記者会見

外務大臣会見記録(要旨)(平成24年3月)


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外務大臣会見記録(平成24年3月30日(金曜日)8時45分~ 於:院内)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)日中韓外相会議について

【玄葉外務大臣】日中韓の外相会議でございますけれども、4月8日(日曜日)、中国・寧波で日中韓の外相会議が開催され、国会が了承していただければ、私(大臣)が出席したいと考えております。
 今回の外相会議は、中国の揚潔チ外交部長が議長、韓国からは金星煥外交通商部長官が出席予定です。
 本年、中国で開催が予定される第5回の日中韓サミットに向けた調整を行うと共に地域・国際情勢について、三国の外相同士で意見交換を行う予定でおります。
 今回の外相会議を通じて、日中韓三国間の未来志向の協力関係が一層推進されることを期待しています。

(2)キャメロン英国首相の来日について

【玄葉大臣】4月10日(火曜日)から11日(水曜日)までの日程で、英国のキャメロン首相が外務省公式実務訪問賓客として来日します。
 英国首相として9年ぶりの二国間の訪問を歓迎したいと思います。
 キャメロン首相は今回の滞在中、野田内閣総理大臣と会談をする予定です。二国間の親善関係を一段と深めることになるものと期待しております。

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内政(国民新党連立離脱)

【NHK 島田記者】消費税増税をめぐって国民新党の亀井代表が今朝、反対ということで連立離脱ということになりました。こういった結果になったことに対する大臣の受け止めと、それから浜田外務大臣政務官が国民新党ですけれども、すでに政務官の進退について話をされているのかどうかということと、大臣としては慰留するお考えかどうかお聞かせください。

【玄葉大臣】まだそこは国民新党の中で十分整理がなされているのかどうか不明です。推測でものを申し上げてはいけないと思いますけれども、おそらくは自見大臣は議員総会の党議に基づいて署名をされたというように私(大臣)は理解していますので、浜田さんについても以前内々相談は受けておりましたけれども、議員総会で、党議で決まったということであれば、それは粛々と今後も連立の中で活躍をしていただけるものというように思っています。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【日本テレビ 野口記者】日中韓外相会議ですが、北朝鮮のロケット発射に自制を促す上でその外相会議の場はどのような場にすべきだとお考えでしょうか。

【玄葉大臣】日中韓の認識を共有する場に当然なるだろうと思います。比較的長い時間の会議になると思いますので、当然自制を求めるということでは三者とも一致をしておりますし、では具体的にどういう働きかけをするのかも含めて、やはり話をしなければいけないのではないかと、私(大臣)は思っています。

【毎日新聞 横田記者】破壊措置命令が決まりましたけれども、改めまして日本としての外交努力、まだ若干日数が残っておりますけれども、そこを含めてお教えください。

【玄葉大臣】今申し上げたように日中韓の外相会談もありますし、米国、そしてロシアとも連携して、引き続き自制を強く求めたいというように思っています。ただ、仮に発射されるという事態になった場合のことも含めて、様々な想定をしておきたいというように思っています。

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外務大臣会見記録(平成24年3月28日(水曜日)9時46分~ 於:大臣接見室前)(動画版他のサイトヘ

北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【テレビ朝日 花村記者】核セキュリティ・サミットが終わりまして、各国で連携して北朝鮮に自制を求めていくということですけれども、今後さらに日本として各国との連携に向けてどのような努力をされるのか、局長の派遣等も検討されているようですけれどもその点と、さらに来月期限が切れる日本独自の制裁の延長についても検討されているのでしょうか。

【玄葉外務大臣】局長の派遣というのは、それぞれ特に韓国、米国、そして中国等とよく連携をするようにという指示をしておりますので、もう早速意思疎通をかなり緊密に行っているところでございます。
 それと制裁ですが、これはまずは今回のミサイルの発射について、いわゆる「人工衛星」、ミサイルの発射について自制を求めるということであります。仮に発射されたということになれば、これは今後最も有効な手段は何なのかといった観点で、切迫感を持って総合的に判断をする。当然その時は、まだ安保理の対応を含めて予断はできませんけれども、国際社会とよく連携をしながら対応を考えたいというように思っています。さまざまな想定はしております。

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内政(消費税増税議論)

【テレビ朝日 花村記者】民主党内の消費税増税を巡る議論が本日未明まで続きまして、打ち切りという形で、前原政調会長は自分に一任されたとおっしゃっていましたけれども、大臣は重ねがさね決められる政治をすべきだということをおっしゃっていますけれども、この一連の動き、国民に理解されると思いますか。

【玄葉大臣】私(大臣)にも関係者から本日の朝4時くらいにメールがありました。この間、前原政調会長が大変な努力をされて、丁寧な議論を心がけていたのではないかというように、私(大臣)はそう思っています。ですから、今回このような形で通常3日くらいでまとめようということだったものを、倍の時間をかけて、もう連日たぶん6時間7時間議論したのではないかというように思いますけれども、党内の議論が、私(大臣)としては結論が得られたというように認識しています。次の段階に入るべきだというように思います。

【テレビ朝日 花村記者】慎重派と反対派、反対派の中には採決の際に造反するのではというような見方とか、実際にそのようにおっしゃる方もいらっしゃいますけれども、その辺、党内は収まるでしょうか。

【玄葉大臣】党内が収まるか収まらないかというのは、これからでありますけれども、やはりここまで丁寧に議論をしたわけでありますし、行革も政治改革も併せて行っていくということでありますから、当然、党の決定、閣議の決定には従うべきだというように思います。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」打ち上げ)

【毎日新聞 横田記者】北朝鮮の件で、もし発射された場合の安保理対応は予断を許さないということですけれども、日本としては、安保理で新たな制裁決議なり、非難決議なりということも検討すべきであるというようにお考えになりませんでしょうか。

【玄葉大臣】ここはまだ予断をしてはいけないと、むしろそう思っています。さまざまな想定をしておりまして、先ほども申し上げましたけれども、今、米国や韓国、そして中国、ロシアなどともよく連携を取っておりますので。
  例えば、安保理について言えば、若干、中国が言葉の表現が違っております。ですから、そういったことも含めて、今後どうしていくかと。一番大切なことは、いわゆる諸課題の解決に最も有効な方法は一体、何なのかということだと思います。ですから、その観点で、まさに総合的に判断をしていきたいと考えています。

【NHK 吉岡記者】その中国ですけれども、やはり、今回の、もし仮に打ち上げが行われれば、それが安保理決議違反だと明確に言っていないので、どういうように中国に対して働きかけを、今後、来月中旬にかけて行っていくことをお考えですか。

【玄葉大臣】これは、各国と連携して行っていくということになると思います。中国はたしか関心という言葉ですか、あるいは憂慮とか、そういった言葉を使っているように思います。ですから、ここは若干の認識のずれがあるとすれば、そのずれを埋めるための更なる努力を担当者間で行う。
 今回、首脳同士で、日本の場合は時間の制約があって、立ち話程度だったかもしれませんけれども、米中でも行われた、あるいは中韓でも行われたといったところがありますから、そういった溝をしっかり埋めていくということが必要だと思っています。

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米軍再編問題

【テレビ朝日 花村記者】普天間の環境アセスに関する知事の意見書が出された後ですので、改めて辺野古移設は厳しいという意見ですけれども、週末に知事と会われて知事がおっしゃっていたような厳しい内容になったわけですが、大臣としては今後、修正、そしてその後の埋め立て申請をながめて、どのような決意で臨まれますか。

【玄葉大臣】今回、たしか400項目くらいあったと思いますけれども、まずよく精査をしたいと思います。大切なことは丁寧に行っていくこと、そして、理解を得ながら、これは全てにおいてですけれども、物事を進めると。私(大臣)はそう心に決めておりますので、強行はしない、理解を得ながらあくまで進めていく、もうその一点だというように思っていますので、私(大臣)は沖縄の立場にできるだけ寄り添いながら、しかし、外交、特に安全保障の面で万全を期すことができるように引き続き理解を求めていきたいと思っています。
 当然、それだけの分量というか項目がきたわけですから、その点に関して一定の時間がかかるということは否めないと思います。ただ、適切に精査をして対応したいというように思います。防衛省だと思いますけれども。

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外務大臣会見記録(平成24年3月27日(火曜日)8時45分~ 於:院内)(動画版他のサイトヘ

核セキュリティ・サミット

【フジテレビ 村上記者】核セキュリティ・サミットですけれども、米韓に中露が協調する姿勢を示しておりますが、日本としてどういう姿勢を取るべきか、改めて外務大臣のお考えをお願いいたします。オバマ大統領が中国とロシアと会談されて米韓の北のミサイルを牽制する姿勢に中国とロシアも協調しているということですが、日本として取るべき姿勢についてお願いします。

【玄葉外務大臣】六者(会合)のパートナー、日米韓、そして、中国・ロシア、特に中国・ロシアへの働き掛けが大切だというように思います。ロシアは安保理決議違反というように述べていますし、中国は懸念だったかと思います。
 この日米韓、そして、中国・ロシアとよく協力をし、連携していくことが非常に大切になると思います。まずは、自制を求めていくということだと思います。

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米軍再編問題

【琉球新報 松堂記者】普天間の辺野古移設で、本日、環境影響評価書に対する知事の意見がでて、県外移設を求める方針だそうですけれども、受け止めをお願いします。

【玄葉大臣】これは、先般も申し上げましたけれども、よく精査をして適切に対応したいというように思っています。直接的には防衛省の方でおやりになられるだろうと思います。私(大臣)のスタンスはもうご存じのとおりでございまして、全てについて、やはり理解を求めながら進めていくということが大事だというように考えています。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【時事通信 北井記者】北朝鮮のミサイルに関してですけれども、政府として防衛面での対応を、PAC3の配備だとか、イージス艦の配置ですね、こういったところについて、どういう対応で万全を期していいきたいというようにお考えなのか教えてください

【玄葉大臣】09年の事例もございます。それらを参考にしながら、先ほどもさまざまな北朝鮮に関する意見交換、情報共有というのを四大臣で行いましたけれども、防衛大臣を中心に万全の体制が取られるものというように考えています。

【毎日新聞 横田記者】四大臣で何か確認された事項なり決定された事項なりというのはございますでしょうか。

【玄葉大臣】これは防衛大臣からお話をされるということでございますので、申し訳ございませんがそちらに譲りたいと思います。

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核セキュリティ・サミット

【読売新聞 石田記者】核セキュリティ・サミットで今、総理は昨日の夜(現地に)入ったということもあって、六カ国の関係国は首脳がもうすごい連携を取って会談などしている中で、なかなか野田総理の存在感を示せていないかと思うのですけれども、今のその現状について、今日もまだありますけれども、総理はどういうように関係国とやっていくのかというようなことを教えてください。

【玄葉大臣】これは一番は時間の制約だと思うのです、率直に申し上げて。消費税のこともあるでしょう。あるいは国会もあるかもしれません。つまりは与野党あげて、こういったことについて考えていく必要があるのではないかと。この時間の制約の中でも総理は最大限努力されて、様々な会合の合間等におそらく事実上のバイのお話をされることになるだろうというように思います。本当にこれは日本の外交を考える上で、あるいは首脳外交というものを考える上でこれはもう党派を超えて考えていかないといけないというように思います。

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外務大臣会見記録(平成24年3月23日(金曜日)9時30分~ 於:大臣接見室前)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)沖縄訪問について

【玄葉外務大臣】本日から明日まで、沖縄を訪問して、仲井眞沖縄県知事と会談する予定です。現在行っている米軍再編の調整に関する日米間の協議について現状をご報告をするとともに、知事の御要望をお伺いをし、今後の協議の参考にさせていただきたいというように考えています。また、グラック沖縄四軍調整官と意見交換をして、キャンプ瑞慶覧を視察する予定であります。

(2)香港政府による日本産食品・農産物輸入規制の緩和について

【玄葉大臣】香港は日本にとって最大の食品・農産物の輸出相手先でありますけれども、日本政府は香港政府に対して、これまで日本産食品・農産物等に対する輸入規制の緩和について、様々な機会に要請をしてまいりました。私(大臣)も書簡等を行政長官に出したりしてまいりましたけれども、今般、21日付の書簡をもって、香港政府から、福島、栃木、群馬、茨城、千葉の5県からの食肉・家禽類を輸出する際に必要な放射性物質検査証明書の様式について合意する旨の通報がありました。この結果、香港における輸入禁止というのは、今申し上げた5県の指定食品だけと、つまりは果実とか、乳製品とか、粉ミルク等のみで、あとはもう輸出できるということになりました。香港側の今回の措置を高く評価するとともに、今後も全面解除を要請していきたいというように考えています。

(3)日中韓投資協定について

【玄葉大臣】2007年1月の日中韓首脳会談におきまして交渉入りに合意した後、同年3月から本年3月までの5年間にわたり、計13回の交渉会合を行ってきたところであります。今次会合を開催して最終的な調整を行って、交渉妥結に至りました。三国間におきましては既にそれぞれ三つの二国間の投資協定があることを踏まえ、更により良好な投資の基礎となる枠組みの構築を目指して交渉を行って、今般、新たな条文について合意を得ることが出来たということであります。本協定は特に中国との関係におきまして、既存の日中投資協定と同様、内国民待遇や最恵国待遇を規定するほか、これに加えて今回新たに、知的財産権、そして公正衡平な待遇、透明性に関する事項を設けるなど、全般的に保護の水準を高めたところであります。また、投資家と締約国間の紛争解決で良く話題になるISDSの手続、一定の技術移転要求の禁止、送金の自由についても規定が設けられたところであります。早期の署名を目指していきたいと思います。

(4)EUのイラン産原油の輸送などにかかる保険・再保険に対する措置について

【玄葉大臣】この問題は先般も質問をいただきましたけれども、措置の内容によっては国際原油市場及び我が国のイラン産原油輸入に影響を与える恐れがあるということでありますので、先般EUのアシュトン上級代表にも電話をいたしました。昨晩、ドイツのヴェスターヴェレ外相にも電話で働きかけるをしたところでございます。引き続き働きかけをしてまいりたいというように考えております。

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米軍再編問題

【NHK 島田記者】本日からの沖縄訪問ですけれども、日米協議の報告ということでしたが、今、抑止力の観点から部隊配置を中心に議論が続けられていると思いますが、仲井眞知事に対しては具体的にどういった話を報告されるのかということ、それから、どういった話を聞きたいかということと、キャンプ瑞慶覧は日米間で優先的にということが既に合意されていますけれども、そういった意味も含めて今後の返還に向けた視察という理解でよろしいのかということについてお願いします。

【玄葉大臣】知事さんには、現在の日米の協議の途中経過も含めて内々しっかりと説明をしたいと思っています。まだ、途中段階ですから、表で言えることと、まだ内々しか言えないこととあるわけでありますけれども、非公式の会談もございますし、そういったところでは途中段階の状況も含めてしっかりと説明をしたいと思っています。
 また、先般訪問したときもパッケージの切り離しの話などされた経緯もあるわけですけれども、今回キャンプ瑞慶覧を見ると、牧港補給地区はこの間総理が行かれましたので、車中からずっと私(大臣)も見ながら、キャンプ瑞慶覧をしっかり見たいなというように思っています。インダストリアルコリドーとかもありますので、今後の日米間の協議の参考にしたいと思っています。

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イラン情勢

【フリーランス 上出氏】イラン産石油の問題で、根本的なことですけれども、米国では国防権限法というものがあって、あくまでも国内法であると。これに各国が従うという構図に関して、一部報道でも批判があるのですけれども、こういう秩序、日本の場合は特に米国のいいなりとかよく言われているので言いにくい立場なのかもしれませんが、この辺をどういうように全体の今の取組みの中で整理されていくのか。米国だけの問題で放っておかざるを得ないのか。これからもいろいろな問題、ウサマ・ビン・ラ-ディンさんのときも米国の特使の方だけが目立ったのですが、外交の中ではやはりどうしてもこういう問題がひっかかってくると思うのですけれども、日本国にとってみてどういうように整理されているのでしょうか。

【玄葉大臣】EUも同じように、EUはEUで制裁措置をとっていると。要は、今回のイランの核開発というのは国際社会全体の懸念だと思うのです。それは私(大臣)自身も深刻な懸念を有しています。ですから、どのような形で国際協調をし、圧力をかけていくかということだと思うのです。その圧力、制裁がより効果的に行われるという観点で、各国がとる措置について、ときどき第三国に対して看過できないような悪影響を与えるケースもあり得るわけです。ですから、そういったことについて、その運用面について、それぞれよく話し合って、そういうことのないように、また結果としてイランを利することがないようにしなければならないと。
  まずは、やはり国際協調の、そしてイランに対する制裁局面だというように、私(大臣)は全体としてもそう見ておりますので、今、大切なことはしっかりと国際協調していくことで、しかし併せて、国際協調しながらも、我が国は3.11がございました。我が国経済、化石燃料がどうしても、その需要は増大をしているというのが現実ですから、そういった現実も踏まえて、我が国経済への影響を最小限になるように、私(大臣)としてもしっかりと働きかけをしてまいりましたし、これからもしていくということでございます。

【フリーランス 上出氏】今回の流れの中では、この米国の国内法に関してはさわらないということでよろしゅうございますか。

【玄葉大臣】さわらないといいますか、もともと昨年の日米外相会談の段階でこの話は出ておりまして、私(大臣)から、とにかく国際協調をしていくと、今はまず制裁局面であると、ただし、運用にはやはり気をつけていこうと、それが効果的な制裁たり得るからということで、最初からそのように言ってきました。ただ、この間、内々のそういった交渉をしておりましたので、あまり具体的に申し上げてこなかったということでございます。
  どこかの段階で、直接的な働きかけも含めて、イランに対して行っていかなければならないのではないかというようにも思っています。制裁の効果は、私(大臣)は少しずつ出てきていると思っています。

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日中韓投資協定

【毎日新聞 横田記者】投資協定の件ですけれども、日中韓でずっと懸案になってきたのが妥結されたということで、5月に日中韓の首脳会談が予定されておりますけれども、FTAの交渉入りの見通しは現時点でいかがでしょうか。

【玄葉大臣】これは、まだわかりません。ただ、以前申し上げてきたのは、日中韓の投資協定がFTAの先駆けになるということだと思っています。したがって、今回の日中韓の投資協定というのは、これから続く日中韓のFTAの弾みになるだろうというようには思っています。
 私(大臣)は非常にこの投資協定の実質合意というのは、大きな意味合いを持つというように思っています。

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日中関係

【NHK 吉岡記者】本日、中国で輿石幹事長や鳩山元総理がそれぞれ別個に習近平さんとお会いになられるということで、党同士の交流という側面もあるのかなと思うのですけれども、外交当局としては、どのように今回の会談を見ていらっしゃるかと、受け止めについてお願いします。

【玄葉大臣】この間ずっと外務省にも連絡をいただいて、こちらでセッティングしてきた部分もございますし、党と党で先方もセッティングを行った部分もございます。よく連絡を取り合ってきていますので、大いに政党間交流があって良いと思います。けして二元外交になるようなことがないような形での今回の訪問でございますので、何か交渉事を行うわけではありませんから、日中国交正常化40周年でありますから、民主党の要人がこういう形で訪問されるということは大変良いことだというように考えています。

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外務大臣会見記録(平成24年3月21日(水曜日)15時52分~ 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)米国国防授権法の適用にかかる日米協議について

【玄葉外務大臣】米国の国防授権法の運用に関する日米協議のことであります。他の関係大臣からもお話があったのではないかと思います。
 我が国は,イランの核問題に関する米国をはじめとする国際社会の深刻な懸念というものを共有しています。「対話」と「圧力」のアプローチに基づいて,イランに対し,国際社会と協調しつつ効果的な「圧力」をかけつつ,伝統的な関係に基づく働きかけを通じて,問題の平和的・外交的解決に努力をしてきています。米国の国防授権法に関する米国との協議でありますけれども,我が国のイラン産原油の輸入が,過去5年間で約40%,50万BDから32万BDでありますけれども,削減されており,東日本大震災以降,火力発電用の化石燃料需要が増大する困難な状況の中でも,この傾向は加速をされていると。2012年も相当程度削減されていく方向との認識について,具体的に米側に説明をしてきたところでございます。こうした協議を通じて,例外措置を含む同法の柔軟な運用を要請してきたところでありますが,米国時間の昨20日,米側から,国防授権法の例外規定を我が国に適用することを決定したとの連絡があったので報告をいたします。

(2)ピニェラ・チリ大統領の来日について

【玄葉大臣】28日(水曜日)から30日(金曜日)までの日程で,チリのピニェラ大統領及び同令夫人が実務訪問賓客として来日します。ピニェラ大統領の来日は,2010年11月の横浜APEC首脳会議に参加して以来となります。ピニェラ大統領は,今回の滞在中,29日(木曜日)に野田総理大臣と首脳会談を行い,二国間関係や国際場裡での協力等について意見交換する予定です。また,我が国と同じく地震国であるチリは,防災協力のパートナーでもあり,ピニェラ大統領は,30日(金曜日)に宮城県南三陸町を訪問し,被災地等を視察する予定です。今回のピニェラ大統領の訪日を通じて,経済及び防災分野をはじめとする二国間関係,また国際場裡での協力関係の進展が期待されます。

(3)TICAD Ⅴ事務局の設置について

【玄葉大臣】本日付で、草賀中東アフリカ局アフリカ審議官を事務局長として「TICAD Ⅴ」の事務局をアフリカ審議官組織に設置をいたしました。同事務局は、2013年6月1日から3日に横浜市で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD Ⅴ)及び準備会合につき、プレス関係を含む設営・運営業務全般を担います。アフリカは近年、アジアに次ぐ経済フロンティアとして、日本企業の関心を集めています。成長著しいアフリカとの関係強化は、我が国にとっても大きなチャンスであり、TICAD Ⅴを、日本とアフリカの関係を新しいステージに引き上げる、我が国の成長にもつなげる契機にしたいと考えております。

(4)日米桜フェスティバルの開催について

【玄葉大臣】本年は日本が桜を米国に寄贈,植樹してから100周年を迎えます。これを祝うべく,外務省は,3月31日(土曜日),恵比寿ガーデンプレイスにおきまして,日米桜フェスティバルを開催します。本フェスティバルでは,航空自衛隊や在日米軍の音楽隊によるジョイント・コンサートや,震災支援に対する謝意表明とポップカルチャー発信のために訪米した桜メッセンジャーAKB48のメンバーによる訪米報告,アーティストの白井貴子さんと地元小学生達による総勢約80名による大合唱が行われます。

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イラン制裁

【朝日新聞 土佐記者】大臣はこれまでイランに対しては、日本は欧米とは一線を画したアプローチというか関係を維持してきたとおっしゃってきましたが、今回の例外的除外を受けたことで、イランにとっては日本も欧米側に立って制裁を行っているというようにも映るように思いますが、今後日本としてはどのような形でイランに対してアプローチ、働きかけをしていくのでしょうか。

【玄葉大臣】イランの核開発の問題につきましては、何より国際協調がまず必要であるというように考えています。これまでも繰り返し申し上げてまいりましたけれども、効果的な制裁、そして良いタイミングでの対話ということが大事なのだというように思っています。私(大臣)は、現在制裁局面にあって、制裁について一定の効果を発揮しつつあるというように考えています。昨年末の日米外相会談でも、まさに効果的な制裁たり得るためにはどうするかということについて、かなり突っ込んだ意見交換を日米外相間でさせていただいたということでありまして、正にその慎重な運用が今回一つの成果となって、私(大臣)だけではなく様々な閣僚や関係省庁等々日本国政府の働きかけが成果を一つ生んでいるというように思います。
 今のご質問は、イランに対してどうするのだということでありますが、私(大臣)は大事なのはやはり一つはタイミングということではないかと思っています。働きかけをする時に伝統的な友好関係があるかないかということは大切なことでありますので、それはそういった時期になれば有効な働きかけを行うべく考えていきたいというように思っています。

【ダウ・ジョーンズ 岩田記者】本日午後2時からの石油連盟会長の会見で石連会長の天坊さんが言っていたのですけれども、米国の制裁対象国のリストから、この件に関して日本が外れたのは非常に歓迎するけれども、EUが提案しているEUの保険をしないという制裁の対象からも外れなければ、イランから原油を輸入できないこと自体は変わらないので、この問題についても政府に頑張って解決してほしいというように言っていたのですけれども、これについて、玄葉大臣として、今交渉中であるとかこうしたいとかお話になれることはありますか。

【玄葉大臣】一言で言えば、働きかけを行っているところです。おっしゃるようにイラン産原油の輸送等にかかる保険・再保険の提供の禁止をEUは、1月の下旬だったと思いますけれども、決定をしているわけであります。この保険・再保険の措置の詳細はまさに今、検討中ということであります。措置の内容によっては、たしかに国際的な原油市場、あるいは我が国のイラン産原油の輸入に影響を与える恐れがあります。したがって、それらの影響が最小限になるように、例えば(3月)19日だったと思いますけれども、私(大臣)からアシュトンEU上級代表に電話をいたしました。EU側に様々な形で働きかけを行なっているということであります。今後とも働きかけを行っていくと共に、いずれにせよ我が国への原油の安定供給確保に支障をきたさぬように万全を期したいというように考えています。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【日本テレビ 野口記者】北朝鮮によります、ミサイルなのか、衛星なのか、発射の予告に関してですけれども、現時点での日本政府の情報の収集・分析状況を教えていただきたいのと、来週月曜日と火曜日にソウルで核セキュリティ・サミットがありますが、このソウルの場で関係各国首脳が集まりますけれども、何らか北に対して自制を促すメッセージ等を発する可能性はあるのでしょうか。

【玄葉大臣】これはIMOが、1つはいわゆる回章を発出しているという状況は皆さん御存じのとおりでありまして、引き続き米国、韓国、そして中国、ロシアなどと連携して自制を求めたいと思っています。
 核セキュリティ・サミットでという話につきましては、現時点で固まっておりませんけれども、ただ、特に関係国にとっては、やはり地域の平和と安定を損なうおそれがあるわけでありますから、そういったことは大事な話として取り扱われる可能性はあるのではないかというようには、私(大臣)個人的には思います。
 更に言えば、防衛省は防衛省で、いわゆる我が国の領域に飛来するおそれ、あるいは落下する、そういったことなどもさまざま想定しながら、かつての2009年の措置なども参考にしながら、対応に万全を期すということも含めて、今検討しているということでございます。

【毎日新聞 横田記者】PAC-3の配備について、防衛副大臣が沖縄本島と石垣島ということを昨日言及されているのですけれども、沖縄については米軍の嘉手納基地に、米軍のものですが、PAC-3が配備されていると思うのですが、この活用ということも検討していくことになるのかどうか、その辺の御見解をお願いいたします。
 
【玄葉大臣】いずれにしても、先ほど申し上げたように、万全を期すと。そのために一番よい方法を考えていくということではないかと思います。

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米軍再編問題

【NHK 島田記者】一部報道で、在日米軍の再編の日米協議に関連して、嘉手納以南の米軍の5施設について、返還に向けて新たに協議機関を設置すると、それで返還計画を作っていくといった報道があったのですが、この事実関係と、もしこういった協議機関を設置されるのであれば、どういったもので、それから、どういった目的でされるのでしょうか。

【玄葉大臣】もう一つひとつの、この在日米軍再編の報道についてコメントするのは基本的に差し控えたいと思っているのですけれども、いずれにせよ、沖縄の負担というものができるだけ早期に軽減されるという大きな視点というものに立って全力を尽くしたいと考えております。

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核セキュリティ・サミット

【NHK 吉岡記者】李明博大統領が昨日、一部の報道機関とのインタビューに応じて、サミットでは核兵器2万個分に当たるプルトニウム及び高濃縮ウランを削減するというところで合意を目指したいとおっしゃっていました。日本政府として核セキュリティ・サミットに臨むに当たっての検討状況と、もし仮にそういうことの合意に至れば、日本もそれなりの削減の割り当てといいましょうか、削減をする方向で調整をされると思うのですけれども、その国内の調整状況と併せて伺えればと思います。

【玄葉大臣】今の吉岡さんの質問は、私(大臣)は、つまりは李明博大統領の発言を聞かれているというように推測いたしますけれども、率直に申し上げて、そういう検討がなされていることは承知していないです。

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米軍再編問題

【琉球新報 松堂記者】先ほどの嘉手納より南の米軍施設の返還ですが、普天間移設と切り離された時点で5施設の返還というのは白紙に戻ったという理解でよろしいのでしょうか。それとも、大臣がおっしゃるように、沖縄の負担軽減を実現するということは、米国側もその認識を共有して、先行して返還するという意識を米国も持っているのでしょうか。

【玄葉大臣】白紙に戻ったという意味合いが私(大臣)には今よくわからないのですけれども、結局パッケージを切り離さずにそのまま膠着状況のまま置いておいた場合に何が起きるかといえば、嘉手納以南の5施設についての返還そのものについて協議すらできないということなのではないでしょうか。切り離したことで初めて嘉手納以南の5施設の返還について、より具体的に協議をすることができるようになったということだと私(大臣)は確信をしています。

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イラン制裁

【読売新聞 田村記者】大臣は、今、効果的な制裁を実現しなければならないというところをおっしゃったのですが、その効果的な制裁のためには、やはり国際社会に協調していない、いわゆる中国とかインドとか、原油を買っている、買い続けている国がありますけれども、そういった国々への対応というのも非常に大事になってくるかと。その辺り、より効果的な制裁を実現するために今後どうしていくべきか、お考えをお伺いしたいのですが、よろしくお願いいたします。

【玄葉大臣】全く同感です。つまり、中国、インドともよく意思疎通・意見交換をこの問題で図っていかなければならないと思っています。そのことを併せて、私(大臣)は日米外相会談でも話をしました。ですから、おっしゃったとおり、国際協調が必要で、制裁が必要なのです。それで一定の効果が出てきているのですけれども、それをより効果的にしていくという観点が大事であって、そのためには、この次の問題というのは、今、おっしゃったことが私(大臣)は大事な課題になるというように認識しています。この間、一貫して同じ認識です。

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内政

【フリーランス 上出氏】外務大臣のマターではないのですが、全体的な話で、大連立の問題がまた浮上しております。いろいろなところの大臣会見でもやはり出ていると思いますけれども、この意味と、こういうものが出てきたという意義と、それから、大臣御自身が、今、大連立が起きてきていること自体をどうお考えになって、政治を進めるために何が大切なことなのか、その辺の御見解を聞かせていただけますでしょうか。

【玄葉大臣】私(大臣)は、第1党、第2党の党首が、表だろうが、裏だろうが、いくら会ってもいいと私(大臣)は思っています。大事なことは、合意形成ができる政治であるというように思っています。だれもがやらなければならない、ある意味決まり切っていることについて、決められていないのではないか、決めることができないのではないかということが今の既成政党に対する不信につながっていると考えておりますので、これは民主党は勿論でありますけれども、民主党だけではなくて、既成の政党すべてがそういった国民の皆さんの感覚に対してしっかりと対応して、物事を一つひとつ、難しい課題であっても解決をしていくということを具体的に示すということが大切であると考えております。

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外務大臣会見記録(平成24年3月16日(金曜日)18時00分~ 於:大臣接見室前)

冒頭発言-北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)について

【玄葉外務大臣】本16日正午、北朝鮮は4月12日から16日の間に、人工衛星「光明星3号」を北朝鮮の西部から南の方角に向けて発射すると発表しました。北朝鮮がそのような発射を強行することは北朝鮮に関して弾道ミサイル技術を用いたいかなる発射も実施することを禁じた国連安保理決議に違反をすると。具体的には、1718号、1874号に違反をするもので、地域の平和と安定を損なうおそれがあり、強行されれば遺憾です。また、対話を通じた諸問題解決に向けた取組も後退させかねないと懸念します。我が国としては、北朝鮮が発射を行わないよう、強く自制を求めます。
 政府としては、引き続き米国及び韓国を始めとする関係国との緊密な連携に努め、事態を注視しながら冷静かつ適切な対応をとっていく考えです。
 既に自分(大臣)の指示で、本省及び在外公館の双方で米国や韓国とは連絡を取り合っております。基本的な認識を共有をしています。また、中国に対しても協力を申し入れているところであります。

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北朝鮮情勢(「人工衛星」の打ち上げ)

【日本テレビ 野口記者】関係各国との情報の共有ですけれども、現状を紹介して頂ける範囲でどういった情報が入っている、あるいはどういった情報を先方に渡しているということはご紹介頂けるでしょうか。

【玄葉大臣】きちんと連絡を取り合ってまして、米国は実は私が指示したのはもう12時5分だったのでかなり早い段階だったのですけれども、連絡を既に何人かと取り合って、また、ワシントンにいる日本の大使も米国の国務省と連絡を取り合って、またこちらの局長も連絡を取り合ってという状況、そして中国に対してもまた同じように連絡を取り合っていると、韓国もそうでありますけれども、中身については正に先ほど申し上げたような、基本的な認識について共有をしているということであります。

【日本テレビ 野口記者】特に米国につきましては、先月の米朝合意の違反ではないかという点も指摘されていますが、この点に関しては日米両国どういうように考えておられますでしょうか。

【玄葉大臣】このことも含めて当然ながら緊密に連絡を取っています。このことについては米朝の合意なものですから、当然ながら緊密に連絡は取り合っているのですが、米国が発表する前に日本側がこの合意に対してどうなのかということを言うのはいかがかというところもありますので、いずれ米国の立場の表明があるだろうというように思います。

【日本テレビ 野口記者】先ほど北朝鮮に対し発射の自制を促していくとおっしゃいましたけれども、外交関係がない中でどういうような方策でそれを。

【玄葉大臣】例えば先ほど中国に対しても協力していこうということを言っておりますけれども、当然中国からも自制を求めてもらうと、例えばです。

【日本テレビ 野口記者】この動きというのは日本政府としては予測していた範囲内のことなのでしょうか。

【玄葉大臣】この間も、例えば米朝合意に対して歓迎しながらも、具体的な行動が確保されることが大事であるということを申し上げてきたと思うのです。ですから予測していたとか予測していないというよりも、この間の北朝鮮の、この間という意味はこの10年だけを見てもそう、あるいはこの10数年見てもそうなのですけれども、様々なことがございますから、そういったことに対してはやはり正に冷静に分析をしながら対応をしなくてはいけないということだと思います。

【毎日新聞 横田記者】このような中で米朝協議を継続して栄養補助食品を支援ということが大枠で決まりつつありますけれども、支援を継続するということの妥当性についてはどのようにお考えでしょうか。

【玄葉大臣】ですからまさに、先ほど申し上げたように、これは米朝合意の話でありますから、いずれ米国から立場の表明があるだろうというように思うのです。大事なことはやはり北朝鮮が具体的行動を取ることだと思います。ですからそのことをしっかり注視をし、日米韓そして六者のパートナーと協力をして、自制を求めていかなければならないというように思っております。

【朝日新聞 土佐記者】この件で関係の閣僚会議などが今晩なり行う予定はあるのでしょうか。

【玄葉大臣】いいえ、聞いておりません。ただ官邸にも、当然、たしか12時半くらいに、官房長官から指示があったと私(大臣)は聞いております。関係の担当者が集まって、様々な対応策等について議論をし、様々な事態にきちっと対応できるようにとしているものと思います。

【毎日新聞 横田記者】4月の12日から16日という日程を設定して、このような「人工衛星」の打ち上げということを今回発表した北朝鮮側の意図というのをどのように分析していらっしゃいますでしょうか。

【玄葉大臣】もちろん意図は様々推測できます。ただ、同時に様々な分析を既に行っています。ただ、この段階でその意図について私(大臣)が申し上げるということが大切なのではなくて、今はとにかく北朝鮮に対して強く自制を求めていくということが大事だというように思います。

【朝日新聞 土佐記者】逆にこの行為は日本にとってどういう行為だとお思いですか。

【玄葉大臣】それは先ほど冒頭申し上げたとおりであります。

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外務大臣会見記録(平成24年3月16日(金曜日)7時55分~ 於:院内閣議室前)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言-「復興特区等に関する外資系企業・在京外交団への説明会」の開催について

【玄葉外務大臣】震災からの復興におきまして、「開かれた復興」を理念として取り組んでいるところでありますけれども、この一環として、復興特区につきまして、外国の企業、そして在京の外交団に対する説明会を開催することにいたしましたのでご報告します。これは、来週23日(金曜日)に、外務省、内閣府、復興庁、経済産業省、ジェトロとの共催で、都内のジェトロ本部で行うものです。当日は、被災した自治体の代表にもご出席いただいて、復興の計画や地域の魅力について、自らプレゼンテーションを行っていただく予定であります。震災からの復興を加速させていくべく、日本の企業はもとよりでありますけれども、外資系の企業にも広く復興の事業に参入していただきたいと。その参入について説明をして、日本再生のモデル作りに参画をしてもらいたいというように思います。詳細は、後刻資料を配付する予定であります。

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米軍再編問題

【テレビ朝日 花村記者】昨日、加藤政務官が山口県で岩国への移転はないということで米国側と確認したと説明されましたけれども、岩国以外の国内分散の可能性と、沖縄に一万人以上の海兵隊が残る可能性について、現時点でのお話をお聞かせ下さい。

【玄葉大臣】岩国につきましては、これまでも申し上げてきましたけれども、厚木から空母の艦載機、そして普天間が移設されるときにKC135など、そういったことで既にロードマップにも書いてございます。そういうことで、今回は追加的な負担をお願いするつもりはないと、私も明確に知事と市長にお伝えを致しましたので、そのことについて、正式にというか、事実上、米国に確認できたものですから、そのことをお伝えに行ったということです。
 他の国内とか、また誤解を受けますから余計な事は申し上げないつもりですが、いずれにしても部隊の配置の問題、規模、人数の問題について、精査をしながら、今精力的に議論をしています。いつも申し上げていることで恐縮ですけれども、どういう配置が、今の、戦略環境が06年の時より変わってきているわけで、変わってきたこの戦略環境に、どういう配置が一番望ましい配置なのか、あわせて我が国、あるいは北東アジアの安全保障に資するようにするためにはどうすればよいのかということについて、主体的に議論しているからこそ、まだはっきり固まらないというところがございますので、以前にも申し上げましたけれども、数週間から始めて数ヶ月かけてしっかり結論を出しますというように申し上げてきましたが、本当に精力的に議論をしていると思いますので、これからも精力的に議論をしていきます。まだ何かが決まったということではありません。いろんな報道があって、どこに何人がとかいう報道が結構あって、それぞれ報道も人数が違ったりしていますけれども、それぞれの報道が人数が違うということは、いかにまだきちんと決まっていないか、それは正に主体的に議論しているからこそ決まっていないわけで、というかそういう部分もあるわけで、もちろん米軍の事情もありますけれども、そういう意味で、もうちょっと時間をかけてそういったことを決めていきたいなと思います。

【テレビ朝日 花村記者】一万人より増える可能性については(どうですか)。

【玄葉大臣】いや、ベースはそういうところです。

【テレビ朝日 花村記者】(一万人)で抑えるという(ことですか)。

【玄葉大臣】ベースはですね。

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中井元大臣による北朝鮮との接触

【テレビ朝日 花村記者】中井元拉致担当大臣が北朝鮮側との接触を試みているということが明らかになりましたけれども、実際に行けるかどうかは別として、日本人妻の帰国問題とか、あと逆に日本側からしますと、北朝鮮に戦後帰れずに残って、その後亡くなった方の遺骨収集等は日本人でも求めている方がいらっしゃったり、墓参りを要請していたりしますけれども、そういった、日本人妻とはまた少し違いますが、戦後処理の問題について、その重要性を大臣はどうお考えですか。

【玄葉大臣】まず、中井先生の活動については、個別の個人の活動ということだと思っておりますので、政府の立場でコメントするというのは差し控えたいと思います。
 一般論で言えば、いずれ日朝間の対話というのは当然に必要になってくるわけでありますけれども、それは、今、日朝間の対話を調整していたりとか、しているといか、そういうことではありません。遺骨の問題などでそういう要望があるというのは承知しております。

【テレビ朝日 花村記者】そういう問題の解決の重要性については。

【玄葉大臣】現時点で、特に申し上げるようなものはございません。

【テレビ朝日 花村記者】一部報道で、中井元大臣と、1月ですか、外務省の職員の方もオブザーバーとして同行しているという報道がありますけれども、事実関係はいかがでしょうか。

【玄葉大臣】特にコメントすることはありません。

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米軍再編問題

【中国新聞 記者】昨日の岩国で、今後の艦載機の移転であるとか、あるいは愛宕山の売却は、今後も順調に進んでいくというような手応えを感じていらっしゃいますでしょうか。

【玄葉大臣】是非とも、お願いをしたいという思いであります。

【中国新聞 記者】一区切りついたという。

【玄葉大臣】是非とも、厚木からの空母艦載機、そして愛宕山の問題等々ございまして、これまでの計画どおり進めることができるように、是非ともご理解を賜れればと思っております。

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外務大臣会見記録(平成24年3月14日(水曜日)14時10分~ 於:省内会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言―東アジア低炭素成長パートナーシップ対話について

【玄葉外務大臣】4月15日に東京におきまして、東アジア低炭素成長パートナーシップ対話を開催いたします。自分(大臣)及びインドネシアのウィトラール大統領気候変動特使が共同議長を務め,東アジア首脳会議(EAS)参加国の政府関係者(閣僚級)と関係国際機関が参加します。
 本対話は,我が国が昨年EASの場で提案した「東アジア低炭素成長パートナーシップ構想」を具体化するものでありまして、COP17の中で発表した「世界低炭素成長ビジョン」の一環でもあります。東アジアは、世界の成長センターであり、最大の温室効果ガス排出地域でもあります。この地域において、低炭素成長実現のための協力を進めることは、気候変動問題に実効的に対処する上で、大きな意義があります。
 また、我が国が有する先進的な環境・エネルギー技術にとって、大きなビジネスチャンスにもなり得るものというように考えております。本対話が、東アジアでの地域協力を後押しし、ひいては世界全体における低炭素成長の実現につながることを期待をいたします。

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国家公務員の新規採用削減

【東京新聞 岩田記者】昨日、総理は改めて大幅な削減を求められました。外務省もおそらく大幅な削減を求められていると思うのですが、大臣はこの削減というものは、将来の増税のために必要だと考えられるのか、それとも外交上支障を来すということで強く懸念されているのかまずお考えをお願いします。

【玄葉大臣】新規採用の抑制と、あるいは大幅抑制という話でありますけれども、率直に申し上げて本来は在外公館そのものも含めて強化をしなくてはいけない時代にあると考えています。ですから、望ましいものではないと思うのです。つまり新規採用を抑制すること自体がです。しかも外交の場合はリソースがまさに人でございますので、皆さんご存じのように外務省の予算の6000億のうち4000億がもうODAというくらいの話であって、人そのものだというように思うのです。ただ、政府全体としてこの社会保障と税の一体改革という、いわば国民の皆様が大きな関心を今有していて、かつ我が国としても避けられない、必ず乗り越えなければならない大テーマが今眼前にあるという状況の中で政治改革、行政改革というものが、一体としてこの税制改革と併せてできなければならないということだと思うのです。その中に、正に公務員も含めて給与の削減だけではなくて、新規の採用を抑制していくということも含めて、痛みを分かち合うということが必要だということは私(大臣)は理解をいたしますので、政府全体としてやはり新規抑制は必要なのだろうというように思っているのです。ですから、これから最終的にどのあたりで収めるのがよいのかということを、副総理はじめ関係閣僚と調整をしていきたいというように考えているところでございます。

【東京新聞 岩田記者】そうしますと今、月末に向けておそらく復活折衝といいますか、されていると思うのですが、その折衝において大臣はどういった指示をされているのでしょうか。やはりこのままでは受け入れられないということで削減幅を下げると。

【玄葉大臣】事務レベルでそういうことをまず行っていくということですが、最終的には大臣レベルで政治判断をしていかないといけないのではないかとというように思っています。

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秘密保全法

【フリーランス 上出氏】秘密保全法のことについてお伺いしたいと思います。一部で報道も大きくされているのですが、併せて今国会では情報公開法の改正案というものが、特に日弁連さんなどが非常に熱心に取り組まれて、これも両方出ております。そういう中で、外務省としての意義をお聞かせいただきたいと思うのですけれども、本来、情報公開をどんどん進めていかなければならない段階で、沖縄の問題というのもそうですし、その中で今回秘密保全法が出てきた意義について、本当に必要なのか。多くの方からは憲法との抵触とか、特に国民の知る権利というものが今度、新しい情報公開法の改正案では出ております。日弁連さん辺りは特にそういう反対の声もあるのですが、その中で2つお伺いします。
 まず、大臣の意義についてのご見解と、もう一つは、この背景にあるものとして、日米同盟の深化、日米軍事連携の深化などということが背景にあるのではないかという指摘もあります。特に外務省、防衛省、警察庁等が力を入れているのですけれども、その辺の外務省の取組みとしてはどこまで行っているのかという辺りをお聞かせいただければと思います。

【玄葉大臣】まず情報公開、そして秘密保全法、この2つの点についてお話があったわけでありますけれども、以前にも申し上げましたけれども、国民の皆さんに外交というものをよく理解していただくために、特に知る権利を含めて、これまでも情報公開というものを、特に岡田外相になってから進めてきた経緯がございます。それで、そのピッチが下がってきたのではないかということだったものですから、私(大臣)の方から改めて指示をいたしまして、ピッチを上げるようにと、当初、岡田外相が考えていたとおりのピッチで行うようにという指示をしているところでありますし、今、そういった体制になっているというように考えています。
 その上で、秘密保全法の話は、また別の問題なのだろうと思うのです。必ずしもイコールの話ではないと思うのです。つまり、まさに今、起きている事象、あるいは交渉事などでもそうでありますけれども、どうしても本来、今、明らかにすべきでないことが明らかにされることで交渉が進まなくなるなどということはよくある話でございます。インテリジェンスの問題を考えていくときも、よく言われているのは、漏れると。回らないという話もよくあります。上がらないという話もありますけれども、漏れるという話もあるわけです。漏れた途端に、まさにインテリジェンスではなくなってしまうというところが私(大臣)はあると思います。
 これから、先ほど日米という話をされましたけれども、特定のところとどうだこうだということは申し上げませんけれども、当然それぞれの国とさまざまな戦略対話を行ったり、あるいは情報交換というものを行ったときに、漏れるということになれば、先方は私たちが真に欲するような情報を提供してこないということになるのではないかと思いますので、そこは行き過ぎないように気をつけつつ、やはり情報を保全するという仕組みは、私(大臣)はあってもよいだろうと思っています。だからといって、今、すべて我々に案があるかといえば、今、内閣全体でたしか検討しているというように承知しています。

【フリーランス 上出氏】なぜ今なのでしょうか。

【玄葉大臣】今というのは、いずれにしても、これまでの日本国政府の一つの累積してきた問題の一つなのではないかというのが私(大臣)の問題意識です。つまり、日本国政府がインテリジェンス機能を高める必要が私(大臣)はあると思っているのです。そのときに、インテリジェンス機能を高めるときにどうしても必要になるのは、そういった情報、いわゆる漏らしてはいけない情報が漏れるということはやはりよくないわけでありまして、そういったことは防がなければいけないと思っています。

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米軍再編問題

【毎日新聞 横田記者】米軍再編の関係ですけれども、ワシントンで行われておりました審議官級協議で、4,700人がグアムに移転して、3,300人が国外に移転するということで合意したという夕刊報道が出ているのですけれども、その事実関係がどうかということと、また岩国基地からも500人か600人がグアムに移転するということもこの記事にあるのですけれども、併せて事実関係をお願いいたします。

【玄葉大臣】これは、まだ審議官級協議をして、その審議官が私(大臣)に報告をしたという事実はありませんので、まさにこれまでも申し上げてまいりましたけれども、アジア太平洋全体に分散配置をするという米軍があって、その中で北東アジアの抑止力というものを維持していく、そして沖縄の負担をできるだけ早期に軽減していく、そういった観点で主体的に議論するようにという指示をしております。その指示に従って担当者は協議をしているものと考えております。
 今おっしゃった岩国からの移転の話というのは、たしかCH-53だったと思いますけれども、既に出ている話であると。いわゆる既定の路線の話であると少なくとも思いますが、そのことも含めて、まだ私(大臣)は報告を聞いていないということであります。

【毎日新聞 横田記者】考え方として、2006年のロードマップでは8千人が国外に移転することになっているのですけれども、今回の見直しでも8千人については国内の移転ということはあり得ないということでよろしいでしょうか。

【玄葉大臣】そのことも全て含めて議論をしていると、協議をしているということでございます。沖縄には、やはり1万人はきちんと確保するということです。沖縄の負担は軽減しつつも一方で抑止力の維持のために1万人を確保するということであります。そういう中で、どういうバリエーションがあり得るかということについて柔軟に議論をしているということであります。まだ、何かが決まったとかそういう段階ではないというように承知しております。

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日本海呼称問題

【フリーランス 安積記者】日本海呼称について質問したいと思います。日本海呼称問題ですけれども、3月7日から9日にかけまして、第18回東海地名と海の名称に関する国際セミナーというのがウィーンで行われたわけですけれども、ここでハウスナーとい大学の教授がオーストリアの教科書に「東海」と、それから「日本海」の併記は決定したという発表がございました。また、今年出版されましたフランスですけれども、ラル-ス出版社とミシュラン社が出した地図に、「東海」と「日本海」ということが併記されているという報道がありました。
 いずれも韓国からの筋の話ですけれども、来月の4日にIHOの総会がございます。これでまた、日本海呼称問題がぶり返される可能性がありますが、これについて、この事実について外相はご存じですか。また、ご存じでしたら、何かしら対応策いうのはとられるように指示されたわけでしょうか。

【玄葉大臣】全てどこにどのように、いわゆる併記がなされているかということについて全部あげよと言われたら、私(大臣)は正確にあげられるかどうかわかりません。ただ、そういった問題が起きていることは十分承知をしています。言うまでもなく、これは、「日本海」というのが唯一の私たちは認められるべき呼称であるという立場でありますし、私(大臣)はそう多くの異論が出ているとは思っていません。ですから、当然、我が国のこれまでの立場というものがきちんと確立されるように努力をしているというように申し上げても良いかと思います。

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日中ハイレベル経済対話

【新華社通信 郭記者】4月に日中の経済ハイレベル対話が行われる見通しですが、具体的にどういうような議題が上げられるのでしょうか。また、日米欧はレアアースのWTO提訴、それも議論される予定でしょうか。

【玄葉大臣】日中ハイレベル経済対話は、まだ日程が決まっていないというように承知をしています。行われることになれば、さまざまな議題について、特に戦略的互恵関係の深化、経済面での深化について、大局的な話から具体論まで、各大臣が出ますので、話し合われることになるだろうと成果を期待したいと。ただ、まだ、テーマ設定についてできているという段階ではございません。
 今のレアアースの問題でありますけれども、これはWTOという、いわば客観的なルールに基づいて粛々と政治問題化せずに行っていくということが望ましいのではないかという判断を日本国政府として行ったということでありまして、中国は大国ですから、今GDPは世界で2位になったわけでありまして、そういった中国が国際社会の中で責任ある行動を取っていくということを、ある意味ルールに基づいて物事を進めていくということが安定的なアジア太平洋地域の発展のためにも大事なことだというように思っています。中国の、たしか外交部も正にこの紛争処理の手続きに従って適切に処理するという話をしているというように思いますので、正に客観的なルールに基づいて協議要請を行って、その結果としてこの問題が解決されるということが良いのではないかというように思っています。

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外務大臣会見記録(平成24年3月13日(火曜日)8時50分~ 於:院内)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)イランに対する措置の追加について

【玄葉外務大臣】イランでありますが、累次の国連安保理決議及びIAEA理事会決議に反して濃縮関連活動等を継続・拡大しており、このような現状を踏まえて、本日の閣議におきまして、2010年に実施した安保理決議第1929号の履行に付随する措置の対象者にイランの銀行1行を追加指定することを了解しました。
 我が国は、イランに対して外交的に圧力を加えつつ、国際社会と連携し、イランの核問題の平和的・外交的な解決に向けて努力していく考えです。また、問題の解決に向け、イランに対して粘り強く働きかけを行っていきます。
 EU3+3とイランの協議再開の動きを歓迎しており、問題の解決に向けて実質的な進展が得られることを強く期待します。

(2)台湾による渡航制限緩和について

【玄葉大臣】台湾の渡航制限が緩和をされました。
 昨日、台北で開催されたレセプションで馬総統から福島第一原子力発電所から半径30km以内、及び計画的避難区域を除く福島県全域について渡航制限を解除するということが発表されたところであります。この間、書簡も含めて特に強く働きかけをしてきた経緯もあって、私(大臣)はこの措置について高く評価しているところであります。
 引き続き、国際社会に対して日本の現状を広くアピールをしていきたいというように思っております。

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北朝鮮情勢

【テレビ東京 秋山記者】北朝鮮の李容浩外務次官が、近く北朝鮮がIAEAの要員を受け入れるというような趣旨の発言をされたということですけれども、これについて政府として何か把握されておりますでしょか。

【玄葉大臣】これは特に米朝ということだと思いますけれども、いずれにしても正に北朝鮮が具体的な行動を行っていくということが大切であって、いわゆるIAEAとの関連等、細部の詰めが必要だということをこの間も言ってきたわけでありまして、仮に報道が事実であれば、そういった細部の調整が進展をしているということだと思っています。ただ最終的なゴールは全ての核関連活動の停止ということでありますが、第1ステップとしてはよいのではないかと思っています。

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イランに対する措置の追加

【NHK 吉岡記者】テジャーラト銀行ですが、仮に移行期間を設けたとしても中小企業にとっては代替の金融機関を探すのはなかなか難しいと思うのです。経済への影響というのは避けられないと思うのですけれども、やはり日本の輸出企業への影響を考慮しても今回の制裁の措置に踏み切ったお考えについて。

【玄葉大臣】この間、日本経済への影響を最小限に留めるために、一定の猶予措置というものをしっかりと講じることができるような調整を行ってきたところでありまして、今般その調整が整ったということでございます。これは国防授権法とは別の話でありますけれども、おっしゃるように若干の影響はあるかも知れません。ただそれが無いようにこの間調整をしてきたと。やはり国際協調は今一番大切な局面だというように思っておりまして、いつも申し上げますけれども、なにが効果的な制裁たり得るかということについて私たちはいつも考えています。その一環であるというように考えていただければと思います。

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外務大臣会見記録(平成24年3月9日(金曜日)8時35分~ 於:院内)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言

(1)シリア制裁について

【玄葉外務大臣】シリアにおいては約1年間にわたりまして反政府デモへの当局の弾圧によりまして、多数の死者が生じています。我が国を含む国際社会の多くの国の再三の呼びかけにもかかわらず、弾圧は継続しており、我が国として、シリア問題の解決を目指す国際的な努力に寄与するため、本日の閣議におきまして、本日より2個人4団体をシリア政府関係者等に対する資産凍結等の措置の対象として追加することにつき、了解を得たところであります。これによりまして、昨年9月、12月の措置と合わせ、合計20個人16団体を措置の対象とします。

 

(2)政府開発援助(ODA)白書の公表について

【玄葉大臣】本日の閣議におきまして、私(大臣)から「2011年版政府開発援助(ODA)白書」の公表についてご報告しました。「ODA白書」を通じて、国民の皆様が国際協力への関心と理解を深めてくださることを期待をいたします。

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北方領土問題

【フジテレビ 村上記者】ロシアに関しまして、昨日の予算委員会で、プーチン首相が引き分けという表現を使って二島返還での決着の決意を表明なさっていますけれども、それに対して野田総理が「引き分けにはならない」というようなことをおっしゃっておりますが、引き分けという表現の解釈につきまして、玄葉大臣のお考えをお聞かせください。

【玄葉大臣】そういった領土交渉の中身については、よく注視をしていかなければいけない、つまり、具体的な中身についてはよく注視をしなければならないということだと思います。私(大臣)はプーチン首相は意欲があるというように思います。つまりは、領土問題解決への意欲があるというように期待をしていますし、私たち、つまりは野田内閣としてもロシアを注視して、あらゆる分野で協力を深めていく、更にはその流れの中で北方四島の帰属の問題というものを解決していくと。そのために精力的に交渉していきたいというように考えていますけれども、領土交渉の中身について、いわば公開論争のような形になるのは私(大臣)は好ましくないと思っておりますので、しっかりそのところは注視をし、日本の立場は日本の立場として明確になっているところでありますので、今後精力的に交渉を行っていきたいという考えです。

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対ミャンマー債務の削減

【NHK 吉岡記者】ミャンマーですけれども、円借款の再開に向けて課題となっている債務の問題、来週にも交渉するということを聞いているのですけれども、その中で一部返済も検討されているというように側聞していますけれども、改めてどういう方針でこの債務問題に取り組もうというお考えでしょうか。

【玄葉大臣】ミャンマーにつきましては、延滞債務問題があるものですから、この延滞債務問題に全体的な道筋をつけていかなければならないということだと思います。その道筋をつけることについて、今精力的に協議をしています。私(大臣)の方からも一定の対処方針を示して、今ミャンマー政府と協議をしているという状況であるということでありまして、そういったことと併せて援助方針の見直しの検討の指示もしているということであります。本格的なこれからの後押しということになると、基礎生活分野だけでなくて、やはり円借款の再開というものが必要だろうと思っていますので、そのためにはどうしても、そういった延滞債務問題の解決というのが必要なものですから、それについては、かなりしっかりとした協議が必要です。これは日本だけではなくて、日本の延滞債務だけではなくて、他の国際機関等もあります。日本がリードする形で道筋をつけていかなければならないのではないかというように考えています。まだ、最終的な結論は出ていません。

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風評被害対策

【読売新聞 石田記者】日曜日に震災から1年になりますけれども、各国の輸入規制がまだ続いている状況だと思いますけれども、今の現状についての受け止めと今後どういうように対応していこうとお考えでしょうか。

【玄葉大臣】国によって全く違うのです。米国等は日本とほぼ同様の渡航制限の緩和、そして、輸入規制措置の緩和等を行ってくれています。ただ、残念ながらそうなっていない国もあります。段階的に行っているという国もございまして、私(大臣)からは、分かりやすくシンプルなメッセージを出す必要があると常々思っています。例えば、福島県の一番の観光地は会津若松ですけれども、会津若松の空間放射線量は毎時0.11マイクロシーベルトですけれども、これは韓国のソウルと同じでありますし、ニューヨークと比べてもほとんど変わりません。それが実態ですけれども、残念ながらそういった科学的な根拠、科学的な合理性をもってまだ判断してくれていないという状況にありますので、外相会談で取り上げていくということもこの間もやってきましたし、これからもやってまいりますが、やはり直接国民、それぞれの国の国民に訴えるということをやっていかないといけないなと。どうしても今申し上げた数字なども使いながら、直接訴えかけないと、例えば渡航制限を解いたところでお客様が来ないということがありますから。ですから、両方必要なのかなと思って、今CNNをはじめコマーシャルも外国のテレビ局で流しているという状況です。

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外務大臣会見記録(平成24年3月7日(水曜日)16時51分~ 於:省内会見室)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言-ミャンマーへの文化交流ミッションについて

【玄葉外務大臣】本日も一部報道にございましたけれども、今般、日本政府は、4月4日(水曜日)から6日(金曜日)の日程で、白石政策研究大学院大学学長を団長とし、各分野の専門家等で構成される文化交流ミッションをミャンマーに派遣することになりました。同ミッションには、帰国後、今後の日ミャンマー間の文化交流の拡大について、政策提言をとりまとめて政府に報告いただく予定であります。詳細は、報道発表をご確認いただければと思います。

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イラン情勢

【ダウ・ジョーンズ 岩田記者】先般のロイター通信の報道で、大臣が日本と米国はイランの原油の輸入に関して合意に近づいているとおっしゃったと。そして量は公表しないかもしれないけれども、なにか量についてもある程度の見通しができているというようなことをおっしゃったというのを見たのですけれども、それがもし事実であったとすれば、今どういう状況なのか、もう少しわかりやすく教えてもらえませんか。

【玄葉大臣】今のお話は、正に大詰めの段階にきているということです。それについてわかりやすく、例えば削減の幅も含めて言えということになると、それについては以前もこの場でも申し上げてきましたけれども、マーケットの問題等々もあって数値の発表を控えているというのが現状でございます。ただ、私(大臣)の認識としては、先ほど申し上げましたように大詰めの段階に来ています。イラン産原油の輸入の削減というのは、国際協調の上で大切なことであります。イランの核開発を阻止するためには、国際協調をして、効果的な制裁を行っていく。圧力、そして対話でありますので、やはり制裁を効果的に行っていく上で日本として果たすべき役割をしっかり果たしていくという観点で、今回のような協議を行っているということでございます。もちろん、最終的にはイランに対する働きかけということも必要になってくるのだろうというように思います。現状、EU3+3でもこのイランとの対話というものが一定程度行われるという報道もございますけれども、そのこと自体は歓迎できるところではあります。ただ、いずれにしてもイランが核開発をやめる、IAEAの勧告にきちんと従っていく、国際社会の懸念を払拭するということを強く求めていきたいというように考えています。パルチンの軍事施設云々という話もありますけれども、とにかく日本国政府としては、イランに対してIAEAによる措置がきちんと履行されるということを強く求めたいと思いますし、パルチンの軍事施設そのものについてはよく注視をしていかなくてはいけないというように思っています。

【ダウ・ジョーンズ 岩田記者】スケジュール感だけ確認させていただきたいのですけれども、一応3月末で長期契約が切れるので、3月末というのは輸入している会社にとっては一つの、何といいますか。

【玄葉大臣】いや、おっしゃりたいことはわかります。

【ダウ・ジョーンズ 岩田記者】だから、それを超えないようにできるのかどうかということだけ、できないならできないとおっしゃっていただければありがたいのですが。

【玄葉大臣】おっしゃりたいことはよくわかるのですけれども、さまざまな、そういったことなども含めて配慮して、そういった、つまりは関係者などが驚くことのないように、困ることのないようにということも含めて、大詰めに差しかかっているというようにご理解いただければと思います。

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米軍再編問題

【NHK 島田記者】先ほどの沖縄北方特別委員会で、大臣は在日米軍の再編計画の見直しに関連して、沖縄の海兵隊について司令部と陸上部隊、航空部隊、後方支援部隊がユニットとなって運用されて、更に機動性・即応性を持つことが重要だというように強調されていまして、日米でこの認識については一致しているというようにおっしゃっていましたが、まさにこの機能を持っている、即応性を持った部隊というのが第31海兵隊遠征隊だと思うのですけれども、これが沖縄にあることが重要だという認識で一致しているという理解でよろしいのでしょうか。

【玄葉大臣】これは協議中なので、詳細について申し上げる段階にはございませんけれども、私(大臣)としては、MEF、MEB、MEUとそれぞれあるわけであります。ただ基本的に、先ほど申し上げたように、陸上部隊、そして航空部隊、更には後方支援部隊が一体となって動くのが海兵隊なわけでありまして、その一つの統合運用ができる、そういう海兵隊の特質というものをやはり生かした配置というものが必要であると私(大臣)としては考えています。それは即応性・機動性といった点でそうあらねばならないのではないか。そうでなければ、なかなか抑止力を維持するということは簡単ではないと思っています。

【毎日新聞 横田記者】普天間へのオスプレイの配備についてですけれども、一部の報道で、7月に本州に一度配備した後に、10月に普天間に持っていくという方向で調整をしているというのがあったのですけれども、事実関係がどうかということと、あと、沖縄県は依然、オスプレイの配備ということには危険性も含めて相当反発しているのですけれども、大臣はかねがね、全国で負担を分かち合うということの必要性に言及していらっしゃっていますけれども、このオスプレイの配備に関しても沖縄に対してどのような配慮が可能だというようにお考えになっているでしょうか。

【玄葉大臣】これは、先ほど答弁もいたしましたけれども、このオスプレイ、MV-22の配備については、本年後半に沖縄に配備されるものというように承知をしています。まだ接受国通報がありませんので、今決まっているということではございませんが、そうなれば沖縄の皆様に丁寧に説明をしていく必要があると思っています。
 先ほどのご質問は全国でという話でありますけれども、今申し上げることができることは、このオスプレイというのは米軍の運用の問題なものですから、いわゆる通常の機種更新の一環です。ですから、このことに対して我々がどこまで主張するのかということは、率直に言って、あると思っているところであります。
 ただ、何ができるのかということについて考えていくということは一般論として必要なことで、例えば国会の中でも、防衛大臣が乗った方がいいのではないかとか、いろいろ提案があるわけでありまして、そういったことについて検討していくということは必要なことではないかと思っています。

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日韓関係(慰安婦問題)

【フリーランス 安積氏】2010年に、ニュージャージー州の公立図書館の方で慰安婦の碑を建てられたということを皮切りに、全米20カ所で慰安婦の碑が建てるという計画があるという報道がありました。それで、ニューヨーク市の方でも道路に慰安婦の名前をつけるというような発表が2月24日にありました。3月1日のニューヨークタイムズの方では、全面広告で竹島についての広告が打たれたわけですけれども、こういった事実について大臣の方は把握されておりますでしょうか。

【玄葉大臣】事実について把握をされているかどうかと問われれば、今手元に詳細な事実関係一覧があるわけではありませんけれども、折に触れ、そういった情報には接しているというのが私(大臣)の答えであります。ニュージャージー州の話も直接報告を聞いているというよりは、私(大臣)は文書でこの案件について読んでおります。

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日中関係(東シナ海資源開発問題)

【朝日新聞 松村記者】日中が共同開発で合意している東シナ海のガス田「白樺」の件ですけれども、弊紙の報道になるのですけれども、中国軍の高官が白樺について、「共同開発の対象外である」という発言をしたということが報じられております、それで、一昨年の7月以降、二国間合意の締結に向けた交渉というのは進んでいない状況にある中でのこういった発言についての受け止めと、今後、中国政府に中国軍の高官による発言の意図というものを確認される考えはあるかどうかをお教え下さい。

【玄葉大臣】08年6月の合意というのは、境界画定が実現するまでの過渡的な期間において双方の法的立場を損なわないような形で、二つの合意をしたわけです。これは性格が違いますので、若干誤解が生じているかもしれませんけれども、一つは東シナ海北部において共同開発を行うと、これが共同開発です。白樺のガス田については、日本法人がそこにいわば参加をするということです。つまりは、北部の共同開発とは性格が違うので、そのことはまず押さえておかないといけないのではないかというように思います。
 今おっしゃったような報道を私(大臣)も読みましたけれども、仮に中国が管轄する海域であるというように述べたということであれば、これはその発言自体受け入れられるものでは当然ございません。
 大切なことは、これについて例えば我が国の立場を伝えるのか伝えないのかという話がありますけれども、いずれにしても、今の二つの合意は厳しい交渉を経て成立をしたものです。ですから、この08年6月の合意を履行するという立場に変わりがないということを中国側もこの間、累次の首脳レベルを含めて確認をしてきているわけでありますので、この国際約束の締結交渉を再開するための働きかけというものを、今後とも行っていきたいというように考えています。

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外務大臣会見記録(平成24年3月6日(火曜日)9時25分~ 於:大臣接見室前)(動画版他のサイトヘ

ロシア大統領選挙

【NHK 広内記者】ロシアの大統領選挙ですが、プーチン氏が当選しましたけれども、早速、ロシア国内では不正を疑う声も出ています。こうした点も含めて、今回の結果についての受け止めをまずお願いします。

【玄葉外務大臣】まず、不正という話でありますけれども、これは、我が国としても選挙監視団を派遣しています。とりあえずの報告としては、基本的に新たな措置がいろいろ取られたということと、ただ、投開票所での手続きなどで、改善の余地はあるのではないかという報告は受けているところであります。ただ、基本的には圧倒しているというのが実態なのではないかと思います。
  以前から申し上げておりますけれども、私(大臣)は、ロシアとの関係を重視しています。戦略環境がアジア太平洋の中で変わっていく中で、ロシアとはあらゆる分野で協力を深めていきたいと考えています。その流れの中で、北方領土問題。この解決の重要性というのは、一層強まっていると思っているところでありまして、我が国としては、この北方領土問題について、これまでの諸合意、諸文書、そして法と正義の原則に基づいて、北方4島の帰属の問題の解決に向けて精力的に交渉を行っていきたいと考えています。

【NHK 広内記者】今後、北方領土問題の解決に向けてですが、大臣ご自身のロシア訪問、あるいは野田総理と、プーチン大統領になった後の首脳会談といったことを模索していかれるお考えでしょうか。

【玄葉大臣】はい。招待を受けています。1月にはラブロフ外相が訪日をいたしましたので、今度は私(大臣)が行く番かなと思っていますけれども、私(大臣)の訪露も、首相の訪露も、今、検討している段階ということでございます。まだ決まっておりません。

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イラン情勢

【NHK 吉岡記者】イスラエルによるイランへの軍事攻撃という可能性がとりざたされているのですけれども、邦人保護の観点から今外務省としてはどのようなことを検討されているのでしょうか。

【玄葉大臣】邦人保護につきましては、当然ながら万が一の事態に備えた対応ぶりについては、しっかりと外務省の中ではかなり以前の段階から検討しています。ただ、何よりイランの核問題につきましては、外交的な、あるいは平和的な解決が最も重要ですし、そうあらねばならないというように思っていますので、何よりまずは国際協調をしながら効果的な制裁を行うために日本も協調を、今様々な点で行っているところでありますし、時期が来れば場合によっては直接の働きかけもさらにイランに対して行っていかなければならないというように考えているところです。万が一の事態の邦人の救出には万全を期したいというように思っています。

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日中関係

【北海道新聞 髙橋記者】尖閣諸島周辺の島に日本が名前をつけたことに対して中国とかが反発をしていますけれども、改めて名前をつけたことの狙いと反発に対する受け止めをお聞かせください。

【玄葉大臣】海洋本部がいわばもともと全体で決めている話でありますけれども、これはEEZ、いわゆる排他的経済水域の根拠となる、いわばそういった管理・保全のために行うということだというように考えています。
 尖閣は言うまでもないことですけれども、我が国固有の領土であります。しかも歴史的にも国際法上も疑いのないところでありますし、現に我が国が有効にそれを支配しているという状況にあるわけであります。そもそも領土問題は存在しないと、解決すべき領土問題は存在しないというのが我が国の立場でありますので、そういう意味で命名をしていく、つまりはEEZの根拠となる島に命名をしていくということなのではないかと。ただ元々、それは尖閣ということだけではなくて、全体的に日本全体として行っていくということだったと思います。それに対して、中国側が命名を中国側としてするという行為に対しては極めて遺憾でありますし、強く抗議をしたところであります。
 ただ、こういう事態が日中関係の安定的な発展を阻害するというようなことがあってはならないと考えています。

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米軍再編問題

【NHK 広内記者】普天間基地の補修費の関連ですが、米国側が米軍再編協議の中で求めてきているという報道もあります。これについての対応と、事実関係と、そうしますとまた普天間の固定化という懸念も出てくるかと思うのですが、日本政府としてどのように対応されるのでしょうか。

【玄葉大臣】固定化はあってはならないというように考えています。これは今回の膠着状態を打破するために、沖縄の負担の軽減先行、そしてグアム移転ということですけれども、また刻々と変わる安保環境に対応するということですけれども、元々こういった在日米軍再編の前、以前からこういった話というのは常にあって、その運用上の安全というものを確保するために、これまでもそういう補修というのは行われてきたわけです。つまり、本当に古くなって危なければ運用できない。その結果として、むしろ住民の皆さんを危険にさらすことにつながりかねないわけでありまして、それ以前の話であるし、それ以前からそもそもあったし、実際に補修も行われてきたということであって、基本的に今回の日米協議とは切り離して別の話として、不断に存在する話だというように考えています。

【毎日新聞 横田記者】今の点で関連ですけれども、ということはその補修費の一部を日本側がこれから先も持つということもありうるというお考えなのでしょうか。

【玄葉大臣】これは、補修費の話とかという話も、地位協定上、もう以前からあった話だと思います。ですから、在日米軍再編の問題とは全く別の話で、以前からずっとあって、これからもそれは普天間であろうが何であろうがあり続けるということだと思います。

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外務大臣会見記録(平成24年3月2日(金曜日)9時26分~ 於:大臣接見室前)(動画版他のサイトヘ

冒頭発言-インラック・シナワット・タイ王国首相の訪日について

【玄葉外務大臣】3月6日(火曜日)から3月9日(金曜日)まで、インラック・シナワット・タイ王国首相が公式実務訪問賓客として訪日いたします。野田佳彦内閣総理大臣は同首相と会談する予定であります。東日本大震災1周年を前に、洪水被害を経験したタイのインラック首相を迎え、ともに災害を乗り越える両国の絆を確認いたします。今回の同首相の訪日を通じて、日本とタイの関係が一層深化することを期待します。

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日中韓外相会談及び首脳会談

【TBS 竹内記者】日中韓の外相会談と首脳会談が調整されているということなのですけれども、その事実関係と、その会談に期待するものは何があるのかをお答えいただけますか。

【玄葉大臣】さまざまな調整をしておりますけれども、まだどうなるかというのは、決まっていないというのが現状でございます。したがって、まだ内容についても申し上げるという段階にはないというように思っております。
 他方、今朝まで日中韓の投資協定の作業を徹夜でやっておりました。大きな進展があったというように考えています。これは日中韓のFTAの、いわば先がけになるものでありますから、何とか、できるだけ早い時期に、この投資協定を調整できるように全力を尽くしたいと考えております。

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河村・名古屋市長の「南京事件」に関する発言

【東京新聞 岩田記者】名古屋の河村市長が、南京大虐殺を否定する発言をきっかけに名古屋と南京との間の交流行事が停止するなど波紋が広がっています。先日は、上海の総領事館が主催するイベントが延期に追い込まれました。こういった事態を改めて、どう受け止めていらっしゃるかということと、総理は昨日、名古屋と南京との間での解決に期待を示していましたけれども、このまま自治体間の解決に委ね続けるのかどうか、その二点をお願いします。

【玄葉大臣】基本は自治体間だと思うのです。ただ、先ほどのイベントの延期という話は上海の総領事館の話でありますし、先方は南京市の、たしか友好交流協会だったと思いますので、諸事情を勘案して、もっと良い時期にということで判断をしたということです。ですから、そこは40周年に相応しい形でイベントが実施できるようにさまざまな検討をしていかなければいけないだろうというように思います。
 我が国の政府の立場は、これまでも官房長官も含めて申し上げているとおりでありますので、そういったことについてはこれまでも政府として発出をしているというように認識をしています。

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外務省の組織改編

【NHK 島田記者】外務省の組織についてですが、今後中国・モンゴルに関しては中国二課というのをつくって一課と二課にされると。それからアフリカに関してはアフリカ部というものをつくられるということですけれども、この意義と、それから中国外交、それからアフリカ外交についてどういった姿勢で今後進めていかれたいかについて教えてください。

【玄葉大臣】まだ組織の具体について詳細に私(大臣)のところに、一度以前きたかとも思いますけれども、その詳細についてきちんと正確に把握してから、その意義等については申し上げさせていただければなと。事実関係もし違っていたらいけないので、そうさせていただきたいと思います。

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日中韓投資協定

【ブルームバーグ 坂巻記者】日中韓の投資協定についてですけれども、先ほどできるだけ早くできるように調整したいというお話でしたが、時期としては4月ぐらいを目途にしているという、ある程度の今後のスケジュール感について教えて下さい。

【玄葉大臣】早ければ早いほうが良いということです。

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内政

【NHK 広内記者】野田総理と谷垣総裁が極秘に会談したというように報じられておりまして、お二人とも否定されておられるのですけれども、それによって話し合い解散を協議したのではないかという憶測も広がっているのですけれども、大臣としてどのようにご覧になっていて、話し合い解散というものにはどのようにお考えになられておられますでしょうか。

【玄葉大臣】ご両人とも否定をされているということでありますから、私(大臣)は会ってないのだろうというように思っています。

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外務大臣会見記録(平成24年3月1日(木曜日)9時48分~ 於:大臣接見室前)

冒頭発言-米朝対話の合意内容の発表について

【玄葉外務大臣】昨夜遅くに発表されました今回の米朝間の合意でありますけれども、北朝鮮を巡る諸懸案の解決に向けた重要な一歩であるというように思い、これを歓迎いたします。特に北朝鮮が核放棄を約束した2005年の六者会合共同声明、これを履行するということを確認して、寧辺(ヨンビョン)の各施設の停止を含む、更にIAEAの査察要員の復帰といった非核化に向けた措置をとると。そして核実験、長距離ミサイル発射を停止するということを約束したということは重要な成果であるというように考えています。そのような合意に至ったことは関係国の粘り強い努力の成果であるというように評価をしたいと思います。今後、合意内容の具体的な実施に向けて更に調整が行われて、北朝鮮が引き続き前向きに対話に応じ、そのような調整が円滑に進展することを期待いたします。我が国としては北朝鮮が非核化等に向けた具体的行動をとることで六者会合や関係国との対話の再開につながることが望ましいというように考えています。引き続いて、米国、韓国と緊密に連携して、対応をしてまいりたいと思います。

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米朝対話の合意内容の発表

【NHK 吉岡記者】今回の合意では、ウラン濃縮活動の停止の対象として言及があったのは寧辺(ヨンビョン)の核施設だということで、本来であればその他にあるであろうと疑われている核施設への立ち入り、最終的には追加議定書レベルでのチェックが行われなければ核開発の検認・監視ができているとは言い難いという指摘がなされていますが、今回寧辺(ヨンビョン)だけに言及があったということについて、大臣は今回の合意が十分なものであるというようにお考えでしょうか。

【玄葉大臣】まさに重要な一歩であり、土台となることを期待したいということです。おっしゃるとおり、我々の目標は全ての核関連施設の停止であります。つまりは、朝鮮半島の完全かつ検証可能な非核化ということでありますので、そういう意味で我々の目標は全く変わっていません。ただ、そのための重要なステップであり、今後全ての核関連施設の停止に至るための土台となっていくということを期待しているということであります。

【NHK 吉岡記者】米国政府による食糧支援というのは、本来でしたら人道目的だったはずですけれども、今回は完全に核問題の協議の取引材料となっているという側面があると思います。この点、健全であるというようにお考えでしょうか。

【玄葉大臣】まず一つは、食糧というより栄養支援であるというように思っています。これは基本的に米国と北朝鮮との間での話だというように考えていまして、やはり大事なことは非核化等に関する北朝鮮の具体的な行動を確保することにつながるかどうかということが、より重要なのではないかというように考えています。

【日経新聞 田島記者】米国側の発表文には、プルトニウム型の停止についても明記されているのですが、これは北の発表文にはないのですが、これについての受け止めをお願いします。

【玄葉大臣】米国側からは既に、担当者が来日をされたときに局長が詳細な説明を聞いております。北朝鮮の発表文も聞いておりますけれども、特に齟齬がある部分も部分的に私(大臣)はあるというように思っていますが、今の点についてはそんなに大きな齟齬ではないのではないかというようには私(大臣)は思っています。

【テレビ朝日 小野記者】今回の米国側の発表には、六者協議の再開については何も書いていないのですが、それについてどのようにお考えでしょうか。

【玄葉大臣】六者は、先ほど申し上げましたけれども、やはりこれからまだ調整が必要だと思います。直ちに六者会合を開くという状況かと言われれば、私(大臣)はそうではないだろうと思います。ただ、六者会合に至る環境が次第に改善されつつあるということだと私(大臣)は考えています。

【毎日新聞 西田記者】今回の米朝の結果が日朝交渉の再開に与える影響と日朝交渉をどうしていこうかという二つをお伺いします。

【玄葉大臣】日朝の話は、昨日も申し上げましたけれども、我々としては直ちに日朝間の対話を行うという状況にはないと考えていますけれども、引き続いて対話の窓は開いていますし、適当な時期、適当な方法といったものを対話の場合は考えていかなければならないと考えています。

【AFP通信 長谷川記者】今回の北朝鮮の約束というのは、六者協議の長い間の中で、特に真新しいものではなく、それにもかかわらず食糧支援を引き出したという点において、瀬戸際外交の続きではないかという見方もありますが、大臣はこれについて、どうお考えでしょうか。

【玄葉大臣】先ほど申し上げましたけれども、具体的行動が確保されたわけではないのです。ですから、まさに一歩、ワンステップだというように私(大臣)は考えていまして、先ほど申し上げたように、モラトリアムですし、いわば一時停止の状況です。そして、調整が引き続き必要ですし、細部の詰めも残っているということです。ただ、先ほど申し上げたように、では大きな流れの中で前向きの流れなのか、全くそうではないのかと言ったら、それはやはり、重要な一歩だという認識だということであります。もちろん、先ほど申し上げたように何度も申し上げますが、具体的行動が確保されていくということが非常に大切なことだというように思います。

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