記者会見

外務大臣会見記録(平成20年5月)


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外務大臣会見記録(平成20年5月28日)

ミャンマーのサイクロン被害

(外務大臣)ミャンマーのサイクロン被害に対して明日午後から国際緊急援助隊23名を派遣する予定です。期間は2週間の予定です。場所は一番被害の大きかった南西部のラブッタです。この医療チームが少しでも役に立てればいいと期待しているところです。

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中国西部で起きた大地震への支援

(問)中国の地震の関係で、昨日中国政府から物資を輸送するにあたって自衛隊機を含めて検討して欲しいという要請があったとの報道がありますが、どう受け止められているのでしょうか。

(外務大臣)今まさに検討中で、物資を運ぶにあたって自衛隊の輸送機でもいいですよということで、そのことも含めて現在検討中です。

(問)可能性としては如何でしょうか。

(外務大臣)今総理がここ(横浜)におられるので、このことについては総理の考えも聞きたいと思います。

(問)どういった物をどのように運ぶのでしょうか。

(外務大臣)テント、毛布、医薬品、電灯そういった物ではないでしょうか。

(問)なぜ自衛隊機なのでしょうか。

(外務大臣)自衛隊機で運んでくれということではなく、自衛隊機でも結構ですということと理解しています。

(問)中国側のそういった要請は異例だと思いますが、日本政府としては前向きに検討しているということでしょうか。

(外務大臣)出来るだけお手伝いしたいということでありますから、そういった物を輸送手段はどうするかは別にして、具体的な要請があれば応えられるものについては応えたいと思います。

(問)輸送する場所によっては、自衛隊機のほうが相応しいということでしょうか。

(外務大臣)これから検討中で、今は会議でここにいるので、どういったことを検討という話も申し上げられない状況です。

(問)最終的に自衛隊機を使うかどうかは総理の判断ということでしょうか。

(外務大臣)検討することは色々あって、やはり総理の判断も重要です。

(問)民間機だと行きにくい場所なのでしょうか。

(外務大臣)いやそうではなく、私が知っているのはその程度で、むしろ東京におられる方のほうがよくご存じなのではないでしょうか。

(問)検討にはどのくらいの時間がかかりそうですか。

(外務大臣)まだ、わかりません。

(問)中国の地震に対して、日本は緊急援助隊を派遣したりしていますが、どういうスタンスなのでしょうか。

(外務大臣)相当大きな被害が出ていますから隣国としてお役に立つことは出来るだけの支援をしたいというスタンスです。

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クラスター弾に関するダブリン会議

(問)クラスター弾に関するダブリン会議で、国際約束が固まったようなのですが。

(外務大臣)今日議長の案が出るということで、それを見て対応していきます。日本としては積極的に貢献していきたいという総理の強い意思がありますから。

(問)明確な姿勢は決まっているのですか。

(外務大臣)それ(議長案)を見てからです。交渉中ですから、そういう状況の中で日本は良いコンセンサスが得られるように貢献していきたいと思います。

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外務大臣会見記録(平成20年5月27日(火曜日)8時52分~ 於:院内大臣室前)

日・インドネシア経済連携協定

(外務大臣)日本・インドネシア経済連携協定ですが、今日の閣議で発効に向けた交換公文を交換することが決まりまして、6月1日に交換公文を交換します。そしてその1ヵ月後の7月1日に発効すると、こういうことであります。今年は国交樹立50周年ということで日本インドネシア友好年でもあり、これを契機に経済関係、今でも相当深いのですが、更に拡がっていくことを期待しています。

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TICAD IV

(問)TICAD IV(第4回アフリカ開発会議)が明日から始まりますが、今日からも二国間の会談、それから閣僚級の事前会合等もありますが、改めてどのようなことを期待されますか。

(外務大臣)「元気なアフリカを目指して」ということですが、成長の加速化、或いは人間の安全保障、ミレニアム開発目標をきちんと行っていこうということ、それから環境・気候変動、こういったことについて前進させたいと思っております。今日の閣僚の事前会合で「横浜宣言」「横浜行動計画」「TICADフォローアップ・メカニズム」この3つを何とか決めて、明日からの首脳会議に提出したいと考えています。色々とアフリカ諸国にも意見があるようですので、かなり努力を要しますがきちんと行って明日からの首脳会議がスムーズに進むように期待しています。何れにしても所期の目的「元気なアフリカを目指して」を達成するように、総理は超強行軍、私もマラソンぐらい大変ですが、総理はトライアスロンぐらい大変な鉄人レースになるような感じですが、頑張りたいと思っています。

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北朝鮮関係

(問)六ヵ国協議関連ですが、米国のヒル国務次官補が北京に入りまして、今日から金桂冠(キム・ケガン)氏と話をされ、その中で日本の拉致問題に関しても議題になるということで、明日には齋木局長が北京に入って、どのような話になったかを聞くということですが、この米朝協議に対してどのようなことを望みますか。

(外務大臣)核問題の進展と共に、米国はかねてから北朝鮮に対して拉致問題を含む日朝関係が進むように強力に促してくれているので、更にそれに力を注いで貰えることは大変有り難いことですから、引き続いて行って貰いたい、日本政府自身としても努力をして拉致問題を中心とした日朝関係を進めたいと考えています。

(問)何度もお伺いしていることですが、拉致問題で十分な進展が得られない中で、テロ指定解除という事態になることについてはどうでしょうか。

(外務大臣)日本の立場は米国もよく知っているので、特に拉致問題を含めた日朝関係を進めるように北朝鮮に促していると、そのように承知しています。

(問)核計画の申告の中身ですが、やはり、プルトニウムの量等が中心になっており、核兵器等が盛り込まれそうにないという見通しもありますが、その辺はどうでしょうか。

(外務大臣)日本としては、これは将来廃棄すべき核の何を廃棄するか、その範囲を決めるものでありますから、第二段階もしっかりしたものにすることが必要であると思っております。

(問)一部の報道で、米朝協議の中でテロ指定解除の話も当然出てくると思いますが、それに際して北朝鮮が「よど号」犯の4人を北京に追放するといった話も出ているようですが、仮にそのようになった場合、日本としてはそれを進展とするのか、それともそれでは駄目なのか、改めてどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)日本政府とすれば、日本政府自体が色々制裁解除或いは緩和等について、拉致問題の進展が必要であると言っている訳です。それと同時にそのことを米国に対しても言っている訳です。日本政府とすれば、「よど号」犯人の引き渡しについては従来から求めていることですから、それはそれで大変結構なことです。そのことだけで日本政府自体が何かを決めることについての拉致問題の重要な進展と認められることであるかどうかとなると、大変難しい話だと思います。そういう日本の立場は米国にも伝えているということです。

(問)齋木局長が今回、北朝鮮側の金次官と協議する可能性は考えておられますか。

(外務大臣)米国側と緊密な連絡を取ると言うことでしょう。金次官が会いたいというのであれば断る理由はないでしょう。

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外務大臣会見記録(平成20年5月23日(金曜日)8時45分~ 於:院内大臣室前)

食料価格高騰に対応した緊急食糧援助

(外務大臣)食料価格高騰に対する支援として55億7千万円を国連世界食料計画(WFP)等を通じて特にアフリカを中心の支援のために拠出します。これは今後3ヵ月以内で1億ドルと言っていましたが、その中の第一段ということです。この食料価格高騰の問題については来週のTICAD IV、それからG8サミット等で積極的に取り組んでいく積もりです。

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国際刑事裁判所(ICC)裁判官選挙への候補者の指名

(外務大臣)来年の1月、国際刑事裁判所(ICC)の裁判官の選挙があります。現職の齋賀富美子さんを候補者として日本は押したということであり、積極的にICCに人的な面でも貢献していきたいと思います。

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北朝鮮問題

(問)昨日、大臣が米国のライス長官とも北朝鮮問題を話されたと思うのですが、来月にも六ヵ国協議が再開されそうだと。そしてまた、米国が北朝鮮が申告を出すとほぼ同時ぐらいにテロ国家指定解除をするのではないかという見方が強まっているのですが、それについてはどのように考えられていますか。

(外務大臣)二つのことを聞いたと思いますが、一つは六者会合については調整中で、先決問題とすれば、北朝鮮がきちんとした申告をすることだと思います。それからテロ国家指定解除の問題については、米国がそのような決定をしたということではないと承知しております。指定解除をする場合には日本側と協議をするということになっており、その旨米国側は繰り返し言っている訳です。

(問)拉致問題で進展がない場合でも、米国の国内問題なので、致し方がないということですか。

(外務大臣)協議をするということですから、我々は日本側の立場を繰り返し伝えているということです。

(問)最終的に協議をしても米国が解除と言った場合は、それは致し方ないということですか。

(外務大臣)「致し方ない」という言葉の意味は非常に広いので、我々は進展がない段階で解除すべきでないという、ある種日本の立場は伝えてきているところで、米国は日本側と協議をするということを言っている訳です。それで最終的決定権が米国にあるというのはそれはその通り、米国側の解釈の問題で、これは誰もが理解しているところです。

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中国西部で起きた地震

(問)中国の地震の件ですが、今医療チームが行ってますけれど、中国で核関連施設が被災して放射性物質が残されたという報道もありますが、その辺の安全性はどのようにお考えですか。

(外務大臣)中国当局が記者会見で安全性に問題ないと言っているのが一つありますし、我が方大使館からもそのことについて色々問い合わせをしておりますが、そういう安全性で問題ないと回答を得ているということです。

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総理の外国出張

(問)総理が6月1日から5日まで、ドイツ、英国、イタリアを訪問して、食料サミットにも御出席されますが、G8サミット前に外遊されることの意義は何ですか。

(外務大臣)食料サミットは非常に重要なことで、それと同時にG8サミットで初めて顔を会わすという首脳は出来るだけ少なくしておいた方が良いと。お互いに意思疎通して、議長国の首脳として事前に信頼関係を首脳同士で高めておきたいということです。食料サミットについては喫緊の課題でありますから、これに日本の首脳が出席するということは大変意義のあることです。

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外務大臣会見記録(平成20年5月20日(火曜日)9時21分~ 於:院内大臣室前)

中国西部で起きた地震

(外務大臣)中国の地震についてですが、大分日にちも経っていますので、今日にも医療チームを出発させ、そのチャーター便で明日救助チームを帰国させることとしました。救助チームは残念ながら生存者を救助することは出来なかったのですが、合計16名の遺体を発掘して、昼夜を問わず頑張って頂いたことに日本政府としても敬意を表したいと思います。中国政府、国民からも感謝されていると思います。医療チームは、23名ということになる予定です。

(問)医療チームにどういったことを期待しますか。

(外務大臣)まさに医療ですから、救急医療の人たちを送りますので、けがをした人たちに対する手当、それによって一命を取り留めるとか、命に異常がない方も手当をして貰うということです。

(問)医療チームは何時に出発するのでしょうか。

(外務大臣)医療チームは、18時25分成田発チャーター便で出発し、同日夜に成都に入る予定です。

(問)地震の緊急援助隊ですが、相当出るのも遅れましたし、行く場所がミスマッチで、なかなか役割や力が発揮出来なかったと思いますが、どう御覧になっていますか。

(外務大臣)中国が60人という救難の援助隊を受け入れるのは初めてのことで、決定が遅れ、もっと早ければそれに越したことはなかった。ただ受け入れないよりは、受け入れた方が良かったということではないでしょうか。ただ、両国の外務当局同士がかなり詰めて、それなら受け入れましょうということになりました。それから現地政府、中央政府で色々あって、中央政府が受け入れることを決定するまでに時間がかかりましたが、もっと早ければ更に良かったということが言えると思います。

(問)援助隊の帰国は明日ということですが、明日未明ということでよろしいでしょうか。

(外務大臣)成都を離れるのが、明日朝の1時50分で、21日7時20分に帰国します。

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ODA問題

(問)今日アフリカへの対ODAの倍増を決定しましたが、財政の問題もありますがどのように実現していくお考えですか。

(外務大臣)無償・技協は予算で処置せざるを得ません。無償・技協も増やし、円借款も増やすということです。円借款についても、過去の債務救済したところは、原則として円借款を出さないということですが、これから返せそうだね、というところについては、柔軟に対応していきたいと思います。そういったことが民間の投資の呼び水になり、オール・ジャパンでアフリカの成長の助けになればそれは大変結構なことだと思います。

(問)ODAについてですが、昨日財政制度審議会がODA増額を求める声に抑制を求める意見を出して来ましたが、これについて、どう考えられますか。

(外務大臣)財政審議会は必ずその意見を出す役割なのではないでしょうか。ですから、出す前からそういうものを出すことが決まっていますから。その中で意味のあるものについては、謙虚に耳を傾けたいと思っています。ただ、同じ学校を建てるにしても地震があったから潰れてしまう学校を建てるのかそうでないのか違ってくると思います。大地震が起きた時に日本のODAで建てた校舎だけは残っていたということになれば、それは多少金額が高くても意味があることだと言えると思います。確かに差があることは事実ですがそれをもう少し削減出来ないかということは、真摯に取り組んでいきたいと思います。

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六者会合に関する日米韓3ケ国会合

(問)北朝鮮の関係で、日米韓の協議が終わったようですが、どのように内容を聞いていますか。

(外務大臣)まだ詳しい説明は入って来ていませんが、実質的で有意義な会談が行われたという連絡を受けています。これから詳細を聞きたいと思っています。

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外務大臣会見記録(平成20年5月16日(金曜日)9時25分~ 於:院内大臣室前)

中国西部で起きた地震

(外務大臣)今日の閣議で皆さんにはお伝えしてある中国の地震に対して、5億円の支援を決定したということと、緊急援助隊の派遣を決定したことを報告しました。

(問)中国の震災について、被害の状況は明らかになるにつれ大きくなっていますが、日本政府として第2、第3弾の援助隊派遣あるいは支援を考えているのでしょうか。

(外務大臣)中国側の要請も勘案し、そういう用意は当然のこととしてあります。それから邦人の関係で約300人の在留届の提出のある人については全員の無事を確認しました。在留届のない人も50人の無事を確認しました。

(問)中国の援助隊ですが、今日の午後第2陣が出発しますが、その後の派遣は何か決まっているのでしょうか。

(外務大臣)現時点では決まっていませんが、かなり規模の大きいことですから今後有り得べしとの想定の下に準備は怠りなく進めていきたいと思っています。

(問)中国側は日本の援助隊の支援については、どう思っているのでしょうか。

(外務大臣)それは期待していると思いますよ。日本側とすれば、中国側に対して、まさに日本は地震の多い国で、そういうことについての経験、知見、能力があるということで役に立ちますということをきちんと説明して、そういうことであれば中国側より是非お願いしますということで、要請があったのですから、第1陣、第2陣の援助隊を併せて十分な働きをして頂けると期待しているところです。

(問)中国の地震の関連ですが、日中首脳会談で進展のあったガス田協議ですが、まだ詰めの交渉が残っていますが、本件にかかる地震の影響についてどう思いますか。

(外務大臣)それとこれとは、別の話だと思います。

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六者会合に関する日米韓3カ国会合

(問)アジア大洋州局長が今週末から訪米しますが、この時期に日米韓3カ国で確認することの意義は何でしょうか。

(外務大臣)北朝鮮側からプルトニウムについての報告があったので、それについての検証の話やそれだけで「完全かつ正確な申告」と言えるのか、そういったことについて話をしてくるということで大いに意義のあることだと思います。

(問)これまでに出ている資料で大臣として「完全かつ正確な申告」という先の合意を満たすものとお考えでしょうか。

(外務大臣)3カ国で話さなければいけない訳ですが、プルトニウムの報告だけで、それ自体の中身の検証が必要であるということとやはり核兵器計画或いはウラン濃縮計画といったものがないと最終的第3段階に廃棄しなければいけないものの範囲が確定出来ないということで、第2段階の「完全かつ正確な申告」はきちんと行ってもらいたいというのが我が方の立場です。

(問)北朝鮮のプルトニウムだけでは、申告は不十分だということでしょうか。

(外務大臣)そうですね。我が方は、日米韓の中でそういう主張をするということです。

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内政

(問)閣議後は、官房長官と話されていたのですか。

(外務大臣)総理と四方山話をしていました。

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外務大臣会見記録(平成20年5月15日(木曜日)20時52分~ 於:飯倉公館)

ミャンマーにおけるサイクロン被害

(外務大臣)ミャンマーにおけるサイクロン被害に対して3回目の援助物資を送ることを決定致しました。4,300万円相当、この物資の引き渡し式に出席するために、国会が許せば、木村副大臣を派遣することに致しました。ミャンマー社会福祉大臣と共に物資の引き渡し式に出席致します。外務副大臣が行くということになれば当然国際社会の人的支援の受け入れの問題という喫緊の課題があるので、そういうことも木村副大臣の方から要請することになると思っております。

(問)4,300万円分、3回目の支援ということですが、これは具体的にどういう物資をミャンマー側に渡すということなのでしょうか。

(外務大臣)ポリタンクだとか水槽だとか、そういったものを当面、考えております。衛生問題が非常に大きな問題になっているので、そういったことを考えているところです。

(問)今回3回目ということなのですが、この3回目の支援を決めた背景はどういったことなのでしょうか。

(外務大臣)これからますます被害が拡大して行く中で、衛生上の問題も出て来ているということです。それと同時に木村副大臣を受け入れるということですので、国会の承認が得られれば是非とも木村副大臣に行ってもらいたいということです。

(問)今回ミャンマー側は木村副大臣の受け入れを決めた訳ですが、救助の人員、要員の受け入れはまだ決められていないのですが、この状況に対して大臣の認識、今後の対応について聞かせて下さい。

(外務大臣)だからこそ木村副大臣に行ってもらって、そういうことについてミャンマー政府側に働きかけを行うということです。

(問)何日から何日までを想定されているのでしょうか。

(外務大臣)今度の土曜、日曜を想定しております。

(問)引き渡し式自体は日曜日ですか。

(外務大臣)引き渡し式は18日の日曜日ということです。セレモニーはその日です。

(問)物資は日本からなのでしょうか。またシンガポールからなのでしょうか。

(外務大臣)その詳細はまだ私の方で確認をしていませんが、何れにしても日本の援助物資ということです。

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中国西部で起きた地震

(問)中国の方ですけれども、今日、第一陣の要員が成田を発ちましたけれども、この背景、今後の対応などについて纏めてお願い致します。

(外務大臣)31名、北京について今晩遅くか明日未明、現地に到着する予定です。中国側が初めて外国から人的支援を受け入れるということですので、日本としても元々用意していた訳でありますが、直ちに派遣をしたところです。第二陣が30名、また出ることになって、61人が取り敢えず救助活動を行うということです。

(問)第二陣が日本を発つのは明日ということでしょうか。

(外務大臣)残る第二陣は、明日の午後には成都に到着出来るよう出発する予定です。

(問)第一陣、第二陣と派遣し、その後の更なる対応はどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)その後は状況次第ですが、取り敢えず61名が救助活動に当たるという訳です。

(問)更に追加的に要員派遣も有り得るのでしょうか。

(外務大臣)それは勿論有り得ます。あれだけの大災害ですから、本当に、プロフェッショナルはいくらでも欲しいということになるだろうと思います。受け入れ体制はそれほど簡単ではないのですが、阪神大震災の時も救援の申し出があった人を全て受け入れた訳ではないですから、なかなか大変ですが、日本人の救援隊はそれなりの実績がある人達ですから、役に立つだろうと思っております。

(問)中国は今回、受け入れを決めたということですけれども、当初は受け入れに否定的な見方もあったと思うのですが、受け入れることに転換した背景をどう御覧になっていますか。

(外務大臣)それなりの受け入れ体制が出来て、日本の救援隊については役に立つと判断されたのだろうと思いますね。

(問)日本を受け入れることに決めたのは、日本の救援隊が役に立つと判断されたのでしょうか。

(外務大臣)それはそうだと思います。役に立たないと判断されたら受け入れられないでしょう。

(問)援助隊は到着して救助活動に当たるのですか。

(外務大臣)そうです。取り敢えず救助活動です。

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外務大臣会見記録(平成20年5月13日(火曜日)18時50分~ 於:本省大臣室前)

中国西部で起きた地震

(外務大臣)中国の地震被害に対し総理からの指示によって、当面の措置として資金、物資を併せて5億円相当の支援を供与することにしました。これは、中国政府及び国際機関を通じて供与することに決定しましたので、お知らせします。

(問)中国側から何らかの申し入れがあったということでしょうか。

(外務大臣)要請がありました。

(問)どんな形の要請だったのでしょうか。

(外務大臣)総理からの書簡や私からの書簡でも、「出来ることがあったら致します。」と中国側に送ってありましたので、それに対して中国側から宜しくお願いしたい、ということで当面これだけのことを行うことにしました。

(問)人的支援についてはこちらから引き続き求めていくのでしょうか。

(外務大臣)求めるというか、人的支援の用意はありますよと中国側に伝えてありますが、現時点でまだ何も決定していないということでした。

(問)今回の支援の5億円というのは、規模が大きいと思いますが、5億円という規模に決めた理由は何でしょうか。

(外務大臣)相当甚大な被害なので、今までも自然災害等どこの国に対しても規模に応じて支援を行ってきていますが、特に大きいとか小さいとかはないと思います。日本政府として現時点での甚大な被害について相当と思われる支援を行うということです。

(問)当面の措置ということですが、今後も追加的な支援策も有り得るということですか。

(外務大臣)それは更に被害が拡大するということになれば、また考えることも有り得べしということです。先ほども質問がありましたが、まだ何も決まっていませんが、要請があれば人的な支援も行う用意があるということです。

(問)5億円の物資ということですが、内訳はでしょうか。

(外務大臣)内訳はまだ決まっていません。国際機関を通じる場合、国際機関のアピールがまだ出ていない状況ですから、アピールが出た時点でどうするかということになっていきます。

(問)2つ併せて5億円ということですか。

(外務大臣)全て併せて5億円相当です。

(問)本件を表明した際に、中国側から日本側へのメッセージは何かありましたか。

(外務大臣)当然有り難うございましたということはあったと思いますが、私は、まだ聞いていません。

(問)中国側からは具体的にどういう物が必要という要請はあったのでしょうか。

(外務大臣)必ずしもそうではないかもしれませんが、今のところ毛布やテント等備蓄倉庫にある中で、当然中国側が毛布、テントというようなことは言っていますが、これから更に詰めて、どういう物を供与するか決めていこうと思っています。

(問)毛布やテントを送ることになるということでしょうか。

(外務大臣)毛布やテントは当然含まれますが、その他にも何かあるかもしれません。

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外務大臣会見記録(平成20年5月13日(火曜日)9時25分~ 於:院内大臣室前)

中国西部における大地震

(問)中国の地震なのですけれども、被害の大きさが明らかになってきておりますけれども、日本としての物的支援、人的支援、援助に関して今のところどういった状況でしょうか。

(外務大臣)中国側が何を望まれるかということを勘案しながら日本としても検討していきたいと思っております。総理から胡錦濤主席、それから温家宝総理に御見舞いの書簡を出しまして、私から戴秉国国務委員、それから楊潔チ外交部長に御見舞いの書簡を出して、それぞれ何か御要望あれば対応したいと思うので何でも言って下さい、と言ってあるところです。今ちょっと増田総務大臣にお聞きしましたら消防庁も要請さえあれば出す用意があると言っておられました。隣国でありますので、大変な被害が出ているので出来ることは行いたいと思っておりますが、一方でどれだけの要望があるのか、国によっては自分の国だけで行いたいということもあるので、いつでも対応が出来るようにしておきたいと思っています。

(問)今のところまだ具体的に先方から要請はないのでしょうか。

(外務大臣)全くありません。現時点で具体的な要請はありません。

(問)邦人についてなのですが、現地にいる邦人の安否情報についてはどうなのでしょうか。

(外務大臣)今のところ被害にあったという報告は受けていないと聞いていますが、全部連絡が取れている訳ではありませんので、これからも更に確かめていきたいと思っています。

(問)現地には旅行者として行っている方もいると思うのですが、どれぐらい把握されているのでしょうか。

(外務大臣)所謂在留邦人という意味では四川省におられる約4割に当たる約120名の方の無事は確認したということです。あとの方はまだ連絡が取れていないということです。旅行者はまだなかなかつかみ難いということです。

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外務大臣会見記録(平成20年5月9日(金曜日)9時15分~ 於:院内大臣室前)

ミャンマーに対する緊急支援

(外務大臣)ミャンマーのサイクロン被害について1,000万ドルの追加支援を行うことを決定しました。本件については国連機関である、WFP(世界食糧計画)、UNICEF(国連児童基金)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と協力して実施していく予定です。それから、緊急援助隊等人的貢献も行いたい訳ですが、まだミャンマー側が受け入れると言って来ていないので、今日も働きかけます。東京とミャンマーと両方から働き掛ける予定です。

(問)ミャンマーへの人的貢献ですが、例えば艦船を派遣する等考えていますか。

(外務大臣)例えば緊急援助隊とか色々と考えていますが、まだ相手から受け入れるという話がないということです。

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北朝鮮問題

(問)今朝の朝刊に横田夫妻が孫娘の方と韓国大統領に仲介してもらって、韓国で対面するという記事がありますが、中身について真偽のほどをお願いします。

(外務大臣)中身を読んでいません。この見出しだけは見ましたが、私が知らないことだから有り得ない話だということで、中身は読んでいません。そういうことはありません。

(問)北朝鮮と米国の協議の中で北朝鮮がプルトニウムの量について申告を行ったということですが、それについて何か伺っていますか。

(外務大臣)現時点でどこまで何を行ったかということを正確には聞いてはおりませんが、当然、行わなければいけないことであると思っております。

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東シナ海ガス田協議

(問)一部報道で、日中首脳会談で、ガス田の問題について、白樺を中間線を跨いでの共同開発に合意したという話がありますが如何ですか。

(外務大臣)そこまで詰まっておりません。要するに、両首脳が言った言葉以上でも以下でもないということです。

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外務大臣会見記録(平成20年5月4日(日曜日)15時~ 於:カブール国際空港)

 5月4日午後3時、アフガニスタンを訪問中の高村大臣は、アフガニスタン出発を前にカブール国際空港においてスパンタ外相との会談及びカルザイ大統領への表敬等に関するぶら下がり会見を行ったところ、概要以下のとおり。

(問)今回のパキスタン及びアフガニスタン訪問を、これからの外交にどのように活かしていくつもりですか。

(外務大臣)日本自身としてどのように支援していくかも含め、G8議長国としてアフガニスタンを国際社会全体がどのように支援していくか、そして支援をしていくという強いメッセージを出す。そのためにアフガニスタンがどのようなことを国際社会に期待しているかと言うことを聞きたいと思っていましたが、スパンタ外相及びカルザイ大統領から色々と詳しい話を聞くことができ大変良かったと思います。

(問)アフガニスタンが一番要望していることは何だったのでしょうか。

(外務大臣)日本に対しては、今まで本当に良くしてもらっている、国民全員みなそれを良く承知している、今までどおり続けて欲しいということでした。手放しで評価をしてくれているということです。
 国際社会全体に対しても、特別何をしてくれと言うことよりも、アフガニスタンとしてどう考えているかと言うことについて説明頂いた。
 それと同時に日本からもアフガニスタン側に要請をしたのは、よい統治をやってほしい、良い統治によって、アフガニスタンの国民の信頼をしっかり獲得してほしいと言うことです。特に地方において汚職等の色々な問題があると申し上げ、その関連で来年から始まる一連の選挙をきちんとやってほしい、安全に公正にきっちりやってほしいと申し上げました。
 2番目はケシの栽培がいくつかの県で止められているという進展もあるが、全体の量が大幅に減ったかというとそうではない。ケシが通っていく国、或いは消費国に大変な問題を起こすだけでなく、テロリスト達の資金源になるという点でも問題であるので、きっちり対策を立てて欲しいということです。
 それから近隣諸国、特にパキスタンとの協力を上手くやってほしいと申し上げました。
 カルザイ大統領との話の中では、大統領自ら、先に起こった戦争記念日のテロについて、その後どう犯人たちを拘束したりしているかという詳しい説明がありました。
 それから私(高村大臣)から聞いたのは、カルザイ大統領が進めている穏健派タリバンとの和解と、パキスタンの新政権が打ち出した過激派との和解には違いがあるのかと聞いたところ、先方(カルザイ大統領)から非常に興味深い話を聞くことが出来ました。

(問)パキスタン及びアフガニスタン訪問を通じて伝えたいと思っていたことは、伝えられたと思いますか。

(外務大臣)伝えることが出来たと思います。

(問)それに対して、向こうから期待していたような反応、もしくはそのメッセージをきちっと理解したというような反応はありましたか。

(外務大臣)私(高村大臣)が申し上げた3つの点についてしっかり対応すると、カルザイ大統領も言っておられました。実際にやってもらうのはこれからですが、少なくとも会談の中でこの3点は非常に重要であると思うので、自分もしっかり対応するとのことでした。

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外務大臣会見記録(平成20年5月3日(土曜日)13時~ 於:パキスタン外務省)

 5月3日午後1時、パキスタンを訪問中の高村大臣は、パキスタン外務省内にてムシャラフ大統領への表敬に関するぶら下がり会見を行ったところ、概要以下のとおり。

(外務大臣)私の方から、テロとの闘いを指導していらっしゃることを高く評価し、又、パキスタンが安定し発展することは、アジア地域、ひいては国際社会全体の安定と発展に直結するのだという観点から、私たち日本政府はパキスタンを政治・経済の両面に亘って支援していく旨申し上げました。
 ムシャラフ大統領からは、日本の支援に対し感謝の言葉があると同時に、特に部族地域の中に一部存在する過激派に対しては、武力的対応、政治的対応、社会経済的対応があるが、特に社会経済的対応について、日本を始め国際社会の支援をお願いしたいとの発言があった。日本から、教育或いは保険・医療について支援して頂いていることに十分感謝しているが、現在のところ絶対的に足りていない状況にあるという話がありました。
 私の方から、日本としても支援を継続し、更に出来る限りの支援をしていくと同時に、G8議長国として各国にそのようなメッセージを伝えていくとお伝えしました。

(問)ギラーニ首相への表敬においても同様の内容でしたか。

(外務大臣)そうですね、ギラーニ首相或いはクレーシ外相とも、政府として「対話」ということを打ち出していますが、その点について国際社会の中に誤解があるのではないか、あくまでも武器を捨てた者とのみ和解をするのであって、誰とでも対話し和解するということではないので安心して欲しいという説明がありましたので、G8各国に伝えておきますと答えました。

(問)給油活動について話はありましたか。

(外務大臣)給油活動については、クレーシ外相の方から明示的に感謝の言葉がありました。大統領の方からも、給油活動を含むテロとの闘いの総体について支援して頂いていることに感謝するとの言葉がありました。

(問)G8議長国として、今回の会談の内容を今後どのように活用し、G8に繋げていくつもりでしょうか。

(外務大臣)パキスタンだけでなく、いろいろな国から意見を聞いて、その上でテロとの闘いは本当に重要な問題であること、パキスタンには民主化が発展している良い面もあるが、脆弱な点もあり、そのような脆弱な面を国際社会で如何に補っていくかということをそれぞれの国の指導者と協議したい。大統領も首相も外務大臣も、テロとの闘いは軍事的側面だけでなく、政治的側面、社会経済的側面における支援が必要であるということを十分理解して、その上で何が必要かというメッセージをもらったので、それをG8各国に伝えていきたいと思います。

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外務大臣会見記録(平成20年5月1日(木曜日)13時31分~ 於:本省大臣室前)

入国・在留手続きにおける日本語能力の考慮

(外務大臣)かねてから外務省と法務省で在留資格の審査あるいは入国審査で日本語能力を重視するという方向で検討しようということになっていました。その中間報告をしたいと思います。改めて申し上げますが、日本語能力を考慮するというのは規制緩和の方にいくことであって、規制強化の方にいくことではありません。日本語が出来ないから、今までよかった人が駄目ということでは一切ありません。日本語がよく出来る人は今までより優遇する、そういう方向で検討するということです。
 法務省で、在留資格の最長3年を5年にするということを検討している訳ですが、その場合に日本語能力を重視しましょう、日本語が出来る人は優先して5年ということが有り得べしと。ただ日本語が出来ないからといって、今までの3年が駄目になるということではありません。更に日本語が出来なくても、5年ということは色々な他の条件の中で有り得ます。こういうことを行うという方向で、今、検討を前向きに進めているというところです。
 それからもう一つは、日本語を駆使する業務、例えば国際線の客室乗務員といった人達には、積極的に入国を認めるような方向をもう既に明示的に打ち出した訳ですが、それだけでなく、もっと幅広く考慮していきましょうと、そういう方向をこれからも考慮していくということです。

(問)その日本語能力は何で測るのかというのは決まっているのですか。

(外務大臣)それは検討しています。私個人から言えば、それは客観的な試験を行うのが公明正大ではないかと思いますが、それについては色々な考え方があるので、更に検討を進めているところです。

(問)その制度によって、どの位の人が恩恵を受けるということになるのでしょうか。

(外務大臣)これはまだ分かりませんが、日本語を学ぶインセンティブは2つあります。一つは既に日本国内にいる人達が、長く居られるように積極的に日本語を学んで日本社会でより良い生活が出来るようにしましょうということ。それから、将来、日本に来たいという人達が日本語を学べば日本に行ける、という日本語学習のインセンティブになるという2つのインセンティブがあるということです。もう既に日本国内に居る人達に対するインセンティブと、まだ若い人達でこれから日本に行きたいという人達に対する日本語学習のインセンティブ、両方がある訳ですから、今、人数がどのくらいということでは必ずしもありません。

(問)導入のメドというのはいつ頃の時期をお考えなのでしょうか。

(外務大臣)導入と言ってもこれからずっとこういう検討を続けていくということですが、取り敢えず今、法務省で在留制度全体についての法改正を検討していますので、その時一緒に、ある種のことが打ち出せないかということで検討を進めている訳です。場合によっては私がはっきり申し上げる立場ではありませんが、次の通常国会に出すことも検討されているのではないでしょうか。

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高村大臣のパキスタン訪問

(問)明日からパキスタンに行かれるということですけれども、大臣なりの位置づけと言いますか、どういうことを目的に行くのか、一言お願いします。

(外務大臣)パキスタンは一方で民主化が進展しているという中で、テロとの最前線に立って戦っている国です。民主化が進んでいる中で、国内の脆弱な部分もあります。そういう中でこれからもテロの最前線としてしっかりやってください。そして民主化もきちんと進めて下さい。そしてそういう中でその脆弱な部分がなくなって民主化が進むように日本としても支援をするべきことはします、ということを伝えたいと思います。こういう風に思っています。

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