記者会見

岩屋外務大臣会見記録

(令和6年12月20日(金曜日)15時11分 於:本省会見室)

(動画)岩屋外務大臣会見の様子

冒頭発言

「2025年旅券」の紹介

【岩屋外務大臣】今日、私(岩屋大臣)からのお知らせは、新しいパスポートについてでございます。
 日本のパスポートは高い信頼を得ておりまして、ビザなしで渡航できる国・地域は、190以上に上ります。一方で、国際的には、偽造対策、変造対策の強化が求められております。
 このために、来年3月24日から、顔写真ページを、プラスチック製に変更いたしました。こういうものになるんですけどね。この部分がプラスチックに変わります。
 この変更に伴いまして、申請から交付まで、ちょっと時間がかかって、2週間程度かかりますが、お早めの申請を、したがってお願いをしたいと思っております。なお、現在お持ちのパスポートは、有効期間まで使えます。
 同時に、オンラインの申請も、より便利になります。今後は、更新時だけではなくて、新規の申請時においても、全国でオンライン申請をご利用いただけるようになります。オンライン申請の場合は、戸籍謄本の原本も不要になります。
 今後、パスポート・キャラクターの「パスポくん」、本当は、誰かが着ぐるみを着てここに出てこないといけないんですが、今日、ちょっと間に合わなくて、「パスポくん」がいないんですけれども、この「パスポくん」も活用して、周知に努めてまいりますので、国民の皆様のご理解をよろしくお願いいたします。2025年旅券でございます。
 冒頭、私(岩屋大臣)からは以上です。

日米関係(石破総理とトランプ次期大統領の会談の調整状況)

【NHK 米津記者】冒頭とはちょっと違うことで、恐縮ですけれども。米国のトランプ次期大統領側から、来月中旬に、石破総理との会談の提案があったという話がありますけれども、この事実関係と、あと、就任式前の階段ですと、話せる内容も限られるというような側面もあろうかと思うんですけれども、このタイミングについて、大臣の考えをお聞かせください。また、仮に就任式前に会談することになった場合に、個人的な信頼関係の構築ですとか、どのような場になることを期待されるか、お聞かせください。お願いします。

【岩屋外務大臣】石破総理とトランプ次期大統領との会談につきましては、大統領選挙直後に、石破総理とトランプ次期大統領の電話会談を、まずやらせていただきましたが、その時に、もう既に、できるだけ早く会って話をしようということは確認できておりますので、今般の様々な事柄もございましたし、トランプ次期大統領の側からも、日本の総理と早く会いたいという御趣旨の御発言をいただきました。
 そこで、今、トランプ次期政権側とその会談のありよう、いつ、どこで、どういう形で、ということを含めて、交渉というか、調整を行っているところでございます。
 先方との関係もございますので、その中身は、控えさしていただきたいと思いますが、できるだけ早く調整が整うことを願っておりますし、そのために、外務省として、最大限の努力をしていきたいと思っております。
 できれば、初めての会談ということに、その場合なりますので、じっくりと意見を交わして、今後の日米同盟、日米関係の在り方について、国内外に、国際社会に対しても、しっかりとメッセージを発信していただける、そういう機会になって欲しいと思っておりますし、そういう機会になりますように、外務省としても、努力していきたいと思っております。

日中関係(中国人の査証申請手続の緩和)

【毎日新聞 金記者】日中関係についてお尋ねします。これまでも度々出ている質問でありますけれども、中国政府が、先月、日本人の短期訪中ビザの申請免除を再開して、現在、外務省においても、中国人のビザ申請手続きの緩和について、検討を進めているところと承知しております。このように、日中間での相互往来の増加が今後見込まれるところでありますけれども、他方で、日中間では政治的懸案が山積している状況も、これまた事実だと思いますが、このような中で、相互往来、日中両国民の相互往来の活性化が、現在、両国間で横たわる懸案等の、そういった関係管理に、どのように作用するというふうに、大臣はお考えでしょうか。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】先般、私(岩屋大臣)は、「東京-北京フォーラム」という会合に、お邪魔させていただきました。そこでも議題に取り上げられたようですが、毎年、日中双方で、世論調査をやっていると。その結果を見ると、この段階では、お互いに対する感情が、国民感情があまりよろしくないと。中国側の対日イメージも、日本側の対中イメージも、数字的には非常によろしくないということを聞きまして、これは非常によろしくないことだなと、好ましくないなと、改めて感じております。
 先般の中国側の査証免除の再開は、歓迎をしたいと思っておりまして、やはり、両国の良好な関係というか、友好的な関係の土台になるのは、国民同士の交流でございますので、お互いの行き来が、しやすい環境を作っていくことは、大切なことだと思っております。
 我が方としても、様々、今検討しておりますけれども、この段階で、新たな緩和措置を行うということが、まだ決まったわけではありませんが、できるだけ前向きに、検討を重ねていきたいと考えております。
 今後とも、両国民の交流が、盛んになっていくように、外務省としても、そこは努力していきたいと考えております。

新しい旅券

【共同通信 阪口記者】冒頭の発言あったので、せっかくですので、ちょっと伺いたいんですけれども、新しくパスポートだったと思いますけれども、ご覧になって、デザインなど変わったところもあると思います。何か御印象あったら伺えますでしょうか。

【岩屋外務大臣】そうですね、やはり、この部分がプラスチックになって、いわゆる、偽造変造というものができにくくなるというか、できなくなるということだと思うので、安全性が非常に高まったのかなと思っております。安心してお使いいただけるものに変わっていくということだと思いますので。デザインは、そんなに変わってないですけど、そういう印象です。

日・サウジアラビア外交関係樹立70周年

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】来年、2025年で、サウジアラビアと日本の国交樹立70周年を迎える件について質問します。プロ・ボクシングの世界スーパー・バンタム級4団体統一チャンピオンの井上尚弥選手が、12月2日、サウジアラビア政府の総合娯楽庁が主催するサウジアラビア最大のエンターテイメント・フェスティバル「リヤド・シーズン」と、推定総額30億円の大型スポンサーシップ契約を結び、同イベントのアンバサダーとなりました。サウジアラビアの王子の1人で、総合娯楽庁長官のトウルキ・アラルクシ氏は、井上選手との契約について、2025年のビッグサプライズ、このビッグサプライズというのは、来年、井上選手が、サウジアラビアでファイトするということらしいですけれども、に向けて、サウジアラビアと日本の外交関係樹立70周年を象徴する関係を築いていくとの声明を出しています。中東の産油国であるサウジアラビアは、日本にとって、大事な存在です。日本政府、または外務省として、国交樹立70周年を迎える来年に向けて、サウジアラビアとの国交関係、友好関係を歓迎・祝福するためのサプライズのようなものを用意しているのでしょうか。よろしくお願いします。

【岩屋外務大臣】珍しく明るい話題の御質問で、ありがとうございます。
 サウジアラビアは、我が国にとって、言うまでもなく、大切な国でございます。エネルギー安全保障上の重要なパートナーであるとともに、この地域の大国でもありますので、中東地域の平和と安定において、重要な役割を担っておられる国だと思います。
 したがって、今、お話のあった来年の外交関係樹立70周年、この節目を活用して、より幅広く、かつ深いレベルで、相互理解・協力を推進していきたいと考えております。 したがって、両国において、各種の記念事業の公募を行うとともに、政府間でも、計画・検討を、今、進めているところでございます。こうした中で、両国関係の一層の強化に資するような、来年の周年事業をやりたいと考えております。
 そこで、今回、井上選手が、「リヤド・シーズン」とスポンサー契約を結んだ。これは、朗報だと思います。我が国が誇る選手でいらっしゃいますので、大いにサウジにおいても活躍していただきたいと願っております。とても前向きな話題でございまして、歓迎しているところでございます。

米軍横田基地からのPFOS等の流出

【共同通信 阪口記者】話題、別のものでよろしくお願いします。東京の米軍の横田基地からPFASが流出した可能性がある問題について伺います。防衛省、外務省、環境省などは本日基地に立入りをしました。調査に至った経緯について教えてください。沖縄県だったり、山口県など、全国の米軍基地がある自治体からは、これまでに立入り調査を求める声が相次いで出ております。こういったところに対しては、どのように対応していく考えなのかも、併せてお尋ねします。

【岩屋外務大臣】まず、立入りに至る経緯についてですけれども、本年10月3日に、在日米軍から、横田飛行場の消火訓練エリアから、PFOSなどを含む水が漏出したとの通報がございました。政府は、その後、米側から得られた追加情報を、10月16日に、地元自治体に提供するとともに、11月5日には、防衛省が、横田飛行場南西部の排水溝付近に置いて、採水、水を実際に採って、水環境中の指針値を下回っていることを確認するなど、対応を重ねてきたところでございます。
 こうした中で、11月20日に周辺自治体から頂いた御要望も踏まえまして、政府として、立入り調査について、米側と調整を行ってまいりました。
 この結果、本日午前、防衛省を始めとする関係省庁、もちろん外務省も入っておりますし、環境省も入っておりますが、それと、東京都及び地元自治体とともに、横田飛行場に立ち入り、現場となった消火訓練エリア周辺を視察するとともに、米側から、当時の状況などについて、説明を受けたところでございます。
 今後の対応についてですが、PFOSなどをめぐる問題については、地域住民の皆様が、不安を抱えていると承知しておりますので、在日米軍施設・区域内外の環境対策が実効的なものとなりますように、引き続き、関係省庁及び米側と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
 その他の地域についても、御要望といいますか、事情を、我々聴取させていただいて、対応を考えていきたいと思っております。

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