記者会見

河野外務大臣臨時会見記録

(令和元年5月23日(木曜日)18時20分 於:フランス・パリ)

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冒頭発言

【河野外務大臣】昨日,今日とOECDの閣僚理事会に出席しました。デジタル経済,貿易,開発,あるいはOECDの運営といったことを議論しました。また,そのマージンでWTO関連会合,B20関連会合,そのほか複数のバイ会談を行いました。閣僚理事会では今年のG20の議長国として貿易,デジタル経済,開発その他もろもろについて日本の考え方を発信すると同時に,このOECD,今アジアは日本と韓国の2カ国しか入っておりませんが,東南アジアの加盟国の拡大が重要だと申し上げました。貿易分野では透明性向上,通報機能の強化,それから紛争解決制度の改革,ルール作り,それから途上国の特別待遇,Special and Differential Treatment,S&DTといわれているやつですが,この扱いを含むWTO改革の重要性等について日本の考え方をかなり明確に伝えることができたと思います。

 カナダ政府主催の少数国会合において,WTO改革の具体的な方策に関する議論があり,またオーストラリア政府主催のWTO非公式閣僚会合においても,漁業補助金交渉の現状,WTO改革への取組の重要性などについて,率直な議論が行われました。

 私からは,先般の韓国による日本産水産物の輸入規制の措置に関するWTO上級委員会の判断について,上級委員会が主要な争点となった措置自体が協定違反かどうかについて判断を下さなかった,結果として本来の紛争解決制度が果たすべき機能を果たすことができなかったのは極めて遺憾であるということを述べた上で,紛争解決制度の抜本的な改革に向けた議論を進めることの重要性を訴えました。また,日本産食品に関する輸入規制を維持している国に対して規制撤廃を要請いたしました。

 閣僚理事会のマージンで,スロバキアのペレグリニ首相,今回の議長を務められましたが,アゼベドWTO事務局長,ライトハイザー米国通商代表,ポポリシオ・ペルー外務大臣,ソーライデ・ノルウェー外務大臣,OECDのグリア事務総長,アラウージョ・ブラジル外務大臣,それから韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と意見交換を行いました。

 日韓の外相会談では旧朝鮮半島出身の労働者問題について先般日韓請求権協定に基づく仲裁付託を通告いたしましたが,韓国側の責任で早急に具体的な解決策を講じるように強く求めました。また韓国に対して日本産水産物の輸入規制の早期の撤廃を求めました。 私からは以上です。

質疑応答

【記者】今回康京和外相との会談の冒頭で大臣から韓国外務省報道官の発言について抗議がありましたけれど,それに対して康京和外相から何らかの反応・リアクションはあったのでしょうか。

【河野外務大臣】先方からもご発言がありましたけれど,この大法院の判決とそれがもたらしている日韓両国の関係の法的基盤を著しく損なっているということに対して,韓国側が如何にこの問題が重大かということを正確に認識し,やはり韓国側でしっかり問題解決してもらうことが大事だと思います。外交部の発言はどうも重大性の認識がないのではないか,という気がいたしましたので,それではこの日韓両国関係が立ちゆかなくなると思います。韓国政府には速やかに対応をお願いしたいと思います。

【記者】今回の会談で徴用工をはじめ日韓で立場が違う面について歩み寄りは見られたのでしょうか。

【河野外務大臣】これはもう韓国側が国際法違反の状態をいつまでも放置しておくわけにはいかないわけですから,早急にできればG20大阪サミットの前にでもしっかりと対策を講ずる,あるいは対策を確定していただきたいという風に思います。

【記者】韓国側が会談内容について発表していまして,その中で日本は被害者の苦痛と傷を癒やす努力をすべきだと,慎重な言動を取れということで反論があったということなんですけど,この点について大臣からどういうふうに返されたのか,この考えについてどのようにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】この問題は,国際法に関する問題でありますから,二国間の国交を考えるならば,この国際法違反の状況が是正されなければならないということであります。個人の感情を優先するのではなくて,国と国との国交の基礎になっている国際法違反という状況を速やかに是正される必要があると思います。

【記者】それは申されたと。

【河野外務大臣】申し上げました。

【記者】大臣,会見で文在寅(ムン・ジェイン)大統領のリーダーシップというか,李洛淵(イ・ナギョン)総理が今回限界があるという発言をされたということで,上のレベルでという趣旨のようなことをおっしゃっていましたが,その点について今日言及があったのでしょうか。

【河野外務大臣】我々は,李洛淵総理が責任者としてこの問題の解決策を検討されているということでしたので,それをある面サポートする意味で抑制的な対応をとって参りましたが,先般,李洛淵総理のご発言があって,対応には限界があるということでございました。総理が対応が出来ないならば,そこから下のレベルでは当然対応はできませんから,総理の上にいらっしゃる文在寅大統領が,これは責任をもって対応策を考えて頂かなければ解決には結びつかないというふうに思います。

【記者】長官にはお伝えになった。

【河野外務大臣】申し上げました。

【記者】仲裁委の設置についてですが,どのような呼びかけをこちらからして,向こうはどういう反応があったのでしょうか。

【河野外務大臣】先方の発言を私(大臣)から申し上げるのは差し控えますけれども,一刻も早い仲裁の委員の任命をお願いしたいと思いますが,仲裁付託を通告したからといって,その前に韓国側がしっかりとした対応策を講じることを妨げるものではありませんので,私(大臣)からは韓国側がなるべく速やかにしっかりとした対応策を講じてくれることが望ましいということを申し上げました。

【記者】先方の発言は引用出来ないということなんですけれども,仲裁委を開いて欲しいという要望に対して韓国は受け入れなかったということでしょうか。

【河野外務大臣】先方の発言を申し上げることは差し控えたいと思います。

【記者】いずれにせよ,仲裁委を開くという返事はされなかったわけですか韓国は。

【河野外務大臣】先方の発言は差し控えます。

【記者】一部報道で韓国側が新たな解決策として基金を作ると,その前提として既に判決が出ている分は日本企業に賠償してもらうということが報じられていますが,この件について今日話題でましたでしょうか。

【河野外務大臣】ありません。

【記者】日本企業に賠償させてから,あと残る分は韓国政府が持つというこの案について大臣どう思いますか。

【河野外務大臣】この問題は請求権協定で解決済みであります。

【記者】大臣先ほどできればG20前までに何かしらの対応策を示してほしいと仰いましたけれど,G20の前というのはどういった意図で示されたのでしょうか。

【河野外務大臣】文在寅大統領がG20に参加されるわけですから,そのときまでに対応策が講じられればよろしいのではないかというのが私の考え方です。

【記者】今のこの関係のままではG20に来てもなかなか首相同士で話ができる状況ではないということですか。

【河野外務大臣】G20には27カ国および10の国際機関が参加をするわけで,安倍総理は一日議長をやっているわけですから,そもそもバイ会談のスロットというのは極めて制約をされています。

【記者】大臣としてはG20前までに何かしらの向こうに動きがあって関係が改善した中で来てほしいという思いがあるのでしょうか。

【河野外務大臣】G20に文在寅大統領がいらっしゃるでしょうから,そこまでにこの問題が解決されているのが日韓関係にとっては望ましいと思います。

【記者】今日会談が当初の予定より大幅に延びて1時間20分くらいされたと思いますが,これだけ長時間にわたって行われた理由というのは何だったのでしょうか。

【河野外務大臣】この問題の他に北朝鮮の問題もありますし,いろんな問題がありますから,必要な分だけ話をしたということです。

【記者】徴用工の関係ですけれど,今日は韓国側から対応策の考え方みたいなものは示されたのでしょうか。

【河野外務大臣】私の方からしっかりと対応策を講じてほしいということを申し上げました。

【記者】ベーコンのツイートの件,どういった意味なんでしょうか。

【河野外務大臣】ノーコメントです。

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