記者会見

河野外務大臣会見記録

(平成30年10月2日(火曜日)20時01分 於:本省会見室)

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冒頭発言

(1)再任の挨拶

【河野外務大臣】第4次安倍改造内閣でも引き続き外務大臣を務めることになりました。昨年8月に就任して,400何日なのだろうと思いますが,延べにして73の国および地域を訪問し,国連総会の場でもかなり様々な国のカウンターパート,外務大臣と気心が知れるようになって,いろんな話をしやすくなったと思っております。
 この間,国連総会でのUNRWA支援会議の共同議長を頼まれる,あるいはヨルダンのアブダッラー国王が主催をするテロ対策のアカバ・プロセスの中で,共同議長を頼まれるといった,それなりに力を入れようと思っていた中東外交で少しずつ日本の存在感が出てきたのではないかと思っております。
 かつて,麻生太郎さんが中東外交は銀座4丁目みたいなもんだとおっしゃっていましたけれども,銀座4丁目の通行人から,小さなお店を出しましたというぐらいにはなったのではないか,と思っております。引き続き,様々外交課題に積極的に取り組んでいきたいと思っております。
 かつて申し上げた6つのことを中心にやっていきたいと思っておりますが,一つは,日米同盟をしっかり強化をしていく,日本の外交・安全保障の基軸は日米同盟だと考えておりますので,揺るぎない日米同盟の下,地域あるいは国際社会の課題に,解決に,積極的に当たっていきたいと思っております。  特に北朝鮮の問題については,日米で緊密に連携をしながら当たっていきたいと思っております。
 2番目に,近隣諸国,中国,韓国,ロシアといった国々との関係の強化をしていきたいと思います。
 日中は,双方の努力で「正常な軌道」に戻ったというふうに言ってよろしいかと思います。10月に総理が訪中をされますが,具体的な成果に繋げ,日中関係を発展させていきたいと思っております。
 韓国とは,「日韓パートナーシップ宣言」20周年ということがありますので,様々両国間の問題はありますが,それは適切にマネージしながら,前向きに発展をさせていきたいと思っております。
 ロシアにつきましては,これはもう北方四島の帰属の問題を解決し,平和条約を締結するという基本方針の下,粘り強くやっていきたいと思います。
 3番目に,自由貿易をしっかりと推進をしていこうということで,TPP11あるいは日EU・EPA,これを発効させる,あるいはRCEPを早期妥結させる,少しきしみが出ているWTOについても改革をしっかりとやり遂げていきたいと思っております。また,フェロー諸島を始めとする小さな国・地域とのFTAというのもしっかりと進めていきたいと考えております。
 4番目に,地球規模課題の解決,外務省で有識者会議を立ち上げて,気候変動について積極的に取り組んでまいりました。国連総会前の総理のフィナンシャルタイムズへの寄稿というのもございましたが,気候変動外交,しっかりとイニシアティブを取れるようにやってまいりたいと思っております。
 特に今年は,台風ですとか,西日本の豪雨,洪水といった気候変動が,もう自らの問題だと多くの日本国民が考えるような気象状況にありますので,この気候変動にどう当たっていくかということを日本としても,しっかりやってまいりたいと思っております。
 また,軍縮・不拡散の問題,あるいは保健・教育といった人間の安全保障につながるような問題,SDGsの達成のために日本としてもしっかり地球規模課題,努力してまいりたいと思います。
 中東政策については最初に少し申し上げましたが,中東へ少し積極的に,政治的にも関与していきたいと思っておりますし,人への投資,あるいは息の長い知的・人的貢献といった「四箇条」をしっかりやってまいりたいと思っております。
 最後に,「自由で開かれたインド太平洋戦略」,「国際公共財」としての法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序というものをしっかり打ち立てていきたいと思っております。
 今週末にはTICADの閣僚級の会合もございますし,日メコンの首脳会合というのもあります。来年はG20,あるいはTICADの首脳会合,その他,即位の礼ですとか,ラグビーのワールドカップといった首脳クラスが訪日してくださる機会も多くあろうかと思いますので,外務省としては,積極的にそうした機会も捉まえて,日本の積極的な外交を展開してまいりたいと思っているところでございます。

(2)アフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合の開催

【河野外務大臣】10月6日,7日,日本政府は,国際連合,あるいは国際連合開発計画(UNDP),世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)との共催で,アフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合を東京で開催いたします。これまでのTICADV,VIで打ち出した取組の実施状況を確認するとともに,来年の8月28日から30日まで開催する予定のTICAD7に向けた議論を,閣僚級でしっかりやっていきたいと思っております。
 昨年のモザンビークのマプトの閣僚会合以来になりますが,日本の開催ということもありますので,恐らく今,バイの会談が,予定されているので20いくつあるのだろうと思いますので,結構,体力的にはきついかなと思いますが,せっかくの機会ですので,TICADを成功に導くと同時に,アフリカの諸外国との二国間関係の強化,あるいは国連安保理改革,その他,国際的な課題に向けた努力をこの機会にしっかりとやってまいりたいと思っているところでございます。

北朝鮮関連

【NHK 石井記者】北朝鮮の問題についてお伺いしますが,冒頭でも大臣おっしゃいましたが,日米でこれから緊密に連携ということなんですけれども,この間,南北の首脳会談,そして国連総会を経て,今後米朝の非核化交渉が期待されるところですが,現状,その非核化の進み具合は,今後についてどういうふうにお考えになられているか,もう一つ,ニューヨークで北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相と20分間,会談されたということなんですが,このタイミングというか,この局面をもって,日朝の今後の進み具合が変わってきたのか,変わってきたと思われるのならば,どういう面でそういうふうに思われるのかをお聞かせいただけますか。

【河野外務大臣】シンガポールでの歴史的な(米朝)首脳会談以降,残念ながら非核化に向けた具体的な歩みというのがない中で,国際社会がやはり一致して対応するということが大切だという状況には,変化がないというふうに思っております。日米,あるいは日米韓,あるいは中国,ロシアを加え6か国,様々なレベルでしっかり連携していきたいと思っております。
 また,日朝につきましては,日朝平壌宣言に基づいてしっかりと懸案事項を解決し,国交正常化するというのが我が国の方針でありますので,その方針にはいささかの変化もございません。国連では,久方ぶりの外相会談ということになりましたが,様々なルートで日頃から意思疎通は行なっております。平壌宣言に向けて,実現に向けて,これからもしっかり努力をしてまいりたいと考えております。

【共同通信 福田記者】官房長官が拉致問題担当相に就任されました。拉致解決のための交渉は外務大臣が担われると思いますが,長官との連携のあり方について,お考えをお聞かせください。

【河野外務大臣】菅官房長官とはもう初当選同期で,それ以来,20年様々なことをやっておりますので,特に連携について心配することは何もないと思っています。

日中関係

【中国青年報 張記者】2点,お伺いします。今月,安倍総理大臣が中国を正式訪問なさる予定ですが,ご訪問の成果については,日本側の期待はいかがでしょうか。今後,新しい時代にふさわしい両国関係をしっかり,確保できるために今後は日中両国の外交はどのように展開して,しっかり実行していくべきだと考えていらっしゃいますか。2点目は,今,世界が貿易保護主義が台頭している中,来年もG20サミット,日本がホスト国として,日本外交の強みとリーダーシップを発揮しながら,地域と世界の経済,政治の安定と発展に貢献していくんでしょうか。どうぞ,お差し支えないところをお願いします。

【河野外務大臣】総理の訪中は日中関係を大きく前進させる良い機会だと思っておりますので,習近平(しゅう・きんぺい)主席との会談を含め,様々,中国側の指導者との意見交換の中で,今後の日中関係を多いに発展させる様々な合意ができればふさわしいのではないかと思っております。総理の訪中に次いで,習近平主席に訪日していただいて,その後もハイレベルの往来をしっかりと続けていくことが大切だというふうに思っておりますので,私(大臣)も様々な機会をつかまえて,訪中をしたいと思っておりますし,また,王毅(おう・き)外務大臣にも是非,様々な機会に訪日をしていただきたいと思っております。米中の,やや貿易でのやり取りが世界的にも話題になっておりますが,戦後の世界経済の発展は一つは自由貿易の上に成り立ってきたというところが非常に大きいと思いますので,様々な障壁で自由貿易を阻害するということは,国際経済の中で誰のためにもならないというのははっきりしているんだろうと思います。様々な貿易に関する問題はWTOの枠組みの中で解決されるべきものでありますので,これは米中双方,WTOの枠組みの中で問題を解決してほしいと思っております。

インドネシア・スラウェシ島で発生した地震及び津波被害

【日本インドネシア経済月刊誌(JIEF) スシロ記者】大臣,おめでとうございます。先週なんですけれども,インドネシア・スラウェシ島で地震・津波の影響は今,1234人の死者になりました。地震の後に,略奪行為もありましたので,いろいろ,泥棒されたとか。質問は,日本政府からの援助は,どういう形になりますでしょうか。日本は他の国に比べたら,地震後に略奪行為は起こらないと思いますので,大臣から,起こらないようにアドバイスいただけないでしょうか。

【河野外務大臣】本当に1200人を超える犠牲者が出られたということでお悔やみを申し上げるとともに,さらに,多くの被害者の皆様には心からお見舞いを申し上げたいと思います。日本政府は発生直後から,必要な支援があればなんなりと支援をする用意がありますということを申し上げてまいりました。先般,インドネシア側から支援を受け入れたいという話がございましたので,インドネシア側が必要とする支援を至急送るべく,両国間で調整をしているところでございます。日本からの支援が被害に合われた方にとって役に立つものになるよう,しっかり対応してまいりたいと思っております。災害の多い日本として,いざという時には,やはり,地域でお互い助け合うというのが何をおいても大切だということを,我々日本人,身にしみてこれまでの災害でよく理解をしております。そういう中で,何かあったときには,お互い,助け合おうということをやってまいりました。是非,インドネシアの皆様にも何か起きたときには地域でそれぞれ,助け合うことができる,そういう顔の見える関係を日頃から,様々な行事などで地域で育てていくことが大切だと思います。是非,そうした助け合いの下に復興をがんばっていただきたいと思いますし,日本政府としても,しっかりとお手伝いをさせていただこうと思っております。

北朝鮮関連

【朝日新聞 鬼原記者】北朝鮮関連で2点伺います。1つは先ほどの質問の関連ですけれども,管官房長官が拉致担当を兼任するということになったことが対北朝鮮政策についてどういった強みになるかということと,あと大臣との役割分担みたいなものというのはどういうふうになっていくのかということが1点と,あと終戦宣言についてです。大臣,先頃の会見で時期尚早だと非常にストレートにおっしゃったと記憶しています。一方で総理や官房長官は朝鮮半島の平和と安全に資するものでなければならないと,この後者の方がちょっと曖昧かなと思っていて,時期尚早だとおっしゃる大臣の認識と総理,官房長官の先ほどの文言というのは齟齬はないんでしょうか。違いはないんでしょうか。

【河野外務大臣】2つ目のご質問からお答えすれば齟齬は全くありません。最初の質問で言えば国内的なことに関しては菅長官にお任せをするというかリーダーシップを取っていただくということで,外交的な交渉その他についてはしっかりと政府の中で外務省が先頭に立ってやっていきたいと思っております。先ほど申し上げましたように長官とはコミュニケーションを非常に上手くやっておりますのでそこはしっかりと2人で話し合いながらやっていきたいと思っております。

第4次安倍改造内閣の外交

【読売新聞 梁田記者】質問2点あります。今回の第4次安倍改造内閣で政権としての重要な外交課題ということで北朝鮮拉致問題の解決,日露関係というのを総理,挙げていらっしゃいます。政府全体として,官邸始め,いろいろなアクターが関わる事業になってくると思うんですけれども,その中で外務大臣として,また,外務省という組織をどのように引っ張っていきたいとお考ええでしょうか。もう1点が,さきほど総理の会見の中でも河野外務大臣に続投をお願いした理由として,積極的な外交展開をしているということがありました。例えばインド太平洋戦略ですとか,日本の外交として,政府全体として掲げている大きな方針の中で,例えば,今後,どういった外遊を含め,どのようにご自分の行動を展開していきたいと,お考えでしょうか。

【河野外務大臣】戦後の総決算ということを考えればロシアとの北方四島の帰属の問題を解決し平和条約を締結するということと,北朝鮮との国交を樹立というのが言わば,戦後残っている課題だと思いますので,総理がこの二つを挙げられるというのは当然のことだろうと思っております。今,北方四島の帰属の問題については共同経済活動を始め,両国で未来像を描いていく中で,四島の帰属の問題を解決していこうということでありますし,北朝鮮の問題の中には拉致問題というのも含まれますので,これは外務省だけではなく,政府挙げてやることになろうかと思います。そういう中で,外務省としては相手国との交渉について,しっかりとこれまでの積み上げを基に前へ進みたいと考えているところであります。
 また,昨年の8月から外務大臣をやらせていただいて,やはり,外交も最終的には人が介在をするわけですから,様々な相手のカウンターパート,外務大臣とどれだけ意思疎通がしっかりできるかが様々な課題を解決するのにスムーズにつながっていくということを実感しました。例えば,ラカイン州のイスラム教の問題などについてもG7で共同声明がかなり難航いたしましたけれども,最終的には当時のボリス・ジョンソン英外相との間で話し合いをし,サミットまでは日本に任せるというような話し合いができ,サミットまでMOUを締結し,独立した調査団を設置するという日本の約束を果たすことによって,サミットではむしろ,みんながミャンマーをエンカレッジするというような方向へなってくれた。あるいは今度の,UNRWAの支援会合についても,日本に積極的に関与してほしいという声をかけてもらって,日本としても様々な場面でパレスチナ問題,発言をする,あるいは様々行動をする場面というのができてきたということなどが,挙げられるとかと思いますが,こうした,これまでの積み上げに基づいて日本外交をしっかりやっていきたいと思います。
 日本の外交は軍事に頼るところが全くございませんし,80年代などと比べてODAの総額は大きく減らしている中で,やはり軍事あるいは金でなく,外交力そのものが問われることになるというふうに思っております。外務省あるいは日本政府,そして,今後の日本外交というのは外務省,日本政府が前面には出ますけれども,企業ですとかNGOですとか,あるいは国民一人一人の皆さんが日本の外交をある面,背負っていくというところが大事になってくると思いますので,自ら,外務省が外交交渉,外交をやるだけでなく,様々な日本国内のアクターが外交という場面に出ていけるように,あるいは,その中で力を出せるように支援をしていくことも大切なんだろうと思っております。気候変動外交の中では気候変動イニシアティブという非政府のアクターが日本の国内にも誕生し,国際的な会議の場面でもそれなりの存在感を示してくれるようになりましたので,そんな形で外務省としてイニシアティブをとれるところはイニシアティブをとる,あるいはそこから,いろんなものが生まれてきた場合にはそれをしっかり,国際的な場面でも後押しができる,そうしたことをやっていきたいと思っております。

第4次安倍改造内閣の女性閣僚

【東京新聞 大杉記者】ちょっと直接外交に関係ないんですけど,今回の安倍内閣はついに女性閣僚が1人になってしまったということがよく指摘をされていて,元々自民党も永田町そのものも女性議員がすごく少ないということも言われていますけれども,外交をされていて他の国々で女性がそれこそ外務大臣をやっていたりというのもご覧になってきていると思うんですけれども,日本と他の国とどういうところが違うとか,何か思うところがあれば教えていただけたらと思います。

【河野外務大臣】先般,モントリオールの女性外相会合にG7の外務大臣が呼ばれて結果として男で参加したのは私1人でかなり日本の外務大臣河野太郎はいいやつだというのが女性の間では広まったのではないかというふうに思っております。あの後,色んなところから,バイの会談をやろうという話もありましたし,様々な場面で色々バックアップするような発言もしていただいたりということがあって非常によかったというふうに思っておりますが,諸外国でも女性がしっかり外交の最前線で頑張ってくれております。我が外務省は恐らく新卒の女性の割合が4割に達したのではないかと思っておりますが,国際機関に行けばむしろ日本の女性の方が圧倒的に男性より多いというのが現実にあります。今回のニューヨークでも最後のニューヨークの晩,国際機関の日本人職員と意見交換をしましたけれども圧倒的に女性が数としても多いし頑張っているという現実があります。それはどちらかというと海外の方が力を振るえると思って女性が行かれているのか,男が内向きなのか,そこはよく分かりませんが,少なくとも国際的な場面で日本の女性が頑張っているというのを海外の人はよく認識をしてくれておりますので,外務省としてもしっかりと女性の外交官に腕を振るってもらえるように頑張っていきたいというふうに思っております。ただ,最近,子育て,あるいは子どもの教育・介護,こうした問題がやはり霞ヶ関全体でもクローズアップされている中で,霞ヶ関全体の働き方改革というのは,これはもう待ったなしだろうと思います。幸いにして外務省はまだまだやる気のある前向きな方が大勢外務省に来たいと言って手を挙げてくれている状況がありますが,今の霞ヶ関の状況が続けばそれもどうなるか分かりませんから,霞ヶ関の働き方改革というのは政府,国会をあげて取組まなければいけない課題なんだろうと思っております。そこはしっかりやって参りたいと考えております。

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