本も米国始め、G7と連携して取り組んでいるところでございます。
 こうした状況下で開催されることになった本件会合では、日本として、基本的価値や原則を共有する欧州や同志国との間で、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力を着実に進展させることの重要性や、この地域のみならず、ウクライナ情勢への対応をも念頭に、力による一方的な現状変更への反対について、日本の考えや取組をしっかりと発信し、関係国との更なる連携強化に繋げたいと考えております。以上です。

ウクライナ情勢

【毎日新聞 飼手記者】ロシアのプーチン大統領は、ロシア軍の派遣、これを指示しました。G7の外相では、仮にウクライナに対する侵攻があれば、ロシアへの制裁を含む甚大なコストを招くことになるということを確認しております。
 ロシアは、平和維持が目的ということで、正当化をしておりますが、親ロシア派地域にロシア軍を展開すれば、これは侵攻に当たって、経済制裁に踏み込むことになるというふうにお考えでしょうか、お願いします。

【林外務大臣】我が国としては、改めて事態の展開を深刻な懸念を持って注視していくとともに、G7を始めとする国際社会と連携いたしまして、制裁を含む厳しい対応について、調整を行っていくと、こういうことでございます。

【朝日新聞 相原記者】先ほどの質問で、ちょっと答えになってないところがあったので、もう一度聞きます。プーチン大統領、いわゆる平和維持軍をドンバスに送るように指示しています。この平和維持軍は、ウクライナ東部に入ったら、日本政府として、侵攻というふうに見なすんでしょうか。

【林外務大臣】これは仮定のご質問ということでございますので、仮定のご質問に答えることは差し控えたいと、こういうふうに思いますけれども、先ほど申し上げましたように、事態の展開、深刻な懸念を持って注視をしていくとともに、G7を始めとする国際社会と連携して、制裁を含む厳しい対応につき調整を行っていくということでございます。

【産経新聞 杉本記者】2点、関連でお願いいたします。一つは制裁についてですけれども、現時点で日本政府としては、制裁を行うということは決定していないということでよろしいでしょうか。もう一点ですが、先ほどフランスとの共催の会議に出られるということでしたけれども、それ以外にも、米国であるとか、ウクライナであるとか、他の欧州各国と電話会談等、外務大臣として行われるご予定、あるいは総理が行うご予定というのはございますでしょうか。

【林外務大臣】制裁につきましては、先ほど述べたとおりでございますが、G7を始めとする国際社会と連携して、制裁を含む厳しい対応につき、調整を行っていくということでございます。
 また、総理については、G7の首脳テレビ会議、これに岸田総理が出席予定でございまして、ウクライナ情勢を含む外交政策等について、議論が行われる予定でございます。
 ウクライナ情勢につきましては、2月19日に行われたG7外相会合、これの議論も踏まえて、様々な側面から議論されることとなると考えております。日本としても、自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有するG7が結束して、国際社会を主導することが極めて重要だと考えておりまして、積極的に議論に貢献していく考えでございます。

【産経新聞 杉本記者】大臣のご予定、いかがですか。

【林外務大臣】私(林大臣)の方も、先ほど申し上げたとおりでございまして、電話会談等、様々な調整を行っておるところでございますが、今時点で決まっているものはございません。

記者会見へ戻る