記者会見

茂木外務大臣臨時会見記録

(令和2年9月9日(水曜日)20時58分 於:本省大臣接見室)

冒頭発言

【茂木外務大臣】今日、ASEAN+3外相会議そして、日ASEAN外相会議、今終わったところでありまして、この後、EAS参加国外相会議に出席をする予定であります。すでに3時間経過をしておりまして、おそらく合計で5時間を越える、長丁場になるんじゃないかなと思いますが、とても有意義な議論が行われているところであります。

 最初のASEAN+3外相会議におきましては、今年4月の新型コロナに関するASEAN+3特別首脳テレビ会議のフォローアップとして、日本が支援するASEAN感染症対策センターの設立に向けた取組を含め、日本のASEAN支援策を説明しました。また、RCEPの年内署名に向けて、引き続き関係国で協力していくこと、こういったことを確認をいたしました。

 そして先ほどの日ASEAN外相会議におきましては、ちょうど8月にですね、ASEAN各国、私も訪問してきました。それぞれの国で、コロナ後最初の外国要人の訪問ということで、非常に相手方にとっても印象に残っていると。それから今年初めには、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア4か国を、年明け早々に訪れた、そういう印象もあったんだと思いますが、非常にパーソナルな形で、良い議論ができたと、こんなふうに思っているところでありますが、この日ASEAN外相会議、日本が推進しております、「自由で開かれたインド太平洋」、これは、法の支配、航行の自由、開放性等、多くの基本的な価値感を共有している、そこの中で、日ASEAN協力を具体化していく、このことで一致をいたしました。また、ワクチン開発であったり、医療物資調達を目的とした「新型コロナに関するASEAN対応基金」に対して、日本として新たに100万ドルを拠出をするということを、今日表明させていただきました。更に、東シナ海、南シナ海、北朝鮮、香港情勢等地域情勢についても日本の立場を説明し、拉致問題についても非常に各国から発言もいただいたところであります。ASEAN各国と議論を、こういった地域情勢についても、深めることができた、こんなふうに考えております。この後、EAS参加国外相会議ではWHOに対する対応の検証も含む、新型コロナへの対応や、北朝鮮、東シナ海、南シナ海、香港といった地域情勢について、日本の立場を強く訴え、関係国と連携強化を確認したい、このように考えているところであります。

 先ほど申し上げたように、先月の東南アジア各国訪問の成果も踏まえて政治・安全保障分野から経済分野さらにはコロナ対策、人の往来の問題、幅広く有意義な議論を行うことができたと考えています。今後も各国と協力しながら、地域の平和、安全、そして、繁栄、とりわけ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、取り組んでいきたい、そのように考えております。
 この後EASの会議に戻らなくてはなりませんので、詳細につきましては事務方から説明をさせていただきたいと思います。

質疑応答

【記者】日ASEAN外相会議の方で、東シナ海、南シナ海、北朝鮮、香港情勢については日本の立場を説明したと大臣は仰いましたが、これはいわゆる各国との緊密連携を確認したというところまではいける。
【茂木外務大臣】日本の懸念はしっかり伝えてあります。

【記者】関連ですが中国が実効支配を強めている南シナ海についてなんですが、日本とASEAN諸国の間で認識の共有などはされたんでしょうか。また日中韓3か国とのASEAN+3の場でも協議がでたのか、教えてください。
【茂木外務大臣】こういった会議におきましては基本的に自分の国が言ったことについて話をする、こういうルールで、相手の国がどう言ったかということについてはですね、明らかにしない、こういったルールの下で会議を進めておりますが、これまでも2国間の外相との間でもですね、さまざま地域の情勢について議論を深めて参りました。共通認識はできあがっていると思います。また中国に対しても王毅国務委員に率直に日本の立場、懸念も伝え、そして中国側の前向きな対応を求めてきたところでありまして、そういったことはこれからも引き続き行っていきたいと思っております。

【記者】昨年採択されたASEANアウトルック、AOIP、と日本の掲げるFOIPとの共通点がかなり多いと思うんですけれど、大臣ですね、この2つの間にシナジーというものがすでに具体的に生まれてるとお感じになる場面はおありでしょうか。
【茂木外務大臣】まずですね、たとえば航行の自由であったりとか、法の支配,こういったですね基本的な価値観、これについて共有をし共通点が多い,そうした中で協力を進めていきたい、ということを確認させていただきました。

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