(1)ラージャパクサ・スリランカ大統領及び同令夫人の来日について
【岸田外務大臣】今朝の閣議において、マヒンダ・ラージャパクサ・スリランカ大統領及び同令夫人を、3月12日(火曜日)から15日(金曜日)まで、公式実務訪問賓客として招待することが了解されました。
今回の訪問により、両国間の友好・協力関係が一段と深化・拡大し、両国のパートナーシップが一層強化されることを期待しています。
(2)看護師・介護福祉士候補者の滞在期間延長について
【岸田大臣】本日、閣議において、経済連携協定に基づき、我が国に滞在中のインドネシア人及びフィリピン人看護師・介護福祉士候補者の特例的な滞在期間の延長が決定されました。
今回の閣議決定により、平成22年度以降の候補者についても、現在実施している6か月間の訪日前日本語研修を受講する機会が得られなかった者については、一定の条件を満たす場合、追加的に滞在期間を1年間延長することとなります。
詳細については、追って事務レベルから説明させたいと思います。
【フジテレビ 長谷川記者】昨日、韓国の新大統領の就任式がございまして、その際には麻生副総理と朴大統領の会談が行われました。これについての評価と日韓関係についての展望を教えてください。
【岸田大臣】日本と韓国、基本的な価値観・利益を共有する大切な二国間関係にあると思っています。難しい問題も両国の間には存在はいたしますが、しかし、大局的な見地から未来志向で重層的な関係を築いていかなければいけないと考えております。
昨日、新大統領が就任されたわけですが、我が国政府からも麻生副総理が訪韓し、そして、祝意を申し上げました。日本においても新政権がスタートし、そして韓国においても新政権がスタートしたこの機に、是非、前向きに未来志向な関係構築に努力をしていきたいと考えております。
【時事通信 松本記者】TPPについて、総理の最終的な決断の時期について、どういう見通しを大臣はお持ちでしょうか。
【岸田大臣】TPPについては、日米首脳会談で総理が得られた認識を踏まえて、従来、二国間協議等で収集した様々な情報をもとに精査したうえで、今後、与党内の議論等も踏まえたうえで、最終的には総理自身が判断されると考えています。いずれにせよ、今後の議論ですとか総理の判断を待ちたいと思います。
【朝日新聞 二階堂記者】沖縄の普天間移設で、空港の埋立申請について、今沖縄では、県外移設という動きで反対をしていますけれども、沖縄との信頼関係が築いたという段階で申請に踏み切るのか、どういうタイミングで申請に踏み切っていく考えでしょうか。
【岸田大臣】まず、米軍再編については、現行の日米合意に基づきながら、沖縄の負担軽減にしっかり努めなければいけないと思っています。そのために信頼回復、信頼構築、大変重要だと思っています。そのために総理、また各関係大臣、地元との意思疎通に努めているわけですが、そうした信頼回復、意思疎通を図りながら、申請についても考えていかなければいけませんが、まず、時期については、今全く決まってはおりません。
そして、仮にこうした手続きが進んだとしても、それは信頼回復、そして信頼構築については、絶えず、今後も努力をしていかなければいけないと思っています。信頼構築については、終わりというものはないと考えています。
【TBS 西川記者】大臣は、明後日から総理とともに訪米されますが、その狙いと意気込みをお聞かせください。
【岸田外務大臣】まず、日米首脳間で率直な意見交換を行い、日米同盟強化の方向性について、しっかり確認をさせていただく。日米同盟復活を内外にしっかり示す機会にしたいと考えています。
【TBS 西川記者】安全保障や経済の問題など、日米間には様々な課題があると思いますが、一番メインにしたい課題というのはどんなことでしょうか。
【岸田大臣】首脳会談での議題について、今の段階で予断をすることはできませんが、様々な課題について、首脳間で率直な意見交換を行うことは大変重要なことだと思っています。しっかりとした意見交換が行われることを期待いたします。
【北海道新聞 安藤記者】森元総理が明日からロシアを訪問されることが発表されました。昨日、官房長官は総理訪露に向けた地ならしを期待するというようなお話をされたのですが、総理は北方領土問題解決と平和条約締結に向けて意欲を示されています。今回の森さんの訪露について、大臣としてはどのようなことを期待されていらっしゃいますでしょうか。
【岸田大臣】森元総理におかれましては、20日から22日にかけて、総理の親書をお持ちになられ、事実上の特使としてロシアを訪問されます。21日にプーチン大統領との会談、あるいはロシアの国家院議長との会談、更には、モスクワの国際関係大学での講演、こうした予定が組まれていると存じます。是非、この会談、本年予定されます日露首脳会談につながる会談になることを期待しています。
【北海道新聞 安藤記者】具体的に領土問題について、どんなお話をしてほしいという希望はありますでしょうか。
【岸田大臣】恐らく、様々な課題について意見交換が行われると想像はいたします。そうした意見交換が行われることが首脳会談開催へつながっていく、こうした意義ある会談になりますことを期待しております。
(1)グアム島における邦人死傷事案について
【岸田外務大臣】12日夜、グアムにおいて発生した死傷事件により、邦人3名の方がお亡くなりになり、10名の方が負傷されました。お亡くなりになられた方々及びその御遺族の方々に心から哀悼の意を表させていただきますとともに、負傷された方々にお見舞いを申し上げる次第でございます。
事件を受け、外務本省より2名の職員を現地に派遣し、現地の在ハガッニャ総領事館を強化し、邦人保護の観点から、現地関係当局への働きかけ、そして情報収集を行うとともに、御家族及び関係者の方々と連絡をとり、できる限りの支援を行っているところであります。
海外における邦人の保護は、政府の重要な任務であります。引き続き、被害にあわれた方々と御家族の皆様方の御帰国に向け、必要な支援に万全を尽くしてまいります。
(2)在アルジェリア邦人に対するテロ事件について
【外務大臣】先月16日に発生いたしました在アルジェリア邦人に対するテロ事件から明日で1か月となります。改めて、犠牲となった方々及び御家族の方々に深い弔意を捧げるとともに、被害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げます。
我が国としては、テロは断じて許容いたしません。今回の事件の全ての責任はテロリストにあると考えております。事件は極めて卑劣なものであり、断固として非難すべきものであります。今回の事件を受けて各国、地域機関、国際機関とも連携しつつ、テロとの闘いや地域の安定化に資する取組を実施していきたいと考えております。
外務省としても、今回の事件の背景や外務省の対応を検証し、今後の対策等をとりまとめることを目的に、私(大臣)の下に「海外における企業・邦人の安全対策の強化のための対策チーム」を設置し、作業を進めております。官邸の検証委員会とも連携しつつ、この作業を更に進めていく所存であります。
【共同通信 渡辺記者】閣僚の資産が本日公開されます。大臣が公開された御自身の資産についての御感想と、現行の制度に関して、必要性や問題点に関して御意見があればお願いします。
【外務大臣】自分の資産についての感想ということであるならば、私(大臣)自身、今日まで生活をしてきた一つの結果・形であります。特段、それについて付け加えることはないと思っています。
そして、現在の制度について何かあるかということでありますが、公職にある者、絶えず自分の身の有り様について透明性を図り、できる限りの説明責任を果たしていくという姿勢は大変重要だと思います。
そして、こうした姿勢を示すために制度が存在するわけですが、制度については、いろいろな指摘があるとは思いますが、様々な工夫をこれからも加えることによって、より国民から信頼される、そして、実態がわかり易い制度にするべく、引き続き、必要であるならば努力を、改良を加えていくべきものなのではないかと思います。特段、どこがどうということはありませんが、こうした姿勢が大事だというように考えています。
【NHK 大谷記者】今朝、尖閣の領海で、また公船の侵入事件があったと聞いています。事実関係と、政府としての対応、特に抗議等について、また、受け止めをお願いいたします。
【外務大臣】中国の公船3隻が領海に侵入したという報告を受けております。こうしたことについては、決して受け入れることができない、大変遺憾に思っております。
そして、既に中国大使館に対しては抗議を行っております。アジア局の参事官から中国大使館に対して、抗議を既に行っています。
【北海道新聞 安藤記者】昨日、森元総理が官邸に入られまして、安倍総理から今度ロシアを訪問するときには親書を持って行ってほしいと、正式に要請を受けたというお話を聞きました。来週にもロシア、モスクワに行かれると思うのですが、プーチン大統領との会談で動き始めている北方領土交渉について、どのような会談を期待されていますでしょうか。また、近く予定されている総理の訪露ですが、その前に大臣御自身がラヴロフ外務大臣と会うようなご予定というのは今のところあるのでしょうか。その辺を伺えますでしょうか。
【外務大臣】森元総理の訪露につきましては、是非、日露関係、大切な二国間関係において様々な点において、友好が確認され進展することを期待しております。
そして、今後の外交日程については、今のところ何も決まったものはございません。
【朝日新聞 守記者】今回、前回と比べて閣僚の資産の平均額がすごく上がったのですけれども、その原因の一つとして、世襲の議員の方が比較的多いということが考えらえると思うのですけれども、こうしたことについて大臣のお考えをお願いします。
【外務大臣】資産の中身、特に他の大臣の中身について私(大臣)は承知しておりませんので、全体としてどのぐらいの資産が以前に比べて大きくなったのかとか、内容について承知しておりませんので、分析する材料を手元に持ち合わせておりません。御指摘のようなことがあるのかどうか、改めて見てみたいと思います。
【フリーランス 安積氏】1週間後、22日に竹島の日の記念式典が行われるわけですけれども、大臣は御出席されないとのことですが、例えば、メッセージとかそういうことを出されるという御予定などはお決まりなのでしょうか。
【外務大臣】政府の対応については、今、引き続き検討中だと認識をしております。ですから、具体的な内容・対応については、まだ決まってはいないと承知しております。
【琉球新報 宮城記者】先日、在日米軍の米兵の勤務時間外行動を規定するリバティ制度の新指針が発表されました。対象人員などが拡大されているのですけれども、禁止されてきた自宅以外の基地外飲酒なども時間を制限して認められるなどの内容に、県内の自治体等からは甘くなっているのではないかなどの指摘も上がっていますが、実効性も含め大臣の受け止めと評価をお願いします。
もう一点、本日午後、沖縄に行かれ、明日までの日程で仲井眞知事等との面談も予定されていると思いますが、普天間飛行場の移設等の進展に向けて、知事とはどのようなお話をされたいのかということを期待感も含めてお願いします。
【外務大臣】まず、一点目ですが、今月13日から新たなリバティ制度に切り替える旨公表をしたと承知をしております。内容については、これまで各施設・区域毎に実施されていた様々な措置について、最低限とらなければならない措置を、全国共通の措置として導入したと承知しております。夜間飲酒規制措置や一定階級以下の米軍人に対する夜間外出規制措置、また、沖縄で実施されておりますゲートでの抜き打ち飲酒検査、あるいはホットライン、こういったものも含まれていると承知をしています。また、各軍において、それぞれの判断でより厳しい措置もとれる、こうしたこととされていると承知しております。
是非、実効性が上がる制度でなければならないと考えておりますので、実効性について、しっかりと注視をしていきたいと思っております。
そして、私(大臣)自身の沖縄訪問ですが、今日まで私(大臣)自身は様々な立場で様々な機会をとらえて沖縄をたびたび訪問させていただいてきました。ただ、外務大臣に就任してからは初めての沖縄訪問ということでございます。
沖縄にお伺いさせていただきまして、仲井眞知事をはじめ地元の関係者の皆様方と会談をさせていただく予定を組ませていただいていますが、是非、忌憚のない意見交換を行い、そして、何よりも沖縄の皆様方との信頼関係をしっかりと構築していかなければいけない、この信頼関係をしっかり構築する一歩と、一助としたいと強く願っております。
【朝日新聞 二階堂記者】今週末の沖縄訪問について、改めて伺いたいのですけれども、今月、安倍首相の訪米を控えての沖縄訪問ですけれども、そこではどのような成果を期待されているでしょうか。普天間飛行場の移設問題等もいろいろ問題あると思いますが、この普天間移設問題の進展に向けても、今回の沖縄訪問ではどのような取組というか、理解を求めようというお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】沖縄を訪問させていただいて、どのような日程で訪問させていただくか、今は調整中ではありますが、仲井眞知事をはじめ、地元の関係者の皆様方と忌憚のない意見交換を行わせていただきたいと思っております。そして何よりも、この地元の皆様との信頼関係をしっかり構築していくことを最優先にお話を聞かせていただき、また、意見交換をさせていただきたいと思っています。具体的な中身について、今の段階で予断を申し上げるのは控えさせていただきます。
【香港フェニックステレビ リー記者】中国のレーダー照射の事件に関してですが、中国が捏造だというように言っていたと思いますけれども、改めて大臣、この中国側の反応をどのように見ていらっしゃるか。そして、日本側が一部の証拠を公開する予定があるのかどうか。この証拠を更に国連の安保理、あるいは国連に提示する予定はありますでしょうか。
【岸田大臣】まず、今回のレーダー照射については、我が国は、防衛省により慎重に分析をした結果、公表させていただいております。中国側が事実に反するという発言をされていることについては、我々は受け入れることはできない。このように思っております。是非、中国側にもしっかりとこの事実を認め、そして冷静に対応し、再発防止に努めてもらわなければならないと思っております。
そして、証拠云々の公表の話ですが、これについては、我が方の情報分析能力を明らかにする恐れがあること等も踏まえつつ、関係省庁と調整していくことになると存じます。
そして、国連との関係ですが、こうした事案、再発防止を徹底するために、何が効果的なのかという観点から、是非、総合的に検討しなければいけない。その上で判断していく事柄だと思っています。
【香港フェニックステレビ リー記者】国連に提示することもあり得るということでしょうか。
【岸田大臣】何が効果的なのかという観点から、総合的に検討していくことになると思っています。
【時事通信 松本記者】再発防止策の関連で、日中間の海上連絡メカニズムの話が、今出ていると思いますが、日本側から7日に、北京の大使館ルートを通じて協議再開を打診されたということですが、中国側の対応、回答はどうだったのかというのをお伺いしたいのと、協議再開の見通し、現時点で大臣、どう御覧になっているのか、二点お伺いします。
【岸田大臣】我々の提案に対して、先方側は関係部局に伝えるという反応だったという報告を聞いています。我々はこうした海上連絡メカニズム、こうしたホットライン、対話のルートは大切だと思っています。
【琉球新報 宮城記者】日曜日に行われた沖縄県の浦添市長選挙で、那覇軍港の浦添移設に明確に反対している松本さんが浦添市長に当選しました。御所感と今後の那覇軍港の移設にどのような影響を与えるかということについてのお考えをお願いします。
もう一点、先日、沖縄県のうるま市で酒気帯び(運転)の米兵による追突事故が発生しました。相次ぐ米兵の飲酒がらみの事件・事故で飲酒の禁止措置が取られていたと思いますが、現時点でどうなっているのかということと、大臣の受け止めをお願いします。
【岸田大臣】選挙の結果についてですが、選挙の結果は有権者の皆さま方の御判断ですので、厳粛に受け止めければならないことだと思っています。今後、新市長さんの下、どういった動きがあるのか、これを注視していきたいと思っております。
そして、うるま市における飲酒運転の事件についてでありますが、まず、外務省としては米側に対して、遺憾の意を表明し、そして、綱紀粛正、そして、再発防止を申し入れたところです。そして、米側からも、本件事案の発生について、誠に遺憾であるということ、深刻に受け止めているということ、引き続き綱紀粛正、再発防止に努めていく、こういった旨の応答がありました。
いずれにしましても、事件・事故について、実効性のある再発防止策がとられることが重要です。是非、この実効性がある対策について、今後とも関係者と協議を重ねなければならないと思いますし、是非、こうした協議を通じて実効性のある対策が実施されるようしっかりと取り組んでいきたいと、このように考えています。
【フリーランス 上出氏】日中関係、いろいろ緊張している中でもう一つ、最近大気汚染、いわゆる北京咳とも言われていますが、これは日本にも影響がある、日本の公害技術などが非常に高いということで、ある意味では協力をしてやっていく可能性もあるのではないかと思います。外務省マターでは直接ないのかもしれませんけれども、外務省としては、この問題についてどのような姿勢で、どのように大臣としてはお考えになっているかをお聞かせください。
【岸田大臣】最近の中国の大気汚染の深刻な状況については、日本の環境にも影響を与えかねない問題であると思いますし、また、在留邦人保護の観点からも外務省として大変高い関心をもって注視をしているところです。
本件に関しましては、今、中国側は春節の休暇に入っておられますが、春節明け早々にも日中間で協議をし、情報交換を行うとともに、いかなる協力が可能か検討していきたいと我々は思っています。
【朝日新聞 藤田記者】レーダー照射問題ですが、このレーダー照射がいわゆる武力による威嚇にあたるのかということについては、国会答弁などで相手方の意図にもよるというようなお話も外務省の方からもあったりしていますが、今回、中国がこれ自体を否定している中で、なお日本政府として武力による威嚇の可能性があると主張していくことは、なお可能とお考えでしょうか。
【岸田大臣】今、我々は、このレーダー照射事件につきまして、この事件を公表し、そして、中国側に説明責任を果たすべく求めている、こういった状況です。
国連憲章にいう武力の威嚇にあたるかどうかという問題については、今おっしゃたように実際の状況ですとか意図ですとか、こういったものを総合的に勘案しなければならないということですので、まずはしっかりと状況を確認する、こうした説明責任を中国に果たしてもらうべく、しっかりと求めていかなければいけない。現状は今、そういう段階にあると思っています。
(1)ガルシア=マルガージョ・スペイン外務・協力大臣及びマルティ・インドネシア外務大臣の訪日について
【岸田外務大臣】2月12日から16日まで、スペインのガルシア=マルガージョ外務・協力大臣を、また、2月13日から15日まで、インドネシアのマルティ外務大臣を、それぞれ外務省賓客としてお迎えいたします。
ガルシア=マルガージョ大臣は、私が外務大臣として初めてお迎えする外務省賓客であり、今年から来年にかけて、「日本・スペイン交流400周年」を迎えるに当たって、両国の友好協力関係を一層深める考えであります。
また、この地域の平和と安定を確保していく上で、ASEANの中核であるインドネシアとの関係強化は極めて重要です。マルティ大臣と戦略対話を行い、安倍総理のインドネシア訪問の成果をフォローアップするとともに、外相間でしっかり連携を強化し、インドネシアとの「戦略的パートナーシップ」の更なる強化につなげる考えです。
(2)沖縄訪問について
【岸田大臣】私(大臣)は、諸般の事情が許せば、来週末沖縄を訪問する予定であります。
就任以来、これまでも沖縄は度々訪問していますが、外務大臣として早期に沖縄を訪問し、基地問題をはじめとする現地の状況を確認するとともに、地元の方々と意思疎通を図りたいと考えていたところであります。
今回の訪問では、仲井眞沖縄県知事をはじめ地元の方々と意見交換を行うとともに、在日米軍施設・区域を視察する予定であります。
【NHK 広内記者】まず、沖縄訪問ですが、知事との会談では、普天間基地の移設問題について、どのような意見交換をされるお考えかということと、改めて、移設の埋立申請についての時期ですが、どのようにお考えでしょうか。
【岸田大臣】知事との間でどのような話を行うのか、議題や中身については、今、ここで何も決まっているものはありませんし、予断するのは適切ではないとは思いますが、これは幅広く、様々な課題についてしっかりと率直な意見交換を行って、意思疎通を図っていきたいと存じます。是非、仲井眞知事をはじめ沖縄の地元の皆様方としっかり信頼関係を築く一つの機会としたいと思っています。
【NHK 広内記者】中国のレーダー照射問題ですけれども、その後、中国側から何か調査の返答が来ているかどうかという点と、こうした中で、明日、山梨では観光誘致を目的とした中国との交流行事が行われるということですけれども、一方でのこうした対話の重要性について、どのようにお考えでしょうか。
【岸田大臣】中国のレーダー照射事案についてですが、5日の夕刻、外務省としては、中国側に対して申し入れを行って、今回の不測の事態を招きかねない大変危険な行為であり、大変遺憾であるということ。そして、抗議をし、再発防止を求めたということでありますが、その後、日中間でずっと意思疎通を図ってきたわけですが、その中で、7日夕刻、中国国防部から我が方在中国大使館に対しまして説明がありました。それによりますと、日本側が対外公表した事案の内容は事実に合致しないという説明でありました。これに対しまして、我が国側からは、本件は防衛省において慎重、かつ詳細な分析を行った結果であると。中国海軍艦艇からの火器管制レーダーの照射、及びその疑いがあると確認したものであり、事実に合致しないとする中国側の説明は、全く受け入れられないという回答を行っています。こうしたやり取りがあったということです。
交流行事があるということは承知しています。今、中国との間においては、レーダー照射事件、また尖閣周辺においては度重なる領海侵犯等、様々な難しい問題が生じています。日中関係、今、大変厳しい局面が存在するのも事実でありますが、この日本と中国の二国間関係、これは最も大切な二国間関係の一つだと我々は認識しています。そして、この日中関係は二つの国の国民にとって重要であるだけではなくして、アジア太平洋地域の平和と繁栄のためにも、大変重要な二国間関係だと認識しています。是非、戦略的互恵関係の原点に戻って、大局的な見地から日中関係について、冷静に対応していかなければいけないと我々は思っています。是非、中国側にも冷静な、そして大局的な見地からの対応を求めていきたいと考えています。
【朝日新聞 二階堂記者】本日は集団的自衛権に関しての有識者会合がありますが、どのような議論を望みますか。
【岸田大臣】その会合が行われるということについては、是非、我が国の安全保障環境は刻々と変化をしています。こうした状況の変化にもしっかり対応して、我が国の安全保障の議論に資する有意義な議論を行い、そして、提言を行っていただきたいと心から願っています。
【日本テレビ 菊池記者】中国側から、レーダー照射に関してそうした事実はないと回答があり、これに対して、更に、日本政府からは中国に対してどういう反応を。
【岸田大臣】今、申し上げたように、そうした中国側の見解について、我々は受け入れられない、誠実な対応を求めるという反応をしているということです。
【TBS 西川記者】更なる調査をしてくれということですか。
【岸田大臣】誠実な対応を求める。それはそうです。とにかく、今回の中国の反応については、我々は受け入れられない。我々は、しっかりとした確認をした上での公表であったということを申し上げています。(
【岸田外務大臣】我が国は、中東和平の実現に向けた取組の一環といたしまして、2月13日及び14日に「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合」(CEAPAD)を東京にてパレスチナと共催いたします。私(大臣)自身もスピーチをさせて頂く予定になっております。
この会合は、我が国のイニシアティブの下、東アジア諸国の閣僚級及び関係国際機関の参加を得て開催される初めての閣僚級国際会合であり、私(大臣)自身も出席させていただきます。
この会合では、東アジア諸国の経済発展の経験などを共有し、パレスチナの国家建設努力に対する東アジア諸国の今後の支援や協力のあり方について議論する予定になっております。
【朝日新聞 二階堂記者】北朝鮮の核実験の動きについてお伺いします。政府は、自制を求めるというお考えですけれども、各国とは具体的にどのような外交努力をされているのでしょうか。実験に踏み切った場合、日本として単独制裁を含めてどういう対応を取るお考えでしょうか。
【岸田大臣】まず、我々の外交努力ですが、先日の米国ケリー長官との電話会談、また、河相次官による日露の戦略対話等、様々な機会を捉え、様々なレベルで関係各国との連携を確認し、そして北朝鮮に対して、六者会合合意ですとか、あるいは国連の安保理決議の実施、更には、挑発行為を行わないように、こうしたメッセージを伝え続けております。
そして、我が国独自の制裁については、こうした国際社会の動きも踏まえて総合的に判断すべきだと考えています。この関連情勢に注視しながら、最も有効的な手段は何かという観点で判断していくべきだと考えています。
【北海道新聞 安藤記者】先ほど、大臣も少し触れられましたが、河相次官がモスクワに行かれて、日露戦略対話、昨日行われたと思います。現地で本年予定されている安倍総理の訪露、それに先立つ森元総理の訪露を含めてお話をされたと思いますが、中でも北方領土の情勢、北方領土の交渉について、ロシア側からどんな認識が示されて、総理の訪露に繋げたいというようにお考えになっていらっしゃるか。また、森元総理の訪露のときに、総理の訪露についてのお話なんかは出そうかという、日程調整などの点について伺えますでしょうか。
【岸田大臣】まず、2月4日、定例の日露戦略対話、モスクワにおいて開催をされております。河相次官の方から、まずは安倍政権の基本的な外交政策について、特に安倍総理がロシアを重視していることと、こうした説明をさせていただきまして、日露双方がお互いに外交政策について理解を深めることができたと考えています。
そして、アジア太平洋地域につきまして、大所高所から議論が行われたということであります。こうした戦略対話の性格ですので、様々なことが議論されました。当然、総理、あるいは森元総理の訪露についても触れられたということでありますが、今申し上げましたように、東アジア、そしてアジア太平洋地域の国際情勢について、大所高所から戦略対話を行うという趣旨からして、具体的な日程調整等、こういったことについては行われてはいません。こうした様々な地域の課題について、戦略対話が行われたという報告を受けております。
【時事通信 松本記者】先ほど、齋木審議官が中国大使をお呼びになっていたと思いますが、その事実関係をまず確認させていただきたいことと、昨日も中国の海洋監視船が尖閣諸島沖の領海侵犯を行ったり、先日の公明党の山口代表の訪中の際には、中国側から「戦略的互恵関係」という言葉が出たという説明もありますけれども、領海侵犯が相次ぐ事態を、また中国側の対応を、大臣、現時点でどう御覧になっているか、その2点をお伺いします。
【岸田大臣】まず、昨日の動きですが、今御指摘のように、中国の公船が領海に侵入し、これは過去最長になるということですが、14時間以上にわたって領海に留まった。そして、昨日23時半過ぎに領海を退去したということでありました。外交ルートを通じて再三にわたり抗議、そして領海からの退去の申し入れを行いました。しかし、にもかかわらず、長時間、領海に留まったことについては、極めて遺憾であり、これは全く受け入れることはできないと考えております。
そして、本日10時30分頃から、私(大臣)の指示によりまして、齋木外務審議官が程永華駐日中国大使を外務省に招致し、厳重な抗議を行ったということであります。たぶん、もう抗議は終わっていると思いますが、まだその中身については報告を受けていませんので、私(大臣)も把握していませんが、こうした抗議を行ったという事実を、まず報告させていただきたいと思います。
そして、こうした状況が続くことについては大変遺憾であり、先ほど申し上げましたように全く受け入れることができないと思っております。是非、事態をこれ以上エスカレートさせないように中国には冷静な対応を求めていかなければいけないと思っています。この尖閣諸島を巡る我が国の基本的な立場において譲歩することは全くあり得ませんが、我々も大局的な見地で対応していかなければいけない。中国にも、事態をエスカレートさせないように対応を求めていかなければいけないと考えています。
【フリーランス 安積氏】日露次官戦略対話など行われて、日露関係が良いように見えますが、一方で2014年、2015年とロシアの方でフランスのヘリ空母ミストラル2隻を導入する計画が発表されました。ミストラルは規模的にあまり大きくないので、多分米国の第7艦隊に対抗するものではなくて、日本に対しての一つのシグナルが送られているのではないかというような分析がありますが、これについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
【岸田大臣】アジア太平洋地域においては、ロシアのみならず中国、そして、北朝鮮さまざまな国においてさまざまな動きがあります。是非、そういった状況については、しっかりと情報を収集し、我が国としてもこうした状況についてしっかり分析をしていかなければいけないと思っています。
御指摘の点についても、こうした地域の平和と繁栄において、どのような影響があるのか、また、我が国に対してどのような影響があるのか、しっかり分析していかなければならないと考えております。
そういった態度でこうした情報についても臨んでいきたいと思っています。
【共同通信 斎藤記者】次期主力戦闘機F-35、これは主管は防衛省ですけれども、このF35のいわゆる国際共同開発の問題に関連して、日本企業が部品製造に参加した場合は、武器輸出三原則の例外とするかどうかということを巡って本日も各社、各メディアがこれに類する報道をいろいろとしています。
報道によれば、政府としては例外として認める方向で議論を進めようというような報道がございますが、そこでお伺いしたいのは、外務省として、この案件をどのように受け止めているのか、国際共同開発に参加して仮にF35が紛争当事国、または紛争の恐れのある国に出される可能性があるとすれば、これをどのように回避させるべきだと外務省としては考えているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
【岸田大臣】御指摘の報道は拝見しております。そして、F35につきましては、2011年12月の安保会議決定、あるいは閣議了解によりまして、この一部の完成機輸入を除いて国内企業が製造に参画するということとされています。かかる方針に従って、国内企業がF35の部品製造に参画するべく政府部内で調整を行ってきているというのが現状であります。
そして、この御指摘の武器輸出三原則との関係についてどのように整理するかについては現在政府において検討中という状況にあります。とりあえず、まだこの部分については検討中ということです。
外務省としても政府としてもそういう状況にあります。
【フリーランス 上出氏】報道による限りで、実はもう問題が解決しているのかもしれませんが、先日、クリントン長官とお会いになった後にケリー長官が就任しまして、その報道が時間とかの関係もあったのでしょうけれども、残念ながら中国ばかりで日本という言葉がついに聞かれなかったということから、せっかくクリントン長官とは日米安保の適用も含めて、尖閣問題などについてのかなり心強いエールがあったと思うのですが、それとの関係で、新しいケリー長官の動きについて何かお感じになることはございますでしょうか。
【岸田大臣】ケリー長官とは、先日、電話会談をさせていただきましたが、長官に就任された直後の、現地で言うと日曜日の朝だったのだと思いますが、かなり早い段階で日米外相間で電話会談ができたということについては、ケリー長官も日本、あるいはアジアに対して重視する、こういった姿勢の表れではないかと我々は受け止めております。
そして、ケリー長官とも電話会談をさせていただきました。30分以上にも及ぶ電話会談となりましたが、その中で、日米同盟をまずしっかり強化していかなければいけない、このアジア太平洋地域の戦略環境にとって大変重要な関係であるというようなことを再三確認させていただきました。そして、ケリー長官自身も、さまざまなアジア、そして、日米間の課題について積極的に発言もされました。大変問題意識を強く持っておられるなというのを電話会談の中でも感じた次第です。
そうした、私(大臣)自身直接の電話会談でのやり取り、また、各国の中でも最も早い段階で日米外相会談が行われたという事実、こういったことを振り返ります時に、ケリー長官はアジア太平洋地域、そして、日米関係を大変重視しておられるのではないかと感じているところです。その辺りが私(大臣)の感じている感想でございます。
【日本テレビ 菊池記者】アルジェリアの人質事件を受けて,海外での情報収集策など,この進捗状況,進展などございましたらお聞かせください。
【岸田外務大臣】アルジェリアの事件を受けて,外務省としては,この間の会見でも申し上げたように,3つの柱,この国際テロに対して,しっかりと立ち向かう。そして,サヘル,北アフリカ,中東をはじめ,こういった地域への支援を行う。更には,こういった地域との対話・連携を深めていく。こうした3本柱を掲げて,そして今後,検討チームでの議論を踏まえた上で,具体的な対策を取っていくという方針で今議論を進めているといった状況です。
そして,更には,米国をはじめ,欧米各国,あるいは関係国とも連携を深めていく。こうした姿勢が重要だと考えております。こういった姿勢で臨んでいる。これが現状です。
【日本テレビ 菊池記者】北朝鮮の核実験ですけれども,これについて何か新しい情報などございましたらお聞かせください。
【岸田外務大臣】様々な情報が寄せられていますが,それに対して重大な関心を持って注視をしている。こうした状況です。現状は,今,そういった状況の中にあります。
【日本テレビ 菊池記者】この準備はかなり整っているというとらえ方でよろしいでしょうか。
【岸田外務大臣】いろいろな情報が寄せられてはいます。これはインテリジェンスにかかわる問題ですので,これ以上,申し上げるのは控えたいと思いますが,重大な関心を持って注目している現状です。
【NHK 大谷記者】今の北朝鮮の問題ですけれども,核実験を予告してからほぼ1週間という形になります。この間,行われていないことについて,各国の外交努力が効いているとか,そういった見方というのはお持ちでいらっしゃいますか。
【岸田外務大臣】北朝鮮からは,まず外務省声明として六者協議の共同声明を否定する。更には,非核に向けての対話を否定する。こうした声明が出され,そして,国防委員会という高いレベルから核実験に触れるような声明も出されている。こうしたことについては,まことに遺憾なことであり,こうした事態を受けて,米国,韓国,そして中国,ロシアをはじめ,関係国としっかり連携をしていかなければいけないと思い,こうした各国との連携・連絡を取るべく努力をしているという現状にあります。
是非,こうした状況の中で,北朝鮮においては,これまでの安保理の決議をしっかりと実施する。また,六者協議の共同声明を実行する。そして,挑発行為を行わない。こうしたことを我々もしっかりと引き続き働きかけていかなければいけないと思いますし,是非,北朝鮮にこれをしっかりと受け止めてもらわなければならないと考えています。
【北海道新聞 安藤記者】来週4日に日露の次官級戦略対話,昨日発表がありました。総理が,今年,公式訪露を10年振りに行うと。その前に,元総理の訪露も予定されているのですが,そういう訪露,北方領土の論議などに向けて,どういう戦略対話を期待されるか伺えますでしょうか。
【岸田外務大臣】戦略対話ですから,この地域における幅広い意見交換が行われ,もちろん二国間関係についても議論が行われ,そして,今,御指摘の点にも触れることはあるとは存じますが,あくまでも戦略対話ですので,是非,幅広い意見交換がしっかりと行われることを期待したいと思っています。
【北海道新聞 安藤記者】具体的に,総理の訪露の日程とか,そういうお話まで及ぶという可能性もあるというようにお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】そういったことに触れる部分もあるかもしれませんが,何もまだ具体的なものは決まってはおりません。