(外務大臣)私から今の第一セッションについて説明いたします。第一セッションは議題が北朝鮮とイランでした。昨日、北朝鮮から申告が提出されたと、大事なことはこれをしっかり検証して、そして最終目的である核の放棄に繋げていくことが大事だと、こういうことで一致しました。私は、ヒル米国務次官補に特に発言を求めて説明を聞いたのですが、ヒル次官補が、これは北朝鮮を信頼するというゲームではなくて、しっかり検証するというゲームだ、ということを言っていたのが印象的でした。正にこれから検証していく、そしてそれを最終目標である核の放棄にどう繋げていくか、しっかり繋げていくことが重要であるということで一致しました。それから、拉致問題については、全出席者から理解と支持を得られました。イランについては、対話と圧力のデュアルプロセスが必要であると、国際社会とイランが協力をしていくようにG8が一致して求めていくということです。
(問)大臣からは拉致問題について、日本の立場についてどのように協力と理解を求めたのか。
(外務大臣)これは日本人にとって極めて重要であるのみならず、人道・人権の問題として、この問題については国際社会が協力することであると申し上げた。これに対して、全員の理解と支持を得られた。皆で協力してくれるということです。
(問)北朝鮮が核兵器を含まない核開発計画の申告を中国に提出して、直ちにホワイトハウスがテロ支援国指定解除を議会に通告しました。今後45日間でこの申告を検証することになると思いますが、日本はこれで拉致問題等状況を動かす梃子が失われたという見方もありますけれど、そういうことも含めて一連の動きをどう見るか。
(外務大臣)申告したこと自体はいいことですね。北朝鮮が申告したこと自体はいいこと。問題は、その中身です。この中身についてはしっかり検証していかなければいけない、これは当然のことです。そしてもうひとつは、その申告したことに伴って米国がテロ支援国家指定解除についてその意図を議会に通報したと、こういうことでありますが、米国は「行動対行動」ということで、現時点で意図を通知したと、こういうことです。米国も当然しっかり内容を検証していくと、こういうことです。米国は、今、ブッシュ大統領が記者会見で言っておられましたが、拉致問題については、米国は決して忘れることはないと、日本に対して協力していくということですから、この45日間を含めて、どう拉致問題に結びつけるか、そしてさらに解決に結び付けていくか、そういうことをしっかりやっていきたいと、こういう風に思っております。明日、ライス長官とも二国間会談を行いますので、そういう中身をしっかりやっていきたいと、こういう風に思っています。
(問)G8外相会談の中では北朝鮮について議論がなされたのか。
(外務大臣)今日は北朝鮮問題はやっていません。明日やることになります。今日はアフガニスタン、ミャンマー、そしてアフガニスタンと密接な関係のあるパキスタンについてやりました。特にアフガニスタンとパキスタンの国境の部族地域についてG8で支援の梃子入れをしていこうと、この地域だけで、G8だけで40億ドルの支援をしましょうと、そして150のプロジェクトを行うことも決めました。そしてこのアフガニスタンの問題について、まさに議長声明と別に独立する文書を出すことになりました。このことについては、明日改めて、議長声明あるいはアフガニスタンの独自文書をしっかりと発表できると思います。
(問)核計画の申告には、完全な申告を求めてきた訳ですが、核兵器が抜け落ちていることについてはどう考えるか。
(外務大臣)それは、核兵器があった方がより良かった。一番大切なことは、これは途中経過ですから、最終的に核の完全放棄に繋がる、核の完全放棄に資するような申告であるかどうかをしっかりと検証してきたいと、そういうことです。
(問)検証の結果、資することにならないということになればどうなりますか。
(外務大臣)資することにならない、ということになれば、「行動対行動」で、これは米国としても十分でなかったと判断することになるだろうと思います。資するものでなければ、私たちは、そういう意見を米国に申し上げることになるし、米国も資するものでないということであれば、それは当然、引き返す勇気を持たれるのではないかと考えます。
(問)ペリーノ米大統領報道官が北朝鮮の核申告が26日に行われると期待を込めて述べていますが、日本側の受けとめとテロ支援国家指定解除についてどのようにお考えですか。
(外務大臣)米国は、「行動対行動」の原則、これは六者会合全体を支配している理念でありますが、北朝鮮の申告が行われれば、解除する意図有りということで、議会に通告するということを言っている訳です。具体的に、北朝鮮が本当に26日に申告をするかどうかということについては、はっきりした情報を私は持っていません。米国側は、これは相手がきちんとした申告をすれば解除するという意図表明であると、それから45日間きちんと状況を見るのだと。これは議会でそれを承認するかどうかということにある訳で、そういう中で日朝関係の進展振りも当然考慮するし、もちろん、米国として最重要なのは、この核の申告が、申告ということに値するものであるかどうか、そしてその後の状況、そういうことを見極めるのだと言っている訳であります。
(問)45日間の間に、例えば日朝協議で合意された再調査ですとか、「よど号」事件犯人の引き渡しなどの進展がないような場合はテロ支援国家指定解除を米国に対して反対されるのですか。
(外務大臣)我々の立場は、これからも日米間で緊密な協議をして、出来るだけ米国の協力を得て、そして拉致の問題も進めていくと、こういうことに尽きるので、そういうことから近くライス米国務長官ともお会いしますし、話をしていきたいと思っております。
(問)26日に北朝鮮が申告する見通しだと米政府が報道官を通して公に伝えている訳ですけれど、米政府は日本政府へ外交ルートを通じてきちんと、大臣のおっしゃったとおり、「行動対行動」ということで、そういう申告があれば、結果としてテロ支援国家指定解除に入るということを日本政府に説明を既にしてあるのでしょうか。
(外務大臣)色々なレベルで伝わってきております。
(問)日本政府が拉致問題の進展がない限り、テロ支援国家指定の解除をしないで欲しいという風に米国にこれまで要求してきた訳ですが、もし仮にこの時点で米国が速やかに解除すると、日本政府の言ってきたことと齟齬は生じませんでしょうか。
(外務大臣)これは米国が持っているカードなのですよね。米国内法に基づく、米国が持っているカード。私たちは出来るだけそのカードを拉致問題の進展についても使わせて欲しいと言ってきた訳です。それについて今までも米国は協力してきていますが、十分かと言えばもっと協力して欲しい、というのが日本政府の考え方です。ですからそういう立場から私は、ライス米国務長官と話がしたいと思っております。ですから、解除することにマルかバツかいうことではなく、カードとしてどこまで使えるかということを、日本政府は精一杯使わせてもらえるように努力をするということです。
(問)今週末に京都で日米外相会談が予定されていますが、その会談までは解除しないでほしいとお考えなのですか。
(外務大臣)もっと使わせて欲しいという日本政府の考え方は、米国側に既に十分入っていると。そうした中で、米国が言っている説明では、これは意図通告であって申告が出たからすぐに解除するという訳ではないと。これからも見守るし、その後の45日間も精一杯協力する。それから核の申告に問題があるような場合は、その手続きを止める事だって有り得るのだと、それが米国側の考えであります。
(問)45日間ある訳ですけれども米国側はその解除を見直すかどうかということは拉致問題ではなく主に核問題に掛かっているということでしょうか。
(外務大臣)主としてね。ただ同時に米国側は拉致問題を忘れていない、精一杯協力すると言っている訳で、その精一杯というのはどこまでかということを、日本側としては精一杯行うということです。
(問)ライス国務長官との会談では解除措置がもしあった場合は日本側は具体的に何を米国側にお願いしますか。
(外務大臣)精一杯協力して欲しいと、そういうことです。それは、私たちは拉致の問題だけを言っているのではなくて、核の申告の問題も本当にこれでいいのかという話もしている訳ですね。その両方を含めて十分でなければ引き返すことも有り得るべしということですから、十分でない時は引き返してということは申し上げたいと思います。その十分というのは、日本側と米国側で緊密な協議をすると。同盟国ですからね。
(問)申告ですが、先に大臣は申告が不十分な場合でも前進させることを優先させる考え方もあり得ると仰ってますけれども、出て来た申告がこれまで日本が言ってきたような完全且つ正確な物でなかった場合、日本としては完全且つ正確でなければいけないと今後も追及していくお考えですか。
(外務大臣)前から言っているように最終目標は、非核化。ですから完全な廃棄です。全ての核の廃棄。それに資するものであるかどうか、それに資するものである為には、前から日本が言っている完全かつ正確な申告でなければいけないということが日本の基本的立場です。日米間だけでなく、五カ国の中で色々な考え方があるので、最低限確保しなければならないのは、最終的な核の廃棄に繋がるかどうかということで、完全かつ正確な申告の範疇に入るかどうかということは、他の国との緊密な協議の中で決めていくということです。その中で日本側の考え方もかなり米国は理解していると思います。例えばヒル米国務次官補と会った時に、子供がテレビゲームをやったと、日本製だったと、レベル2をきちんとしておかなければ、レベル3がうまくいきませんねとヒル米国務次官補自身が言ってましたから、日本の考え方も相当理解していると。どこかの国、一国の意見で全てが決まる訳ではなくて、六カ国の中で、特に日米韓では緊密に連携し、そして中国とも連携し、そしてロシアとも連携し、最後は北朝鮮にも働きかけて、出来るだけ我々が思うようなところに持っていきたいというのが我々の考えです。
(問)北朝鮮が申告をして米国が「行動対行動」の原則で議会に解除に向けた通告をしたとしても日本としては直ちに憂慮する事態ではないとお考えですか。
(外務大臣)コップの中の水半分みたいな話で、常に我々は憂慮すべき状況から少しでも良い方向に持っていくことをしながら活動していると、こういうことです。
(問)米国が解除した場合、日米関係には影響はあるのでしょうか。
(外務大臣)当面言っているのは議会に対する解除通告。解除は先の話で、解除された時の状況がどういう状況であるか、日米間の話がどういうことか、そういうこともよく見ないで影響があるかとかないとか、外務大臣が申し上げるべき話ではないと思っております。あらゆる問題で日米間の問題は、日米間に影響しているかと言えば、影響しているという訳です。その影響がどの程度であるかということは外務大臣が申し上げる話ではないと思っております。悪い影響があるとすれば、それは最低限の影響にするように、そして最低限の影響にする為には、米国にお願いすべきことはしていくということであります。
(問)一昨年夏に根室の漁船がロシアの警備艇に銃撃を受け拿捕されるという事件がありましたが、その船体をロシアの国営企業に譲渡したということですが、その事実関係と船体引渡の交渉についてどのようにお考えですか。
(外務大臣)報道はよく承知をしております。事実関係は日本政府は掴んでおりますが、情報源との関係で申し上げにくい。先般ロシアに行った時、私はその船体を返して欲しいと言っている訳です。当然、北方領土に関する我が国の基本的立場から言っても絶対に受け入れられない。それから船といっても、人道上の問題もあって受け入れられない、返せと言っている訳です。向こうの正式な裁判で没収ということが決まったので、それを返す気持ちはないというのが向こうの立場です。我々はそれを受け入れていませんので、粘り強く言い続けるつもりです。
(問)韓国で行われた主要経済国会合(MEM)ですが、長期目標については、数値目標を合意出来なかった。G8サミットで長期目標について合意出来るかというと危ぶまれているという見方もありますが、特に米国がこの問題については非常に堅いということで、今後、米国に対して日本としてはどのように説得に掛かっていくお考えですか。
(外務大臣)堅いのは米国だけではなく、中国、ロシアといった国も堅い訳です。しかし、この問題は大変困難な問題ですから、匍匐前進、ゆっくり進むということ。この前のMEMの会合もバックした訳ではない。全く前進がなかった訳でもない。少しは前進している訳ですよ。これをやはりG8サミットの中で更に前進させ、G8サミットの直後の首脳会議も含めて、あらゆる会議を通じて前進させていくということが大切なことです。米国が言っている、これからCO2が伸びるのは新興国なんだから、そこを入れなければ全く意味がないというのは正論です。それから新興国が言っている、今までこんなにしてしまった責任は先進国に主としてあるから、先進国から行うのが当たり前だと、これも正論です。両方が正論でガチンコで見合いになっていると進まない訳で、両方に働きかけながら、そして、あちらもするよと言いながらもう片方を説得するいうことでなければ出来ない訳です。そういうことを行う力、技術は日本は相当なものだと自負してますので、実行します。
(問)ハイリゲンダムより前進させたものができる自信はあるのですか。
(外務大臣)それはそうでしょう。
(外務大臣)報道の中に誤った報道がありまして放置しておくと著しく国益に反すると思いましたので、その事実関係を正しておきたいと思って、急遽、お集まり頂いた次第です。その報道はTBSの6月21日土曜日17時半からの報道です。齋木アジア大洋州局長が北京から日本に帰って来て、そして総理執務室で総理、官房長官、私、中山補佐官等を交えて報告を受けました。その会議の模様ですが、その報道によると万景峰号の入港を全面的に解禁する方向で話し合いが進んでいたと、こういったことになっており、そしてそういった後に私の顔写真が出て男性の声で「万景峰号の入港禁止措置を解除すべきだ」、それに反対もあって「人道支援物資の運搬に限るべきだ」という条件が付いたと、こういう報道振りであります。
100%嘘であります。私に全く取材もない。こういう100%嘘の報道を公共の電波を使って流す、とんでもないことだと思います。あたかも日本の外務大臣が現在の時点において万景峰号の全面解禁を求めたというようなことは北朝鮮に誤ったメッセージを送る、国益に著しく反する、これは、正しておかなければいけないと思って、急遽お集まり頂いたという訳です。
宋日昊(ソン・イルホ)大使と齋木局長はギリギリの交渉を行ってパッケージを持って帰った。こういうことでありまして、ここを変えるとかあそこを変えるとかいうような会議ではありません。そしてそのパッケージを最終的には全員一致して了承したということです。官房長官の会見での説明振りをもう少し解りやすくした方が良いのではないかという意見があって変えたところはありますけれども、宋日昊(ソン・イルホ)大使と齋木局長が話し合って作ったパッケージ、それをどちらかが一方的に変えるとか変えないとかという、そういう話ではないのです。そういうパッケージを認めるか認めないかという話をして全員一致で認められたと、事実関係はこういうことであります。持って帰って、こっちの中であそこは良いよ、ここはだめだとつまみ食いする話ではないでしょう。まさにギリギリの交渉をしてパッケージを持って帰った、それを認めるか認めないか、こういう話です。ですから最初から万景峰号の寄港を全面解禁という話は誰もしていません。最初から人道支援物資輸送のために解禁するということで、人道支援物資の輸送について、それはどういうことかという質問は確かにあったため、そういうことに対する答えのようなことについて官房長官の会見に解りやすく入れた方が良いのではないかという話は確かにありました。ですが、パッケージが変わったというようなことはありません。
もう一回言います。日本の外務大臣が現在の状況の下で万景峰号の寄港を全面解禁しろと、全面的に認めろと、そのような主張をしたということが北朝鮮に伝わればこれは極めて誤ったメッセージとなって国益を害することは著しい。公共の電波を使うところはよくそういうことを考えて頂きたい。よろしくお願いしたい。
(問)この件でこのような形で発言されて、他に文書か何かで正式に抗議はされるお考えですか。
(外務大臣)文書かどうかはまだ解りませんが、これから色々相談して正式に抗議をするつもりです。
(問)13日の会合の中で一部解除でも反対する意見というのは出なかったのですか。
(外務大臣)最終的には全員が了承したと、こういうことです。
(問)TBSに対して取り消しを求められますか。
(外務大臣)良識があれば自ら取り消されるであろうと思っていますけれど、もちろん取り消しは求めます。
(外務大臣)7月2日に、私は「平和と繁栄の回廊」構想の4者間の閣僚会合を開催します。パレスチナ自治政府からはファイヤード首相、アブダッラー計画庁長官、イスラエルからはエズラ環境相、ヨルダンからはバシール外相等が出席する予定です。ヨルダン川西岸に農業団地を建設して、それをヨルダンを通じて広く輸出し、パレスチナの経済の自立を促そうと、イスラエルも積極的に賛成していますが、これを進めていきたいと思っています。ガザを巡るイスラエルとハマスの停戦といった前向きな動きもある中で、こういう中東和平の側面支援を行っていきたいと思っています。
(問)ライス米国務長官が北朝鮮の関連で、申告が出ればその見返りとしてテロ支援国家指定を解除すると言いまして、それに対して解除も止むなしという話も出ているようですが、昨日も日米韓3カ国の首席代表者会合が行われたのですが、改めて拉致問題にきちんと進展がない以上、テロ支援国家指定を解除しないで欲しいと米国に対して要請する考えがあるのかどうか。それとも昨日要請したのでしょうか。
(外務大臣)米国の立場は一貫していて、テロ支援国家指定解除をするかどうかは、北朝鮮の非核化次第だと。ただその解除の際には、拉致問題を含む日朝関係の進展ぶりも考慮に入れる。そしてその問題については、日本政府と緊密な連携を取っていくと。こう一貫している訳です。核の申告について、北朝鮮が遅れている中で、ライス国務長官は、前半の非核化次第だと、その部分に重点を置いて、正に北朝鮮に呼びかけた訳です。取り消して欲しいなら早く申告しなさいよと、講演の中で言っていたのですね。その中で誰かから、「日朝関係はいいのか」と質問を受けた訳ではないですよね。ですから、講演の中で、前から自分の主題としている、前から一貫しているそのことを北朝鮮に呼びかけるという中で言ったことで、米国側の立場が変わったということではないと、こう理解しています。テロ支援国家指定を続けるか続けないかそのこと自体が自己目的ではなくて、米国はテロ支援国家指定している、そしてそれを解除するというのを、非核化のカードとして使おうとしているのは一貫している訳です。これは米国が持っているカードで、日本は同盟国のよしみとして、拉致を含む日朝関係の進展についてもカードとして使わせて下さいよと。こういう立場でいる訳で、一貫しています。日本としては日朝協議が行われたと、そして、その中で一定の約束が出来たということについては、そのカードがある程度使われたということについて、米国側に御礼を言い、但しまだ十分ではありませんねと。カードとしてはもっと使わせて下さいよということを申し上げているところです。これは拉致の問題だけではなくて、米国が主要な要素として考えている核の申告についても、これだけで本当にいいのですかと。今想定されるこれだけでいいのですかと。核の問題と拉致の問題と合わせて日本政府は色々申し上げているところです。そしてその結果、緊密な協議を続けていこうと、こういうことになっていると、という風に私は認識しています。詳しい報告はこのあと斎木アジア大洋州局長から受けることになってますが、私の認識は当たらずと言えども遠からずと思っています。
(問)日朝協議の結果による一部経済制裁解除とよど号犯の犯人の引き渡しは、米側によるテロ支援国家指定解除のハードルを下げて、ライス長官も解除に向けて言い易くなったということでしょうか。
(外務大臣)米国は米国なりにこのことに協力したという自負があると思います。ただ、そういうことではなく、このカードがどのくらい使えるかという話です。核の問題にしても日朝協議、端的に言えば拉致の問題でどの位使えるかということについて日本とすればもっと使えるのではないですかという立場であると。これから緊密な協議を行うということです。
(問)来週ライス国務長官と会われますが、そのことは大臣から改めて言うのでしょうか。
(外務大臣)ライス長官も、ヒル次官補も、日本の立場はよく知っていると思います。更に、私は当然言います。
(問)申告についてですが、昨日の日米韓の首席代表会合で申告の内容について、核兵器を含まないということで一致したという一部報道がありますが、日本としては以前より立場は一貫して核兵器その他全てを含むと主張してきたと思うのですが、そういう事実はあるのでしょうか。
(外務大臣)核兵器について含まなくていいですよと日本政府が現時点で言ったという事実はありません。要するに申告が目的ではなくて、非核化、完全な廃棄が目的なのです。日本政府とすれば完全な廃棄に向けては、今きちんとした申告が必要だという考えを持っていますが、必ずしも米国だけではなく、そこの点は少し緩くしても次に進んでその中で行った方が非核化という目的を達成するのに少し膠着状態を進ませた方がいいのではないかという考えも有り得るので、その点についてはこれからも緊密に協議し続けます。何れにしても最後の非核化ということに対してどちらの方がいいか。膠着状態を続けてもこの第二段階を完全に行うという主張を我々は持っていますが、ただそこは過程なので、最後の目的を達成するためにどちらがいいかということを日米韓でまず行って、最後に中ロも含め、最後の最後には北朝鮮も含めてどうするのかということになって、これは交渉ですから、これからどう進んでいくかということですが、何れにせよ、日米、日米韓として更に中ロと入れて緊密な協議を行っていきたいと思います。
(問)現時点の日本の立場としては色々な方法がある中で、日本は固い方だということですか。
(外務大臣)日本の立場が緩んでいる訳ではありません。これは五カ国が一致して北朝鮮に働きかけなければならないことです。まず日米、日米韓が一致して働きかければいけないことですから、そういう中でどれが最後の目的、非核化、核の廃棄を行うことにどちらが繋がるか。その目的を達成するためにどちらがいいのかという協議を緊密に行っていくということです。
(問)昨日国会で経済制裁解除の時期について議論されていたと思いますが、よど号犯の協力が先に進んで、再調査の話が進まなかった場合、よど号犯では具体的な行動が示されたとみなして、制裁の一部を解除を行うという可能性はあるのでしょうか。
(外務大臣)日本の制裁解除は、今、北朝鮮側が調査を行います、よど号犯の引渡しに協力しますと、この二つを約束した訳ですよね。こちらは一部の制裁を解除しますと約束をした訳です。両方とも今の段階では口約束です。それに対して、行動対行動の原則から言えば、まず北朝鮮側に実行という調査に着手して頂かなくてはならない。よど号犯の引渡しの協力に着手して頂かなくてはいけない。調査には若干時間がかかるかもしれませんが、着手したと、そしてその調査が単に形だけではなくて、本当に生存者を発見して日本に戻してくれるということに向けた真摯な調査であるということを日本側が判断した場合に一部制裁の解除を現実に行います。そう判断したけれど実際は違ったということになれば、向こうが大きく一歩を踏み出せばこちらも大きく踏み出す、向こうが小さく一歩を踏み出せば、こちらも小さく一歩踏み出す、向こうが小さく一歩踏み出したと思ったけれど実は踏み出していなかったということになれば、こちらは踏み出したものをまた戻すということは十分有り得る。こういう態勢で行っている訳です。
(問)再調査の話が進まない段階では、一部経済制裁解除は行わないということでしょうか。
(外務大臣)再調査の実行に着手していない段階ではなかなか難しいでしょうね。
(問)よど号事件の話だけが前に進んでもでしょうか。
(外務大臣)両方でしょう。効果が2つで有効になるので。
(問)生存者の帰国に繋がる再調査ということですが、生存者というのは拉致被害者12人の内まだ、7人が発見されていない訳ですが、この7人を指すのか、それとも特定失踪者は範囲を広げると際限ないと思いますが、この生存者というのはどれを指すのでしょうか。
(外務大臣)我々は確認出来ていないけれども拉致された人全員ということです。特定失踪者の中には拉致された人と拉致されていないかも知れない人がいる訳で、現時点で民間の調査会もはっきりと分からないという訳ですから、現実に拉致された人全員生存者を返して頂く。そういう調査を真摯に始めたねという認識が日本政府で得られれば日本も一部を解除するということです。皆さんご存知の通り、一部解除した部分は、効果の部分で言えば余り大きくない部分であるということです。
(問)そういうことは発見したとか実質的な調査が始まればいいということですか。
(外務大臣)日本政府が調査の仕方を見て、それが真摯で生存者を見つけて、返すための調査だという認識が出来ればそれはその段階で一部解除ということは有り得るということです。但し、先ほど申し上げたように、そう思ったけれどもそうではないねということになれば、一歩踏み出したものを一歩バックするということもあります。そのバックするということは、制裁を復活させることで、それはいつでも日本政府の一存で出来るということです。
(問)北朝鮮が調査を始めましたというだけでは一つの調査だとは思うのですが、踏み出したと位置づけるのは難しいのではないでしょうか。
(外務大臣)それは、日本政府がどう判断するかということですから、それは我々が判断するということです。
(問)調査の方法はこれから詰めるということですか。
(外務大臣)調査の方法を詰める中で、それが本気かという心証を得られるかで、心証を得たとしてもその心証が間違いだったということも有り得るので、全く間違いで、口だけで解くためだけに言ったということであれば、バックするということは有り得るということです。
(問)昨日の日米韓の協議で韓国側の代表がエネルギー支援に日本も加わるように提案したという報道がありますが、これについて日本の立場は変わらないのでしょうか。
(外務大臣)日本の立場は北朝鮮が具体的な行動をとって、日本もエネルギー支援に参加出来るような態勢をとって欲しい。北朝鮮次第です。現時点でそういう環境は整っていないというのが日本の立場です。
(問)その話は伝えたのでしょうか。
(外務大臣)伝えたと思います。思いますというのは、これから具体的な報告を受けますので。
(問)アフガニスタンですが、政府の発表によれば、調査団が帰国したということもありますが、今行っている資金に加えて人的貢献という必要性も認識されているかと思いますが、どういう可能性を現時点でお考えでしょうか。
(外務大臣)何を行うかということと、何が出来るかということが、必ずしも一致していない。最終的に政府が行うのは、何が出来るかという中で何を行うべきかということを最後は決める訳ですよね。ですから我々は何が出来るかということをもう少し探求していきたいと思います。まだ出来るか出来ないか、それはもちろん、根底にある憲法の問題などがありますけれど、最終的には国会の判断がどうなるかと、国会の判断の前に与党の判断がどうなるかと、そういうことも含めて何が出来るかということを検討していきたいと思います。出来れば、行った方がいいということは、余り早く言うことが、現実に出来るということに良いことかどうかということもありますので、現時点ではこの位に留めさせて頂ければと思います。
(高村外務大臣)東シナ海資源開発問題につきましては、5月の胡錦濤国家主席訪日時に日中両首脳間で解決の目途がつきまして、その後、細目を詰めて出来るだけ早く合意することで一致していたところです。また、今月14日の日中外相会談においても、私と楊外交部長の間で細目を詰める作業を加速化することで一致したところでした。その後、事務レベルでの作業を終えて、今般、東シナ海における協力につき、日中間で政治的合意に至りました。詳細は配布した合意を御覧頂ければと思いますけれども、双方に利益をもたらす互恵的な内容になったと思います。今般の合意は東シナ海を平和、協力、友好の海とするとの首脳間の共通認識を実現するための第一歩として、境界画定が実現するまでの過渡的期間における双方の法的立場を損なわないことを前提とした協力です。具体的には東シナ海の北部において共同開発を行うこと、白樺の中間線中国側において中国側が既に開発に着手した場所における開発に日本法人が参加することを主たる内容としています。今般の合意は、日中両国はどんなに困難な問題であっても、話し合いを通じて解決出来ることを示す好例であり、「戦略的互恵関係」の具体的な成果として、日中関係の発展にとって喜ばしいと思っています。今後中国との間で今般の政治的合意を実施するため、必要な国際約束を締結するための交渉に入り、出来るだけ早期に合意が実施に移されることを目指したいと思います。
(甘利経産大臣)経済産業省も外務省と協力しながら、中国側と3年半以上にわたりまして真剣且つ厳しい協議を行ってきました。その結果、日中両国は互いの困難を乗り越え、双方に利益をもたらす互恵的な合意に至ることが出来ました。今後はこれまでの協議で培われた日中間の信頼関係に基づきまして、合意に至った北部海域及び白樺油ガス田において、日本側として開発を着実に行うべく、準備を進めていきたいと考えています。今回の合意は東シナ海における協力の第一歩ですので、今後更なる協議を進めまして、東シナ海が平和、協力、友好の海となるだけでなく、日中の重要なエネルギー供給源となることを期待しています。
(問)両大臣にお聞きしますが、共同プレス発表の中で「境界画定が実現するまでの過渡的期間」となっていますが、「今後も引き続き協議を継続していく」となっており、境界線画定については日中両国で協議を続けていくということのようですが、なかなか難しい問題だと思いますがどういった協議を行っていくのかと。また、白樺の取扱いですが、中国の法律に従って日本が参加するとなっていますが、日本が白樺に出資するとは言えると思いますが、白樺について共同開発するということにはならないと思いますが如何でしょうか。
(高村大臣)境界線を引くというのは、基本的立場が異なっていますので極めて長い交渉になるだろうと思います。今回の合意が出来たからすぐ出来るという話ではないと思っています。ただ、何れにしてもいつかは解決しなければいけない問題だと思っています。それから白樺の話は日本側が引いた中間線よりも中国側で既に中国が開発したところに日本側法人が出資するという内容であって、これを共同開発と言うかどうかは定義の問題だと思います。既に中国側が開発に着手しているところに出資する訳ですから、北部におけるフィフティ・フィフティの共同開発と全く同じということは言えないとは思いますが、共同開発と言うかは、言葉の定義の問題だと私は思っています。
(問)この後、条約の締結に向けて事務レベルで交渉すると思いますが、いつ頃を目途に条約を署名までもっていくお考えでしょうか。
(高村大臣)出来るだけ早くというほかありませんが、政治的合意が出来ているのでそんなに時間はかからないと思っています。
(問)胡錦濤中国国家主席が訪日する機会もこれからあると思いますが、年内に、例えば首脳間で条約を調印することも有り得るのでしょうか。
(高村大臣)それは、絶対ないとは言えませんが、特にそういう時にどうだということではなくて、できるだけ早く、淡々と進めていくということでしょう。
(問)先ほど甘利大臣は「日中間のエネルギー源として」と仰っていましたが、本件海域についてどのようなお考えをお持ちなのでしょうか。
(甘利大臣)これから共同開発或いは資本参加していくということになる訳ですが、特に北部海域につきましては精密な調査が必要です。現状で得たデータの中では有望な地層であることは間違いない。ただ、そこにあるのがガスなのか油なのかあるいは水なのか、これは詳細な調査及び試掘を行わなければ分からない訳です。地層的には確率が高いということですので、我が国近旁にそういう海域があるということはエネルギー安全保障にも資することであると考えています。
(問)北部海域の協力範囲が概念図として示されていますが、ここには中間線が引かれていませんが、中間線はこの北部海域のどの部分を通るのかと、中間線がこの海域の中を通る場合、日本側と中国側の面積はほぼ均等と理解してよろしいでしょうか。
(高村大臣)中間線が中を通ることは間違いありません。中国側は元々中間線を認めてはいませんが、仮に中間線を引く場合は、日本が引いた中間線と違いますよ、と。中間線は認めていないけれども、そういうこともあるわけです。中間線の引き方も色々ある訳です。したがって、共同開発区域内において、日本が引いた中間線のどちら側の面積がどれだけということを計算することはあまり意味がないと思いまして、そういう計算はしておりません。そしてこの海域は、神奈川県より広いくらいのところでありますが、その全体を開発する訳ではなく、その中で特定の部分で日本と中国が一致したところを開発するということでもありますから、共同開発区域内で中間線のどちらが広いとか狭いとかは意味のあることではありません。
(問)今回の合意ですが、実質的に日本側の主張が通った合意に見え、逆に中国側が譲った形に見えるのですが、そのあたりは如何ですか。
(高村大臣)交渉ですから、両国にとって手放しで100%ということはないのだろうと思いますが、それでも、今回の合意は双方にとってハッピーなことだと思っています。我々にとっても良かったし、中国側も全体的に見て良かったと思ったから合意したのだと、このように認識しています。
(問)今回の合意が日本の資源安定供給においてどういった意味を持つのかということを改めてお聞きしたいのと、もう1点は、今回の合意が日中のエネルギー協力を進める上でどのような意義があるか伺いたいと思います。
(甘利大臣)まず我が国の資源安全保障上、どのくらいの位置を占めるかについては、はっきり言って、実際に試掘してみないと分からない部分はあります。ただ懸案事項に一定の解決が出来、過渡的な期間での対応ではありますが、共同開発が出来たということは極めて大きな意味があると思います。安全保障上の意義もさることながら、政治的にもそれ以上の意味があると思います。それから日中の資源協力は色々な場面で行っていますが、その大きな成果として一つの実績になるのではないかと思っています。
(問)東シナ海のガスの埋蔵量はとても少なく、日本は試掘してもあまり利益が得られないという報告もあるようですが、甘利大臣はどのように考えていますか。
(甘利大臣)地層的には現在のデータで見ますと、十分存在が確認できると。ただ詳細は、これからの調査によるものだと思います。これは民間主体で行う訳ですが、可能性としては、とにかくペイするだけのものはあるのではないかと今の時点では期待しています。
(問)中間線付近のガス田は他にも幾つか発見されていると思いますが、何故、白樺と翌檜だけが選ばれて、他の部分が選ばれなかったのかということと、中国の外交部の副報道局長が昨日、白樺については中国の主権の範囲内であり、共同開発とは関係ないと発言しましたが、本件についてはどのようにお考えですか。
(高村大臣)北部海域は、翌檜ではありません。翌檜より少し南部のところです。確かに、これまで幾つか問題になっている油ガス田はありますが、一番大きな問題である白樺について、日本が引いた中間線よりも中国寄りの開発ではあるけれども、ストロー効果があって、日本側のものも取られているのではないかという可能性があるということが、一番大きな問題になっているわけです。その一番大きな問題を片付けましょうということと、それから全く新規の場所で平和協力友好の海とする新たなシンボルとして新たな共同開発域を定めたということで理解して頂きたい。残った部分については、継続協議ということです。中国側が、これは共同開発ではないと言ったということについて、私はこれは定義の問題と申し上げて、中国側がこれは共同開発ではないと言うのであれば、それは違いますと異議を申し立てるつもりはありません。とにかく我々は、既に中間線の中国側で中国側が開発しているところに日本法人が一定の資本参加をするということを勝ち取った。それを共同開発との言葉で呼ぶか呼ばないかということは、どうでもいいことです。
(外務大臣)イランで誘拐され人質になっていた中村聡志さんが無事救出されたということで、この点についてはイラン政府に対して心から御礼を申し上げたいと、こういう風に思っております。この事件発生直後に私はモッタキ外相に電話をしまして無事、早期に解決して頂けるように全力を尽くして欲しいとお願いしました。その際同外相よりその無事と早期のどちらが大切かと言われ私は文句なく無事だということを申しました。時間は掛かりましたが無事解放して頂いたことは大変有難いことだと思っています。それから危険情報が出ている所、特に渡航自粛勧告が出ている所には日本国民は是非行かないようにこの際改めてお願い申し上げます。
(問)日朝協議の結果を受けて、今後次の話し合いなど見通しは如何でしょうか。
(外務大臣)具体的には未だ水面下で日程調整等、色々行っているところですが具体的に申し上げられることは現時点ではありません。日本政府とすれば北朝鮮側が約束した拉致問題解決に向けての調査或いは「よど号」乗っ取り犯人の引渡しに協力するということ、それが真摯に取り組まれているかということを見極めた上で一部制裁の解除の決定をすると、こういうことであります。
(問)見極めた上で一部制裁の解除をするということですが、拉致家族会の方から内容について必ずしも納得していないとか失望したとか言われていますが、それらを受けてどのようにお考えですか。
(外務大臣)家族会にしても多くの日本国民にしても今までのいきさつから北朝鮮の言葉だけでは信用出来ないということがあることはよく分かる訳で、そういうことも含めて私どもとしては約束したことを真摯に取り組むことを見極めた上で行うということは極めて当然のことだろうと思っています。
(問)北朝鮮のテロ支援国家指定解除の問題ですけれど、これまで日本は米国に対して、慎重な態度を求めてきたと思うのですが、それは今回の日朝合意を受けて変化はあるのでしょうか。
(外務大臣)これからも緊密な連携を取り続けます。要するに、テロ支援国家指定を続ける、指定解除してはいけない、そのことが自己目的ではなくて、例えば米国とすればテロ支援国家指定解除というカードを使って、非核化を進めようと、こう考えておられるのだと思うのですよね。日本の態度からすれば、そのテロ支援国家指定解除というカードを米国が持っているのであれば、私たちも、例えば日朝関係、例えばその中で重要な拉致の問題を進展させるカードとして、私たちにも使わせて下さいよという立場で、そういう中でずっと連携してきた訳です。多くのマスコミが、昨年中にも解除されるのではないかという報道をされてましたよね。しかし、日米の連携の結果、結果というそれだけに求めるのは違うかもしれませんけれど、そうした結果もあって、未だに解除されていない。ですからこれからも連携を続けます。出来ることであれば、進展と言ったって進展の具合はたくさんある訳ですよね。だから、出来るだけその進展に、カードとして日本政府としても使わせて下さいねということで、アメリカと連携を取り続けているということです。
(問)日中のガス田の協議ですが、合意に向けての見通しは如何でしょうか。
(外務大臣)細部を詰めているところです。具体的なことは一切申し上げられません。
(問)ガス田協議に関して今まで中国は日本に対して抗議を行った時もあったのですが、何故今回合意出来そうな段階まで来たのでしょうか。
(外務大臣)そういうこともあったかも知れませんが、色々とお互いの言い分を聞いている中で、中国側がそこには日本側が言っていることにも一理はあるぞと。或いは日本側としても中国側のここにはそれなりの理屈があると。そういうことをお互いがお互いの立場を理解して進めていくと、最終的には話がつくことが双方の利益であるということは解りきったことでありますから、お互いが合理的になれば、ある一定の線は見い出せると。そういうことが着々と進んできたと。そして細部を詰める作業段階に至ったということです。但し、交渉というのは細部を詰めるのに1時間で出来ることもあれば、1年間掛かることもありますので、途中で色々言われることはそれぞれの国内状況が難しくなるということもありますので、私からは具体的なことは一切申し上げられないと、こういうことを言っている訳です。
(問)地位協定についてですけれども、1956年の日米合意で在日米軍の公務の範囲を、飲酒まで拡大することが合意されたということが明らかになりましたけれども、飲酒を公務とすることについての外務省の見解をお聞かせ下さい。
(外務大臣)ちょっと具体的には分かりませんが、明らかになったといっても、どこでどう明らかになったのですか。
(問)一部で報道されているのです。
(外務大臣)一部報道されたら明らかになったというのか、私はよく分かりませんが、事務方にそうなっているのかどうか聞いた上で申し上げたいと思います。
(問)米軍がレンタカーを利用して高速料金が免除されているということなのですけれど、在日米軍の報道官が娯楽の移動、例えばディズニーランドに行くといったそのような娯楽移動の場合でも高速料金を免除されるのが正当なのか見解をお聞かせください。
(外務大臣)私的な娯楽移動の場合に、一切合切含まれるということを言っているのかどうか分かりませんが、在日米軍の報道官の言ったことを確認した上で、判断しますが、個人的な娯楽移動が、一切合切そういうことに含まれるというのは、私の立場では言えません。その報道官の言ったことは正確に確認しないといけませんので、娯楽的要素があっても、場合によっては日米安保条約全体の効率的な運営に資するといえば、全くないとも言えないかもしれません。そういうことは個々のことに当たって判断しなければいけないと思います。繰り返しますと、私的な娯楽、個人的にレンタカーを借りて、全く娯楽で行く、それが一切合切そういうことに当たるんだよと、本当に言っているのかどうか確認をしたいと思います。
(問)タクシーの接待の問題ですけれど、再調査、改めて調査した結果というのは出たのでしょうか。
(外務大臣)まだ聞いていませんが、新しくおかしなことが見つかったという報告は全く聞いておりません。最終的結果はまだ聞いておりません。何も私が怪しいと思って再調査を指示した訳ではなくて、念には念をということで指示したのだと、こういうことであります。最終結果が出たら、当然私に報告があると、こういう風に思っております。
(問)公務員の公費の出張のマイレージの件ですが、外務省ではどのくらい実態を把握していらっしゃるかどうか。今後どのようにするのでしょうか。
(外務大臣)具体的にどうするかというのは事務方にお聞き頂きたいのですが、マイレージそのものを自粛するというのは、先ず外務省で決めて、そのことを内閣官房に報告したら全省庁で行おうということになったという経緯であります。外務省が先ずそれをしようと。具体的にそのことをどうするかは事務方にお聞き頂きたいと思います。例えば私が外国に行く時も私はいちいち管理できませんから、やはり事務方に行ってもらわないと仕方がない訳です。それを遺漏なく具体的にどう実行するか、事務方に聞いて頂きたいと思います。
(問)魚釣島沖における接触事故について、日本側と台湾当局ではどのような話をしているのでしょうか。
(外務大臣)日本と台湾の双方において、この問題で日台関係を悪くしないようにしましょうということは一致しているところです。お互いができるだけ冷静に対応することが大切であると思っています。台湾当局も冷静に対応して頂けるように期待しています。
(問)まずアフガニスタン支援の話について伺いたい。
(外務大臣)今回の会議をG8に如何に活かしていくかという点が課題である。この支援国会合は2002年に東京で日本が第一回会合を主催した会合であり、自分としても是非出席したかったものである。
日本は今次会議で5.5億ドルの支援表明をする。今までの14.5億ドルとあわせて20億ドルということになる。
これはアフガニスタンが自ら国作りをするのを支援するということだが、日本としては非合法武装集団の武装解除、いわゆるDIAGというものだが、そういう治安分野、あるいは農村の問題、道路等のインフラ整備、教育を重点分野として拠出金を使用するよう、支援するということである。
午前中は国際機関やNGOから話があったが、これから正に支援国からスピーチが行われる。色々なアイデアを聞いて参考にしたい。この結果をふまえて、G8外相会議ではアフガニスタンを主要議題の一つにしたいと思っている。今次会合で議論したことをG8で補完していきたい。本日、G8でアフガニスタンに係る独立文書を作ることについて数人の大臣から了解を得た。事務方同士では既にその話が進んでいるため、G8としても外相会議でアフガニスタン自身の国作りを支援するということをしっかり打ち出していきたいと思っている。
(問)アフガニスタンには自衛隊の調査団等も派遣されているが、今後の自衛隊の派遣も含めた貢献についての見解如何。
(外務大臣)広く可能性を探っている。だが自衛隊が動く場合には法律が必要であるため、今の国会情勢を考えれば法律を作るのは並大抵ではないというのが事実である。それはそれとして、日本としても幅広くどういうお手伝いができるかという可能性を探っているところである。
(問)日朝実務者協議での進展如何。
(外務大臣)具体的には聞いていないが、真剣な協議が行われた。中には建設的と思えるような話があったと聞いているが、いずれにせよ具体的な話は聞いていない。
(問)同協議において、斎木アジア大洋州局長に北朝鮮より、拉致について広範囲の説明があったということだが事実関係如何。
(外務大臣)今自分自身パリにいるため、帰国次第報告を受けることになっている。
(問)簡単な報告すら受けていないのか。
(外務大臣)先ほど自分より述べた程度の報告であり、1~2分簡単に聞くという程度の報告を間接的に受けただけであり、自分は直接聞いていない。帰国時点で報告を受けるのでよいと伝えた上で自分もパリに来た次第である。
(問)一部報道で、昨年のIAEA査察により北朝鮮の核施設で日本製の真空ポンプがウラン濃縮に転用されていたと伝えられているが、事実関係と、そのような転用に対する見解如何。
(外務大臣)捜査当局が動いており、いずれにせよ捜査中であると理解している。捜査の結果を知りたいと思う。
(問)今日ライス米国務長官と会談されて、その中でテロ支援国家指定解除につき具体的にどのような話をされたのか。
(外務大臣)まず日朝実務者協議が実現できたのは米国の支援のおかげであり、感謝する旨述べた。その上で、北朝鮮側が何か一歩踏み出せば、日本としても踏み出すということだが、どういう踏み出しがあったか、又はなかったのか、現時点では報告を受けておらず、報告を受けた段階で米国にも連絡するので、その上で現実に米国と議論していきたい旨伝えた。
(問)具体的に解除についての話はあったか。
(外務大臣)現時点では実務者協議の結果がわからないため、日朝協議の結果を聞いた上で、いずれにせよ日朝協議は米国も実施すべしと協力してくれたので、その結果については米国にも伝える必要がある。その上で日朝間で協議することが多くあると思うという旨述べた。
(問)折りにふれ米国に伝えている、テロ支援国家指定解除には拉致問題の進展を考慮してほしいということは今日は話されたか。
(外務大臣)今日は特に述べていないが、いつも伝えている。今正に日朝関係が動くか動かないかという時であり、その結果を米国に伝えた上で緊密に協議をしていきたいということである。
(問)ライス国務長官より日朝関係について注文や意見はなかったか。
(外務大臣)日朝についての意見はなかった。核の申告については、自分より、核計画まで全部含むべきだと述べた。いずれにせよこれから検証可能な形でおこなうのが大事だと述べた。
(問)情報がないということだが、現時点の感触は。
(外務大臣)報告を受けていない状況で今色々言っても仕方ない。帰国後報告を受け、総理、官房長官も含めて、結果を相談する。あいまいな情報で色々述べるのは百害あって一利無しである。
(問)先ほどの、中には建設的な提案があったという件については如何か。
(外務大臣)具体的には全く報告を受けておらず、建設的な提案があったと斎木局長が感じたというのを人づてに聞いたということである。いずれにせよまだ具体的に報告は受けていない。
(外務大臣)この度、外務省として、二国間の投資協定を戦略的に活用していこうという方針を取りまとめました。経済成長戦略にも入れて、経済財政諮問会議に提出したいと考えています。実際のニーズがどういうところにあるのか等を考えて、資源国やそれぞれの地域の拠点国、そういったところと積極的に結んでいきたいと考えています。
(問)二国間の投資協定についてですが、外務省としてどうお考えになるのか、そして実際に二国間の投資協定を結ぶためのプロセスはどうお考えですか。
(外務大臣)今の日本の経済ですが、貿易収支の黒字よりも投資収支と言いますか、所得収支の黒字の方が大きくなってきている訳です。そういう状況の中でこれから少子化も進む中で日本の国内経済は経済としてきちんとしていかなければいけませんし、貿易も物作り立国で行っていかなければいけませんけれど、それと同時に投資をしてそこから利益を得ると、そういうことも行っていかなければいけない訳です。そういうことや私は好ましいこととは思いませんが、世界の中で資源の囲い込みみたいなことも行われるかも知れないと。そうかも知れなければそれに対応する対策を取っていかなければいけないでしょうと、そういうことで言えば、資源国に対して投資をしやすい状況にすると、そういうことを行っていかなければいけない。こういうことですから、中東とかアフリカか或いは中南米とか中央アジアとか、そういうところを中心に資源や或いは地域の拠点国だかそういうことに着目をして行っていきたいと思っております。今までも随分行ってきたのですが、二国間の投資協定、或いはEPA等にもそういう条項が入っていますから、そういうことを少し加速化させる必要があるのかなと、こう思っています。
(問)明日、日朝の公式協議が行われますが、会議を行うだけではダメで、拉致被害者の帰国というような具体的な進展が得られそうなのか、現時点でどのような見通しをお持ちでしょうか。
(外務大臣)現実に被害者がすぐ帰国出来るというような楽観的な感じは持ち得ない訳ですが、全員の帰国に向けて何らかの進展があると強く期待しながら日朝協議を行ってもらいたいと思います。大きな進展があればそれに越したことはないのですが、すぐに大きな進展というのは難しいのかなと。会議を行うだけでは仕方がないので、何らかの進展を得なければいけない。楽観的にはなれないけれども、期待はしているということです。相手側が大きく一歩を踏み出して具体的な行動をとれば、我が方も大きく一歩を踏み出した具体的な行動をとるし、相手側が小さく一歩を踏み出せば、我が方も小さい一歩を、小さい具体的行動をとるということになるのだろうと思います。それぞれが具体的行動をとるということは、六者会合で双方に求められていることですから、まず相手方が行うべきことを行い、こちらがそれに対してどれだけの行動がとれるのかという評価をこちら側が行うということです。
(問)今朝、魚釣島の領海で漁船が巡視船とぶつかったようなのですが、ぶつかった背景はどうなっているのでしょうか。
(外務大臣)まだ聞いておりません。とりあえず閣議の前に国交大臣からそういう話がありました。もちろんその前にもニュースで聞いていましたが、後から詳しくまた報告を受けられると思ってます。
(問)単なる漁船なのか、政治目的の船なのかについては分かっているのですか。
(外務大臣)分かるか、分からないか想像の域で言えば色々ありますが、はっきりと今、私がこうだと言える情報を持ち合わせていないということです。
(問)各省庁で問題になっているタクシーでの接待の問題ですが、外務省では調査の結果無いと聞いていますが、非常に残業も多い役所ですし、各省庁揃ってこれだけ出て来ると少し意外な感じも受けたのですが、外務省は無いというのはどういう背景でそのような結果になったとお考えでしょうか。
(外務大臣)調べた結果そうであったということで、それは皆さんの評価が「大したもの」という評価なのか「怪しい」という評価なのかは解りませんが、もう一度調べています。一度調べて無いということでしたが、更に完璧を期すべく努力をしていく、こういうことであります。
(問)国会の会期末が近づいており、会期を一週間程度延長する等の話も出ておりますが、日・ASEAN経済連携協定をはじめ条約案件がなかなか成立しませんが、如何お考えですか。
(外務大臣)私としてはASEANとの経済連携協定を含む6条約を是非とも通して貰いたいと思っています。これは自民党も公明党も、要するに与党も野党も賛成していた条約でありますから是非とも通して頂きたいと、こう思っております。どうやって通すかは国会の問題でありますから私がどうやって通すかについては口を挟む積もりはありません。とにかく結果として通して頂きたい。それが私の願いであります。
(問)アフガニスタンの支援国会合については大臣の出席も含め如何されるのでしょうか。
(外務大臣)パリで行われるアフガニスタン支援国会合には、是非とも私自身が行きたいと考えています。ただ、これは国会の関連からいって最終的には国会の判断に委ねざるを得ない。こういうことであります。
(外務大臣)齋木アジア大洋州局長が明日、明後日、中国に出張します。北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)大使と話し合いをすることになります。現在の日朝関係の状況とこれからどうしていくか、そういったことについて話し合うと。そういうことであります。
(問)日朝協議ですが、拉致問題で進展は望めそうでしょうか。
(外務大臣)今回は公式ではなく非公式会議で、次の作業部会、公式な会議について予備的な話をするということですから、向こうが何かを考えていきなり出して来てくれればそれに越したことはないですが、余り、明日明後日の会合でそれ程大きな期待をしている訳ではありません。
(問)関連してですが、六ヵ国協議、首席代表者会合が、来週にもという話が報道で出ているのですが、その辺りの見通しはどうでしょうか。
(外務大臣)何とも言えません。申告との関係とか、未だ結論的な事は言えないと思います。それから日朝の公式協議がどうなるかということも絡むかも知れません。
(問)申告がまだ出ていない状況ですけれども、その申告が出る前に六ヵ国協議の首席代表者会合を開く可能性もあるということですか。
(外務大臣)色々検討をしています。色々協議をしているということで現時点で確定的なことを申し上げる訳にはいかない。こういうことです。
(外務大臣)カンボジアで総選挙が行われますので、これに対して日本から7月下旬に25名程度の監視団を派遣します。
(問)アフガニスタン関係ですが、来週12日にパリで支援国会議がありますが、大臣はその会議に出席されるお考えでしょうか。
(外務大臣)国会が大詰めなので、そのこととの関係でどうなるか検討中です。
(問)出来れば出席したいとお考えですか。
(外務大臣)もちろん、行きたいと思っています。但し、国会も極めて私を必要とする時期に入るかも知れませんので、義務の衝突というか、どちらを選ぶか、或いは国会の方が極めて良識的な判断をして頂けるか、そうしたことも含めて検討中です。
(問)アフガニスタンへの自衛隊の派遣を検討する意義と背景はどうですか。
(外務大臣)検討と言っても、この前記者会見で申し上げたとおりです。
(外務大臣)四川省の大地震について、5億円を上限とする追加支援を決定して、昨日テント400張を送ったところですが、明日にでも更にPKO事務局と防衛省のテント800張を送るべく準備中です。
(問)テントですが、明日800張送るということですが、現地では相当足りないということですが、更なる支援はお考えでしょうか。
(外務大臣)ないとは言えないでしょう。現時点で具体的に検討しているのは既に送ったものプラス明日の800張ですけれども、更に送るということについて、私はそういう可能性を排除する必要は全くないと思っています。
(外務大臣)14日に日中韓外相会議を日本で開催します。これはASEANの会議の時に日中韓外相会議が開かれたことはありますが、日中韓だけで集まるのは二回目のことでありまして、その会議を日本で主催するということです。三国間協力の進捗状況或いはこれからどう進めていくのかというのはもちろんですが、それと同時にこの地域の情勢や国際情勢、そういったことを三国間で話し合っていきたい。それから秋に日本で日中韓首脳会議が開かれますので、それに繋げていくということです。
(問)14日には二国間会談の予定は入っているのでしょうか。
(外務大臣)今のところ、まだ決まっておりませんが、可能性を全て排除する訳ではありません。
(問)日中韓外相会合では北朝鮮の核問題についての話は議題となるのでしょうか。
(外務大臣)当然話し合われると思っています。
(問)その時に「申告」がされているかどうかは分かりませんが、どのような話が行われるのでしょうか。
(外務大臣)その時の状況によりますが、「申告はしなくてもよいよ」という方向の議論は致しません。あるはずがないと思います。
(問)北朝鮮問題ですが、6月に入りまして、「申告」がなされるのか、なされないのかを含めて、状況をどういう風に御覧になってますか。
(外務大臣)まあ皆が一生懸命努力している状況の中で北朝鮮がそういうことを狙っている訳ですが、然るべき申告をしっかりと出して欲しいというのが我が国の立場でありますから、そういう方向に向けて各国が努力し、北朝鮮にも言って、一定の動きはあるのではないかと。但し今の段階では満足だねと言えることではないと、私はそう思います。
(問)北朝鮮の申告問題が動くと、拉致問題も当然動かなければいけないと思いますが、日朝についてはどんなお考えですか。
(外務大臣)日朝関係を進展させるべきだということを我が国は強く言っておりますが、それと同時に米国その他の国も北朝鮮にそういう働きかけをしてくれていると、そういう風に承知しています。そして北朝鮮側も何らかの動きはしなければいけないと、こういう風に考え始めたのではないかという期待を持っております。
(問)日中間のガス田問題ですが、現在の進捗状況と14日に楊外交部長が来日した時に決着が図られる見通しはあるのでしょうか。
(外務大臣)現時点で、日中韓3ヵ国外相会議までにとか、その際にとか、そういうことを考えている訳ではありません。
(問)中国の四川大地震の影響で交渉が停滞しているようなことは考えられますか。
(外務大臣)それは何とも言えないでしょう。それがなかったらそれが出来たかという話はそう簡単に決めつけることは出来ないと思っていますが、何れにしても首脳同士の話し合いの中で決着の目途が付いた話でありますから、なるべく早く決着しなければいけないと思っています。
(問)インド洋の給油活動ですが、特措法の期限切れが来年に迫る中、更に延長することが臨時国会のテーマになるのではないかと言われる一方で、与党の方で一般法のプロジェクトチームを含めて議論が進んでいますけれども、外務大臣として日本はどういうふうに対処していくお考えですか。一般法の議論が進んでいる一方で、特措法を延長するということ、要するに一般法を作るという方向と特措法を延長する方向とある中でどう対処するのですか。
(外務大臣)必要最小限のことは、日本のために、補給新法というよりも、インド洋で補給をし続けることが絶対に必要だと。その手段として補給新法の延長ということが考えられますし、更に広い一般法というものも良いのではないでしょうか。これは手段の問題ですから。全体的に国会がどう考えるか、各党がどう考えるかも含めて検討していかなければならないと思います。ですから必要最小限のことは、この「インド洋における補給を続けていかなければいけない」という観点から、補給新法を延長するのか、或いは一般法の方が良いのか。どちらも通るということになれば、それは一般法の方が良いかも知れません。或いはどちらが通りやすいか、補給新法を延長するという方が通りやすいのかどうかということも含めて内閣全体、或いは与党全体で、野党のお考えも聞きながら決定していくことだと思っています。
(問)アフガニスタンですが、給油活動以外にも陸上も含めて検討するという考えを官房長官が述べられましたが、政府として具体的に検討されていることはあるのでしょうか。
(外務大臣)その検討段階の話ですが、ある意味広い範囲でニーズが何処にあるのか、或いはその場合リスクはどのくらいあるのかということを、広い範囲で更に何か出来ることがあるかと、バクッとしたそういう検討というかどうかはあります。特定のここが出来そうだ、こうしよう、その為の法律を作ろうというそういう検討はまだ着手には至ってないということです。要は広い範囲でアフガニスタンのために何が出来るかということの検討は以前からしており、そのことを一般に検討というのか、言葉の問題だと思います。
(問)先日福田総理が気候変動に関しての中期目標について前向きの姿勢を示されていたのですけれども、大臣のお考えとしてサミット前に中期目標を出すか出さないかについてはどうお考えでしょうか。
(外務大臣)これは、地球温暖化に関する懇談会が総理の下である訳でして、そこで今検討を加速しているところであると承知しています。ですから、我が国の長期目標と中期目標をいつ出すのが一番効果的かということも含めて、中身、具体的にどれだけということも含めてこの懇談会で検討しているところです。サミット前に中期目標を出すか出さないかに拘わらず、検討は加速しなくてはいけない、こういう風に思っています。