記者会見

林外務大臣会見記録

(令和4年7月22日(金曜日)10時52分 於:本省会見室)

(画像)林大臣会見の様子

冒頭発言

「故安倍晋三国葬儀準備事務局」の設置

【林外務大臣】本日、故安倍元総理大臣の国葬儀が行われる旨閣議決定が行われ、この国葬儀に、外国要人等の参列を受け入れることになりました。これを受け、我が国が外交関係を有する国等に対し、日時や場所等、安倍元総理の国葬儀にかかる情報の通報を行います。
 併せて、海外からの国葬儀への参列者に対する接遇等に遺漏なきを期するため、「故安倍晋三国葬儀準備事務局」を外務省内に設置することといたしました。
 今後、本事務局を中心として、国葬儀に向けて、外務省としても着実に準備を進めていく所存でございます。私(林大臣)からは以上でございます。

故安倍元総理大臣の国葬儀

【朝日新聞 野平記者】大臣が冒頭おっしゃられた国葬の件なんですけれども、外交関係を有する国等というのは、だいたい何か国ぐらい、何人ぐらいを見込んでいらっしゃるのかという点と、あと、事務局なんですが、どういった体制、何人体制で、9月の開催に向けて、どういった作業を進めていくことになるのか、教えてください。

【林外務大臣】まず、体制でございますが、石月英雄アジア大洋州局参事官を事務局長といたしまして、30名規模で立ち上げたところでございます。
 今後、状況を見つつ、必要に応じて、増員等の見直しも行っていきます。
 参列の希望ですが、既に各国から、極めて多数の、様々な弔意メッセージが寄せられておりまして、安倍元総理が外交において残された大きな足跡を改めて感じております。
 本日設置をいたしました準備事務局を中心に、海外からの「国葬儀」への参列者に対する接遇等に、遺漏のないように対応してまいりたいと思っております。

【読売新聞 阿部記者】同じく「国葬儀」の関係ですけれども、2点お尋ねします。多数の海外からの要人の来日が見込まれると思いますけれども、どのような弔問外交を展開したいと考えるかが1点目です。2点目は、先ほど外交関係を有する国等に情報を伝えるというお話だったかと思うんですけれども、これには台湾も含まれるんでしょうか、お聞かせください。

【林外務大臣】まず、弔問外交でございますが、今般実施が決定をいたしました「国葬儀」、これは安倍元総理が、憲政史上最長の8年8か月にわたりまして、卓越したリーダーシップと実行力をもって総理大臣の重責を担い、様々な分野で実績を残されたこと、また、外国の首脳を含む国際社会から極めて高い評価を受けておりまして、今回の事案に対しても、国内外から幅広く哀悼・追悼の意が寄せられている、こういうこと等を勘案して実施するものであります。
 「国葬儀」を執り行うことで、安倍元総理を追悼をするとともに、我が国は、暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く、こうした決意を示していく所存でございます。併せて、活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り開いていくという、こうした気持ちを世界に伝えていきたいというふうに考えております。
 国以外ということでございますが、台湾、香港、マカオ、パレスチナ、また、安倍元総理の逝去に際して、弔意メッセージをいただきました国際機関等に通報を行うということでございます。

日韓関係

【東亜日報 李記者】今週、日韓会談をやりましたけれども、米国のホワイトハウスの国家安全保障会議の東アジアを担当するケーガン上級部長が、日韓関係の改善が重要だという認識を示しましたけれども、これについて、日本政府は今後の日韓関係の改善について、どのような認識を持っているでしょうか、お願いします。

【林外務大臣】ご指摘の報道については、承知をしておるところでございます。
 北朝鮮への対応を始め、地域の安定にとって、日韓・日韓米の連携が不可欠であると考えております。
 日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題などにより、非常に厳しい状況でありますが、このまま放置することはできないと考えております。
 国と国との約束を守ることは、国家間の関係の基本であります。今回の朴(パク)長官とのやり取りも踏まえつつ、日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づき、尹(ユン)政権と緊密に意思疎通をしていく考えでございます。

G20でのロシアの扱い

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 G20について伺います。火曜日に大臣は、サウジアラビアの外相と会談されましたが、日本とサウジアラビアは両国ともG20の加盟国であるということもあり、G20の今後について話し合われたでしょうか。一部の政治家は、G20を解体すべしとか、ロシアを除外すべきである、といった発言をしていますが、このことに関する日本の立場をお聞かせください。

【林外務大臣】国際社会は、ロシアのウクライナ侵略によって、ロシアとの関係を、これまでどおりにすることは、もはやできないと考えております。
 G20でのロシアの扱いにつきましては、議長国であるインドネシアを始めとするG20のメンバーとも議論しながら、今後の情勢をよく踏まえた上で、政府として、適切に対応していきたいと考えております。
 外交上のやり取りの詳細について言及することは控えますけれども、私(林大臣)とファイサル・サウジアラビア外相の会談、また、同外相による岸田総理大臣表敬では、ロシアのウクライナ侵略を受けた国際社会の連携を含めて、率直な意見交換を行い、今後も緊密に連携していくということを確認したところでございます。

知床半島沖の観光船沈没事故(ロシア側からの遺体引渡し)

【共同通信 前田記者】知床の観光船事故の遺体の引渡しについてお伺いします。北方領土などで見つかった3人の御遺体というのが、まだロシア側から引き渡されてないんですけど、そもそも、ロシア側と遺体引き渡しについて、合意が得られていないのか、もしくは、その方法について現在調整中なのか、今の状況について教えてください。また、これ対露制裁が影響しているのではないかという懸念がありますけど、その見解もお願いします。

【林外務大臣】ロシア側が、国後島及びサハリンで発見した御遺体3体につきましては、これら御遺体の引渡しをロシアが拒んでいるというわけではなくて、日本側に引き渡されるとの前提で、引渡しの方法、時期について、合意に至るべく、ロシア側との間で鋭意調整を進めておるところでございます。人道的観点から、一日でも早く、御遺体の引渡しが実現できますように、引き続き、ロシア側と調整を進めていく考えであります。
 ロシア側とは適時・適切にやり取りを行ってきておりまして、対露制裁や日露関係の悪化が何かしらの影響を与えたり、障害になっているとは考えておらないということでございます。

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