記者会見

外務大臣会見記録(平成20年8月)


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外務大臣会見記録(平成20年8月29日(金曜日)10時45分~ 於:本省記者会見室)

ムワナワサ・ザンビア共和国大統領の逝去について

(外務大臣)本日、政府は、9月3日(水曜日)に執り行われる予定のムワナワサ・ザンビア共和国大統領の国葬に参列し、ザンビア政府関係者及び御遺族への弔意を伝達するため、矢野哲朗参議院議員を特派大使として派遣することを決定致しました。矢野特派大使は、9月1日(月曜日)に日本を出発し、3日(水曜日)にザンビアの首都ルサカで執り行われるムワナワサ大統領の国葬に参列する予定です。

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アフガニスタンにおける邦人誘拐事件

(問)人道支援のために現地で活動をするJICAの方など、アフガニスタンへの入国や活動について、政府として渡航を自粛してもらうなど何か指導していくのでしょうか。

(外務大臣)政府としては従来からアフガニスタン全土に退避勧告を出しています。一部JICAの専門家については、どうしても必要な業務については十分安全に注意するように指導しました。NGOについてですが、政府が資金を出しているNGOについては、邦人は国外に出て頂いて、遠隔操作で現地での業務を継続しています。ペシャワール会は、人道的で極めて志の高い人達でありますが、日本政府から資金供与はなく、自らの判断で活動しているということです。そのような状況の中で、今後もお互いに色々と情報交換をしながらどうされるのか、またJICAの関係者についても、ただ撤収してしまえば良いという訳でもないし、漫然とこのまま居ていいのかという問題について良く検討していきたいと思います。

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北朝鮮問題

(問)北朝鮮が、核施設の無能力化の中断を発表しましたが、これに対する受け止め方と、それが日朝関係に影響を及ぼすかについてお聞かせ下さい。

(外務大臣)中断したことについては、懸念をしています。早く無能力化を進行させる態勢に戻ってもらうべく他の5カ国で緊密に連携を取りながら、北朝鮮に働きかけるつもりです。日朝関係への影響については、及ぼす、及ばさないと断言できる問題ではありません。悪い影響を及ぼさないように、日本政府として努力していくということに尽きます。

(問)無能力化中断が、拉致の再調査に影響するということはありますか。

(外務大臣)それはありません。日朝間では、(再調査について)同じ認識を共有しています。我々が考えているような拉致問題を解決する為の調査、つまり生存者を発見し帰国させる為の調査を行う権限ある調査委員会が設置されて、調査が開始されたと日本政府が判断すれば、我々も約束したことを行うということです。

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中国産冷凍ギョウザ問題

(問)中国産冷凍ギョウザ問題についてですが、当初6月に中国で事件が起こった時、中国側は知らせてきたものの、公表しないで欲しいということでしたが、今度は中国側からきちんと情報を公表するように伝えてきたから公表したということですが、中国側の変化についてどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)今まで中国側に色々と働きかけてきましたし、前回(自分が)訪中した時 に楊 潔チ(ヨウ・ケツチ)外相に直接申し上げました。それに対して、関連部局間で、その話し合いができるようにするという話はありました。今度、中国公安当局から現地日本大使館にこのような話があったということは、少しずつ話が進んでいるという風に理解しています。7月に、中国でギョウザの中毒事件が発生したということを日本側に伝えてきたことは、中国の公安当局の発表と矛盾すると受け止められるような情報を明らかにしてきたということであり、中国の高いレベルで、この問題をうやむやにしないという決意だと認識しています。1月末に、(冷凍ギョウザが)市場に流通しない形になっているということを、我々は認識していた訳ですが、今般中国側が改めて市場に(冷凍ギョウザが)流通していないと伝えてきたことは評価しています。更に、捜査をきちんと進めて真相究明に結び付けて欲しいと思っています。

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グルジア・南オセチア情勢

(問)グルジア情勢とコソボ紛争との違いを教えて下さい。

(外務大臣)かつての出来事との違いというよりも、国際社会はグルジアの領土保全を求めており、南オセチアといった地域の安全性についても国際社会で議論していこうということになっているのに、ロシアが一方的に(南オセチア及びグルジアの)独立を承認したことは、6原則の停戦合意にも反することですから、極めて遺憾であるということをロシア側に伝えている次第です。

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外務大臣会見記録(平成20年8月26日(火曜日)10時59分~ 於:本省記者会見室)

大臣冒頭発言

(1)「第2回国際漫画賞」受賞作品について

(外務大臣)「第2回国際漫画賞」の受賞者を決定しましたので発表いたします。「国際漫画賞最優秀賞」は、香港の劉雲傑(リュウ・ウンケツ)氏による「Feel 100%(百分百感覺)」です。その他、「国際漫画賞優秀賞」には、中国、ロシア、フランスの方が決まりました。授賞式は9月2日に飯倉公館にて行う予定です。漫画の本家本元である日本と世界の漫画愛好家との絆が強まり、ポップカルチャーの旗手とも言うべき漫画が更に発信力を強めていくことを期待します。

(2)アフリカへの貿易投資促進合同ミッション

(外務大臣)アフリカへの貿易投資促進合同ミッションを、8月末から9月下旬にかけて、派遣することといたしました。このミッションは、TICAD IVの開会式において福田総理が表明されたものです。アフリカの南部・東部・西部の3班に分かれて訪問をいたします。経済界、政界、関係省庁、政府機関の合同ミッションです。アフリカの成長の加速化、我が国の資源外交がより一層推進されることを期待します。

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北朝鮮問題

(問)北朝鮮問題ですが、現時点で拉致問題再調査の開始時期について何らかの報告があるのかどうか教えていただけますか。

(外務大臣)現時点でありません。

(問)感触あるいは見通しは如何でしょうか。

(外務大臣)こちらから、出来るだけ早くと言っています。秋までに調査を終えるということですから、始まるのが秋より遅いということはあり得ません。出来るだけ早くということです。

(問)昨日の外務省の事務次官の会見でも出ていましたが、北朝鮮での拉致被害者の調査委員会の立ち上げと制裁の一部解除の関係は如何でしょうか。

(外務大臣)政府の方針は、生存者を発見し、帰国させるための調査、つまり拉致問題を解決するための調査を開始するために権限のある調査委員会が立ち上がったことが確認出来、調査が始まったということが確認出来れば(制裁の一部解除を)行うということです。

(問)中山拉致問題担当相が富山県で講演した際のオンレコのぶら下がりで、調査を開始しただけでは制裁を解除しないと、調査の中身がどこまでなのか、それを見極めた上で制裁を解除すると仰っていましたが、政府の方針は如何でしょうか。

(外務大臣)私は中山大臣がどのように発言したのか聞いていません。中山拉致問題担当相が私に、後で説明したいと言っておられましたので、コメントすることがあれば後日いたします。

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日中韓首脳会談

(問)日中韓首脳会談ですが、韓国側から日程について返答がないという状況に変わりはないのでしょうか。

(外務大臣)日程についても、場所についても、まだ日本政府自身としても決めていません。

(問)韓国側からなかなか回答をしない背景ですが、竹島問題などが影響しているのでしょうか。

(外務大臣)影響はあるかもしれません。

(問)韓国がそのような説明をしたのでしょうか。

(外務大臣)公式にはそのような説明はお互いしないでしょう。

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インド洋における給油活動

(問)インド洋の給油活動についてですが、野党の一部には現在の経済情勢、原油価格の高騰などを理由に給油活動に否定的な見解を出していますが、どのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)これはODAで提供している訳でも何でもないのです。インド洋がテロリストや海賊がウヨウヨする海になった場合、一番不利益を被る国はどの国かといったら日本と言っても過言ではないでしょう。日本に来る原油の9割はそこを通って来る訳です。従って国際社会からすれば、当然日本も海上阻止活動そのものに参加するべきではないですかという意見があって当然であり、あった訳です。但し、我々には我々の憲法というものがあって、憲法上、海上阻止活動が全く出来ないか否かは別にして、全く同じ形では出来にくい。海上阻止活動そのものは出来ません、その代わり国際社会全体のために日本のためにも、海上阻止活動を行ってくれている各国の船に油や水を補給します、それで勘弁して下さいということです。活動を行って下さっている船に油を与えていることで恩恵を与えているというような全く間違った感じで捉えられているとしたら、国際社会は怒ると思います。その補給活動さえも行いませんということであれば、我々はインド洋が平和の海、そして静かな海である恩恵は十分受けます、そうするための努力は、全て日本以外の国際社会が行って下さい、私たちは何もしませんということでは国際社会で通用しないでしょう。

(問)昨日国会会期が決まったということでまた焦点になると思いますが、3分の2の再可決については改めてどうお考えでしょうか。再可決をしてまでも、強行するとお考えでしょうか。

(外務大臣)最初から再可決をすべきだとか、再可決は絶対にだめだとかいう話ではないと思います。やはり与党の中で良く理解を頂き、そしてそれを野党にも理解頂き、国民全体にも理解頂くという中で再可決しないで済むのなら、それに越したことはありません。

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東シナ海のガス田に関する日中協議

(問)7月のサミットの際の日中首脳会談で、東シナ海のガス田開発について福田首相から合意先送りを容認するような発言があったとの報道がありますが、如何でしょうか。

(外務大臣)事実無根です。そのような事実無根な情報をどこから誰が得て、論評しているのでしょうか。これはおかしなことですね。

(問)日中として合意してから二カ月近く経ちますが、見通しは如何でしょうか。

(外務大臣)見通しは現時点で立っておりませんが、オリンピックの期間中、私も中国に行った時に楊 潔チ外相に、早く国際合意を作るよう交渉を始めようと言いました。それについて、即座に肯定的な反応が出てきた訳ではありませんが、中国側も一応の合意が出来ている以上、国際約束を作る為の交渉を進めること自体を否定する訳ではありませんが、出来るだけ早くして欲しいと要求していきたいということです。

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日露関係

(問)ロシアですが、グルジアでの情勢というのは現在満足できる状態ではないという認識ではないかと思いますが、このような状況の中で、ロシアとの政府間協力、例えば原子力協定などを進めていくという、日露間の政府の立場に変わりはないのか、或いは見直しをする必要があるとお考えでしょうか。

(外務大臣)基本的には領土の一体性を維持した形で、速やかに平和的解決が図れるべきであるとロシア側にも言ってありますし、そして、撤退を始めていることは確認しましたが、完全に撤退したかどうか我々は確認出来ない状況ですから、それをきちんとするように言っている訳です。ただ、互恵の原則で進めていることを凍結するということはありません。我々は北方領土という問題がありながらも、互恵の関係は進めているということですから、グルジアの問題によって、お互いが利益を受ける為に進めていることを凍結するということを今考えている訳ではありません。

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外務大臣会見記録(平成20年8月17日)

 8月17日、中国訪問中の高村大臣が戴秉国(たいへいこく)国務委員との会談後に会見を行ったところ、概要以下の通り。

大臣冒頭発言

(外務大臣) 戴秉国国務委員より、オリンピック後中国はどのような外交を展開すべきかアドバイスしてほしいとの話があった。
 自分からは、外交だけではなく、外交・内政一体として、より開かれた国になって頂ければありがたいと伝えた。オリンピック期間中に、(中国がより開かれた国に向け)大分努力をしているということは我々も認めているが、オリンピック後に元の木阿弥になるのではなく、より一層開かれた国になって欲しいと申し上げた。
 それに対し、戴秉国国務委員より、改革開放ということでずっと開かれた国になるべく努力してきたが、まだまだ十分ではないので、これからも更に開かれた国になるように努力していきたいとの話があった。
 二国間関係では、お互いに本年秋から首脳を含めてハイレベルの対話が多くあるので、「戦略的互恵関係」を具体化して行くことで一致した。また、戴秉国国務委員より、両国の国民感情を改善したいとの話があったので、私は、この「戦略的互恵関係」という面からも、「開かれた国」という面からも、両国の国民感情改善の点からも、ギョーザ問題は非常に大切な問題であり、一刻も早く真相を解明すべく捜査当局間で意見交換をしたいと申し上げた。そして、捜査当局間の捜査協力、意見交換を加速化していく点で一致した。本件については楊 潔チ外交部長との会談でもしっかり話をしたいと考えている。
 北朝鮮問題については、先般の日朝協議について話をし、これからも日朝間の問題、特に拉致問題について中国も協力してほしいと申し上げた。同時に、六カ国協議の核の検証問題についても議長国として、リーダーシップを発揮して欲しいと申し上げた。

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質疑応答

(問)ギョーザ問題だが、大臣から捜査当局間で捜査協力、意見交換を加速化していくことを求めたが、戴秉国国務委員からどのような反応があったのか。

(外務大臣)申し上げたとおり、捜査当局間で捜査協力、意見交換を加速化していくことで一致した。

(問)本件は重要だということか。

(外務大臣)勿論、極めて重要な問題なので、中国としても重視しているという話があった。

(問)捜査の加速化ということだが、例えば具体的に捜査関係者が両国の間を行き来するというようなことがあるのか。

(外務大臣)当然なければならない話である。本件詳細については、これから楊 潔チ外交部長と話をしたいと思っている。

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外務大臣会見記録(平成20年8月15日(金曜日)10時55分~ 於:本省記者会見室)

大臣の中国訪問

(外務大臣)8月16日(土曜日)から18日(月曜日)まで訪中致します。17日に日本オリンピック委員会会長他が主催するレセプションに出席し、戴秉国(タイ・ヘイコク)国務委員及び楊 潔チ(ヨウ・ケツチ)中国外交部長と会談を行います。日中関係を巡る諸課題、北朝鮮問題等についても話しをしていきたいと思っています。

(問)先般の福田総理の中国訪問の際に、餃子問題で福田総理と胡錦濤国家主席の間で話がありましたが、大臣からは特にどのようなことをおっしゃるつもりですか。

(外務大臣)捜査協力を強化していきたいと申し上げます。

(問)今回中国側から、捜査データのようなものが、改めて示される予定はあるのですか。

(外務大臣)わかりません。ただ、捜査データは捜査協力の中で示されるのではないでしょうか。私との会談で示されるのなら、それに越したことはありませんが、今回の会談でそこまで期待している訳ではありません。

(問)餃子問題ですが、中国でも中毒事案が発生したことを公表しないで欲しいと中国から要請があったという件ですが、今般右情報が漏洩したことが明らかになった訳ですが、それにより中国との協力関係や信頼関係にどういう影響があると思われますか。

(外務大臣)中国側より通報があったこと自体は、私は、中国側のうやむやにしない、という意思表示だと受け取りました。今まで中国公安当局が言ってきたことと必ずしも整合しないかもしれない情報を敢えて伝えてきたということは、うやむやにしない、という意思表示だと思いました。そして、何よりも捜査が支障なく進んで真相が解明されることが日本国民にとっても良い事だと思います。そのため、中国側から公開しないで欲しい、という申し出を受け入れたという訳です。グループインタビューの時にかなり詳しく申し上げたので、繰り返しになりますが、私は政治家として情報ということにずっと携わってきた人間ですが、情報については情報提供者の公表するかしないかという意思に従うのが大原則です。もちろん例外はありますが、今度の場合は、直接日本国民に対して、天洋食品の餃子が入ってこない状況になっているので、特別の危害を及ぼすものではないのです。そして、何よりも大切なのは、真相を解明するために、捜査をきちんと行うということですから、相手側が捜査に支障があるので今のところ公表しないで欲しい、と言う要請には一定の合理性があるという風に思いましたので、情報を公表しなかったのです。

(問)実際に捜査に影響が出ているということはあるのですか。

(外務大臣)それはまだ分かりません。高いレベルでの決定で、伝えないで欲しい、と言ってきているのです。 それは、どういうことかと言うと、低いレベルでは、日本側に情報を渡すべきでなかったということもあったのかもしれないです。高いレベルで決定された情報提供について、日本側が公表すれば、捜査が進みにくくなるということはあるかもしれません。断定している訳ではありません。全体的に言って、日本の情報公開の程度と中国の情報公開の程度は違いますので、その中で、中国側が敢えて日本政府に高いレベルで伝えてきたということは、国家レベルでうやむやにされるのではないかという一抹の不安を払拭したと評価をし、その捜査の進捗を邪魔してはいけないと考えました。日本国民の食の安全にとっても、真相解明ということが何よりも大事なことです。そのように私も、判断しました。この情報を受け取り、共有した人達の範囲で、それに対して意義を唱える人はいなかったということです。

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PCI社に対する措置の実施

(外務大臣)PCI社に対して指名停止の処分を行います。指名停止できる最大限の措置は、24ヶ月です。色々措置がありますが、本日15時に報道発表を配布します。

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終戦記念日

(問)本日は終戦記念日ですが、これまで靖国神社に参拝されましたか。また今後参拝する予定はありますか。

(外務大臣)外務大臣在任中に参拝する予定はありません。今までに参拝したことはあります。

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外務大臣会見記録(平成20年8月11日(月曜日)12時30分~ 於:本省大臣室前)

グルジア問題

(外務大臣)本日、11時半からライス国務長官と電話会談を行いました。ライス長官からは、「グルジア情勢を憂慮している。既に多くの人命も失われている。暴力は即時に停止しなければならない。国際社会に色々働きかけたいので、日本も役割を果たして欲しい」ということを言われました。私からは、日本としても既に、グルジア、ロシア両国に働きかけをし、ともかく全ての当事者が暴力を停止して話し合いを始める必要があり、グルジアの領土の一体性は保障されなければならない、と伝え、さらにこれからも日米が連携して、また国際社会が連携して働きかけ、暴力の即時停止ができるように協力していこうということで一致しました。

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北朝鮮問題

(外務大臣)私から、ライス長官に対して、北朝鮮のテロ支援国家指定解除について、検証体制も整っていないし、具体的にどう着手するかも決まっていないという状況下で、11日の解除はないと理解しているが、それでいいですかとお聞きしました。それに対して、ライス長官は「そのように理解してもらって結構です」ということでした。これから、検証の問題を含む非核化の問題について協力していこう、そして拉致を含む日朝関係についても協力していこう、ということで一致しました。

(問)ライス長官の側から、テロ支援国家指定解除のことについて、他に何か言われましたか。

(外務大臣)先方から申し込みのあった今日の会談の主目的はグルジア情勢であり、その場を借りて、私が「今日中に指定解除はないと理解して良いですね」と訊いたら、「結構です」ということでした。

(問)指定解除の時期の目途については言及があったのでしょうか。

(外務大臣)ありませんでした。これからも緊密に連携を取り合っていこうということでした。

(問)日朝実務者協議の途中経過について教えて下さい。

(外務大臣)まだ情報は入ってきていません。

(問)テロ支援国家の指定が解除されない見通しになったことについて、日本政府の受け止め方をお教え下さい。

(外務大臣)これは米国が前から主張していることで、検証がきちんとできる体制にならなければ、解除しないということです。ですから、我々は、北朝鮮が具体的な検証について同意していないという段階で、解除が行われる訳がないと思っておりましたので、それを先方に確認致しましたら、「そうです」という当然の答えが返ってきたということです。

(問)今日行われている日朝実務者協議に関して、受け止め方と今後の見通しを教え下さい。

(外務大臣)(北朝鮮は)6月中旬に調査をやり直すということを約束している訳ですから、今度の協議では、拉致の生存者を発見して帰国させるための具体的な方法について、日本側が納得できるようなきちんとした形が示されるということが、何よりも必要なことです。

(問)テロ指定解除が延期になったことで、現在行われている日朝実務者協議の拉致問題解決にどういう影響があると思われますか。

(外務大臣)本日行われている協議は、約束している内容の詰め方に関するものですから、直接影響があるとは思っていません。

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外務大臣会見記録(平成20年8月5日午後)

 8月5日午後、当地を訪問中の高村大臣は、別件にてインドを訪問中のカルザイ・アフガニスタン大統領との表敬を行った後にオベロイ・ホテルに於いて会見を行ったところ、概要以下の通り。

(外務大臣)カルザイ・アフガニスタン大統領と会談を行ってまいりました。私(大臣)の方から、日本はアフガニスタン支援を車の両輪として、一つは治安対策、それは勿論、インド洋の補給活動を含めたものと、復興支援をこれからもきちんと行っていくということを申し上げた。それから、パリでの5.5億ドルを新たにプレッジしたのですが、これについてカブールで先般、具体的な内容についての詰めを行って非常に有意義だったと聞いているということを申し上げました。それから、6月のG8の外相会合において、特にアフガニスタンとパキスタンの国境地帯の支援を重点に行っていくことを決め、共同声明を出しましたということをお伝えした。特に国境地帯の問題でパキスタンのゲラー二首相とカルザイ大統領がコロンボで大変良い会談が出来たと聞いているので、これを歓迎しますということを伝えました。カルザイ大統領の方からは、日本の力強い非常に寛大な支援に感謝します。特にインド洋の補給活動については、評価もするし、これからも行って頂きたいとの話がありました。それから、国境地帯の支援についても感謝する旨発言がありました。ゲラー二首相とその問題について良い話し合いが出来たが、越境攻撃については、私(カルザイ大統領)も楽観視していない。日本も含めた国際社会からも、そういうことがないように何とかして欲しいという話がありました。それから、私(大臣)から言ったことを忘れていましたが、来年から始まる選挙をきちんと行って欲しい。これは大統領選挙、総選挙を含めてユナマ(UNAMA)と協力してやって欲しいということを言いました。カルザイ大統領はそれに対して、正にユナマとの協力は大切であるので、それが国際社会から評価されるようにきちんと行っていきたいということを仰っていました。

(問)会談はどれくらいの時間行われましたか。

(外務大臣)20分程度です。

(問)インド洋での給油活動についてカルザイ大統領より評価する言葉がありましたが、これは今後活動を継続させるための法案の審議、成立に向けてどのような弾みになるでしょうか。

(外務大臣)それは分かりません。もともとこの活動は評価されており、国際社会にこれに対して反対するという意見は一つもないのです。国際社会の全ての国が評価している、そして日本のタンカーがたくさん通航している海域であり、日本の国益にも直結することなのです。今日、カルザイ大統領が評価すると仰いましたが、元々そう言っておられるので、今日仰ったことがどのようなインパクトを持つかは分かりませんが、私たちとすれば、国民にその意義をよく理解してもらいたいと思っております。

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外務大臣会見記録(平成20年8月5日午前)

 8月5日午前、当地を訪問中の高村大臣はシン首相表敬後にハイデラバードハウス(迎賓館)に於いて、会見を行ったところ、概要以下の通り。

(外務大臣)シン首相と30分に亘ってお話をして参りました。主として、二国間関係について話をしたわけでありますが、秋にシン首相が訪日されるということで、福田総理が心待ちにしているということを伝えました。それまでに、EPA等お互いが柔軟性を発揮して実質合意に至って戦略的グローバルパートナーシップを進めていこうということで一致をしました。そのほか、日本のODA等について、シン首相から感謝の言葉がありました。そして、お互いに国連安保理の問題、あるいは地球温暖化の問題について協力していこうとの話がありました。

(問)国連安保理と温暖化のやり取りについて詳しくお話を聞かせてください。

(外務大臣)それは、おそらく外相会談で詳しい話になると思います。シン首相との間ではお互いに協力していこうとの話でありました。

(問)今日の会談の中では、アメリカとインドの原子力協定についてどのような意見が交わされたのでしょうか。

(外務大臣)意見を交わしたというよりも、シン首相からその点について、いろいろ説明がありました。私(大臣)の方からは、インドが凄まじい経済発展をする中で、CO2排出が増えないようにする、あるいは削減するために原子力の平和利用、民生利用が必要であるということを理解している一方で、日本は唯一の被爆国として、核の不拡散、核軍縮といったものを通じて究極的に核の廃絶ということを目指している国である。その両面から、原子力供給国グループ(NSG)での議論に参加していくということを私(大臣)の方から申し上げました。

(問)NSGについて、シン首相の方から日本も同意して欲しい、という申し入れはありましたか。

(外務大臣)勿論、そういう話はありました。私(大臣)の方から、今、申し上げた二つの両面から積極的に議論に参加していくとの話をしたところです。

(問)特にYes、Noとのことではなくて、そういった説明をされたのですか。

(外務大臣)そういうことです。

(問)長期目標については、具体的な話はありましたか。

(外務大臣)それは先ほど申し上げたように、そういう話は外相会談で出てくるのではないでしょうか。

(問)国内問題ですが、8月15日が近づいてまいりました。15日、あるいはその前後に靖国神社に参拝されるか、されないかをお聞かせ頂けますでしょうか。

(外務大臣)あまり国益に資さない質問だとは思いますが、折角お聞きになったのでお応えを致します。私(大臣)は、これまで靖国神社を参拝する際には、戦場でなくなった兵隊さんのために参拝をしてまいりました。ただ一方で、中国、韓国にとどまらず、アメリカ等でもこの参拝が戦争指導者に対して参拝しているのではないかと。これは、誤解ではありますけれども、誤解が幅広くあるということは厳然たる事実であります。そういう状況の中で、外務大臣として参拝は差し控えるということを決めております。

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外務大臣会見記録(平成20年8月3日)

 8月3日、高村大臣はインド訪問出発前、成田空港出発ゲート前において記者からの質問に答える形で会見に応じたところ、概要以下のとおりです。

(問)外務大臣に再任されて早速の外遊ですが、その決意と今回のインド訪問の狙いについてお願いします。

(外務大臣)内閣改造の関係で一度延長してもらったわけですが、インドの重要性に鑑みて、再調整して直ちにインドに行くということであります。インドは急速に発展しているということと、優秀な人材の宝庫、IT関係等そういうこともあって、世界経済の中でも例えば貿易の問題であるとか、環境の問題であるとか、枠組みを作るときには重要なプレーヤーになっている訳ですから、こういう国と戦略的グローバルパートーシップということで行ってきています。外相同士で二国間関係は勿論ですけれども、地域情勢とか国際社会全体についての考え方といったことをきっちり摺り合わせておく必要があるということで、今回行ってくるわけであります。

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外務大臣会見記録(平成20年8月2日(土曜日)13時35分~ 於:本省記者会見室)

大臣のインド訪問

(外務大臣)私は明日(8月3日)から水曜日(8月6日)までインドに行って参ります。インド外相との間で戦略対話を行います。二国間関係或いは国際情勢等、意見を交わして参りたいと思っています。インド訪問は前々から予定されていましたが、内政状況を考慮してキャンセルをしたのですが、その後行けるような状況になりましたので、先方に打診したところ、相手側が快く受けてくれました。良い会談をして参りたいと思います。

(問)アジアの新興国としてのインドと日本との関係において、どの様に外務大臣同士の会談に臨まれるのでしょうか。経済の問題、安全保障の問題、色々あると思いますが。

(外務大臣)あらゆる問題について話し合いたいと思っています。昔からインドは近いようでそれほど近い国ではない、今はこれからどんどん近くなりつつありますが、どんどん近くならなければならない国であると思います。それからインドは今後益々発展しますからその国と良い関係を築いていくのは必要なことであり、更にODA供与額もインドが一番多く、日本全体としてインドと近くならなければならないということで動いています。

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抱負

(問)今回の内閣改造で留任となった訳ですが、今後の抱負を伺いたいのですが。

(外務大臣)お別れ会見で申し上げたことと同じようなことになる訳ですが、福田総理が目指しておられる共鳴外交、日米同盟関係を更に深化させて、同時にそれをもとにアジア外交を進めていく、そしてアジア外交が良くなれば、それがまた日米同盟関係を深化させることに役に立っていくということを進めていきたいと思っています。北朝鮮の問題については、核の問題、拉致の問題、ミサイルの問題、何れも重要な問題ですが、これは国際社会と協調して解決を図っていきたいと思っています。福田総理が平和協力国家と仰っていますので、PKOにしてもテロとの闘いにしても、その他防災、貿易と色々ありますが、こういった問題も幅広く行っていきたいと思います。それから地球温暖化など地球規模の問題がありますが、これも外務省だけで出来る訳ではありませんが、関係省庁と一体となって進めていきたいと考えています。外交の問題というのは、これでけじめがついたということはありません。一つ一つの課題にはけじめがつくことはあっても、沢山の問題が並存していますから、私が続けても、或いは他の人に替わっても、何れにしても行わなければいけない問題が続いているので、あまりに「私が行っている間にこれだけは」ということだと、外交というのはかえってうまくいかないこともあると思っています。

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日韓関係

(問)竹島の問題で、韓国とあまり良い状況ではなくなってきているのですが、9月には日中韓の三カ国首脳会談が日本で予定されていて、それに向けてどのように関係改善を目指していくのでしょうか。

(外務大臣)日本が以前より主張していることを子供たちに教えるということを決めたということであり、それは国際社会の中では普通のことです。日韓関係というのは極めて大切なことですから、そこに問題があるから全体を壊してしまうということがあるとしたら良いことではないので、大局的な観点から行っていきたいと思っています。あまり具体的なことを述べることが役に立つとは思いません。

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米原子力潜水艦「ヒューストン」の冷却水漏れ

(問)米国の原子力潜水艦「ヒューストン」の冷却水が漏れていたということなんですが、今後、米国に対して特に何か言うお考えはないのでしょうか。

(外務大臣)米国に対しては、更に新しい情報があれば頂きたいということを言ってあります。何れにしても、私が今朝聞いて直ちに発表せよということを言いましたが、もっと早く発表出来ればそれに越したことはなかった、もっと早く発表すべきだったと思っています。

(問)地元自治体から、もっと早く連絡を欲しかったという声がありますが。

(外務大臣)発表というのは、マスコミに対する発表だけではなくて、情報共有をすべきところにもっと早く情報共有すれば良かったということです。

(問)今朝何時頃、報告を受けられたのでしょうか。

(外務大臣)今朝報告を受けたというよりも、私がCNNを見ていて何か変なことを言っているなと気が付き、私から連絡をしました。

(問)その発表が遅れた理由というのはどうなっているのでしょうか。

(外務大臣)理由というのは事務方が皆さんに説明している通りですが、それは理由になりませんので、繰り返しません。

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日朝関係

(問)内閣改造で中山恭子補佐官が拉致問題の担当大臣に就任されましたけれど、どのような形で協力をされていくのでしょうか。

(外務大臣)どのような形でというか、お互いがこの問題を解決する立場にある訳ですから、協力して行っていきます。

(問)大臣は、日朝関係の問題について「行動対行動」それをどのようにステップ・バイ・ステップで行っていくかということを基本方針として臨まれてきており、今後も変わらないと思いますが、一方で中山大臣はもう少し、強硬論者という言い方が正しいかは分かりませんけれど、問題解決のアプローチに関して二人の間に違いがあるのではないかと思うのですが、その点を踏まえてどのように実際にうまく協力していくお考えでしょうか。

(外務大臣)中山大臣も経験のある方ですから、福田内閣に入られた以上、福田内閣の方針で行って頂けると思います。今までもそうであったと思いますが、これからもそうであると思っています。

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米軍再編

(問)普天間飛行場の移設に関して、現地ではアセスメント調査が進んでいますが、先日、現地で二つのワーキングチームを作っており作業は進んでいる訳ですが、一方、沖縄住民側は代替施設の合意案、日米政府案に普天間飛行場の移設案に修正を求めてきていますが、外務省の対応は如何でしょうか。

(外務大臣)この日米合意案は、地元の要望を受けた上で米国側と交渉して、自然環境、生活環境、実行可能性等を総合的に判断した国際約束が出来ているので、基本的に今出来ている方針で行うということです。人と人との約束ですから絶対にどうだということではないかもしれませんが、よほど合理的な理由がない限り、国際約束したことを安易に変えることは出来ないということは当然ですね。私が一貫して申し上げているのは、私が合理的であると思う理由がないと相手側を説得することだって出来ないということです。合理的な理由がない限り、今の方針で行うということです。

(問)今、宜野湾市にある普天間飛行場の危険性の除去に向けてワーキングチームもできあがりましたが、政府は昨年の8月に米側と報告書をまとめて発表しています。仲井眞知事も前回の協議会でも更に米側と協議して欲しいとの要望がありましたが、米側との協議が可能どうかも含めて大臣のお考えをお聞かせ下さい。

(外務大臣)普天間飛行場の危険性の除去の最善・最良の方式は早く移転すること、それに全力を尽くすことが一つです。ただ早くと言っても明日、明後日にできる訳ではありませんので、危険性を少しでも除去して欲しいとの地元のご要望はよく分かる。一方で既に出した案というのはその時点で精一杯のものを出している訳ですので、その中で、まずは日本側で、実際に約束したことがきちんと行えているのかきちんと調べるとか、更にどうしたらよいのか等、まずは日本側でそのような話をして、どうしてもこれは米国と何かしなければということが出てくるかどうかという順序だと思っています。報告を出した時点では精一杯のものを出しました。更に、約束はしたがその通り行われていない等あるかもしれません。そのようなことをまずは日本側の中できちんと調べて、その上で米側にぶつけられるものが出て来るのか来ないのか、そのようなことを行うという順序だと思っています。

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インド洋における給油活動

(問)インド洋の給油活動を継続する法案に関して、与党の一画を占める公明党側では慎重な姿勢を示していますが、政府の方針は変わらないのでしょうか。

(外務大臣)公明党の立場を私はあまり詳しく知っている訳ではありません。自民党の中でも色々な意見がありますし、おそらく公明党の中にも色々な意見の方がおられると思います。その中で、もちろん与党の合意を得ていかねばならない、そういうことですが、要するに今インド洋で行っている補給活動は国際社会から評価され、更に将来についても期待され、そして日本が出来ることであり、それから日本の国益にも直結することですから、インド洋では日本のタンカーは沢山通っているので、日本のタンカーを守ることが法律自体の直接的目的ではないにしてもそういう効果も付随的にありますからこれは行って然るべきであると私は思っています。評価は色々ありますから、政権与党が一体となって行っていく、そういうことであります。

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WTOドーハ・ラウンド交渉

(問)先日、WTO閣僚会合が決裂しましたが、今後EPAが加速すると思いますが、米国やEUを含めて今後EPAにどう対応していくのでしょうか。

(外務大臣)WTOが決裂したのは基本的には残念に思っています。EPAについて、更に積極的に取り組んでいかなければいけないと思っています。

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外務大臣会見記録(平成20年8月1日(金曜日)19時57分~ 於:官邸会見室)

冒頭発言

(外務大臣)総理から指示があったのは、日米同盟関係を更に深化させ、そしてアジア外交を基礎にして進めていくようにということで、まさに良い日米同盟が、アジア外交を進めることに資する、そしてアジアから信頼される日本、そういう関係がまた良い日米関係を作っていくことに役立つという良い循環を作ること、これは私自身も何年も前から言っていることですが、福田総理が仰る共鳴外交、「日米同盟とアジア外交の共鳴」という非常に深い意味を持った言葉だと思います。そういうことを進めていきたいという風に考えております。それから、北朝鮮の問題につきましては、これも総理から指示のあったことですが、核、拉致、ミサイル、この問題を国際社会と連携しつつ解決を図っていくということです。三点目は、平和協力国家としての外交を進めるということです。PKOの問題やアフガニスタンの問題など、その他諸々の問題もありますが、例えば防災、貿易ということにつきましても、努力をしていくということです。それから、地球規模の問題、環境の問題、あるいは食糧価格、エネルギー価格、そういうことにつきましても、他の省庁と連携して取り組んでいって欲しいということが総理から指示のあったことですから、そういうことに全力を尽くしていきたいという風に考えています。私から申し上げることは以上です。

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北朝鮮問題

(問)北朝鮮の拉致問題ですが、8月11日にテロ支援国家指定解除があるかもしれませんし、そのような中で日朝協議が全然進んでいません。今回再任された訳ですが、引き続きどのようにして北朝鮮の問題を打開していく考えですか。

(外務大臣)6月中旬に、日朝実務者協議でお互いに約束したことがあるのですが、その「約束対約束」の段階を「行動対行動」の段階に移すために全力を尽くしていきたいと思います。色々なところでそういう働きかけを行っているところです。

(問)中山恭子さんが拉致担当大臣になりましたが、心強い援軍だとお考えですか。

(外務大臣)なるべくそういう知見のある方が、多くの力を合わせて行っていくのは良いことだと思います。

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外務大臣会見記録(平成20年8月1日(金曜日)14時07分~ 於:本省記者会見室)

内閣改造

(外務大臣)辞表を書いて参りました。朝、お別れ会見のようなことをお話しましたので、更に付け加えることもありませんが、何かありましたらお答えしたいと思います。

(問)改めて、留任されるかどうか感触のようなものはありますか。

(外務大臣)全くわかりません。

(問)福田総理からは、どのようなご発言があったのでしょうか。

(外務大臣)全閣僚に対して、よくやって貰ったという労いの言葉がありまして、その上で次の組閣が終わるまで、皆さんは現職の大臣だから、ぎりぎりまで仕事をして頂きたいというお話がありました。

(問)総理の表情はいかがでしたか。

(外務大臣)どうでしょう。まあすっきりしたという面と、名残惜しいという面と色々ではないでしょうか。

(問)麻生さんが新しい幹事長に内定したことに関しては、どのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)総理がお考えになったことですから、結構なことだと思います。元々福田総理のお考えは挙党態勢ということでありますが、より一般国民に対して、挙党態勢だということがきちんと伝わることになったと思います。

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外務大臣会見記録(平成20年8月1日(金曜日)10時50分~ 於:本省記者会見室)

内閣改造

(問)今日、福田総理が内閣改造を行いますが、大臣自身が留任されるかの予感も含めまして、現在の心境をお聞かせ下さい。

(外務大臣)予感はありません。福田総理がお決めになることですから、どちらの予感もございません。

(問)改造内閣に大臣として期待する、望むことは何ですか。

(外務大臣)きちんと仕事ができる人を配置して、その仕事を国民の皆様から評価されるようにしていくことが必要なのだと思います。国民のための仕事をしてそのことが国民に分かって頂けるようにするということに適した方を福田総理はお選びになるのではないかと思っています。

(問)大臣の所属された現福田内閣に対する評価をして頂けますか。

(外務大臣)たくさんの課題を背負って内閣が出発した中で、それぞれ今できる精一杯のことを私もしたつもりだし、各閣僚もされただろうという風に思っています。そのことが国民にしっかり伝わったかというところは、また色々問題があろうかと思います。やはり、各課題に対してしっかりとした対応を行い、それが国民のためになるようにし、そのことが国民に分かってもらえるようにすることが大切だと思います。国民のためになる方向で仕事をしたということでは、私はかなりの部分していると思うのですが、それが十分国民に伝わったかということについては、まだまだ私を含めて、反省すべき点があるのかもしれないと思っています。

(問)党の方の留任も決定されているわけですが、それについてどのように。

(外務大臣)これは総理がお考えになったことなので、私の口から言うことはありません。

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在任期間についての感想

(問)今回、大臣としての、ご自身の仕事の総括をして頂けるでしょうか。

(外務大臣)「対米外交とアジア外交の共鳴」ということを福田総理が仰っております。その共鳴外交を進めるという立場から、私も進めてきた訳です。元々私は、日米関係が良ければ、それはアジア外交を進めるのに資する、そして、対アジア関係が良くなってアジアから信頼される日本であることが、対米関係をより強固にすることに役立つと、その「良い循環」を作れと言ってきました。「良い循環」という言葉をずっと前から使ってきた訳ですが、「対米外交と対アジア外交の共鳴」と言った方が少し奥が深そうな気も致します。私もそういうラインで一生懸命やってきました。補給新法は、大変苦労しましたが、今までの法律の単純延長ではなくて、あのような法律を作るというところからそれを通すまで大変苦労致しましたが、防衛大臣、官房長官、もちろん総理もですが、一緒になってこの法案を通し得たということは大変良かったという風に思っています。それから、アジア外交も基本的には良い方向で進んできたと思っています。特に、東シナ海のガス田の問題については、まだまだEEZを引くという根本的な解決にはなっていませんが、今の段階では戦略的互恵関係ということを具体化・具現化する、現時点における日中両国にとって“win-win”のことをできたという風に思っております。相対的総括から言うと、個々の案件は色々ありますが、相対的総括から言うとそういうことでしょうか。

(問)大臣は、小渕内閣でも外務大臣になられて、大分色々環境も変わって日本外交が置かれている難しさを色々と実感されるところもあると思いますが、それについて一言いただけますか。

(外務大臣)外交が難しくないという時は、未来永劫なかなか来ないと思います。その時その時で懸案がありますので、大きな方向として我々が予見し得る長さで言えば、やはり日米関係は今後とも大切で、日米同盟関係をしっかりすることが日本が位置する対アジア関係を良くすることにも資するし、そしてそのアジアから信頼される関係を作ることが、日米関係を益々強固することに役立つ、そういう構図というのは、しばらく変わらないだろうと思います。100年後や200年後はどうなっているか分かりませんが、我々が予見し得る範囲で変わらないのです。そういう意味で福田総理が仰った「共鳴外交」というのは非常に含蓄のある言葉だし、良いことだという風に思っています。

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