記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年3月4日(火曜日)8時41分 於:官邸エントランスホール)

日朝赤十字会談

【テレビ朝日 菅原記者】日朝間の政府間の非公式協議が開かれましたが,その話し合いの内容と成果について教えていただけますでしょうか。

【岸田外務大臣】今回の日朝赤十字会談におきましては,北朝鮮にある日本人遺骨問題等について協議が行われましたが,北朝鮮にある日本人遺骨の問題に関しましては,政府としましても,戦後未解決の人道上の重要な問題であると認識しており,今回,日朝赤十字間で議論が行われたこと自体については,前向きに受け止めています。
 政府としましては,拉致問題等の諸懸案につきましては引き続き重大な問題であり,しっかりと解決に向けて取り組まなければいけないと考えていますし,前向きな対応を強く北朝鮮側に求めています。こうした方針は従来通りです。

【テレビ朝日 菅原記者】政府間の非公式協議について。

【岸田外務大臣】1年4ヶ月ぶりに2時間弱ですが,政府間で意見交換が行われた。こうした意見交換を行ったことについては,一定の意味があったとは受け止めています。引き続き諸懸案の解決に向けては努力をしていきたい,このように思っています。

ウクライナ情勢

【テレビ朝日 菅原記者】日本はG7の共同声明に名を連ねているわけですけれども,一方で安倍総理はプーチン大統領とは良好な関係を築いていたいと,今後,この問題をどのようなスタンスで,どのように・・・。

【岸田外務大臣】様々な報道,新しい情報が入っています。その情報につきましては錯綜している部分もありますので,しっかりと情報を確認していきたいと考えています。そして,その上で関係各国ともしっかりと連携をしながら対応しなければならないと考えます。
 日露間においては,北方領土問題,平和条約締結問題,こうした議論が続いているわけですが,こうした議論につきましても,まず現状をしっかり注視しながら考えていくべきものだと思っています。日露間の様々な日程については,現状において変更はありません。

日朝赤十字会談

【NHK 渡辺記者】日朝の非公式協議についてお伺いしたいと思います。一定の意味があったということですけれども,具体的には今回の意味というのは,どう評価されるでしょうか。会談の内容につきまして。

【岸田外務大臣】そもそも今回は,日朝の赤十字間の会談を利用した上での接触でありました。ですから,これをもって直ちに政府間協議が再開するという段階ではないと考えていますが,ただ1年4ヶ月ぶりに政府間で意見交換をしたことについては一定の意味があったと考えています。
今後の状況は見守らなければなりませんが,政府としては北朝鮮における諸懸案について,引き続き従来の方針の下にしっかり取り組んでいく,この点は変わらない,こういうことです。

【NHK 渡辺記者】そうしますと,政府間協議の再開に向けての何か,今回の会談が布石になるのでしょうか。

【岸田外務大臣】今申し上げたように,今後の推移を見守っていかなければならないと存じます。1年4ヶ月ぶりの接触,ここには意味があると思います。

ウクライナ情勢

【朝日新聞 菊地記者】G7のロシアへの声明には日本も参加して非難声明を出されていますけれども,その前日,外務大臣談話を出されていますけれども,談話ではロシアに懸念を伝えておりましたが,G7の声明では非難という少し強い内容に変わっていますけれども,こちらに差があるのは,日本政府として少し立場に考え方があるということでしょうか。

【岸田外務大臣】G7の声明の中にも,当事者にしっかり自制と責任ある行動を求める,こうした我が国にスタンスは盛り込まれていると考えています。平和的に事態が収拾されることを期待するという我が国の方針に変わりはありません。

【朝日新聞 菊地記者】欧米各国は経済制裁も視野に検討されているということですけれども,日本政府の検討状況としてはいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】今後に事態の推移を注視し,それを見た上で適切に対応すべき問題だと思っています。

【朝日新聞 菊地記者】現状で検討している状況ではないと。

【岸田外務大臣】現状においては,今事態を注視している段階です。

【NHK 渡辺記者】直近ですと,日露の投資フォーラムとか経済案件の会合がございますけれども,いまのところ,その辺りは情勢が変わっても継続していくというか,従来の日程どおりにやっていくということでしょうか。

【岸田外務大臣】現段階では,そうした予定に変更はありません。しかし,事態の推移は注視していきます。

【NHK 渡辺記者】最後通牒をロシア軍がクリミア半島にいるウクライナ軍にしていると,投降を呼びかけていると,日本時間の本日,正午までにということですけれども,そのあたりの情報については,どう評価されていて今のところどういう・・・。

【岸田外務大臣】その情報は承知していますが,かなり錯綜しています。その情報を,今確認中です。談話でも申し上げた深刻な憂慮と懸念を持ちながら,状況を注視しているという状況です。

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