(問)北方領土への人道支援に関してロシア側から入国カードの提出を求められた件ですが、ロシア外務省報道官が、これは事前にも求めたし、技術的な問題であって、全ての人に求めているという発言をされています。ロシアとしては今後も求めていくとの考えを示したものであると同時に、技術的な問題なので政治的な問題にしようとしたのは日本側で、人道支援を行う本気度に疑問が生じると批判もされているのですが、如何でしょうか。
(外務大臣)これは、(四島)島民に対する医療機器等の人道物資供与を善意で行っているもので、大変残念です。2007年、2008年と続いてきて、特に問題なく届けることが出来たので、今回も同じ形で行うことが出来るということであったと思います。いずれにしてもロシア側はそういうことを言っておりますので、外務省が先方と協議をすることが大事だと思います。そういった形で今後解決に向けて努力していきたいと思います。
(問)総理が(2月中旬にユジノサハリンスクで)日露首脳会談を行うという話もあり、その前に、こうした問題ですとか、鳥取の漁船が拿捕された問題がありますが、これらの問題が解決しないうちに日露首脳会談を軽々に受けるのはどうかという声もあるようですが、どのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)人道支援物資供与の問題と、漁船が拿捕された問題は大変重要な問題です。一日も早く解決しなければなりませんが、首脳会談が行われるということであれば、両国間の色々な問題、国際情勢から始まって二国間の懸案事項等も話し合われます。本件が日露首脳会談に決定的な大きな影響を及ぼすことはないと思います。一方外務省としては、これらの、漁船が拿捕された問題、国後島への出入国カードの提出を求められた問題等は、きちっと協議をしていかなければいけないと思っています。
(問)出入国カードの提出の要求に関しての確認なのですが、今回の要求の対象は今回の人道支援に限っているという認識で良いのでしょうか。ビザなし交流とか北方墓参という枠組みもあるのですが、如何でしょうか。
(外務大臣)それは分かりません。今回からそういう要求をされたということですから、ビザなし交流とか訪問とか色々やっている訳で、こういうものに影響が出ないように我々としてはして欲しいと思いますし、外務省としては先方と協議をしていくということです。
(問)今後の北方領土の関連する協議の中で、出入国カードを日本側が記入するという選択肢はあるのでしょうか。色々な条件を付けていますが、法的な位置づけはないとしても、カードに何らかの形で記入するという選択肢はあるのでしょうか。
(外務大臣)今回こういう事態が起きましたので、先程から申し上げています通り、先方と協議をしていくということだと思います。我が国としては北方領土は我が国の固有の領土であるということですので、今回も記入をしないで帰ってきたということです。
(問)金賢姫さんの件ですが、大臣は以前、日本政府としても話を聞きたい、田口さんご家族との面会も進めていきたいということを仰っていましたが、その後の調整状況等如何でしょうか。
(外務大臣)私達としては、以前私が申しました通り、この面会が実現できるよう出来るだけの努力を続けております。事情聴取についても過去聴取したことがある訳ですが、引き続いて外務省としては努力している最中です。
(問)北朝鮮が昨日声明を出しまして、韓国に対する声明なのですが、南北の政治・軍事的対決状態の解消に関連する全ての合意事項を無効にするというようなことを北朝鮮側は発表しているのですが、如何でしょうか。
(外務大臣)北朝鮮の発表そのものについて、どういう文言でどういう話であったか私は承知していませんが、まず第一に本件は北朝鮮と韓国との問題であるということです。何れにせよ、我々としては、朝鮮半島の平和や安定というものが日本にとっても国際社会にとっても重要なことですから、円満に安定するように願っている訳です。二国間のことですので直接的なコメントは差し控えさせて頂きたいと思っています。
(外務大臣)1月31日から2月1日にかけて、外務大臣として沖縄を訪問することと致しました。在日米軍の再編問題等ある訳ですが、沖縄を訪問して、仲井眞沖縄県知事をはじめ地元の方々のご意見を直接伺うと共に、米軍施設や区域を巡る実情を私自身が直接見ることによって、米軍再編の着実な実施や沖縄の負担軽減の実現に役立てて行きたいと考えています。
(問)沖縄の問題ですが、依然として出口が見えないのですが、普天間の問題は具体的にどのように解決して行きたいとお考えですか。
(外務大臣)今回、知事や関係者の皆様とお会いする訳ですが、私としては米軍施設や区域を巡る問題全般について、まずは地元の意見を伺いたいと思っていました。そういった中で当然ながら普天間飛行場の移設や返還を含む再編について話題になると思っています。その他色々な話をして、地元の負担軽減のために十分な意見を聞いて行きたいと思っています。
(問)外相に就任されて初めての沖縄訪問になると思いますが、この時期に訪問されるというのは、どういうことを捉えてのことでしょうか。
(外務大臣)特に今でなければならないということではありませんが、昨年末、知事が上京されて、沖縄の状況について要望等説明を受けています。それから歴代外務大臣も皆さん訪問されているということで、私もこの目で現地を見て、現地の皆様のお話を直接聞きたいということで、訪問することになりました。土日ということで、先方にはご迷惑をかけるかもしれませんが、早く行きたいと前から思っていましたので、今回行かせて頂くことになりました。
(問)今回の沖縄訪問とオバマ新大統領の就任との関係はありますか。
(外務大臣)沖縄の米軍再編という意味では、米国側との取り決めで予定通り実施していくということでありますし、オバマ新政権になったからといって大きく変わることはなく、再編は予定通りということになると思いますし、直接的な関係はありません。
(問)中国の王家瑞中国共産党対外連絡部長と金正日総書記の会談についてですが、金正日総書記が中国と協力して六者協議を進展させたいと述べている訳ですが、これについてどのように見られますか。
(外務大臣)(王家瑞部長が)金正日国防委員長と会談したという報道については承知しています。また王家瑞中国共産党対外連絡部長の件については私も強い関心を持っていますが、様々な情報がありまして、その詳細については事柄の性質上、コメントを差し控えさせて頂きたいと思います。今後も色々な情報の分析・収集を行っていかなければならないと思います。会談の内容等については今申し上げましたが、中国側からまだ説明を受けておりません。今あちらは春節ということで休みなのではないかと思いますが、そういうことで説明を受けていませんので、コメントは差し控えたいと思います。
(問)今度、王家瑞氏が来日するような話がありますが、その時にお会いするようなお考えでしょうか。
(外務大臣)私の知っている範囲では、与党、自民党・公明党と日中与党交流協議会に出席するために来日されると聞いておりまして、これは党の話ですが、私自身についてはそのような話はありません。
(問)折角ですから、会われてお話しする機会を持たれたらいいのではないでしょうか。
(外務大臣)先方の日程もあるでしょうし、来月国会の都合がどうなっているのか分かりませんが、今のところそのような予定はありません。
(問)中国側からまだ説明を受けていないということですが、今後説明を受ける予定、お考えはあるのでしょうか。
(外務大臣)強い関心を持っているので、外交ルートを通じて、会談等について先方に要請したいと思っています。
(問)補正予算が先延ばしになっている状態で、施政方針演説も今日午後1時からということで予定していたのですが、予定通り出来そうにないということで、この件に関してご感想、ご意見を伺いたいと思います。
(外務大臣)こういう経済の状況ですから、麻生内閣としては経済・景気対策が最優先ということで取り組んでいる訳で、そういう意味で早く予算を成立させなければならない訳です。今、両院協議会という形で協議がなされている訳ですが、一刻も早く本会議を開催し、予算を成立させ、また平成21年度予算に取りかからなければと思っています。
(1)中曽根外務大臣とクリントン米国務長官の電話会談
(外務大臣)今朝8時から約15分間、米国の国務長官に就任致しましたヒラリー・クリントン氏と電話会談を行いました。先方から電話がかかってきた訳ですが、米国は22日の午後6時ということで、国務長官の初登庁日であったと思います。私が祝意を伝えたところ、あちらから、日米同盟は米国のアジア政策の礎石であるとの発言がありました。そういった関係を更に強化しながら、国際問題等色々な問題に対処していきたいとのお話がありました。私からは、国務長官が仰っていました「スマートパワー」を活用して国際的な色々な問題、グローバルな問題、例えばテロ対策や気候変動問題、核の問題、アフリカ開発の問題等を一緒に取り組んでいきたいとお話ししました。それから拉致を含む北朝鮮の問題、また、アジア太平洋地域の平和や繁栄の問題に協力をしていきたいということでした。北朝鮮の問題については、国務長官からこの問題は大変重視していますと、そしてご家族や日本国民に対してシンパシーと言いますか、同情も感じているとのお話がありました。更に先方から在日米軍の再編について着実な実施が大事だというお話がありまして、そういう中で安保体制を機軸にしながら日米同盟を更に強化していきたいとのお話がありました。全般的に日本に対する強い思いを感じました。私からは、早期に米国を訪問して国務長官と諸問題について意見交換をしたいと述べましたが、先方からも早く会いたいということで、日程等については今後、早速調整をしていきましょうということになりました。私の特に印象に残りましたのは、あちらからまず先に、日米同盟が米国のアジア政策の礎石であるということを仰ったということと、北朝鮮の問題、特に拉致問題については、ご家族の皆様や日本国民に対するお気持ちを強く述べられたということです。
(問)クリントン国務長官との電話会談についてですが、外務省の報道発表にもクリントン長官から、拉致被害者家族や国民に対して強い思いを語られたと発表がありまして、今大臣からもシンパシーを強く感じたというお話がありましたが、もう少し具体的にどのようなことがどんな風にクリントン長官から述べられたのか教えて頂けますでしょうか。
(外務大臣)15分間の短い電話会談の中で色々な話をした訳ですが、特にその中で拉致のことを強く仰っていたということで、私としては長官のこの問題に対するお気持ちを強く印象づけられた訳です。それ以上の細かい話はありませんでした。(クリントン長官は拉致問題の)重要性を理解していると、被害者家族、日本国民に対しては大変強い思いを有しているということでした。もちろん(北朝鮮の)核問題についても協力をしていきたいというお話もありました。
(問)(北朝鮮の)核問題ですが、どのような言及振りだったのでしょうか。例えば六者協議等、今後の取組について何か長官の方から話はありましたか。
(外務大臣)個々の課題に関する細かい内容についての話は、今日はありませんでした。今後そういうことを早く話しましょうということであり、今日は先ほど申し上げた点について意見の交換があったということです。
(問)「スマートパワー」を使ってということですが、どちらかというと、経済危機やアフガン等、ハードパワーがまだ有効なものが多い中で、「スマートパワー」というものを挙げられたのは、どのようなことを具体的に念頭に置いているのでしょうか。
(外務大臣)ナイ教授が「スマートパワー」について発言してしますが、ソフトパワーとハードパワーを組み合わせて対応するということです。(クリントン長官も)それと同じ意味で仰っていると思いますが、軍事力で今まで特にアフガニスタン等に対して米国はテロ対策を行ってきた訳ですが、所謂ソフトパワーの方も今後活用しながらテロの問題についても対応していこうということです。ソフトパワーとは、ご承知の通り、文化、価値観等ソフトなものの活用ということですが、何をお考えなのか、具体的には分かりませんが、総合的にやっていこうということだと思います。そこから想像できるのは、軍事的なものだけでなく、更に色々研究しながら活用しようということではないかと思います。
(2)パレスチナ被災民に係る物資協力及び緊急人道支援の実施
(外務大臣)パレスチナの難民に係る物資協力の緊急人道支援の実施について先ほど閣議で決定されたのでこれをご報告したいと思います。国連のパレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)からの要請を受けまして、PKO法(国際平和協力法)に基づいて、毛布を2万9千枚、ビニールシート8千枚及びスリーピングマット2万枚を無償で譲渡することを先ほどの閣議で決定しました。併せて緊急人道支援につきましても、先般1,000万ドル規模の緊急人道支援を表明した訳でありますが、その中身として、国連児童基金(UNICEF)への300万ドルの緊急医療・給水支援、国連世界食糧計画(WFP)への400万ドルの緊急食料援助を実施する旨閣議で報告をしたところです。
(問)オバマ大統領がグアンタナモ基地の収容施設の廃止を決めましたが、今後テロとの闘い方が変わっていくと思うのですが、大臣のお考えをお聞かせ下さい。
(外務大臣)この問題は、以前から言われていたことですが、新大統領のお考えで、そのような決定をされたと承知しています。特に私自身のコメントはありませんが、今後米国のテロ対策、或いはアフガニスタン政策がどうなるかについて注意深く見ていきたいと思います。
(問)そうすると、ブッシュ政権は水責めとか拷問に近いような尋問方法を認めていたのですが、大臣はそれは間違っていたとお考えですか。
(外務大臣)私は、その拷問なり、実際どういうことが行われたのか正確に承知していませんので、無責任なことは言えません。基本的には、人道的な問題になることは行われるべきではないと思っています。
(問)中国遺棄化学兵器の処理問題について、プラント作りを凍結するという一部報道がありましたが、外務省も日中共同作業グループなどを作ってそこに入って色々議論されていますが、そうした話は今検討されているのでしょうか。
(外務大臣)遺棄化学兵器の処理ということは、化学兵器禁止条約による義務であり、報道のように吉林省ハルバ嶺におけるこの事業を凍結したという事実はありません。我が国としては、化学兵器禁止条約上の義務を誠実に履行していくという方針の下に、中国政府の協力も得ながら、事業の一日も早い完了に向けて引き続き最大限の努力をしていくということです。
(問)処理費用が一兆円に上るのではないかとの見方もある中で、費用の圧縮ということは外務省としても当然考えているのでしょうか。
(外務大臣)今後試掘の結果得られる情報等に基づいて、安全また効率的な回収方法を確立し、迅速な廃棄を行っていきたいと考えています。
(1)齋賀富美子国際刑事裁判所(ICC)裁判官の再選
(外務大臣)19日(ニューヨーク時間=日本時間20日朝)、国際刑事裁判所の裁判官選挙が行われまして、我が国からICC裁判官として今まで活躍された斎賀富美子さんが再選されました。これはご本人の裁判官としての高い評価を受けたものと思いますが、また同時に、我が国のICC(国際刑事裁判所)に対する積極的な姿勢が認められたものだと思っておりまして、齋賀富美子裁判官の活躍を期待しています。
(2)米国新大統領の就任
(外務大臣)本20日、米国で新大統領が誕生します。オバマ大統領が誕生する訳ですが、世界が注目しておりますし、私自身も大変大きな期待を持っております。オバマ氏はかねてから日米関係・日米同盟の重要性についてお話しされています。また、国務長官になられるクリントン氏も同様に日米関係の重要性を公聴会でも仰っていました。大きな期待を持っていますが、緊密な関係でこれから世界の繁栄のために協力していきたいと思います。特に、私達としては、日米同盟を更に強固なものとしていくということと、アジア太平洋地域の平和と繁栄のために協力をしていくということ、もう一点は、国際的な問題である気候変動の問題や核の問題、あるいはテロ対策、経済対策といった問題に共に取り組んでいくことが大事だと思っています。クリントン次期国務長官は「スマートパワー」ということを仰っておられ、これは文化とか経済面を活用した活動で、軍事力と共にそうしたものを活用しようということですが、これは我が国の考え方と全く一致しているので、共にやっていけると思っています。一日も早く総理または私がオバマ大統領やクリントン国務長官にお会いするということが大事だと思っています。
(問)今、オバマ新政権に対する期待感というものを色々な分野で伺ったのですが、日米関係を築くという点で最も強く期待する点はどのようなものでしょうか。
(外務大臣)日米同盟を新しい政権になってもしっかりしたものにするということが、まず一番大事だと思います。それから国際的な問題、今、経済の問題もありますから、そういう点について更に緊密な連絡を取るということが大事だと思います。更に、北朝鮮の核の問題、拉致の問題も米国と協力しながら解決に向けて努力していくことが大変大事だと思っています。
(問)イスラエルのガザ地区の問題ですが、米国大統領の就任を前に両者が停戦状態に入りますが、そのことへの受け止めと今後の和平への期待感、またガザ地区に対する日本の政府の援助ということが報道されていますが、日本のガザ地区への平和貢献についてどのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)まず、1300人以上の人が亡くなっているという大変な事態になっていまして、今回イスラエル、ハマス両方が停戦したということで本当に良かったと思っています。これは国連やエジプトや各国の努力が実った訳ですが、この停戦が継続的なものになるように、引き続き努力していく必要があると思っています。我が国はガザ地区に対する人道支援ということで、既に1千万ドルの支援を決定していますが、それとは別に、今回あの地域の人道状況が大変悪化していることに鑑み、PKO(法)に基づき支援することを検討しています。ガザ地区の人たちが安心して暮らせるように、我が国としても積極的な支援をしていくつもりです。
(問)物資の支援ということでしょうか。
(外務大臣)そうですね。物資協力ということで、例えばビニールシートなどあちらで今何が必要かということを調査しておりますので、これは是非やりたいことだと思います。
(問)金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚が田口八重子さんのご家族と会ってみたいということを色々な場面で言っているようですが、政府として何かこのことについてなされることはあるのでしょうか。
(外務大臣)私たちとしても、金賢姫さんがそのようなお気持ちであるということであれば、出来るだけそれを実現するように努力をしていきたいと思っています。
(問)政府として間に入っていくということでしょうか。
(外務大臣)どういう形でどのような支援が出来るか検討していきたいと思います。
(問)以前大臣は、国会答弁で金賢姫さんを政府として事情聴取できるかどうか検討してみたいということを答弁されましたが、これについては如何でしょうか。
(外務大臣)(当人が)韓国におられるので、あちらの事情もありますから、韓国政府とよく相談しながらということになりますが、出来るだけ実現するようにしていきたいと思っています。
(問)政府代表(谷内前事務次官)が閣議で決定しましたが、どのような活動を期待されますか。
(外務大臣)これから政府代表として、各国の重要な外交問題等について、国を代表して交渉等をやって頂くということで、先程の閣議でこれが決定された訳です。
(問)特に米国は新大統領になりましたが、この関係等でも期待されているのでしょうか。
(外務大臣)どの国ということを限定している訳ではありません。必要に応じて政府代表として活動して頂くということです。
(外務大臣)我が国としては、国連安保理決議1860号にもかかわらず、民間人の犠牲者が多数増加していることに強い遺憾の意を表明致します。そして、国連関連施設や病院にも被害をもたらしたイスラエル軍の攻撃を非難します。また我が国は、イスラエルとパレスチナ武装勢力の双方の停戦協議が進行して、一刻も早く停戦合意を実現することを改めて強く求めたいと思います。また、有馬龍夫中東和平担当特使を現地に派遣しているところですが、昨14日、イスラエルのオルメルト首相との会談を行いました。我が国としては、引き続き事態の沈静化に向けて協力していく考えです。
(問)国連関連施設等へのイスラエルの攻撃を政府として非難するということですが、これは何らかの形でイスラエル側にお伝えになったのか、これからお伝えするのかという点について如何でしょうか。
(外務大臣)今申し上げました通り、14日、有馬特使がオルメルト首相と会談をして、麻生首相のメッセージとして、多数の民間の犠牲者が出ていることは遺憾であるとお伝えしました。今ここで発言をしていることが我が国の考えということでご理解頂いて結構です。
(問)非難するというのは、昨日から今日にかけて国連施設等への攻撃があったことからなのでしょうか。
(外務大臣)そのようなことがあって、国連施設、病院に被害をもたらしていて、15日時点で死者が1000人を超えたと聞いておりますが、大変深刻な事態だと我が国は重く受け止めてイスラエル軍の攻撃を非難しました。
(問)それについて改めて外交ルートや在京大使等にお伝えになるということはあるのでしょうか。
(外務大臣)今の時点では私のこの会見が日本の外務省の正式なガザ情勢についての表明ということです。
(問)ミリバンド英国外相が、「テロとの闘い」という概念またはキーワードは誤りだったとし、軍事力でテロを押さえ込むという考えだと誤解を与えるのではないかという見解を述べているのですが、米国の新政権が発足する中で、「テロとの闘い」という考えについて大臣としてはどのようにお考えでしょうか。特に、異なった背景にあるグループを一纏めにしてしまって、軍事力で押さえ込むというイメージがあるという「テロとの闘い」という概念は誤りだったと述べているのですが、その言葉自体または概念についてどのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)確かに「テロとの闘い」というのは、大雑把な言い方だと思います。テロにも色々な形があるでしょうし、色々なグループがあると思いますが、我々はアフガニスタン、パキスタン地域でのタリバンやアルカイダという人たちの行動に対して「テロとの闘い」と言っている訳です。その他の地域でもテロリストがいる訳ですが、今私たちが自衛隊の派遣等の際に念頭においているのはこの地域のことで、ミリバント外相の仰っている対象を私自身正式に承知していませんので、これに対してコメントするのは適当ではないと思います。しかし、大変多くの被害者が世界中で出ている訳ですから、そういう意味では国民の皆さんあるいは世界の皆さんに「テロとの闘い」という概念を理解して貰うためにこの言葉を使うのは理解できます。
(問)韓国の聯合通信が、金正日総書記が三男の正雲氏を後継指名したという観測情報を報道している訳ですが、事実関係は如何でしょうか。
(外務大臣)政府としては、北朝鮮の内部情勢を含めた様々な情報には日頃から接している訳ですが、情報の詳細について具体的に述べることは事柄の性質上差し控えたいと思います。いずれにしても、引き続いて北朝鮮の情勢には強い関心を持ち、各種情報の収集や分析を鋭意行っていきたいと思っています。この報道は承知しています。
(問)米国のライス国務長官が、北朝鮮には兵器級の高濃縮ウランがあると昨日インタビューでしているのですが、この点について米国側から何か連絡等はございましたでしょうか。
(外務大臣)北朝鮮のウラン濃縮計画については米国を含む関係国と意見交換を行ってきましたが、内容については差し控えたいと思いますが、米国の情報機関はこれまでも北朝鮮でウラン濃縮計画が存在していることの可能性を対外的に公表してきた訳でありまして、ライス長官の発言もそれに沿ったものだと考えています。いずれにしても六者会合の共同声明で北朝鮮はすべての核兵器及び既存の核計画を放棄することに合意している訳ですので、我々としてはそれが実現するように、米国を始めとする関係国と協力して努力を続けていきたいと考えています。
(問)海賊対策の自衛隊艦船の派遣について、与党で検討が進んでいます。新法を作る前に海上警備行動でというアイデアがあるようですが、改めて大臣のお考えをお聞かせ頂けますでしょうか。
(外務大臣)与党の海賊対策PT第3回会合が開かれまして、検討を行っていると聞いていますが、やはりソマリア沖、アデン湾、この地域では海賊事案が最近は非常に多発しているという状況でありまして、大変懸念をしています。これは何よりも人ごとでは無い訳でありまして、日本の国民の人命、物資、船等財産の保護の観点から、急を要する課題だと思っています。これが今までの一貫した認識ですが、そういうことを考えますと、出来ることから、且つ早急に措置を講じていく必要があると私は思っています。麻生総理も早急に結論を得てこの問題に対応する必要性をご指摘されていますので、外務省としても全面的に協力していきたいと思っています。
(問)衆議院の外務委員会の理事懇談会で日本ASEANセンターの事務総長人事について議論が行われて、選考過程の中で、外務省OBが有力候補として浮上しています。委員会審議の中で小野寺副大臣(当時)が、天下りではないかという批判があるので公募を考えたいということで公募を行ったにもかかわらず、再度外務省のOBが選ばれるのは如何なものかという話が委員側から出ているのですが、そのことについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)日本ASEANセンターの事務総長候補の選出については昨年通常国会での指摘があり、その指摘を踏まえて日本人の候補者を公募で選出することとした訳です。その公募の手続きについては既に着手していますし、事務総長の候補者の選出を行っている訳で、手続きが進行中です。私としては、日本人候補者の選出に関しては国会での議論を踏まえて適切に選出されると考えていますし、河野外務委員長がどういう経緯で発言されたのか知りませんが、公正に透明性を持って適切に選出されると思っています。
(問)米国の次の国務長官に就任するヒラリーさんが公聴会で日本を重視する発言をされていますがどのように受け止めているでしょうか。また、「スマートパワー」という考え方を示されていますが、併せて受け止めをお願いします。
(外務大臣)15日、上院の外交委員会がクリントン次期国務長官人事を承認した訳ですが、13日の公聴会で、国際社会との協調、同盟国との関係の強化を強調されました。日米の同盟関係は米国の対アジア政策の礎石と述べ、私としては大変心強く思いました。昨年の9月に私が外務大臣に就任して以来、両国が指導力を発揮することがアジア太平洋地域、あるいは世界の安定のために大事だとして、ことある毎に日米同盟の一層の強化についてお話をして参りましたし、努めてきました。クリントン次期国務長官も私と同じ考えを持っておられると認識しており、今後正式に就任された後に協力して仕事をしていくことを楽しみにしています。20日に正式に就任されると聞いています。
(問)鴻池官房副長官が週刊誌で報じられた件で、官房長官から厳重注意を受けたということについて、閣僚の一人としてどのように思われますか。
(外務大臣)鴻池官房副長官は、記者会見をされてご自分でこの件について説明をしておられる訳でありまして、これがご本人の説明である訳ですが、私としては、官房副長官という責任ある立場の方ですから、やはり誤解されることのないように責任ある行動を取っていくことが大切だと思っております。
(問)今日の閣議やその前後に、ご本人から何らかの釈明の機会などはあったのでしょうか。
(外務大臣)ございませんでした。
(外務大臣)閣議では、パラオ共和国の大統領就任式に特派大使として森元総理に行って頂くということが決定されました。
(問)週末、日韓首脳会談が行われましたが、このシャトル外交の定着について大臣の受け止めは如何でしょうか。
(外務大臣)12月に日中韓三か国の首脳会議が行われまして、これも従来と違って独立した開催ということで、非常に良かったと思います。早速日韓でシャトル首脳外交が始まったということで、これからますます両国の関係が緊密になりますし、色々な課題が首脳同士で話し合われるということは非常に良いことだと思います。
(問)今回、日韓首脳会談で竹島の問題には全く触れなかったのですが、これは双方が配慮したということなのでしょうか。
(外務大臣)私は行っておりませんので細かい状況は分かりませんが、両首脳はこれまで5回もお会いしている訳ですが、いわゆるシャトル首脳外交としては第1回目の首脳会談ですし、色々な問題がある訳で、その中でそういうお話が出なかったと聞いています。
(問)政局ですが、内閣支持率が急落し、また渡辺喜美議員も間もなく離党ということですが、この状況についてはどのようにお考えになっていますか。
(外務大臣)もう申し上げております通り、景気の状況、経済の悪化の状況、これを食い止めて好転させなければならないというのが今の内閣の最重要課題でありますから、補正予算の成立、それから本予算の成立に全力で取り組むということ以外ないのではないかと思っています。
(問)渡辺喜美議員が離党の意向を表明している訳ですが、そのことについてどのようにお考えになるかという点と、今後与党の運営にどのような影響が出るとお感じになっていますか。
(外務大臣)渡辺議員は渡辺議員のお考えであのようなご発言と行動を取られていると思いますが、影響はないとは思いませんけれども、今後どうなるかは分かりませんが、そんなにすぐ大きな影響が出るとは個人的には思っていません。今大事なことは、危機を乗り切るために、政府も与党も一丸となって、そして国民の皆さんのご協力、ご理解を頂いて、当然野党の皆さんもそうですが、それで経済対策を早く実施するということ、これに尽きるのではないかと思っています。自民党の中にも野党の中にも議員ですので色々な考えがある訳ですが、そこは、どうしたらこの危機を乗り切れるかということを最重要として考えて行動すべきだと思っています。
(問)その経済対策の一部である定額給付金について、世論調査では大半が反対をしているのですが、それでもやはり採決は行った方が良いというお考えでしょうか。
(外務大臣)これは政府としては、原油や食料品の値上がりがありましたので当初は生活支援ということでしたが、今は景気刺激が大事だということで、勿論両方の意味がある訳ですが、そういうことでこれは是非実施させて頂きたいと思います。
(外務大臣)カシット外相との間で、二国間の様々な問題について話し合いをしました。両国の関係は今大変良いわけですけども、さらにそれを進展させるべく率直な意見交換を行いました。国民レベルで観光客・経済的な関係等々、大変交流が活発なわけですが、昨年の空港の閉鎖といいますか、そういう状況で日本の観光客の足も遠のき日本だけではありませんけれども、そういう状態があったわけですけども、是非信頼を回復して、またそういう行き来が活発になるようにというお話もさせていただきました。タイはASEANの議長国でありまして、そういう意味で私たちもASEAN諸国と緊密な関係をとって、特に議長国であるタイと、よく連携してこの地域の発展のために我々も尽くしたいという話もいたしました。今年は日メコン交流年でありまして、このバッチ(胸に着けたバッチをさして)がそれを象徴するバッチですけれども、そういう形でひとつの交流年というものを契機としてこのメコン地域の発展に議長国と連携してやろうとそういう話になりました。
(問)政情の安定化に努めるようにと大臣から要望されたということだが、先方は今後どのようにしていくといった話はあったか?
(外務大臣)昨年末に新政権が政策を発表し、非常に透明性を持って国民の皆さんに理解をしてもらう、そういう風につとめながら政治を行っていくということで正常化が行われているわけでありまして、そういう意味で今後も努力していきたいとそういうお話でした。
(問)繰り返しになりますが、空港占拠に関しまして、カシット外相自身も参加しておりまして、一万人の日本人観光客が足止めを食らうなどかなり迷惑を被ったと思うが、日本政府として具体的に何らかの申し入れをしたのか。
(外務大臣)先程申し上げたとおりですね、そういう形で観光客が足止めを食ったりですね他の国からもそういう形で心配している国が多いという話はさせていただきましたけれど、今度新しい政権としては、そういうことのないように透明性を持ってやりたいということですから、十分理解していただいていることと思います。
(問)ASEANサミット関連で当初の予定よりかなり延期されているが、その辺について何か具体的な話はしたのか。
(外務大臣)私の方からは当初年末に開催される予定のものが延期されて残念である、そして今の現下の国際金融情勢・経済情勢を考えると早く開催することが大切でありますので、早期の開催を希望しますということをお話しいたしました。ASEAN首脳会議が先に2月中に開催されるとのことですけども、EASなどはですね4月の後半で調整をしたいという話でした。
(1)閣議の報告
(外務大臣)ブルガリア共和国大統領の今月25日から29日の訪日について、閣議で了承を頂きました。また、明10日から12日までの3日間ラオス、カンボジアを私(大臣)が訪問することも了承されました。また、カンボジアへの途次バンコクでタイの外務大臣と会談します。カンボジアでは首相始め外相、またラオスでも外相と会談を行って両国と緊密な関係を築き、諸問題について話し合いを行うことになっています。
(2)アフガニスタンPRT(地方復興チーム)への文民派遣
(外務大臣)アフガニスタンで今年大統領選挙があります。そういう意味では同国の安定と復興は非常に重要ですが、特に地方に対する支援が大事でありまして、我が国としては、今回アフガニスタンのPRTの一つに、外務省から開発援助のための文民の要員を派遣することになりました。具体的には、リトアニア政府からの提案を踏まえまして、今春、リトアニアが主導するチャグチャランPRTに対して文民の支援チーム2、3名を派遣する予定です。今後、他のPRTについても総合的に判断して追加的な文民派遣の可能性については検討していきたいと思っています。
(問)PRTについて、どういうところに行かれてどういうことをする予定ですか。
(外務大臣)文民ですから、どういう専門的なことを行うかは先方とよく相談しながら行うことになりますので、職務の具体的内容についてこの場でははっきりとお話しできません。よく協議をして、日本にふさわしい形で活動してもらおうと思っています。
(問)本日、日中次官級戦略対話が行われますが、当然ガス田の問題が話題になると思いますが、どのような議論をされるのでしょうか。
(外務大臣)こういう対話を事務レベルのトップが行うことは非常に良いことだと思いますし、そういった中でガス田についても話し合われることになろうかと思います。我が国としては、一日も早く、協定を締結するようにということも先方にお話しすることになると思います。
(問)中国側が行っている樫の開発については即時中止を求めるということでよろしいでしょうか。
(外務大臣)それについては先日も抗議を致しました。そういったことも含めて、ガス田開発の問題については話し合うことになると思います。
(問)改めてガス田のことで抗議されると思いますが、中国側がどのような反応を示すかという見通しはどのようなものでしょうか。
(外務大臣)それは分かりません。先日抗議をした時に中国側の反応があった訳ですが、他の地域も含めて既に話し合いが行われている訳で、そのラインに沿ってそれが実現するように、我が方としては一日も早い締結に向けての交渉をするようになるかと思います。
(問)海賊対策で本日与党のPT(プロジェクト・チーム)が始まり新法の制定を求めていますが、新法は制定も含めてやはり時間がかかるということで海上警備行動の発令をすぐに出して欲しいという意見が政府内にあると思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)日本の商船や世界中の船が行き来しているという意味で、国際的に協力して海賊対策を行う必要があると思っています。そういう意味でも、どういう形かは協議中ですが、日本も一日も早くコンセンサスを得て、憲法の範囲内で派遣をすることが大切だと思っています。
(問)主要国は既に対策に取りかかっている中で、日本だけ出遅れているのではないかという批判が国際社会にあるかと思いますが、どうお考えでしょうか。
(外務大臣)出遅れているということではなく、それぞれの国の事情があり、日本は日本の事情がある訳ですから、その中で精一杯、一日も早く出来ることをするということだと思います。
(問)定額給付金の問題ですが、麻生総理は当初は高額所得者は辞退しなくてはいけないと仰っていて、その後有効的に使って欲しいと仰っていますが、大臣ご自身は定額給付金を受け取るつもりはあるのでしょうか。
(外務大臣)これは個人個人の判断でよろしいのではないかと思いますが、今の景気、経済の状況を見ますと、消費を刺激することは大事だと思います。そういう意味で、私が給付を受けたならば、積極的に使わせて頂きたいと思っています。
(外務大臣)昨日総理が年頭の会見で安心して暮らせる日本、活力ある日本ということを仰った訳ですが、私も外務大臣としてその達成のために今年も頑張っていきたいと思っています。オバマ新政権がまもなく誕生しますが、我々は日米関係の更なる強化が大事と考えていますので、そういう意味では早く新政権と緊密な協力関係ができるように努力したいと思いますし、特に私の立場からはヒラリー国務長官と一日でも早くお会いして様々な問題について話をしたいと思っています。昨年、日中韓3カ国の首脳会議が開かれて、良かったと思っていますが、今年は更に協力関係を強化していくということ、特に北朝鮮の問題については拉致の問題、核の問題について大きく前進するように私の立場で努力したいと思いますし、拉致の問題も本当に深刻な問題ですので、一生懸命やりたいと思います。今年から国連安保理の非常任理事国になりましたので、そういう立場で、中東問題など国際問題はたくさんありますが、我が国としての役割を果たすということが大切だと思っています。
(問)東シナ海の日中共同開発ガス田についてですが、樫について中国が単独開発をしていたことが明らかになりました。日本政府としてこれまでどういう対応をしてきたかということと、今後どのような対応をしていくのかお聞かせ下さい。
(外務大臣)共同開発については、昨年の6月に、政治的な合意をしていない地域については継続して協議をするということになっている訳で、これは大変遺憾なことですし、政府としては中国側に対して抗議の申し入れを行っているところです。
(問)事務レベルの協議はだいたいいつ頃から始まりそうでしょうか。
(外務大臣)昨年の日中韓首脳会議の時も事務レベルの交渉を早く行おうということになっていますし、また年末にも担当の局から先方に対して早く協議を行うようにと申し入れをしていますので、いつということは申し上げられませんが、早く協議をすることが今一番大事ではないかと思っています。
(問)樫に関しては政治的合意が無かった地域だということでよろしいでしょうか。またいつ頃から中国側が油田開発していることが分かって、それに対して日本政府はいつどのような形で抗議をして、中国側からはどのような回答が返ってきたのか教えて頂けますか。
(外務大臣)あの地域については継続して協議するということになっておりまして、いわば白紙の状況だと認識しています。そういうところに開発を行うということは、先ほど申し上げた通り大変遺憾であります。そういう状況がいつ分かったかということは、情報収集について支障を来しますので申し上げられませんが、我々としては色々な形で情報収集している訳で、事態が変わった場合にはそれなりの対応を即座に取ってきたということです。
(問)いつ抗議をして、どのような回答が中国から返ってきたのでしょうか。
(外務大臣)日本政府としては、それが分かった時点ですぐ中国側に抗議をしております。正確な時間や日時は特段公表しておりません。
(問)事実関係を公表しなかったのはどういった判断なのでしょうか。インテリジェンスの話がありましたが、中国側に抗議している時点で日本政府が事実を把握しているということは分かってしまう訳ですよね。それなのになぜ国民にその事実を知らせなかったのでしょうか。
(外務大臣)日本政府としては中国側にきちんとその都度抗議をしている訳でありまして、いつ分かったか等については公表はしておりません。
(問)今後東シナ海で同様の開発行為が確認された場合も、大臣は国民に事実関係を公表するお考えは無いという理解でよろしいでしょうか。
(外務大臣)私たちとしては、いつどういう行為があったかということを情報として知り得た時点で国民の皆様に公表するという考えは今のところ持っていません。しかし政府として必要な対応はきちんと取らなければならないということで、今般も抗議を行った訳です。
(問)昨日、中国の報道官がそれについて中国の当然の権利だと言っているのですが、それについてのお考えをお聞かせ下さい。
(外務大臣)そういうコメントは日本政府としては受け入れることはできません。
(問)政治合意が日中両政府の間でなされているにもかかわらず、その内容を巡って解釈が日中両政府で分かれているという現状について理由と今後の対応をどう考えているかお聞かせ下さい。
(外務大臣)早くこの問題についての協議を再開することが一番大切だと思っています。
(問)ガザ地区を巡る情勢が悪化していますが、日本政府として今後どのような対応をしていくのでしょうか。
(外務大臣)イスラエルとハマスの問題については、麻生総理からも双方の首脳に電話で武力行使をやめるようにという電話会談を行いました。私も外相としてイスラエルの外相に対して電話でお話をした訳です。昨日、双方に対して、武力行使を即時に止め、持続的な停戦合意が達成できるように努力をして欲しいという外務大臣談話を出させて頂きました。なお、多くの方々が負傷し、亡くなっている訳で、ガザ地区の人々に対して人道支援をすることを総理も表明しておられます。そういう面でも我が国として支援をしていきたいと思っています。