(1)日・豪物品役務相互提供協定(日豪ACSA)について
日・豪物品役務相互提供協定(日豪ACSA)について
【岸田外務大臣】本日の閣議におきまして、日豪ACSAを発効させることを決定いたしました。これを受け、1月31日に同協定が発効する予定であります。
日豪両国は、本協定の発効により、国連平和維持活動等の現場レベルでの協力が一層円滑になることを期待しております。
(2)アルジェリアの事件を受けた外交政策の「3本柱」及びアフリカ主導国際マリ支援ミッション(AFISMA)支援会合について
【外務大臣】先週、私(岸田大臣)は、今回のアルジェリアでの事件を受け、対策チームの立ち上げ等の当面の措置を講ずることを発表させていただきました。この対策チーム及び官房長官の下での検討作業を踏まえ、例えば、「情勢が不安定な地域に展開する企業・邦人へのよりきめ細かな対応」ですとか、「イスラム過激派に関する情報収集・分析体制の強化」といった施策を具体化していきたいと考えております。
これに加えて、外務省としましては、今回の事件を受けた外交政策の「3本柱」を立て、この下で具体的な取組を積極的に打ち出していきたいと考えております。
「3本柱」、まず一つ目は、この「国際テロ対策の強化」です。そして、二本目の柱としましては、「サヘル・北アフリカ・中東地域の安定化支援」です。そして、三本目の柱としましては、「イスラム諸国・アラブ諸国との対話・交流の推進」です。
現在、この「3本柱」の下での最初の取組といたしまして、マリ及びサヘル地域の安定化を支援するため、新たに約1.2億ドルの拠出を行うことを検討しております。これは、同地域におけるマリ難民等への人道支援やPKO訓練センターへの支援を含むガバナンス・治安部門強化のための支援でありまして、アフリカ主導国際マリ支援ミッション(AFISMA)の活動を更に強化するとともに、テロの温床となっている貧困の削減が期待されるところです。
この新たな拠出の検討を含むマリ及びサヘル地域に対する我が国の取組については、現在アディスアベバ(エチオピア)に出張中の松山副大臣が、本日、同地で開催されますAFISMAに関する支援会合に出席し、国際社会に向けて発表することとなっております。松山副大臣はさらに、テロとの闘いに向けた我が国の揺るぎない決意を表明することになっております。
この「3本柱」に基づくさらなる取組については、今後随時、適当な機会を捉えて発表していきたいと考えております。本日、閣議決定予定の来年度予算におきましても、当省として総額約30億円のテロ対策関連予算として計上する見込みであり、各国、地域機関、国際機関とも連携しつつ、テロとの闘いをさらに進めていく所存です。
【琉球新報 問山記者】昨日、沖縄の41市町村長と県議会議長の代表が大臣にお会いになって、普天間飛行場に配備されているオスプレイの配備撤回と普天間基地の県内移設断念を求める建白書を手渡しました。これを受けての大臣の御所感と、今後、米国政府に対して県内移設を断念して新たな策を探るお考えがあるのかと、オスプレイの配備についても撤回を求めるお考えがあるかをお聞かせください。
【外務大臣】昨日、私(大臣)のところにも沖縄の地元の皆さま方にお出かけいただき、
そして、建白書の御提出をいただきました。
まず、要請につきましては、真摯に受け止めたいと存じます。そして、その中で二点、オスプレイの配備の点と普天間基地の移設の点、二点の内容が特に盛り込まれておりました。
オスプレイの配備につきましては、9月19日、日米の合同委員会の合意というものがありますが、この合意が守られていないのではないかという御指摘があります。この点について適切に実施されるようしっかりとフォローしていかなければいけないと思っております。今後とも、地元の皆様方の理解を得ていくよう、丁寧に対応していかなければいけない、このように思っております。
そして、普天間基地の移設の問題についても米軍再編については、沖縄の地元の負担を軽減するという点をしっかりと大切にしながら、今後とも地元の皆さま方との意思疎通を図っていかなければいけない。こういったことを昨日、地元の皆さまがた、大変大勢外務省にお出ましをいただきました。皆さま方のお一人お一人の顔を見ながら、今申し上げたようなことを改めて感じたというのが私(大臣)の受け止め方でございます。
【朝日新聞 二階堂記者】自衛隊が導入するステルス戦闘機F35についてお伺いします。本日、一部報道にもありましたが、国内で製造修理する部品をイスラエルに提供することが、武器輸出三原則に抵触する可能性があるということになると思うのですが、このことについてどういう御見解をお持ちでしょうか。
【外務大臣】F35については、平成23年の12月20日の安保会議決定、そして閣議了解におきまして、一部の完成機輸入を除き国内企業が製造に参画するとされております。この方針に従って、今調整を行っているという状況でございます。今、このF35については、こうした状況にあると認識をしています。
【フリーランス 安積氏】1月26日ですけれど、金正恩第一書記が国家安全及び対外部門幹部協議会で緊急招集しまして、情勢に対処し強力な国家的重大措置を取るというように発言したという報道がありました。これについては、核実験の再開であるとか、国連脱退ではないかというような憶測が流れておりますが、現状における情勢分析をお願いいたします。
【外務大臣】御指摘の点については、そういった報道を承知しておりますし、さまざまな情報収集に努めているというところです。いずれにしましても、北朝鮮に対しましては、累次の安保理決議の誠実なる完全なる実施、更には六者協議の共同声明、こういったものをしっかりと守り実施していただく、更には挑発行為を決して行わない、こうしたことを強く求めていかなければならないと思っています。この推移をしっかりと注視していかなければいけないと思っています。
【東京新聞 五味記者】北朝鮮に関連してですが、労働新聞が28日に日朝協議に関して、「日本が米国に追従し、日朝協議を破綻させた」と非難した文章が載ったそうですが、これに関して北朝鮮側から、何か通報というのですか、協議を打ち切るとか当分開かないとか、そのようなものがあったのかどうかお伺いしたいと思います。それと、大臣は協議がもう破綻してしまったという認識はお持ちでしょうか。
【外務大臣】日朝の政府間協議については、昨年12月上旬に予定されていたわけですが、12月1日に北朝鮮によるミサイル発射の予告がありました。こうした状況でしたので、延期せざるを得なかったということでありますので、日本が破綻させたという批判は当たらないとまず思っています。
そして、北朝鮮には、先ほどの質問にもお答えしたように、是非、国際社会の断固たるメッセージをしっかり受け止めて、累次の安保理決議等を誠実に実施していただく、挑発行為を決して行わない、これを引き続き求めていかなければならないと思っています。
そして、日朝政府間協議については、北朝鮮を巡る諸般の状況を勘案し、これから適切に判断していかなければいけないと思っていますが、現状においては、予断を申し上げることは差し控えたいと思います。
(1)アルジェリアにおける邦人拘束事件について
【岸田外務大臣】今回のアルジェリアにおける事件に関し、本日午前6時48分、政府専用機が7名の邦人の方々及び9名の御遺体を乗せて、羽田空港に到着いたしました。私(大臣)も空港でこれを出迎え、犠牲者に対し黙とう、献花を捧げさせていただきました。数多くの尊い人命が失われたことに対し、あらためて強い憤りと悲しみを覚えました。
昨晩、新たに確認された1名の方の御遺体につきましては、明日26日午後にも成田空港着の民間機で帰国される予定であります。
また、先ほど行われました第7回政府対策本部会議において、安倍総理より、今回の事件の検証を行い、必要な対策の検討に政府一丸となって迅速に取り組まれたい旨の指示がありました。
これを受け、外務省におきましては、海外における企業・邦人の安全対策の強化のための対策チームを、私(大臣)をヘッドとして立ち上げ、作業を開始いたします。この作業は、今回の事件の背景、あるいは事件発生後の現地の対応、また東京の対応、また関係在外公館の対応、また各国の対応、これらを踏まえた今後の対策等につきまして、専門家からヒアリングを必要に応じて行いつつ、できるだけ早く作業を行うものとさせていただきます。この作業は官邸とも連携しつつ、進めていきたいと考えております。
そして、この作業と並行して、できることはどんどんやっていくということで、今回の事件を受け、当面、以下の措置を講じたいと存じます。
まず一つ目は、中東アフリカ地域をはじめとする各地域の危険情報について、先般、既にアルジェリア及びその周辺国、マリ、リビア、ニジェール、モーリタニア、こうした国々について危険情報を更新したところですが、さらに精査し、必要に応じて更新をしていきたいと考えています。
そして、二つ目として、関係公館において、早期に官民安全対策協議会を行うことを指示いたしました。この結果を本省に報告させます。その上で、対策チームの作業と並行して、外務省として安全対策について早急に取り組むべき課題を特定し、速やかに実施していきたいと考えております。
(2)地球温暖化対策に関する総理の指示について
【岸田大臣】本日午前中に行われました日本経済再生本部において、総理から、前提条件付き25%削減目標を本年11月の国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)までにゼロベースで見直すとともに、我が国が技術で世界に貢献していく攻めの地球温暖化外交戦略を組み立てるよう、指示がありました。
【NHK 大谷記者】改めてになりますが、本日、羽田空港で生存者の方とお会いになったと思いますが、具体的にどういうやり取りがあったのかと、遺族の方とお会いになる御予定というのは大臣御自身あるのでしょうかというのが1点と、もう1つ、城内政務官は明日午後にも到着ということですが、出発がいつ頃になるかというのはお聞きになっていますでしょうか。
【岸田大臣】まず1点目ですが、本日朝、羽田空港におきまして、私(大臣)も生存されておられる方々にお会いをさせていただきました。私(大臣)のほうからは、御慰労の言葉をかけさせていただき、そして、被害に遭われた生存された方々からも軽く会釈があり、そして、「ありがとうございます」と一言あったと記憶しています。そういうやり取りがございました。今後の日程、御遺族の皆様方に会う予定があるのかという質問でございますが、それにつきましては、また日揮とよく調整して検討していきたいと思っています。
そして、城内政務官の出発ですが、一応、今、フライトを検討しています。明日の午後到着の便でどうだろうかということで、今調整中でありますので、出発時間等、私(大臣)自身、確たるものはまだ連絡を受けていません。
【朝日新聞 二階堂記者】公明党の訪中について伺いたいのですが、山口代表は習近平総書記と会談するにあたって、日中首脳会談への扉を開きたいとおっしゃっていて、政府としてどのように考えていらっしゃるでしょうか。
また、昨日、王家瑞中国共産党対外連絡部長との会談では、王氏は尖閣問題の棚上げ論の方を主張されましたが、これを大臣としてどのように受け止めますでしょうか。
【岸田大臣】山口公明党代表の訪中において、(山口氏は)会談を行われた。この会談におきまして、日中関係の重要性を再確認し、関係改善に努めていくという政治的意思が双方から確認されたものと承知をしております。日中首脳会談について、とりあえず、そうした会談の報道については承知していますが、それ以上のことはまだこれからだと思っています。
そして、王家瑞対外連絡部長との会談についての御質問がありましたが、王家瑞部長の方から御指摘のような発言があったということは聞いてはおりますが、山口公明党代表、これに同意するというようなことはなかったと承知をしております。山口代表、政府与党共通した認識については、これまでも明確に表明されておられます。そのように承知をしています。
【共同通信 斎藤記者】日本政府は基本的な姿勢として、今、現状において、日中間で要人交流、首脳間、外相間、あるいはいろいろなハイレベルで交流を、こういう状況ではあるけれども、やったほうがいいと考えているのか。それとも、今、やはりやるような環境が整っていないと、もう少し時期を見極めるべきだと考えているのか。いずれでしょうか。ご認識をお伺いします。
【岸田大臣】確かに日中関係、現在、厳しい局面にあるとは存じますが、政治レベルを含む日中間、様々なレベルで交流し、意思疎通を図っていくということは大変有意義だと認識をしています。そうした考えで、これからも日中関係改善に取り組んでいきたいと思っています。
【産経新聞 杉本記者】先ほどアルジェリアの関連で、大臣が指示された点についてお聞かせください。
一点目は、注意喚起情報を更に更新していくということですが、本日現在で新たに注意喚起情報を引き上げたものはございますでしょうか。
二つ目の在外公館に対する官民安全対策協議会ですけれども、いくつの公館に対して、数、どれくらいの公館に対して具体的に何を検討することを指示されましたでしょうか。
【岸田大臣】数とか詳細については、改めて確認をさせて報告させていただきませんでしょうか。手元に資料がありません。後ほどお願いいたします。
(補足説明)本件に関する詳細は次の通りです。(PDF)
【中国新聞 岡田記者】明日でほぼ就任1か月になるわけですけれども、この1か月を振り返って、外相として、手応えなり、今後の課題なり、御所感をお聞かせいただけますでしょうか。
【岸田大臣】1か月の間、さまざまな事件をはじめ出来事が発生をしました。また、ASEAN諸国、オーストラリア、そして、米国、こうした国々を訪問させていただきました。
改めて、このアジア太平洋地域をはじめ国際情勢、大変厳しいものがあるということを痛感しております。その中にあって、国益を守り、そして、地域の平和と安定を守るために果たさなければいけない、日本外交の責任の大きさを改めて痛感しております。
是非、こうした状況の中で、しっかりと責任を果たせるよう、これからも努力していきたいと考えております。
【時事通信 松本記者】先ほどの大臣の御指示の件でお伺いしたいのですけれども、対策チーム立ち上げ等を御指示なさったということですが、海外における邦人保護、これまでの外務省なり政府の取組について、今回、立ち上げる考えに至った背景として、これまでの取組に問題点なり不十分な点があったという認識から、今回取り組まれるのかどうかが一点と、早急に作業に着手されるということですけれども、意見集約なり取りまとめの時期は、どれくらいのタームをお考えなのか、二点お伺いします。
【岸田大臣】まず、一つ目ですが、今回の事件におきましても、現地関係者、あるいは各国関係者と緊密に連携を取り、そして、情報収集においても最大限努力をし、政府一丸となって取組を行いました。ただ、この対策について、更に強化すべき点もあると思っています。こうした危機管理体制というのは、絶えず見直していかなければいけない。また、世界情勢も刻々と変化していくわけですから、こうした変化にも対応していかなければならない。こうしたことも踏まえた上で作業を進めていく考えでおります。
そして、時期につきましては、早急に作業は進めていきたいと思いますが、官邸におきましても委員会を立ち上げて議論をされると聞いております。この議論の進み具合を見ながら、我々も検討チームの作業を進めていく、こうしたことで結果として、政府全体として、こうした検証作業が、そして、検討作業が完了する、こういった形にしていくべくスケジュール観を持っていきたいと思っています。
(1)アルジェリアにおける邦人拘束事件について
【岸田外務大臣】昨晩、イナメナス滞在中の城内政務官から私(岸田大臣)に報告がありました。その内容につきましては、昨夜、官房長官から記者会見で述べたとおりであります。
外務大臣として、本件の陣頭指揮に当たってまいりましたが、御家族の御心情を拝察すると言葉もございません。政府として、外務省として、最大限御家族のサポートに努めていかなければならないと考えています。
日本政府として、いかなるテロ行為も断固として非難するとの姿勢を改めて明確にし、このようなテロ行為が二度と起こらないよう、外交的な取組を強化していきたいと存じます。
今回、政府として、人命の安全確保が第一であるとして、安倍総理がセラル・アルジェリア首相に要請を行い、また、私もメデルシ外務大臣に何度も働きかけるなど、あらゆる努力を行ってまいりました。それにもかかわらず、結果的に、このように尊い人命が奪われたことは、大変残念なことであります。
引き続きあらゆる手段を用いて、鋭意、情報収集に全力を傾けていきたいと考えております。
(2)米国訪問について
【岸田大臣】18日、米国を訪問いたしました。今回の訪米では、日米同盟強化の方向性について、クリントン長官との間で忌憚のない意見交換を行い、実りある日米外相会談となったと考えています。
また、カーク通商代表、また、ドニロン大統領補佐官とも有意義な意見交換をすることができ、短い間ではありましたが、充実した訪米となったと考えています。
今回が外務大臣として初の訪米でありましたが、日米同盟の強化に向けて良いスタートを切ることができたと考えております。この結果、2月第3週に行うこととなりました総理訪米にしっかりつなげていきたいと存じます。
また、アルジェリアにおける拘束事件についても、情報収集をはじめとして、日米間で引き続き緊密に連携することを確認するとともに、様々な点において米国の協力を要請させていただきました。このような困難なときに、改めて日米の緊密な関係を確認できたことは、非常に有意義であったと考えております。
【時事通信 松本記者】今、大臣がおっしゃったように、政府としては、アルジェリア政府に対して人命最優先ということをもっと働きかけていらっしゃったと思いますけれども、今回のアルジェリア政府の対応、その提唱について、日本政府としてはどうお考えなのでしょうか。特に、イギリスやフランスなど一部の国では、支持という姿勢をはっきり打ち出している国もありますけれども、政府のお立場をお聞かせください。
【岸田大臣】日本政府としては、総理をはじめ、各ルートで人命第一ということを再三伝えてきました。結果として、この尊い人命が失われたことを大変残念に思っていますが、今、事態は引き続き継続中であります。3人の安否確認を、今、最大限努力し、努めているところであります。こうした段階ですので、引き続きアルジェリア政府には、情報提供等、しっかりと連携・協力をお願いしていかなければいけない。これが現状における我が政府の立場だと思っています。
【朝日新聞 森記者】公明党の山口代表が尖閣諸島の問題について、棚上げとも取れるような発言をされていますけれども、日本政府の立場というのは、領土問題は存在しないということになっていますが、山口さんの発言について受け止めをお願いいたします。
【岸田大臣】山口代表の発言については、政府として確認はしてはおりませんが、山口代表は、従来から尖閣諸島は我が国固有の領土であるということ、領土問題は存在しない、そして、それが政府与党の共通認識であるという旨、明確に表明しておられたと認識しております。尖閣諸島を巡っては、解決すべき領有権の問題は存在しないという政府の立場については、山口代表は認識していただいていると承知をしています。そのように考えています。
【共同通信 斎藤記者】先ほど、質問も出た件ですが、日本政府は、確かに人命第一、人命最優先の対処ということをくり返し求めてきたわけですが、では、人命第一の対処ということは具体的に何を指しているのかということは、必ずしも国民はわかっていないと思います。つまり、人命第一の対処というものが、イスラム武装勢力側との交渉を通じた解決を意味しているのか。それともそうではなくて、人命に配慮してのオペレーションの実施ということを指しているのか。この二つは大きな開きがあるわけですね。どちらを想定して人命最優先の対処ということを言われているのか、大臣のご認識をお伺いしたいと思います。
【岸田大臣】具体的な事件の状況、それから展開は、その事件によって様々だと思います。そういった中にあって、具体的にどう対応していくのか、これはまず、第一義的にはアルジェリア政府が判断をしていかなければいけないことでありますが、その具体的な対応において、最大限人命を尊重していただきたい。これを再三お願いしてまいりました。そして、その結果として尊い人命が失われた。このことを大変遺憾に思っている。これが我が国のこの事件の経緯に対する考え方、受け止め方であります。
【中国中央テレビ 李記者】本日、公明党の山口代表が中国訪問に出発しまして、安倍総理の親書を持っていると言われますが、この訪問について、何かコメントはありますか。
【岸田大臣】山口代表については、22日から25日にかけて中国を訪問する予定だと承知しております。山口代表は総理親書を携行する予定であるということですが、こうした訪中が日中関係を改善させるために資する訪問になることを心から期待をしています。
【中国中央テレビ 李記者】もう一つは、日中関係の改善に向けて、今、日本政府としては何か考えておられるのですか。
【岸田大臣】日本政府としては、まず日中関係は我が国にとって最も大切な二国間関係の一つだと認識をしています。そして、日本と中国、この二つの国は経済をはじめ、さまざまな分野で互恵的関係にあると考えています。こうした関係については、大局的な見地から、さまざまな分野において具体的な協力・連携を深めていかなければいけないと思っています。こうした姿勢で、日中関係に臨んでいきたいと存じます。
尖閣諸島に関しては、私たちの基本的な立場を譲ることはありませんが、こうした大切な二国間関係は、大局的な見地からしっかりと冷静に対応していかなければいけない、このように考えています。
【琉球新報 問山記者】日米外相会談についてお聞きします。クリントン国務長官は、米軍再編の進展に自信を持っているという発言をされているのですが、こう着する普天間の移設問題で、辺野古の埋め立て申請の時期とか建設着工の目標などが話し合われたのか。更に、自信を持っていると発言をされる背景、そういったものを大臣の方から何かお約束みたいな話があったのかというのをお聞かせください。
【岸田大臣】私(大臣)の方からは、まず米軍再編につきましては、現行の日米合意に従って進めていくということを申し上げました。そして、こうした再編にあたっては、やはり沖縄の負担軽減が重要だということ、これをしっかり強調してまいりました。こうした我が国の現状・立場について説明をさせていただいた、これが内容であります。私(大臣)の方からはそういった内容で申し上げてまいりました。
【フリーランス 上出氏】アルジェリアの関係で、関係しているフランス、イギリスなど他の国との協力をどういうようにしたかということについて関連してですけれども、岸田外相は確か20日の午前中に早めて帰国されたのですけれども、一部のメディアの指摘ですけれども、この時間帯はワシントンから直行便がなくて、欧州経由になると。そうすると欧州で5~6時間の時間があるのでイギリスなりフランスなりの関係国と何らかの協議をしたのではないかというような指摘があるのですが、全くの憶測なのか、いかがでしょうか。
【岸田大臣】そういった事実は全くありません。時間があったということですが、飛行機の乗り換えは1時間少々でしたし、そういった事実は全くありません。
【NHK 大谷記者】来月行われる韓国の大統領就任式の関連ですけれども、現段階で日本からどなたが招待されて出席される予定なのかと、安倍総理大臣の訪韓に関する見通し、現段階でどう考えていらっしゃるかお聞かせください。
【岸田大臣】まず、大統領就任式への我が国の対応につきましては、現状、何も決まってはおりません。そして、安倍総理は、もちろん日韓関係は大変重要な二国間関係だと思っておりますが、具体的な対応、日程等は現段階では何も決まっておりません。
【朝日新聞 倉重記者】山口代表の訪中に関連して、改めてお聞きしたいのですが、先ほど大臣は、日中関係の改善に資するものとなって欲しいという御認識を示されましたけれども、山口代表が香港フェニックステレビのインタビューに対して、先ほど同様の質問がでましたけれども、棚上げととれるような発言ですとか、後は日中双方の軍用機が空に入らないような合意という発言もされていまして、どういう趣旨か私も分からないのですが、そういった代表の言葉が中国と日本の関係改善に資するというように大臣は思っていらっしゃるのでしょうか。
【岸田大臣】その発言につきましては、すみません、私(大臣)も確認しておりませんので、発言は控えたいと思いますが、訪中自体は日中関係改善について大変重要なことだと思っておりますし、先ほど申しましたように、従来から山口代表は尖閣については、政府与党の共通認識について明確に表明をされておられますので、そうした認識の下に対応されるのではないかと存じます。
いずれにせよ、我が国の基本的な立場は変わらない、これは間違いないところであります。
【NHK 大谷記者】その後の状況をお聞かせください。
【岸田外務大臣】様々な情報があり、情報収集に全力をあげて努めておりますが、現状、人質の安否に関わる情報については、確たるものを申し上げることができません。アルジェリア政府に対しましては、アルジェリア政府の対応方針について照会を行うと同時に、人質の生命の安全のために万全を尽くすよう強く申し入れております。
その中で、24時30分頃、安倍総理の方からアルジェリア首相との間で電話会談を行いました。その中で、人質の人命、安全を最優先に取り組んでもらいたいと申し入れていたにもにもかかわらず、こうした人質が危険にさらされる対応が行われることについて、強い懸念を表明いたしました。厳に慎んでもらいたいといった趣旨の申入れを行いました。
それに先だって、城内外務大臣政務官の方から、同様の申し入れをアルジェリア政府に行い、そしてそれとあわせて、米国あるいは英国といった国々との情報交換、情報収集に全力を挙げている状況です。
【NHK 大谷記者】確認ですが、日本人についてですけれども、怪我をした、または死亡した、あるいは解放されたという情報もありますが、日本人の現段階についてはどういう方向に向かっているのでしょうか。
【岸田大臣】これは先ほども申しあげたように様々な情報があります。全力で情報収集、確認には当たっていますが、今の段階で安否に関して確たる情報を申し上げるところまでには至っていない。こうしたところが現状です。
【NHK 大谷記者】先ほど菅官房長官も現在もオペレーション中だという認識を示されていました。現地時間は19時くらいだと思いますが、今日はもうこれで進展は見込まれないというふうにご判断されているということでしょうか。
【岸田大臣】オペレーション中というのは、現地で軍事オペレーションが続いているかということですか。
【NHK 大谷記者】はい。
【岸田大臣】先ほど申し上げました24時30分に行われた日本とアルジェリアの首脳電話会談の中で、アルジェリアの首相から、現在オペレーションの最中であるという発言があったとの報告は聞いております。その後、今の時点でどうなっている、オペレーションが続いているかどうか、この辺についてはまだ情報収集中という現状です。
【NHK 大谷記者】また何か進展があれば、戻ってきて対応されるということでしょうか。
【岸田大臣】もちろん状況はこれからも推移することが予想されますので、大きな変化があれば当然対応しなければいけないと思っています。
【NHK 大谷記者】明日から訪米ということになりますが、こういう状況の中で訪米は予定どおり行うということでしょうか。
【岸田大臣】現状では予定どおり行う方針であります。アメリカも同じく人質の国籍国であります。そして今、現状もアメリカと密に連携を取りながら情報収集を行っているという現状にあります。こういったアメリカとの関係も考えますときに、しっかりと連携を確認し、情報交換することが大切だと思っています。
【NHK 大谷記者】会談の中でもこの話題については出る見通しなのかということと、いらっしゃらない間の指揮系統等についてもお聞かせいただけますか。
【岸田大臣】当然、もし予定どおり日米外相会談が行われれば、今回の事件について、議題としてあがるのは当然のことだと思っています。
そして外務省においては、松山副大臣は現在も在京しており、そして登庁しています。鈴木副大臣が今外国訪問の最中ですが、明日午前中には帰国いたしまして、この事件に対して対応する方針であります。ぜひ政務三役、また省をあげて、しっかりした対応を続けていきたいと思っています。
【時事通信 松本記者】総理や城内政務官が、アルジェリア政府サイドと接触されましたけれども、安否に関して、中身は言えないまでも、アルジェリアサイドから安否に関する情報提供というのはあったのでしょうか。
【岸田大臣】様々な情報はこちらに提供されておりますが、安否に関して、そしてなおかつ確たる情報について今申し上げることはできないということです。
【TBS 記者】錯綜した情報を確認するために、アルジェではなく、オペレーションが行われている現場に誰かを派遣する予定というのは今のところあるのでしょうか。
【岸田大臣】現場はですね、首都アルジェから1,000キロ以上離れた地点にあります。マスコミ等も含めて各国ともなかなか近づきがたい状況にあるということを聞いております。その中で最大限、情報収集をするためにはどうしたらいいのか、現地においても今工夫が続けられている、このように認識しております。
【西日本新聞 吉田記者】軍事行動を控えてほしいという申し入れが受け入れられなかったことについてはいかがでしょうか。
【岸田大臣】このことについて大変憂慮しているということについては、総理からも、そして大臣政務官からもお伝えさせていただいております。
【毎日新聞 松尾記者】官房長官が米英と共同歩調をとっていると仰っていましたけれども、そうすると今回のオペレーションはアルジェリアが単独で踏み切ったものだというふうに理解されているのでしょうか。
【岸田大臣】これは同じ人質の国籍国という立場にあり、情報収集の点で絶えず連絡を取り合っている、米国、英国とはそういった立場にあります。そしてオペレーションに関しては、そういった国々も事前に連絡がなかったというふうに聞いております。
【NHK 稲田記者】人質にされている方々のご家族への連絡、またご家族の方からの何か要請はありますでしょうか。
【岸田大臣】それについては、日揮の方から連絡をされていると聞いています。
【岸田外務大臣】今回のアルジェリアにおける邦人拘束事案について,私は,本日16時50分に報告を受け,現地における情報収集を強化すると共に,人命を最優先とし,邦人の救出及び安全確保のために,全力を尽くすように指示を致しました。
その後,17時に私を長とする対策本部を設置致しました。その後随時報告を受け,必要な指示を出しております。
現在,東南アジア訪問中の安倍総理のご指示を得つつ,関係省庁とも緊密に連携して対応しているところです。
また,先ほど,アルジェリアのメデルシ外務大臣と私自身が電話会談を行いまして,日本政府として極めて事態を憂慮している,こうした行為は断じて許すことはできない旨を述べつつ,早期解決のためのアルジェリア政府の協力を要請致しました。また,拘束されている日本人を含む人質の人命最優先で対応するよう強く要請を致しました。
メデルシ外務大臣の方からは,日本の人質の無事救出に向けて最大限の配慮をするとのことでありました。
また,大臣との電話会談でも伝えましたが,現在欧州を訪問中の城内外務大臣政務官を可能な限り早期に現地に派遣することを調整中であります。
【NHK 大谷記者】拘束されている人数はどのように把握されていますか。
【岸田大臣】情報につきましては,今,鋭意確認中でありますが,この事案の性質上,現時点では詳細についてお答えすることは控えさせて頂いております。
【NHK 大谷記者】犯人グループからの要求などは如何でしょうか。
【岸田大臣】それも同様で,今現在は詳細についてお話しすることは控えさせて頂いております。
【朝日新聞 二階堂記者】政府として犯行グループがどのようなものであるかを確認していますか。
【岸田大臣】様々な情報収集には全力で取り組んでおります。
【時事通信 松本記者】総理が外国出張中で,大臣も今週外国訪問の予定があります。それには変更がないでしょうか。
【岸田大臣】総理には,我々が情報を得次第,連絡をさせて頂いています。事態についても情報収集という状況ですので,現在,具体的な対応としては大臣政務官の現地への派遣,こうしたことであります。引き続いて事態の推移を見ながら,我々として対応すべきこと,具体的な対応については検討していきたいと思っています。
【時事通信 松本記者】外交日程は変更がないということで宜しいですか。
【岸田大臣】これから事態を見ながら,しっかり検討していきます。
【朝日新聞 二階堂記者】大臣自体の訪米もということですか。
【岸田大臣】事態について今,情報収集をしております。しっかりと事態を把握し,また,今後,事態の変化,推移も当然予想されます。こうしたものも見た上での様々な対応ということになると思っています。
【岸田外務大臣】9日から14日まで、就任後初の外国訪問としてフィリピン、シンガポール、ブルネイ及びオーストラリアを訪問させていただきました。
ASEAN訪問では、地域の戦略環境が変化していることにつき認識を共有し、地域の平和と安定に向けて協力していくことを確認できました。また、本年は日本・ASEAN友好協力40周年ですが、日本がASEANを重視していることもしっかり説明し、12月の日本・ASEAN特別首脳会議に向けて日本・ASEAN関係を強化することを確認できました。
オーストラリア訪問では、地域の戦略認識を共有し、日本とオーストラリアとの政治・安全保障・経済関係の強化、また、安保理における諸問題への取組、また、軍縮・不拡散、太平洋島嶼国地域における協力等を深めていくことで一致いたしました。また、オーストラリア各地の山火事で被災された方々に、お見舞いを申し上げさせていただきました。
今回の訪問を通じ、各国との多層的な連携を一層強化できたとともに、日・ASEAN間のパートナーシップを強化する基調を構築できたことは、アジア太平洋地域の戦略環境が変化する中で、この地域の平和と安定を維持・確保していく上でも意議があったと考えております。
【朝日新聞 二階堂記者】大臣の訪米についてお伺いします。日米外相会談では、総理訪米に向けて、どのような議論になることを期待していますでしょうか。そこの場でも話されるかと思いますけれども、辺野古の埋立申請について、総理の訪米前に行うという考えというのはあるのでしょうか、お聞かせください。
【岸田外務大臣】まず、日米外相会談では、我が国の外交の基軸であります日米同盟を強化するために、率直な意見交換を行いたいと考えています。日米同盟の絆の強化を明確に示していきたいというように思っています。会談で、個別にどんな議題を話し合うのかということについては、現時点で申し上げることは差し控えたいと思います。私(大臣)も、ASEAN・オーストラリアから帰ってきた直後ですので、是非、これからしっかりと準備はしていきたいと思っております。この日米同盟強化のために安全保障、あるいは経済、これを含む日米二国間の課題はもちろんですし、アジア太平洋地域の情勢についても率直な意見交換を行いたい。これが、この会談に臨む私(大臣)の姿勢でございます。
そして、もう一つの質問は、申請について、首脳会談前に行うのかということについてですが、この問題については、関係する各省庁と、また、しっかりと検討していった上でのことだと思っています。 現在、こうした議論はまだ検討中ですので、タイミング、あるいは日程等については、何もまだ決まっていない。これが現状だと思っています。
【琉球新報 問山記者】米空軍のCV22オスプレイの沖縄嘉手納基地への配備についてお伺いしたいと思います。米空軍長官は、沖縄を含む日本にCV22を配備するということを明らかにしました。沖縄ではこの件は非常に高い関心を集めていまして、沖縄配備に対する大臣の所感と、現在、日本政府として、こういった沖縄への配備というものを事実確認として確認されているのか。もし確認されていない場合、今後、米国側にそういった配備の予定・計画があるかということを確認される予定なのかということをお聞かせください。
【岸田外務大臣】まず、CV22オスプレイにつきましては、米側から配備することについて、通報は現状ありませんし、日本政府としては承知をしておりません。
そして、確認の話がありましたが、米国側は、同長官の記者会見後、CV22を我が国を含むアジア太平洋地域に展開することの何ら決定も行っていない旨、ステートメントを発出したと承知しています。こうした現状ですので、我々としては、そうした米国のステートメントを受け止めて、今後について考えていかなければいけないという立場・現状にあると思っています。
【琉球新報 問山記者】決定していないということなのですが、検討しているということというように認識してもよろしいのでしょうか。
【岸田外務大臣】決定していない。ステートメントが発せられた。それが米国の今の対応だと認識しております。
【琉球新報 問山記者】検討しているということにはならないのでしょうか。アジア太平洋、また、日本を含む沖縄にという。
【岸田外務大臣】米国側からこちらに対して発せられているメッセージは、こうした決定を行っていないというステートメントが発せられたというところだと思っています。
【時事通信 松本記者】今回、大臣はASEAN各国を訪問されたわけですけれども、今後、安倍政権として対ASEAN諸国とどう向き合っていくのか。そして、大臣がおっしゃたように以前と比べてアジア・ASEAN地域の国際環境は大分変化していると思うのですが、これまでの日本外交とは違って、どう取り組まれていくのか、何か御所見あればお聞かせください。
【岸田外務大臣】アジア太平洋地域の戦略環境は大きく変化しています。その中で地域の繁栄と安定を確保していくために、日本は責任ある役割を果たしていかなければいけない。そして、そのためにASEAN諸国と協力関係を一層強化していかなければいけないと思っています。そして、一方、このASEANの地域は、21世紀の成長センター、経済成長をけん引する成長センターだと思っています。こうしたことを考えますと、このASEANとの連携はより重要になってくると感じています。
今年は、日・ASEAN友好協力40周年という節目の年にあります。こうした節目の年、12月には日・ASEAN関係首脳会談も予定されています。こうした機会をとらえて、より一層ASEAN諸国との連携を強化し、地域の繁栄・安定のために貢献していく、これは我々日本として大切にしなければいけない外交姿勢だと感じております。こうした方向でより連携を深めていきたい、このように感じています。
【フリーランス 安積氏】昨年のASEANの外相会議で、南シナ海での共同行動原則について結局見送りになったという経緯がありました。中国が反対したわけですけれども、特にフィリピンなどは南シナ海で中国と領土紛争みたいのを起こしているわけですけれども、これについて日本に対してフィリピンの方から何かしら協力、例えば行動原則について成立しやすいように協力の要請があったとかということはありましたでしょうか。
【岸田外務大臣】南シナ海においては、ASEAN諸国、それぞれさまざまな課題を中国との間に抱えています。是非こうした状況は、この地域にとって平和と安定に直結する国際社会全体の関心事項であるということをしっかり認識を共有して、そして、この関連国際法を遵守していく、こうしたことが重要であるといったことを今回の訪問の中でも各国と共有できたと考えています。その中にあってフィリピンについてのご質問がありましたが、従来から日本はシーレーン沿岸の途上国との間で海上安全のために協力を実施しております。フィリピンとの間でも沿岸警備隊の能力向上に向けて、総合的に支援していく考えですし、そういった旨をこちらから伝えさせていただきました。
是非、今後とも、さまざまな課題を通じてフィリピンとも連携を深めていきたいというように考えております。フィリピンからもこうした面において、強い要請があったというやり取りはありました。そのように考えています。
【西日本新聞 吉田記者】安倍政権は沖縄との信頼関係構築というようにおっしゃっているのですけれでも、先ほどの話だと、ステートメントを出されたということでそれの一辺倒で終わりのような印象ですが、向こうが検討しているかもよくわからない段階で、日本政府として、CV22は沖縄に配備して欲しくないとか、そういったことを米国側に言うつもりはないのかというのが一点。
もう一つは、集団的自衛権の議論、安倍政権として検討するということになっていますが、大臣は日米安全保障条約は片務的だとお思いでしょうか、それとも双務的でしょうか。
【岸田外務大臣】まず、このオスプレイの話ですが、これにつきましてはアジア太平洋地域の兵力体制などについては、これからも日米で幅広く議論を行っていくことに当然なります。このいまの課題もそれで終わりなのかということですが、こうした幅広い議論を引き続き行う、必要な協議は行っていく、これは当然のことだと思っています。
また、集団的自衛権の問題については、過去長い歴史の中でさまざまな議論が行われ、そして、取り扱いが行われてきました。この性格についてどうかという御質問でありましたが、こうした実態を踏まえて将来に向けて今の現状からどうするのか、こうした議論も行われるということですので、現状がどうなのかという評価より今の現実の中でこれからどうするか、こうした議論が大事だと思っています。
是非、これから将来に向けて、あるべき姿、総理の指示も仰ぎながら、考えていきたい、このように私(大臣)は思っております。
【西日本新聞 吉田記者】要するに、片務的とか双務的、それとは関係なく次の段階として集団的自衛権があるという考え方でよろしいでしょうか。
【岸田外務大臣】片務的、双務的、この基準をどこに置くかというような話になってしまうのでしょうが、現実をしっかり認識した上で、これからどうするべきなのか、これを議論するべきだと思っています。
【読売新聞 山田記者】この週末、前の政権の玄葉外相の秘書が、警視庁がスパイではないかとされている中国の人物に接触したのではないかという報道が一部であったのですけれども、これについて安全保障上どうだという議論もありますが、その辺についてどうお考えかお聞かせいただけますか。
【岸田外務大臣】まず、報道は拝見しました。私(大臣)自身、この内容については承知をしてはおりません。ただ、この関係者が玄葉前大臣からお話を伺ったところによりますと、報道にある秘書とは正確には元秘書であり、現在は事務所に所属している者ではない、また、玄葉前大臣の事務所は同人の中国訪問に一切関与していない、同人が中国滞在中にいかなる活動をしたか、誰に会ったか等については承知していない。こうしたことだったという報告を聞いております。
それ以上については、玄葉前大臣、本人に聞いていただきたいと思っています。
【時事通信 松本記者】玄葉大臣に聞かれた関係者とは、外務省の関係者でしょうか
【岸田外務大臣】外務省の関係者です。
【岸田外務大臣】先ほど、11時45分から25分間にわたり、米国のクリントン国務長官と電話会談を行いました。
まずクリントン長官から、私(大臣)の外相就任について祝意が述べられ、私(大臣)の方からは、クリントン長官の回復をお慶び申し上げた。こうしたやりとりがあり、その上で、日米同盟の重要性、我が国の外交にとっても日米同盟の強化が基軸であるということ、更にはアジア太平洋地域の安定のために日米の絆を強化していくことが重要であるということ、こういった点について一致をし、そして、そのために早期に安倍総理の訪米を実現し、同盟強化の方向性について議論する機会を設けたいといった点についても一致をしました。
その上で、クリントン長官の方から、私(大臣)の訪米について招待を受けました。18日に招待したいという言葉があり、それをお受けさせて頂きました。18日、金曜日、米国ワシントンを訪問し、クリントン国務長官との間で日米外相会談を開催する予定にしております。詳細については、事務的にこれから調整を続けることになると思いますが、ぜひ、この日米外相会談におきまして、我が国の外交の基軸である日米同盟を強化するために率直な意見交換を行いたいと考えております。その上で、日米の絆の強化を明確にする、こうした会談にしていきたいと考えています。
【NHK 大谷記者】日米同盟が基軸であるという話がありましたが、中国の海洋進出など、中国の動きに関することを受けてというような話もあったのでしょうか。
【岸田大臣】中東情勢もあり、北朝鮮問題もあり、そして中国外交もあり、様々な課題を通じて日米がしっかりと連携していくことが重要だというやりとりがありました。世界各地で起こっている様々な課題、こうした課題を通じて日米関係が重要だといった発言がクリントン長官の方からありました。私(大臣)も同意をしたところです。
【NHK 大谷記者】次期国務長官として指名されているケリー氏などとの会談の予定はありますか。
【岸田大臣】そういった点については、まだ何も、今は決まっていません。とりあえず今日は、クリントン長官からのご招待を頂いた。現在の米国務長官と会談をさせて頂くことになった、そこまでです。
【NHK 大谷記者】訪米中の河相次官が、今月中の日米首脳会談は難しいとの意向が米国側から伝えられたと言われています。そうなると、安倍総理の今月中の訪米が難しい中で、岸田外務大臣が行くことで日米同盟を強化したいという狙いがあったということでしょうか。
【岸田大臣】総理の訪米についてはまだ調整中であり、実際、米国側の様々な日程の問題、財政の崖の問題、一般教書演説、大統領就任式、こうした様々な日程の関係で調整が手間取っているところではありますが、まだ何も決まってはおりません。そうした中で、今回具体的にクリントン長官からご招待を頂いたわけですので、我々としてはこうした機会をしっかりと捉えて、日米同盟の強化を確認するのは重要なことだと思っています。
【NHK 大谷記者】大臣としても、総理訪米の調整がつかない中で早めに訪米することで同盟を強化したいというお考えがあるということでしょうか。
【岸田大臣】様々なレベルで日米間の連携を確認していくことは重要なことだと思っていますので、私(大臣)のレベルでもしっかりと努力をしていかなければいけない、その一環だと思っています。
【TBS 西川記者】ワシントンでのクリントン長官との会談で、日米同盟の強化以外はどういった議題が話し合われますか。
【岸田大臣】課題としては幅広く、様々な課題が想定されます。今日の電話会談でも、大変意欲的なクリントン長官の言葉がありました。ぜひ幅広くお話をさせて頂くことを楽しみにしている趣旨の発言もありました。アジア太平洋地域に限らず、中東を始め様々な地域の課題も含めて、幅広く意見交換が行われることになるのではないかと想像しています。
【TBS 西川記者】議題には、在沖縄米軍の再編なども含まれますか。
【岸田大臣】おそらく、そういった話題も議題に上るのではないかと想像は致します。
【産経 杉本記者】今日の会談の中で、クリントン長官から安倍総理訪米について、今月中は難しいとか、いつまでに実現したらいいといった言及はありましたか。
【岸田大臣】訪米の重要性については、クリントン長官も発言されていました。ただ、時期については、電話会談の中では具体的なものは何もありませんでした。まずは外務大臣と18日にお話をしたいといったことでした。
【西日本・吉田記者】クリントン長官はこれから退任される。オバマ大統領が二期目になる前に外相会談を行う意義はなんでしょうか。
【岸田大臣】退任される予定なのはご指摘のとおりですが、今後とも米国の政治において大きな影響力を持たれる方だと思っていますし、米政府の一体感ということを考えた場合に、現在国務長官であるクリントン長官と意見交換をすることは大変意義あることだと思っています。こうした積み重ねが大変重要だと認識しています。
【読売 松浦記者】日米同盟を強化するためにはどのような内容を話し合うことが有意義だと思われますか。その中にはTPPについても含まれるのでしょうか。
【岸田大臣】おそらくTPPについても発言があるのではないかと想像は致しますが、そういったものを含めてあらゆるテーマについて率直に意見交換を行い、それぞれの思いを確認していく、今後の日米間の様々なやりとりの中の参考にさせて頂くことは大変重要なのではないかと思っています。
【TBS 西川記者】確認ですが、18日というのは米国時間でしょうか。
【岸田大臣】米国時間の18日です。
【毎日 影山記者】何日間ぐらいの訪問でしょうか。米国単独の訪問でしょうか。
【岸田大臣】とりあえず18日、ワシントンでの日程をしっかり確保したいと思っています。先ほど電話で招待を受けて、その招待には応じさせて頂きましたが、それ以上のことはまだこれからです。
【時事 松本記者】総理の訪米時期については出来るだけ早期にということでクリントン長官と合意されたとのことですが、日本側としては2月中の実現を目指しているということで宜しいのでしょうか。
【岸田大臣】これは今、調整中であり、早期という姿勢には変わりはありません。引き続き調整中です。
【時事 松本記者】早期というのは、あくまでも1月中ということでしょうか。
【岸田大臣】出来るだけ早くということです。
【岸田外務大臣】明日9日から14日までの日程でフィリピン、シンガポール、ブルネイ及びオーストラリアを訪問することとなりました。
アジア太平洋地域は、世界の経済成長を牽引する、21世紀の「成長センター」です。この地域の安定と繁栄を確保することは、地域全体の成長を取り込もうとする日本にとっても大きな利益です。
特に、伝統的に我が国と強固な友好協力関係を維持してきたASEAN諸国、そしてオーストラリアとの一層の関係強化は、現下の日本外交における重要課題だと認識をしております。
また、アジア太平洋地域の戦略環境が変化している中で、この地域の平和と安定を維持・確保していく上で、ASEAN諸国やオーストラリアとの連携が重要だと考えております。
今回の訪問を通じ、各国外相との間で緊密な意思疎通を行い、信頼関係を構築し、二国間関係の強化に努めていきたいと考えております。
【朝日新聞 二階堂記者】先日、額賀特使と韓国の朴次期大統領が会談をしたりとか、本日ですか、韓国の議員団が訪日して与野党幹部と会談をするといった動きがあります。靖国神社の放火で、ソウル高裁の方で釈放とかいう動きがある中で、日韓関係は修復に向かっているというようにお考えでしょうか。
一方で、竹島を巡ってはICJの単独提訴の問題があります。安倍政権ではどのような方針で臨むお考えでしょうか。提訴の時期を含めてお聞かせください。
【岸田大臣】まず、韓国は、民主主義ですとか市場経済ですとか、こういった基本的な価値観を共有する、共通の利益を共有する最も重要な隣国だと認識をしております。日韓間、難しい問題も存在をいたしますが、大局的な見地から、日韓両国の新政権の間で未来志向、なおかつ重層的な強固な日韓関係を構築するため、ともに努力をしていかなければならないと考えています。
こういった点で先般も、金星煥外交通商部長官と私(大臣)も電話会談をさせていただきましたが、今、申し上げたような点、確認をさせていただきました。また、朴槿恵次期大統領も、先般の額賀議員との懇談の際に述べておられましたように、日韓関係の重要性、強く認識をしていると承知をしております。こうした認識の下にこの日韓関係、しっかりと対応していかなければならないというように思っております。
そして、ICJについて御質問がありましたが、このICJの提訴の問題については、今、準備・検討をしているといった段階にある、それに尽きると思っております。
【時事通信 松本記者】総理の海外訪問についてお伺いします。河相外務次官、現在、ワシントンに行かれて、総理の訪米時期について調整されているかと思いますけれども、総理の訪米時期の見通しと、その調整状況がどうなっているかとあわせて、総理が東南アジア、具体的にはタイ、ベトナム、インドネシアを訪問される調整に入られているかと思いますけれども、そちらの調整状況はどうなっていますでしょうか。
【岸田大臣】まず、河相次官の訪米につきましては、次官、訪米をして国務省ですとか、ホワイトハウスの関係者と会談を行ったという報告を受けています。内容としましては、まずは安倍政権の外交・安全保障政策、こうした政策について説明をし、先方の理解を得るということでした。そして、あわせて、首脳会談についても議論にのぼったというようには聞いておりますが、まだ、具体的な日程については、調整中ということであります。
ただ、総理の早期訪米、そして日米首脳会談の実現については、先方側からも同じ認識が示されたというように聞いております。是非、これから両国でしっかりと調整をし、早期実現を図りたいと考えております。
総理の外国訪問につきましては、今の訪米も含めて、まだ検討中ということですので、まだ確定したものは何も現状ありません。
【香港フェニックステレビ リー記者】一つ目は尖閣のことですけれども、新しい内閣になって、まだ、この尖閣のことで中国とどのように関係を改善していくかというのがはっきり見えてこないと思いますけれども、まず、外務大臣の立場から、何かメッセージがあるのか、もしあれば教えてください。
二つ目、村山談話に関しては、以前の内閣の村山談話の立場を引き継ぐというのが安倍内閣の立場だと思いますけれども、河野談話に関しては、認識が違うのではないかといった海外からの懸念があります。河野談話は継承しない、踏襲しないということでよろしいでしょうか。
【岸田大臣】まず、尖閣についての御質問ですが、まず、日中関係は、我が国にとって、そして国際社会にとっても大変大切な、重要な二国間関係だというように認識をしております。一方、尖閣問題については、我々、我が国としましては、歴史的にも国際法的にも、尖閣は我が国の領土だということを強く主張し続けています。
こうした日中関係ですが、是非、大局的な見地から、我が国も考えていかなければいけない。そして、中国側にも、是非、冷静に対応していただかなければならない。事態をエスカレートさせてはならない。このように思っております。是非、そうした考えの下に、両国間の外交当局者間、さまざまなレベルで意思疎通を図っていかなければならない、このように思っています。是非、引き続き、こうした努力を続けていきたいというように思っております。
また、河野談話についての御質問がありました。河野談話につきましては、官房長官談話ですし、先日、菅官房長官の方から、我々の安倍内閣の立場を御説明させていただいたということです。これは、官房長官談話ですので、菅官房長官の説明に尽きているというように、私(大臣)は思っています。
【琉球新報 問山記者】今朝、官邸の方で官房長官と外相、防衛相、沖縄担当相で沖縄関係閣僚がお会いになって話し合いがあったと聞いているのですが、その場でどのようなお話があったかということと、埋め立て申請に向けた準備を進めていると思うのですが、どのようなスケジュールでそういった移設作業を進めていくという方針があれば教えてください。
【岸田大臣】まず、本日、官邸におきまして、関係閣僚が集まって沖縄に関する問題について、この話し合いを持ちました。内容は、現状の沖縄の負担の問題、あるいは振興の問題、こうしたさまざまな課題について情報交換を行い、そして、意見交換を行う、こうした中身でありました。内容はそういったことでしたので、具体的に何か決まったというようなことは何もありません。
埋め立て申請につきましても、まずは、この沖縄の現地の皆さま方、知事さんをはじめ関係者の皆さま方としっかりとした意思疎通を図る、これが、まず第一に大切なのではないか、このように思っておりますし、そういった方向でこれから検討することになると思っています。現状何も具体的なものは決まっていない、これが実情です。
【フリーランス 上出氏】尖閣の問題で本日も抗議をしておりますが、新しい担当大臣として、自民党が政権をとっていた時の問題と民主党が政権をとっていた時では対応が違ったかもしれないのですが、民主党が政権をとってからこれは起きたことということで、自民党としては、自民党時代にはどういう尖閣に対す認識だったのか、御自分の認識でよろしいのですが、それを聞かせていただきたいのが一点。
自民党の対応に誤りがあったのか。要するに、石原前東京都知事の行動とかいろいろありましたけれども、それによってかなり変わったのか、何か誤りがあったとしたら何が誤りで正しい点はどういう点なのかというのを、現段階で整理していただければと思います。
【岸田大臣】まず、我が国の尖閣に対する姿勢は一貫しているというように認識をしています。その基本的な認識の下に、おっしゃるように政権交代をまたぎながら、さまざまな動きがあったということであります。そして、今、過ちがあったかどうか云々の御指摘がありましたが、こうしたさまざまな動き、流れはあったわけですが、我が国の外交ということを考えた場合に、これは繋がっているものでありますし、継続されるべきものであります。
今までの経緯を含めて、これから未来に向けて、この新しい政権が何をするのか、これが重要だというように思っております。過去の検証ということも、もちろん大切でしょうが、是非、現状をしっかり踏まえて未来に向けて何をするべきなのか、新政権においては、これをしっかり考えていかなければいけない、このように思っています。
大切な日中関係について、是非、大局的な見地からものを考えなければいけない。一方で、我が国のこの問題に対する態度、これはしっかりと主張していかなければいけない。この中にあって、是非両国間がしっかり意思疎通を図るべく努力をしていく、こういった態度をこれから大事にしていきたいと私(大臣)自身の思いとしては、特にその点を強調していきたいとそのように思っています。
【フリーランス 上出氏】ということは、特に民主党政権が尖閣問題でとったことに大きな誤りはないという御認識でよろしいでしょうか。
【岸田大臣】この過去の経緯については、しっかり検証をしてみたいと思いますし、検証していかなければいけない、そのようには思っています。ただ、今現在、外交を担う立場からは、そうした検証の下に未来に向けて何をするのか、これが大事だということを強く申し上げておきたいと思います。
【NHK 坂本記者】本日、齋木外務審議官が程永華駐日中国大使を呼ばれて抗議をなさったということですけれども、これに関してどのように報告を受けていらっしゃるかということと、国有化後、24回目の領海侵犯だったと思いますけれども、それに関しては、大臣はどのように認識していらっしゃるのでしょうか。
【岸田大臣】まず、齋木外審からは、強く抗議をさせていただきました。内容につきましては事務的に張り出しが行われると思ますが、こうした事態、そして、その今日までの有り様を見ます時に、やはり私(大臣)の立場から申し上げなければいけないのは、こうした状況をとても受け入れることはできない、大変遺憾なことであるということであります。そして、是非、これ以上事態をエスカレートさせない努力、エスカレートさせないように、中国側にも自制を強く求めていかなければならないと思っていますし、我が国においても、まずはしっかりと関係省庁で情報を共有し連携しながら、こうした事態に対する監視体制等々しっかり準備を整えていかなければいけない、こうしたことが大事だと思っています。
【フリーランス 安積氏】河野談話に関連してお伺いいたします。ニューヨーク州の上院と下院の方で、慰安婦の決議案が推進されるという報道がありました。安倍政権は河野談話を見直しされるということを表明されていますが、これについてどのように対処されるご予定なのでしょうか。
【岸田大臣】安倍政権は河野談話を見直すというように表明したというようには認識をしておりません。河野談話についての対応は、官房長官が説明させていただいているとおりであります。この問題を外交問題化、政治問題化させないということが大変重要だという点がポイントだというように思っております。
さまざまな誤解があるのであるならば、是非、それはしっかりと説明していかなければならないと思っています。官房長官の説明に尽きるとは思っていますが、こうした説明努力は続けていかなければいけないのではないか、そのように感じています。
【北海道新聞 安藤記者】北方領土問題についての1992年の日露の交渉について伺えればと思います。本日の一部の報道で、外務省の元欧亜局長の証言として、ロシア側が平和条約を締結前に歯舞・色丹を引き渡すというような秘密提案を行ったという報道がありました。
実は私どもも先月、当時のロシアの外務次官に取材したその証言として、まずロシア側は平和条約を締結して歯舞・色丹を引き渡すと。その後に日露関係の推移をみて、相応しい雰囲気ができれば国後・択捉について協議をするというような提案を行ったというような証言を得て報じています。これに関して伺いたいのですが、そもそも92年当時にロシア側からそういう北方領土の返還に関する具体的な提案があったのか。もしあったとすれば、どのような返還のプロセスを向こう側が提示したのか、伺えればと思います。
【岸田大臣】本日の新聞記事は私(大臣)も拝見はいたしました。しかしながら、平和条約締結交渉の内容にかかわる事柄について明らかにするということは、交渉が現在も行われているわけですから、今後の交渉に支障をきたす恐れが十分に考えられます。こういったことを考えますと、この時点で私(大臣)がこれについてコメントを申し上げることは差し控えるべきだと私(大臣)は思っております。
【西日本新 吉田記者】TPPについて、大臣は民主党政権の実情を把握するということでしたけれども、その実情把握はいつまでにやられるおつもりかというのと、御存じのように米国は90日ルールというのがありますけれども、もしも7月の参院選までの決定ということになりますと、それから90日で10月となってしまう可能性もあります。10月だと、もうルールづくりに参加できない可能性もありますが、そのスケジュール観をお願いします。
【岸田大臣】まず、今日までの協議の中身の把握については、今現在も行っております。また、各関係省庁とも、やはりしっかりとすり合わせをしていかなければいけない、このようにも考えております。是非、早急にその作業は進めていかなければいけないと思っておりますが、スケジュールとの関係で御質問がありましたが、全体の流れについてはもちろん御指摘のとおり、さまざまなスケジュールが報じられていますが、まずは我が国の方針を決める、ここがまず基本ですので、この協議の今日までの有り様の確認、各省庁とのすり合わせ、これにまず最大限努力をし、その上で日程を考えていくというのが順番だと思っておりますので、まず日程ありきではないと思っております。
まずは自らの方針をしっかりと確認する、これが第一だというのが今の状況です。