記者会見

外務大臣会見記録(平成20年3月)


INDEX











外務大臣会見記録(平成20年3月28日(金曜日)9時08分~ 於:院内大臣室前)

福田総理記者の道路財源問題に関する発言

(外務大臣)昨日の総理の記者会見ですが、総理の新提案は、正に、これしかないというベストのものであったと思っております。自民党の中でも色々意見があるようですが、ここは総理総裁の下に結集することが必要だと思っております。各野党についても、是非協議に応じて頂きたいと思います。それから、特に民主党は、政局第一にならないように、標榜する通り、「生活第一」の党として、国民生活が混乱しないように協議に応じてもらいたいと、これが私の希望です。

(問)総理の会見について、中には、年度末のギリギリになってこういう提案をするのでは遅かったのではないかという話もありますが、如何ですか。

(外務大臣)そんなことを言っている場合ではなく、今はそれをどうするかという時でしょう。中身が良いか悪いかという話です。あの小泉元総理にしてかけ声だけで手が届かなかったことを、期限を決めてやると言っているのですから、そんなケチを付けないで、皆で応援したら良いのではないですか。

(問)ボールは野党側にあるということですか。

(外務大臣)正に新提案をしたのですから野党側にありますが、自民党の中の結束も必要だということです。

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日ASEAN包括的経済連携協定

(外務大臣)本日の閣議で、日本ASEAN経済連携協定の署名をすることが決定し、本日私が署名を致します。これは各国持ち回りで署名するということになりますが、各国の署名が終わり次第、国会に諮って、批准をお願いするという手続きに入ります。これを基に、日本とASEANの経済関係が、益々活性化すればよいと思っております。

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在日米軍駐留経費負担特別協定

(問)「思いやり」予算ですが、このまま行くと特別協定は年度内には承認されずに、4月にずれ込みそうですが、影響についてどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)これは今までない事態なので、事務的な影響が、具体的にどう出るかというのは定かではない訳です。ただ、もっと大きな観点から、やはり米国においては、信頼を失うとは言わないけれど、減ずることは間違いないでしょう。それから第三国が、日米同盟関係はそれ程堅固でないのかなと誤解する恐れがあります。こんなことがあったって私は堅固だと思いますが、第三国が誤解すると、それだけ抑止力が弱まることは有り得ると心配しています。

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日米地位協定

(問)昨日、民主党、国民新党、社民党の三党が、日米地位協定改訂の統一案を纏めて、合意、発表しましたが、その受け止めについてお聞かせ下さい。

(外務大臣)まだ見せて頂いていないので、見せて頂いた上で検討は致します。検討は致しますが、私達の基本的な考え方とすれば、運用改善で行っていった方が機動的に対処出来、実効的なのではないかと思っております。

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外務大臣会見記録(平成20年3月25日(火曜日)9時46分~ 於:本省会見室)

中国外相の訪日

(問)4月17日に中国のヨウケツチ(よう・けつち)外相が来日されるようですが、それまでにガス田問題、或いはギョウザ問題について、一定の結論を出したいとお考えですか。

(外務大臣)いずれにしても、そこに問題があれば解決するのは早ければ早い程良いです。そう簡単な問題ではないから、鋭意努力しているけれども、いつまでにどうとか、要人の往復までにどうとか、これまで、そういう期限を両国で設定したことはないと承知しています。早ければ早い程良いことは間違いないです。

(問)楊外相がいらっしゃる時に、チベット問題に触れざるを得ないといった趣旨の発言をされていますが、今の時点でどの様なメッセージを伝えるおつもりでしょうか。

(外務大臣)その時どういう状況になっているかということですよね。具体的にどういうメッセージというよりも、私が一般的なメッセージとして申し上げているのは、「これは内政問題であっても、一方で人権について懸念が持たれている問題です。出来るだけ透明性を確保し、オープンにした方が良いですよ。それは、世界が関心を持っている人権のために必要なことであるし、同時に中国のためにも、それが良いでしょう。オリンピックをつつがなく開催するためにも、それが良いでしょう」ということです。その言葉をヨウケツチ外相に伝えるかどうかは別として、私はいつも申し上げています。そういうことも含めて、その時点でどういう状況になって、どういう形で、どういう話をしたらよいかということは、その時点で考えるということです。

(問)楊外相がいらっしゃる時に、大臣としてどのような議題を話し合いたいとお考えなのか、また胡錦濤主席来日を控えてどのような成果を期待されますか。

(外務大臣)一般的な言葉で言えば、戦略的互恵関係を具体的にどう進めるかというのは、その都度その都度、具体的なものを作っていかなければいけません。積極的な分野もあるし、ちょっと躓きの石になっている様な分野があれば、それについても当然話し合うことになるでしょう。皆様はどちらかというと、躓きの石になっているところに関心がある様ですが、そういうことも取り除くか、取り除けないまでも出来るだけ上手く処理することを考えているのは確かです。あるいは積極的に環境・省エネ協力を進めようとか、青少年交流をどう進めようとか、もう既に決まっていることでも更に具体的にどう前進させるかとか、そういった話をしていくことになると思います。

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中国との共同文書について

(問)中国との共同文書の話ですが、以前から大臣は「良いものが作れるなら、作ったらよい」という話をされていますよね。

(外務大臣)そうです。

(問)良いものというのは、大臣はどういうものをイメージしていますか。

(外務大臣)全体的なものですから、何か具体的なものが取れればといった話では必ずしもなく、全体的に双方が一致出来るもので双方の将来にとって良いもの、そして国際社会に対して良い発信となり得るものが出来るのであれば、作るのは結構なことではないですかと申し上げています。

(問)今、日中に横たわっている懸念材料の様なものには、敢えて触れない方がよいということでしょうか。

(外務大臣)必ずしもそうではなく、懸念材料が無くなるようなこと、あるいは懸念が低下するような方向で入れるということは有り得る話です。今、事務的にいろいろ行っており、直近のことは報告を受けていませんのでどうなっているのか分かりませんが、私が腐心しているのは、良いものが出来るのであれば、作ったらよいでしょうということです。

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馬英九・台湾次期総統の訪日

(問)台湾の馬英九次期総統が就任前に来日する考えを示しているのですが、これに対して日本政府はどの様に対応するのでしょうか。

(外務大臣)それは聞いておりませんので、今の段階では申し上げることはございません。

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横須賀市での殺人事件

(問)横須賀で起きたタクシー運転手殺人事件で、その車中にクレジット・カードを残していた米兵が脱走容疑で身柄を確保されており、事件と何らかの関わりがあるのではないかということですが、事情聴取等を求めるお考えは今のところないのでしょうか。

(外務大臣)私が事情聴取を求めるのですか。警察の捜査の過程で事情聴取が必要であれば、当然求めることになるでしょう。

(問)今はその段階ではないとお考えですか。

(外務大臣)それは警察が考えることです。警察が捜査しているのであって、捜査上必要であれば当然求めることになるでしょうというのが、私の一般人としての感想です。

(問)大臣は昨日、参議院予算委員会で脱走米兵に関する情報の共有を進めたいという方針でしたけれども、具体的にどの様に、どんなスピード感で共有するとお考えになっているのでしょうか。

(外務大臣)これも脱走なのか、無断欠勤、いわゆる単なる行方不明なのかというのは、なかなか難しい話です。では、脱走だけにするのか、広げて行方不明にするのか、一時的に居なくなったらすぐにも日本側に通報するのか等、いろいろなことが考えられるので、両方で詰めていく必要があるだろうと思っております。一方的に「こうだ」、「これを要求する」という話ではありません。全体として、何らかの共有を日本側としてはしたいと現時点では考えているということです。

(問)米側と直ちに協議に入りたいとお考えですか。

(外務大臣)それは早ければ早い程良いです。問題があるところは何でも、早ければ早い程良いです。

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高村外務大臣の訪露

(問)大臣のロシア訪問ですが、来月中旬と言われていますけれども、かなり調整は進んでいるのでしょうか。

(外務大臣)残念ながら、それ程調整は進んでいません。昨年、今年の出来るだけ早い機会に日露外相会談を開きたい、お互いに双方の都合のよい時に開きましょうということで一致しています。その中で、双方の都合のよい日がいつか、双方の都合というのは、日本の場合は国会の了承ということも含めて双方の都合のよい時ですから、いろいろ幾つかの候補はあっても、まだ具体的に決まっているという段階には至っていないということです。

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福田内閣発足後半年の所感

(問)福田内閣が発足してから半年が経とうとしていますが、この半年間の外交成果をどう見ていらっしゃるか、また反省点などありましたらお聞かせ下さい。

(外務大臣)成果とか反省点とか、そういう評価は皆様にして頂くことで、私から「これは成果だったよ」とか、「これは反省点だ」とか言うことではありません。私自身が外交の責任者ですから、皆様からご評価頂きたいと思っています。

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国会情勢の外交への影響

(問)ねじれ国会という状況が、外交に与える影響はあるとお考えでしょうか。

(外務大臣)今の国会状況は、「ねじれ」という言葉を使うかどうかは別として、良くも悪くも外交、内政双方に与える影響が凄まじく大きいのではないでしょうか。

(問)具体的に「こういう点が」ということはありますか。

(外務大臣)具体的に悪い影響が出ない様に一生懸命やっているところですから、あまり先走っていろいろ言うと、かえってそれが悪い影響になるかも知れませんので言いません。しかし、やはり一般論として、その時の国会情勢は外交、内政に凄まじい影響を与えるものです。

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外務大臣会見記録(3月21日 TICAD IV閣僚準備会議)

 3月21日、TICAD IV閣僚級準備会議に出席している高村外務大臣は、ジャン・ピン次期AU委員長との昼食会後、会議場宴会場内にて、ぶら下がり会見を行ったところ、概要以下のとおり。

冒頭発言

(外務大臣)

(1) ゴンジュ・ガボン外相との会談

 午前中、ゴンジュ外相と会談を行った。TICAD IV閣僚級準備会議を引き受けて頂いたことに感謝をし、横浜でのTICAD IVへボンゴ大統領が出席いただくことと併せて感謝を申しあげた。先方からは、日本のアフリカ及びガボン支援について感謝の言葉があり、また、この閣僚級会議をリーブルビルにおいて開催できることは光栄である旨話があった。

(2) ボンゴ・ガボン大統領への表敬

 午前中、ボンゴ大統領と会談を行った。短時間の表敬のつもりであったが、40分ほどの会談となった。同会談の中で、ガボンで非常に長い間良い統治を行い、アフリカの平和構築等に大変努力をされていることに敬意を表した。また、TICAD IVに是非参加してほしいと述べたところ、同大統領より、よほどの事がない限り行きますということであった。これに対して、是非、アフリカの長老である大統領に、横浜宣言を提案する役割をしていただきたいと申し上げた。その他、ボンゴ大統領からは、日本の支援に関して感謝の言葉があり、特に、漁業支援に関しての感謝の言葉が述べられた。

(3) ジャン・ピン次期AU委員長との会談

 ジャン・ピン次期AU委員長に対しては、次期AU委員長になられることに祝意を申し上げた。AUという組織はアフリカ大陸においては、押しも押されぬ存在になっているので、豊富な経験を生かして、存分に重責を果たしてほしいと申し上げた。これに対して、同委員長からは、感謝の意が述べられた。また、同委員長は、外務大臣であった時から、TICAD IV閣僚級準備会議の準備に関わっていただいたことに感謝を申し上げた。特に、同委員長は、かつて国連総会議長を務めていた際、安保理改革について非常に努力を頂いた方なので、会談中8割位は安保理改革の話だった。なぜ安保理改革が進まなかったのかというようないろいろな情勢に関する意見交換を行った。アフリカで大部分の国が、日本の常任理事国入りに賛成しており、日本のみが候補であれば、簡単に入れるであろうといった話があった。そういうことも含めて、これは安保理全体の枠組みを改革する必要があり、どうしたらよいか、是非お知恵をお借りしたいと申し上げ、有意義な話をうかがった。

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質疑応答

(問)ゴンジュ外相との会談中、クールアース・パートナーシップといった、温暖化に関してどのような話が行われたのか。

(外務大臣)クールアース・パートナーシップについては、政策協議を始めようということになった。ガボンは、自然環境が非常に良く、13もの国立公園を整備するなど自然保護に貢献していると述べつつ、日本としては、成長と環境を両立させるために努力する志のある途上国に対しては、支援する旨述べたところ、政策協議を進めていこうということに双方で一致した。

(問)ジャン・ピン次期AU委員長との間で、サミットのアウトリーチに関して言及されたのか。

(外務大臣)AU委員長としてご参加頂きたい旨申し上げ、既に出席するとの前向きな返答を頂いている。先方からは、光栄なことであるとの言葉があった。

(問)チベット情勢をめぐって、アメリカ、イギリスが中国に対して自制ある対応を求め、あるいはペロシ議長がダライ・ラマと会談を行うなど、欧米諸国を中心に中国に対し、いろいろな動きが出ている中、日本としては、そのようなことを行う考えがあるのか。あるいは、ダライ・ラマが北京に行く用意があると言及しており、こうした現在の情勢についての大臣の見解如何。

(外務大臣)日本の立場は一貫していて、懸念を持って注視しており、全ての当事者が、これ以上の死傷者を出さないよう、自制をしてほしい、話し合いにより平和裏に沈静化することが望ましいと、これを一貫して述べてきている。これは、委員会の答弁でも言ったように、どういう働きかけをするのが一番効果的であるのかということを私なりに考え、その時点、時点でどういう対処をするか決めていく。21日だったか、北京で宮本大使が何亜非・外交部部長助理に改めて日本の立場を伝えたところである。

(問)大臣自ら、あるいは総理が電話会談を行うことは考えているのか。

(外務大臣)繰り返しになるが、何をしたら一番効果的かということを考え、一番効果的なことを行う。

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外務大臣会見記録(平成20年3月18日(火曜日)9時18分~ 於:院内大臣室前)

G8北海道洞爺湖サミットのアウトリーチ会合

(外務大臣)北海道洞爺湖サミットのアウトリーチですが、2日に分けて何れも北海道洞爺湖で行います。初日の7月7日にアフリカ諸国の首脳を招いて、アフリカ開発に関するアウトリーチ会合を開催致します。この会合にお招きするのは、アルジェリア、エジプト、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアの各国首脳、そしてアフリカ連合の委員長です。そして、これまでにエジプト、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、タンザニア、アフリカ連合より参加受諾の返事を頂いております。
 それから、サミット最終日の7月9日に、主として気候変動に関するアウトリーチ会合を開催致します。こちらは豪州、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、南アフリカの各国首脳を招待しております。これまでに豪州、インドネシア、韓国より参加受諾の返事を頂いております。

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コソボ共和国の国家承認

(外務大臣)本日の閣議において、コソボの国家承認を致しました。国連特使案に沿って国家運営を行う意思を明確にしているところであり、また、コソボの独立が長期的にこの地域の安定に貢献することを期待するものです。セルビアは我が国の伝統的な友好国であり、今後ともセルビアとの友好関係が続くことを期待しております。

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ネパール制憲議会選挙への選挙監視団の派遣

(外務大臣)ネパール選挙監視国際平和協力業務を実施致します。本日の閣議において4月10日に予定されているネパール制憲議会選挙の公正な実施を支援する為に国際平和協力法に基づいて選挙監視団24名を3月下旬から4月中旬までネパールに派遣することを決定致しました。

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高村大臣の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)閣僚級準備会議出席

(外務大臣)それから、国会の承認があればのことですが、3月19日から23日まで、ガボンを訪問し、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)閣僚級準備会議の議長を私が務める予定です。

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チベット情勢

(問)チベット情勢についてお伺いします。昨日、一連の騒乱が始まってから初めて中国の外務省が正式に会見を行い、その中で中国側の治安部隊は非常に抑制された行動をとっており、武器を使用していないといったことでしたけれども、どうも色々見ていますと、やや実態とかけ離れているのではないのかなというイメージを持ったのですが、どの様に受け止められたのでしょうか。

(外務大臣)私としても、事実関係がどうなのかということを知りたいと思っておりますし、色々なところから色々な方法で情報を集めているところです。特に、死傷者が出ていることは間違いないので、この死傷者が拡大しないように、あらゆる関係者に自制を促したいと思っております。それから、中国側に対しては邦人の保護についてお願いしています。もう現時点で大分外に出ている人が多く、10人ほど残っていますが何れも無事であるという報告は受けていますが、邦人保護を更にきちんと行って欲しいということはお願いしています。

(問)基本的に日本の立場は変わっておらず、注視していくということだと思いますが、そういった中でも騒乱が拡大の傾向を見せていき、国際社会でその暴動の実態を調査した方が良いのではないかという声に対して、中国側は、これは内政問題なので、それを拒否するという回答をしています。その点に関してはどの様にお考えでしょうか。

(外務大臣)内政問題ではあるのですが、人権問題というのは、国際社会がそれに対して関心を持つというのもまた当然のことなので、中国の為にもなるべくオープンに、透明にされた方が良いのではないかという感じを持っております。

(問)それは、更に透明性があった方が良いということでしょうか。

(外務大臣)今、申し上げた通りで、なるべくオープンにして、「確かに中国側の言う通り、中国はそんな乱暴なことはしていないな」と国際社会が分かる様にした方が良いのではないでしょうか。オープンにしないと、なかなか「はい、そうですか」と言えない人達もいるのではないかと思います。

(問)ドイツは北京五輪に、これによって参加しないことはないと明確に言っていましたけれども、日本としてはボイコットする可能性はないと考えてよいのでしょうか。

(外務大臣)ないでしょうね。北京オリンピックは成功裡に行ってもらいたいと日本政府としては考えていますし、そうなるように中国側に配慮して頂きたいと思っております。

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日銀総裁人事

(問)日銀総裁を巡る人事がゴタゴタしていて、このままでいくと空白が生まれるかも知れないという状況もあり、それに対して国際社会の方から日本というのは何も決められないのかという厳しい目もあるようですが、その辺をどのように受け止めてらっしゃいますか。

(外務大臣)早く決まって欲しい、それに尽きますが、今、政府が出したものを参議院の多数を持っている野党が拒否したということですから、政府の一存で出してもまた拒否されるかもしれないということで、色々苦慮しているところだろうと思っています。きちんとした方を出して野党に、というか参議院にも同意して頂きたいと思っています。

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政界再編について

(問)そうした中、昨日、自民党の山﨑拓氏、加藤紘一氏、それから民主党の菅直人氏、国民新党の亀井静香氏などが集まって、会合を持ち、その中で出席者によると政界再編の話も出た様ですが、まだまだそういうことが続くのかという様な国際社会からの目もあると思いますが、その辺はどの様に受け止めてらっしゃいますか。

(外務大臣)政界再編というのは良いとか悪いとかいう話では必ずしもないですよね。別に国際社会が政界再編したら悪いと言っている訳でもないし、しろと言っている訳でもないと思います。こういう時にそれぞれの政治家がそれぞれ色々動くということはあり得ることで、それ自体を良いとか悪いとかいう話ではないと思います。

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齋木アジア大洋州局長の訪米

(問)訪米中の齋木アジア大洋州局長から何か報告はありましたか。

(外務大臣)まだ第一報で簡単な報告しかありませんが、ヒル米国務次官補から事情を聞いたそうです。ヒル次官補からは北朝鮮側に「完全かつ正確な申告が必要なんですよ」と改めて言い、同時に「拉致問題を含む日朝関係も進めて下さいね」と言ったという様な説明を受けたと、齋木局長から報告を受けています。

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外務大臣会見記録(平成20年3月16日午後3時40分~ 於:高松市)

チベット情勢

(問)チベットのラサ地区で中国の警察当局が入って最低でも死者30人くらいいるのではないかと言われているのですが、こういった状況について外務省としての考え、受け止めをお願いします。

(外務大臣)非常に心配しておりまして、懸念をもって注視していきたいということですが、そういうことをアジア局長から東京の中国大使館の公使に伝えるとともに、北京の日本大使館の公使から中国のアジア局長に伝え、特に邦人の保護についてお願いしたということです。何れにしても、関係者が冷静に対応して、死傷者がこれ以上拡大することが絶対に無いようにしてもらいたい、それが私の気持ちです。

(問)オリンピックを控えて、国際社会も中国国内の人権状況に懸念を深めていますが、その懸念に対しては如何ですか。

(外務大臣)今度の実態が、事実関係がどうだったのか、はっきり知りたいし、現時点では懸念をもって注視しているということです。特に死傷者がこれ以上拡大しないように、特に日本人の保護については万全の体制で取組んでほしいということです。

(問)オリンピックへの影響はどのように考えていますか。

(外務大臣)オリンピックの影響が無いように中国側としてもきちんと考えてほしいということです。

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外務大臣会見記録(平成20年3月14日(金曜日)8時45分~ 於:院内大臣室前)

第2回イラク国民融和セミナーの開催

(外務大臣)日本で、イラク国民融和セミナーを3月20日から開きます。これは第2回目で昨年も行っているのですが、イラクのシーア派、スンニー派、或いはクルド人の各政党の代表、有力者、国会議員等を日本に呼んで、今イラクで問題になっている石油ガス法案や憲法修正、連邦制等について議論して頂くことになります。それから広島等に行って頂いて、日本の復興、民主化の過程についてよく見て頂くと、こういう風に思っております。

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米朝協議

(問)ジュネーブで北朝鮮の金桂冠外務次官とヒル米国務次官補が交渉していますが、中身そのもの、また、受け止めや期待についてお聞かせ下さい。

(外務大臣)未だ詳細は聞いていないのですが、今朝ヒル次官補からアジア大洋州局長に連絡があり、それなりに良い議論が出来たとの報告を受けているところです。

(問)それはある程度報告について聞かれているということですか。

(外務大臣)引き続いて今日も議論するかどうかということすら、未だ決まっていないようです。

(問)中身の話については、何か具体的にないのですか。

(外務大臣)少なくとも、私は未だ受けていないということです。

(問)北朝鮮に対してどういうことを求めていくか、お聞かせ下さい。

(外務大臣)それは完全な申告です。完全な申告がないと、次に廃棄するものが何か、何を廃棄するのかということが曖昧になります。一部に、少し曖昧にしても次の段階に進むことが大切だという議論もありますが、次の段階で何を廃棄するのか曖昧な形のまま次に進むということは決して良いことではないというのが、我が方の立場です。

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為替・日銀総裁人事

(問)ドルの急落についてですが、12年ぶりの円高の水準となっており、また、日銀の次期総裁も未だ決まっていませんが、如何ですか。

(外務大臣)為替は市場が決めるものなので、それが高すぎるとか低すぎるとか、そういうことを申し上げる筋合いのものではないのですが、産業界からすれば、一般論として、急激な動きというのはなかなか対応しづらいところもあるだろうと思います。今の水準が高すぎるのか低すぎるのかについては、市場が決めることです。動きがあまり早すぎることは、産業界はなかなか大変だろうということもあります。やはり日銀のトップを空席にしておく訳にもいかない。一般的にもそうですし、特にこういう時期に空席にしておく訳にはいかないと、野党の側にも、是非ご理解を頂きたいと思います。

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外務大臣会見記録(平成20年3月11日(火曜日)9時47分~ 於:本省会見室)

国際情報統括官組織の「スパイ組織」認定

(問)今朝の読売新聞の記事で、中国の裁判所が日本の外務省の職員2人について「スパイ行為をしていた」と判断した判決を出したということですが、その事実関係について大臣は御承知ですか。

(外務大臣)外務省は色々な情報収集活動をしている訳で、どういうことを知っているか、情報収集活動の具体的内容を申し上げることは、これからの情報収集活動に差し支える場合もあるので、その判決内容を知っているか否かも含めてお答えを差し控えたいと思います。読売新聞の記事でも、公開の裁判ではなかったように書かれていたと承知しています。

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米朝協議

(問)六者会合の関係で明後日、ジュネーブでヒル米国務次官補と北朝鮮の金桂冠(キム・ケグァン)外務次官が会談をする様ですが、どんなことを期待されますか。

(外務大臣)そういう会談があるということを米政府は正式に発表しておりませんので、あるかどうか承知しておりません。

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拉致問題

(問)北朝鮮による拉致問題で、工作機関の幹部2人が地村さんと蓮池さん夫妻の拉致を指示した疑いが出ていますが、これについての受け止めと日朝国交正常化交渉への今後の影響についてお願いします。

(外務大臣)警察庁側も今の捜査内容についてコメントすることは出来ないと言っていると承知しております。ましてや外務省が、どういう捜査が進んでいるかということについては承知し得る立場ではありません。

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内閣人事庁構想

(問)内閣人事庁構想は如何ですか。

(外務大臣)外務省の所管ではございません。

(問)でも、大臣が幹部人事を作らなければいけないと総理が指示していますけれども、それについて何か感想があればお聞かせ下さい。

(外務大臣)総理がそう指示したかどうかも私は知りません。そう書いていた新聞があったことは存じておりますが、本当にそういう指示をしたかどうか存じておりません。

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沖縄における米兵による事件

(問)沖縄県の一連の事件の再発防止策に関連して、7日にワーキング・チームの会合があり、そこで検討されている共同パトロールについて、沖縄のメア総領事が必要があれば地位協定の運用改善を検討すると発言しているのですが、これに関して大臣はどうお考えですか。

(外務大臣)これについては、共同パトロールに出てくる米側の人がどういう人達なのか、そして、容疑者がいた場合に警察として逮捕権を確実に行使出来るかどうかが最大のポイントだと承知しており、米国の総領事からは、日米合同委員会でそのことについて話し合う用意があるという話がありました。これは前々からそれを話し合ってきており、日米間で調整することによって、沖縄における警察権の行使が適正に出来るようにし、そのことによって共同パトロールが出来るようになるということです。これは、この問題を設定した時からあった課題ですから、当然のことを米総領事は述べられたと思うし、そういう趣旨に沿って、合同委員会できちんとした結論を出して、その中で沖縄県警も安心して合同パトロールが出来るようになればよいなということで調整したいと思っています。

(問)それに関連して今日間もなく渉外知事会の知事達が表敬に来ますけれども、如何ですか。

(外務大臣)それに関連してかどうかはよく分かりません。

(問)それに関連してというのは地位協定の話なのですが、それについては如何ですか。

(外務大臣)まだ知事会の人達のお話を聞いておりませんので、何について聞かれるか分かりません。

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外務大臣会見記録(平成20年3月7日(金曜日)8時45分~ 於:院内大臣室前)

エルサレムにおける銃撃テロ事件

(外務大臣)エルサレムで銃撃テロが発生したことについて、断固非難したいと思います。テロは如何なる理由があっても正当化出来ないことを改めて申し上げておきたいと思います。その上で暴力の連鎖を断ち切るというということが必要ですので、双方に自制を促し、そして、パレスチナ側、イスラエル側、色々困難はあると思いますが、粘り強く和平交渉を進めてもらいたいと思います。

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在英国日本国大使館に対する反捕鯨抗議行動

(問)昨日、在英国日本国大使館に反捕鯨団体のシーシェパードの団体の方が立て籠もる事態が発生しましたが、その事態についてどう対応されるのか、また、受け止めをお聞かせ下さい。

(外務大臣)個人プレイなのか、組織犯罪なのか分かりませんが、何れにしてもけしからんことでありますし、特に、組織的な犯罪であるとすれば更に許し難いことだと思っております。
 ウィーン条約で英国側はこういうことを守ってくれるという責任がある訳ですから、守ってくれるように更に申し入れをすると共に、我が国自身も大使館を守らなくてはいけない訳ですから、しっかり対応するように話をしておきました。

(問)彼らは鯨を食べることに反対していますが、哺乳類を食べることについては別に反対していないではないかという意見もあるのですが。

(外務大臣)そういう文化論争について私個人としては色々ありますが、そういう文化について論争しないで、それぞれの文化を尊重して、また科学的な根拠で冷静にやり合うことが必要なので、暴力或いは法を破ることによって活動することは何れにしても許されないことだと、はっきりさせておきたいと思います。

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内政(日銀総裁人事、予算委員会での審議)

(問)今日、次の日銀総裁人事について政府の方が提示するということですが、武藤さんであれば民主党は反対するという話ですが、それについてどう考えているかお聞かせ下さい。

(外務大臣)私は誰を出すか相談を受けておりませんので誰ということは分かりませんが、何れにしても、政府が責任を持って出した人について、同意するかしないか国会で審議する訳です。それについては、よほどのことがない限り、空席にしておくというようなことにならないように国会側も責任を持って対応する必要があると思っております。

(問)予算委員会で今審議の取り止めが続いている訳ですが、国会の空転が続いている状況についてのご所見をお願います。

(外務大臣)残念なことですね。それに尽きます。

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胡錦濤国家主席の訪日

(問)胡錦濤国家主席の訪日が5月にずれ込むのではないかという話が出ていますが、これについては如何ですか。

(外務大臣)未だ決まっておりません。

(問)その可能性はあるということでしょうか。

(外務大臣)決まっていないのですから、あらゆる可能性があるのではないですか。福田総理の訪中も秋と言っていたのが12月末になったと、これはやはり、お互いに日程がある訳で、それを摺り合わせるというのは、皆さんが考えているより大変なことです。受け入れる側もこちらに来られる方もお互い暇な方ではありませんので、その日程を摺り合わせるということは何れも大変なことです。

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G8北海道洞爺湖サミットのアウトリーチ

(問)G8北海道洞爺湖サミットのアウトリーチですが、昨日、一昨日と、開催日、参加国等々について色々な報道がありますが如何ですか。

(外務大臣)あまり報道を見ていませんから、どういう報道があったか知らないのですが、何れにしても、アウトリーチの方は呼ぶことになるということです。

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外務大臣会見記録(平成20年3月4日(火曜日)8時50分~ 於:院内大臣室前)

イランの核問題に関する国連安保理決議1803号の採択について

(外務大臣)日本時間の今朝、イランの核問題についての安保理決議が採択されましたが、日本政府としてもこれを支持するものです。どの国にも核を平和利用するという権利はある訳ですが、それはあくまで国際的な信頼を勝ち得て初めてその行使が出来るということで、やはり安保理決議の要請に応えてイランは国際社会の信頼を勝ち得るということをまず行ってもらいたいと思います。この問題は平和的・外交的に解決する必要がある訳ですから、イランに国際社会の要請にまず応えてもらいたい。それが日本政府の立場です。

(問)イランの件ですが、日本、特に外務省としてはどういった形で今後働きかけをしていくのでしょうか。

(外務大臣)色々な働きかけを致します。昨日もイラン大使と私自身が会って、正に今話した様な話をもっと詳しくしております。

(問)どういう形でご懸念を伝えられて、先方はどういう反応があったのでしょうか。

(外務大臣)具体的なことは申し上げられませんが、私が言ったことをモッタキ外務大臣にきちんと伝えると言っておられました。

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沖縄における米軍関係の事件

(問)沖縄の米兵の事件で、外出禁止令が出されていたのが一部解除されましたが、つい先日も外出禁止令中にフェンスを乗り越えて飛び出した米兵が事件を起こしているということがあり、時期尚早なのではという声が地元でも出ている様ですが如何でしょうか。

(外務大臣)この外出禁止令は日本政府と米軍との間の交渉で出たものではなく、全く自主的措置でとられたものです。全面的に解除した訳ではなく、一部残っておりますので、いずれにしても全体としての綱紀粛正を、再発防止策をきちんと実施してもらいたいと思っております。

(問)時期尚早ということで、逆に米軍側に何か伝えられたりはしないのでしょうか。

(外務大臣)そのこと自体については、自主的にとられた措置ですから米軍が考えることです。その他、日本が要請して色々行っていることについては、きちんと行ってもらいたい、続けて行ってもらいたいと思います。継続することが必要で、一過性のことではないと思っています。

(問)一部解除については妥当なものだとお考えなのでしょうか。

(外務大臣)妥当だとか、妥当でないとかではなくて、これは全く米軍の自主的な措置なので、それについて我々がとやかく言う話ではありません。但し、全体的な日米で話し合って作っている再発防止策、綱紀粛正策については継続的にしっかり行ってもらいたいということです。

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調査捕鯨問題

(問)シーシェパードの件ですが、またこういう事件が起きてしまったことをまず、どういう風に御覧になっているかお聞かせ下さい。

(外務大臣)我々が公海上で合法的に行っていることに対して、暴力で自分の主張を通そうとするのはとんでもないことで、この件に対しては改めて強く抗議をします。それから、旗国であるオランダ政府に対してはしっかり対応をお願いするということを昨日申し入れたところです。

(問)オランダや特に豪州については大臣ご自身も電話されたり、或いは会談を直接先方に申し出ている訳ですが、適切な対応をとられていると御覧になっていますか。

(外務大臣)必ずしも十分ではないと思うから、色々申し入れているということです。

(問)シーシェパードですが、発射台が取り付けられていたりとか、かなり度を過ぎている様に思いますけれども、それについてどう思われますか。

(外務大臣)発射台については私がはっきり知っている訳ではありませんが、いずれにしても、発射台があろうが無かろうが、度を過ぎていますよ。なので、これについては日本の海上保安庁としても捜査をするのかなと思っています。

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