記者会見

外務大臣会見記録(平成19年7月)


INDEX








外務大臣会見記録(平成19年7月31日夜 於:フィリピン・マニラ)

 ASEAN関連外相会議等でマニラ出張中の麻生外務大臣は、31日夜、会見を行ったところ概要以下のとおり。

(外務大臣)今日は、EAS参加の外相会合と日・中・韓とASEANとの外相会議をやって、東アジアにおける地域協力とか、地域・国際情勢等々に関して意見の交換をすることが出来たというのが1点。それから地域情勢に関して、今アフガニスタンで韓国人が人質になっている問題に関して、各国からの同情等が寄せられて、2人殺されたのかな、お悔やみが表明されております。北朝鮮に対しては、現状認識等々に関して色々な意見を交換させてもらって、もう一点はアロヨ大統領のところに、参加国の外相で表敬をするということになって、その際六者会合の外務大臣が別に大統領に表敬する時間が持てたというのが内容だと思います。

(問)6カ国の外相でというところで、今回初めて北朝鮮の朴義春外相とお会いになったと思うのですけれど、どのようなやり取りがあったのでしょうか。

(外務大臣)この方は、六者の始まる前、各国全員おられた時にそこにいましたので、向こうも知らないし、こっちも知らないから、英語が通じないのかよく分かりませんでしたけど、挨拶程度で、そのあとは、人がいっぱい来ましたので。それから大統領の部屋の中では、皆大統領の前で一人づつ話していく話ですから、そんなに直接大統領をおいて別に「さし」で話をするというようなことはありませんでした。あとは、とにかく初めて、六者の外務大臣で会ったというのはこれで最初ではないのかな。こういう様な状況がもう一回どこかで来るのでしょうが、それが何時来るか、9月になるのか10月になるのか良く分かりませんけれど、少なくとも、2月13日の、「初期段階の措置」というのをきちんとやるという話は表明してますので、それが着実に履行されるというのを前提にして我々は思っているんですけれど、果たしてそうなるかどうかはこれからの話ですね。

(問)改めて拉致について麻生大臣からはお聞きになったのでしょうか。

(外務大臣)だから、直接は話すことなく六者で話してますから。国際間の問題と二国間の問題は、切り離しはしましたよ。

(問)朴外相の印象はどういった感じですか。

(外務大臣)あまり意味がないから、印象なんて。嫌な人だなと思っても一緒に付き合わなくてはいけないから。良い人だなと思っても良い人だとは限りませんから。ましてや外務大臣が、この人は、というのは努めてしないようにしてますから。

(問)アロヨ大統領に対しても日本として拉致問題についてその場でお話をされるということも無かったのでしょうか。

(外務大臣)もう前にしてますから、もうアロヨ大統領とは何回もしてますから。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成19年7月24日(火曜日)08時20分~ 於:本省会見室)

北朝鮮問題

(問)先週、六者会合の首席代表者会合が行われましたが、改めて今回の会合の結果を受けての大臣の所見をお願いします。

(外務大臣)2月の時の約束が5ヶ月遅れ近くで履行されることになったことは、5ヶ月遅れとはいえ、一定の進歩と思わなければいけないと思う。少なくとも初期段階の措置の次の段階に入っていくところに、どう進んでいくかというのを今から実施する訳ですが、一応、その日程、それから作業部会が5つあるので、その5つをそれぞれ皆、実施していくということになっていますので、次の段階で何をするかまではいっていないですけれども、作業部会を立てて実施していくことになったのは、一定の成果だと思わなければいけないと思う。

(問)日朝作業部会の見通しは、いつ頃ですか。

(外務大臣)8月の中頃くらいまでにはと思いますが、正確には、これくらいと詰められた日程が出来上がっている訳ではありませんし、場所がどこかということも決まった訳ではありません。

(問)日朝作業部会の中で、国交正常化の話等々も議題に上ると思いますが、日本政府としてはあくまでも拉致問題の解決が前提ですか。

(外務大臣)拉致問題は大きいでしょう。これは日朝国交正常化の大前提ということになります。向こうにしてみれば過去の清算ということもあるでしょうし、こちらはいわゆる拉致の問題というのは大きな問題であり、国交正常化のための大きなバリア、障壁になっているのが現状だと思います。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成19年7月17日(火曜日)09時50分~ 於:本省会見室)

台風4号及び中越沖地震

(外務大臣)先週から今週にかけて台風4号並びに新潟・長野で地震が発生しました。地震の方だけで9名の方が亡くなっており、900数十名の方々が怪我をしておられるということです。心からお見舞いを申し上げると同時に、早急に不安の払拭に努めなければならないと思います。政府としてはこの問題に対して、「迅速な対応を」という話をしているところです。

目次へ戻る

閣議

(外務大臣)内閣総理大臣から中越沖地震につきまして、また、総務大臣、国家公安委員長、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣等々からそれぞれ発言がありました。平成19年度の計画アクションについて国家公安委員長から。同じく平成19年度の公益法人に関する年次報告については総務大臣から。公益法人制度の改革については同じく特命担当大臣から発言がありました。赤城農林水産大臣のWTOの欧州訪問の経過についての話がありました。また、宮沢喜一元内閣総理大臣の葬儀の執行につきまして、総理、内閣官房長官から発言がありました。8月28日に武道館において行うということで決定しております。詳細につきましては今後、色々出てくると思います。

目次へ戻る

北朝鮮問題

(問)明日から六者会合の首席代表者会合が始まりますが、北朝鮮が核施設の停止に応じたということで次の措置が焦点になると思うのですが、ウラン濃縮の話も含め、今回の首席代表者会合ではどこまで話を進めるべきだとお考えでしょうか。

(外務大臣)相手が相手ですから、始まる前に予想してもあまり仕方がないのですが、先ずは初期段階の措置を完全に実施してもらうことからスタートすると思います。今、IAEAの発表によると、寧辺(ニョンビョン)の5メガワットの施設の停止までは確認されたのだと思いますが、残りの話について、米国は止まったと言っていますが、IAEAは正式に止まったという発表はしていないと思いますので、少なくともその点の確認をきちんとしなければならないと思います。また、泰川(テチョン)の200メガワットの施設については、建設中ですので、この建設中の施設がどうなるかという話だと思います。マコーマック米国務省報道官はそんなに悲観的でもない話を発表しておりますが、これまでの経験則から、私どもとしては、この国との話は最後をきちんと詰めておかないと総じて予想が外れることが多いと思っております。きちんと初期段階の措置の対応を見極めた上で、どうするかという話になって来るのではないかと思います。

(問)今回、全ての核計画のリストの話も出来るだけ進めなければいけないと思うのですが、その点については如何ですか。

(外務大臣)濃縮ウランの計画からその他ずらっと出ていますが、向こうは「行動 対 行動」という話で、「5万トンの重油が出たからこうだ」、「これだけ出したら次はこれ」と色々押したり引いたりの交渉が続いていくと思っておかなければならないでしょう。

(問)日朝の二国間の話ですが、朝鮮総連の話等も色々ある中で、今回どの程度期待出来るのかということについてお聞かせ下さい。

(外務大臣)何とも言えませんが、これは向こう(北京)に行った上でやる話ですが、米国帝国主義や朝鮮に対する挑戦的な動きを止めなくてはいけない等いつものような話が出るでしょう。そこのところに関連して、日本と米国が(六者の首席代表者会合に)出て来ていますので、それも含めて話をして行かなければならないと思います。

(問)首席代表の協議を経て、六者の閣僚級協議の開催の見通しは立っているのでしょうか。

(外務大臣)少なくともIAEAのハイノネン事務局次長を始め、皆入って確実にシールドし、テレビカメラを設置する等の作業が全て終わり、初期段階の措置の実施、その確認が全て終わった段階で、実務者レベル等々、もう一度くらい確認しなくてはならないのかもしれません。それが出来た上で次の段階という話に進んで行くのだと思いますので、それが終わるのがどれくらいかと考えた時、少なくとも7月中に終わるような話ではないと思いますので、8月から9月くらいまでかかるのではないでしょうか。意外と時間がかかるような気がします。

(問)9月までにもう一度、首席代表者会合が開かれるのでしょうか。

(外務大臣)それがどのような形になってくるかは向こうの対応次第です。向こうの対応がすんなり行けばまた話は別ですが、次の段階に行くためには、重油95万トン相当のエネルギーの話や食糧の話等色々ありますので、そのようなところの話との関連から、どうするかということについては、今の段階で予想するのは中々難しいと思います。閣僚会議は以前、米国が言ったように7月から8月早々にという話にはならないのではないかと思います。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成19年7月10日(火曜日)09時50分~ 於:本省会見室)

閣議

(外務大臣)閣議では、内閣官房長官、私並びに防衛大臣から、イラク人道復興支援特措法関連の話がありました。甘利経済産業大臣から平成19年度の通商白書及びインド、豪州出張の結果について発言がありました。環境大臣から、1人1日1キログラムのCO2のキャンペーン応援実施の話等々が出ています。

目次へ戻る

国後島「友好の家」目的外利用について

(問)国後島の友好の家が、一般のロシア人を対象にした宿泊施設として利用されていたという問題について、日本の税金を使ってロシア人によって目的外利用されていたということになると思いますが、これに外務省として、抗議あるいは目的外利用を止めるように働きかけるような予定はありますか。

(外務大臣)外務省からこの話の問い合わせをした結果、「モスクワとサハリンから行政関係者等々の行事で、大勢出張した時、例外的にその出張者を宿泊させたことはあるが、一般的に開放しているわけではない」という話でしたので、特段の問題があるとは考えていません。

(問)一部には、島に働きに来ている出稼ぎ労働者も泊まっているという話もありますが。

(外務大臣)話はありません。

目次へ戻る

赤城農林水産大臣の事務所経費問題

(問)赤城農林水産大臣の事務所費問題ですが、色々と今、話が出ていますが、赤城大臣と総理は説明責任を十分果たされているとお考えでしょうか。

(外務大臣)それは直接聞いたことがないから知りませんが、彼は、正確な記憶ではないけど、選挙区を移ったでしょう。昔の選挙区で言えば水戸だから、今は茨城1区に変わったのかな。お爺さんの代からやっているのだから、あの世代でやっていれば間違いなく自宅は選挙事務所になります。例外なく、ほとんどそうです、昔だから。それが1区に移ったものだから、当然、主力は1区に移った。自宅を選挙事務所から外そうとすると地元が絶対納得しないから、これはどこでもある話で、ここに置いておけという話になったのが、多分、背景でしょう。私は父との間に24、5年空いているので、その種の背景はなかったのですが、そういう人は多いと思いますよ。昔からやっている人ほど多い。だから、その事務所経費と水戸の事務所と、全部突っ込みでやっているという話ではないかと思っています。
 従って、その点に関して言わせてもらうと、政治資金規正法上、一括計上しているというのは、違法性はないということではないかという感じがします。そういった意味では、どこに問題点があるかは説明する、ということなのであって、いかにも違法性があるかの如き発表になっているから、わんわんなっているけれども、これは違法性があるかねと私は思っていました。詳しく知っている訳ではありませんが、その点については、きちんと説明しないといけない。それが十分かといえば、どこまでいったら十分かというのは、聞いた個人の感情、気分の話ですから、なかなか難しいとは思います。ただ、色々と丁寧に説明を何回も繰り返しやっていく必要はあるかなと思います。

(問)野党側からは、例えば、政治団体の領収書を添付して公表すべきだとか、改正政治資金規正法が成立しましたが、更にまた改正すべきだという声も出ているようです。その点については如何でしょうか。

(外務大臣)政治家に関係なく、いわゆる一般有権者のやっている政治団体というのは沢山あります。その政治団体に対して、領収書の添付を求めるということだと思いますが、究極的には「結社の自由」という、憲法で保障されている国民の権利と、いわゆる政治家とか政治団体による政治資金の使い道というものの範囲、監視といったことの、どちらを優先させるのかという話になるのだと思います。それからいくと、私は、やはり国民の権利の方が尊重されるべきではないのかと思います。これが随分論議された経緯を知らない訳ではありませんが、最終的には合意された話だったと思います。それで5万円以下という話が出ていたので、そういった話に基づいて出来上がったばかりですから、当分の間、そのルールに基づいてやっていくということではないでしょうか。

(問)この問題は、何か参院選に影響があるとお考えでしょうか。

(外務大臣)政治と金の話になりますので、関心は高いと思います。そういった意味では、何らかの影響は、何もないとは思いませんけど、どうでしょうね。年金の話その他、色々ありますし、小泉さんにも出来なかった教育基本法の改正などは出来ています。これこそ、「今国会は教育国会だ」とわんわん言っていたのが、何となくスッと通ったら途端に関心がなくなったなんて話は、おかしいのではないでしょうか。国民は、もめれば関心がある、スッと通ったら関心がない、なんてことはないですよ。
 従って、始まる前には政治の関心が、あれだけ教育の話等に行っていたのだから、その結果、成果を聞いてもらいたいと思います。私は文科大臣や総理大臣ではありませんが、そんな感じはします。ただ、この問題に関して、私はそんなに参院選に影響が出るとは思いません。説明をきちんと丁寧に繰り返していけば、理解を得られるのではないかと思います。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成19年7月6日(金曜日)10時57分~ 於:本省会見室)

国際刑事裁判所(ICC)裁判官補欠選挙への立候補

(外務大臣)国際刑事裁判所(ICC)の裁判官の補欠選挙ですが、先日の通常国会においてICCに加入することが決まっています。この国際刑事裁判所裁判官18名のうち3名の補欠が出ており、この補欠選挙に日本から候補者を立候補者させます。人権担当大使であり、国連女子差別撤廃委員会の委員である齋賀富美子(さいが・ふみこ)氏を立候補させることになります。国際刑事裁判所には御存知の通り、刑事と人道と二つありますので、この人道の方になろうと思います。10月に正式に締約国になる予定ですので、そうするとこの選挙が12月に行われることになると思います。補欠選挙というのは、結構しんどいことになろうかと思います。

目次へ戻る

日本漁船拿捕事案の国際海洋法裁判所への提訴

(問)富山県の漁船がロシアの国境警備局に拿捕された事件で、本日にも国際海洋法裁判所の方に提訴するということですが、今回、提訴は初めてということで、提訴という判断に至った経緯をご紹介下さい。

(外務大臣)これは200海里の話で、いわゆる北方四島の話とは少し違うということを整理しておく必要があります。少なくとも、6月の初めにカムチャツカ半島で拿捕された第88豊進丸は、乗組員及び船体がまだ返って来ていない。それから、昨年の11月に拿捕された北海道の第53富丸は、乗組員は帰って来ていますが、船体が返って来ていない。こういったものに対しては、国連海洋法条約の中にITLOS(国際海洋法裁判所)というものがあり、少なくとも国際法に従って合理的な保証金をロシア側が示すべきであり、その支払いによって、乗組員及び船体は直ちに釈放すべきと随時申し入れしているのですが、そういう反応が今のところないので、この法に従って提訴することになりました。

(問)今仰った船員と船体の早期返還について、今回、提訴することによって具体的にどのような効果が期待されるとお考えでしょうか。

(外務大臣)具体的な成果は返還です。

目次へ戻る

北朝鮮問題

(問)来週9日に、IAEAの理事会が開かれますが、当初、米国のヒル国務次官補が来週くらいに首席代表会議が開かれるのではないかという話をしていました。これに対し、大臣は時間がかかるのではないかと言っておられましたが、何故、時間がかかる状況なのでしょうか。

(外務大臣)ハイノネンIAEA事務次長の報告によると、極めてきちんと対応してくれたと言っています。基本的に確か5つでしょうか。有名な5メガワットの実験炉、建設中の50メガワットの実験炉、放射化学研究所、核燃料棒製造施設で既存のもの4つ、その他に泰川(テチョン)に新しく200メガワットの実験炉を建設中でしたので、この5つを直ちに停止し、これに監視カメラを付けて色々やっていくとすると、やはり数週間はかかるのではないでしょうか。これは文科省に聞いた方が良いと思いますが、物理的には7月末くらいまでかかるのではないかと思っています。見たいところは出来たと、一応、ハイノネン事務次長はそう言っているそうです。

(問)IAEAの査察が入って、監視カメラで検証という作業が終わらないと首席代表会合も開けないのでしょうか。

(外務大臣)どうでしょうか。事実、本当にそれを付けさせるのかどうか。韓国からの重油5万トンの提供が始まっており、それが7月の何日か、20日以内には全部入れるという話で合意出来たと韓国も言っています。色々詳細を聞いてはいますが、常識的には、向こうの対応はそれを履行すると思っています。今年は良かったという話でなくて、2月に実施するはずのものが7月までかかっているのですから、5ヶ月遅れの話になっているのが、やっとそこまで来たという程度のものなので、更にどうきちんと対応していくかはこれからの話だと思います。

(問)そうなると、IAEAの検証が7月末くらいまで行われ、六者会合が8月以降になりますか。

(外務大臣)六者会合は、実務者の話でいくとそういうことでしょうね。閣僚会議はそれから更に後になると思います。

目次へ戻る

ダルフール情勢

(問)北海道洞爺湖サミットまで約1年ということで、特にアフリカ、そしてダルフールの問題が取り上げていかれるのではないかという認識を持っています。この1年間かけて、5月にはTICAD IV(アフリカ開発会議)もありますので、アフリカの問題、特にダルフールの問題にはどのように取り組まれていくのか教えて下さい。

(外務大臣)この話は結構、大変です。元々のアフリカ系住民間の人種問題や、アラブ系のスーダン人との争いで、数十万人が虐殺されたり、チャドの方に逃げているという話です。政府自体が、今まではPKO等々受け入れないという話になっていましたから、少しずつですが、それをやっと受け入れるところまでは来ましたが、現実問題としては、かなりごちゃごちゃしているのだと思います。この話は先日のハイリゲンダム・サミットの時も出ていましたし、先日パリで開かれた会議には、岩屋副大臣に急遽出席してもらって色々と話をしています。しかし、この話には、今、正直言って「答えはこれ」というものがある訳ではありません。

目次へ戻る


外務大臣会見記録(平成19年7月3日(火曜日)09時50分~ 於:本省会見室)

閣議

(外務大臣)レバノン北部のパレスチナ難民キャンプにおける武力衝突の影響を受けた難民に対する人道支援のため、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を通じ、約70万ドルの緊急無償資金協力を行うこととしました。
 内閣総理大臣から、海洋基本法を7月20日に施行するにあたっての政策担当大臣として冬柴大臣を任命するとの報告がありました。
 閣議は国会閉会中は午前10時から官邸で行われます。

目次へ戻る

久間大臣の発言について

(問)先日、久間大臣の「原爆投下はしょうがない」という発言があったと思いますが、それについて、麻生大臣としては、どのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)原子爆弾の話は、ずっと前から言われているように、国際法を読んで頂いたら良く分かると思います。人道上の問題で、国際法の思想的な基盤の上に立って考えると、人道上、極めて遺憾若しくは悲惨な事態を生じさせたということに関しまして、日本政府としては、原爆の悲惨さを繰り返してはならないということを強く言ってきています。我々の基本的な立場で人道主義の精神に合致しないということだと思います。

目次へ戻る

CO2削減について

(問)先日の閣議で、若林大臣からCO2の削減方法について、各大臣からアイデアを出して欲しいという提言があったと思うのですが、麻生大臣なりに、CO2の削減方法で考えているアイデアがありましたら教えて下さい。

(外務大臣)CO2の削減について、色々なアイデアが出してありましたので、その中でどれをするか、しないか等々、選んで出しました。

(問)今日の閣僚懇で各閣僚がカードを出されたと思うのですが、その中で麻生大臣は何を選んだのでしょうか。

(外務大臣)シャワーを一日一分短くすることで74グラムの削減、古いエアコンを省エネタイプに変えることで104グラム、テレビを見ないときは消す等々、そのようなことが書いてありましたので、選んで出しました。
 このようなことを考えたら、色々あるのではないでしょうか。もうちょっと考えたら、こうすればもっといいんじゃないのかというアイデアがもっと出そうな気がします。このようなものが出されると、何となく気をつけるのではないでしょうか。少なくとも、ジャージャー出していたシャワーの水の勢いを強いものから弱いものに変えるだけで随分変わるらしいですから。そのような意識を与えるというところが大事なのだと思います。皆で少しずつやっていくと凄く大きなものになるという話です。
 シャツ、クールビズですが、全体としては何日分かの電力消費が下がったという話でした。やはり、全員で少しずつというのが大きいのではないでしょうか。どこかの会社、誰かがやれば良いという話ではないでしょう。
 また、技術も随分進んでいます。レクサスがニューヨークで米国車に比べて8分の1程度の環境負荷で走っていたという話を聞きました。高速道路ではなく、ガソリンでなくて、電気で走るということでしょうけれど。技術の進歩もあるだろうし、石炭を使ってCO2と硫黄が出ると思うのですが、硫黄の出る分を三菱重工の開発で、完全に硫黄の分だけ除去します、という特許を取ったでしょう。必要が出てきたおかげで、そういった技術は再評価されつつあるのかなと思います。

目次へ戻る

北朝鮮問題

(問)IAEAの実務代表団の平壌訪問が終わりまして、比較的順調に北朝鮮側が協力するような姿勢を見せたと思うのですが、六ヶ国首席代表会合の次のステップに入るメドは如何でしょうか。

(外務大臣)相手が相手ですから、安易な予想を言うわけにはいかないのですが。少なくともヒル次官補が「7月の初め頃に」という話をしていましたが、それはちょっとないのではないでしょうか。IAEAのハイノネン事務次長等、元々あそこにいた人が行っていますので、そこそこ詳しい人達が行って帰ってきて、訪朝結果は満足しているという話をしています。
 特別理事会が7月9日に開催されますが、その後、IAEA要員が再度、北朝鮮に行くことになれば、それからどれくらいかかるのでしょうか。何週間かかかるのではないでしょうか。それを考慮すれば、7月初めの開催というのはないと、そこまでは分かりますが。
 とにかく、元々、これは2月13日から(60日以内に)やる話で、既に数ヵ月遅れています。そういった意味では、今から一日も早く履行されるようにしなくてはならないと思います。5万トンが来たらやります等言っておりますが、元々は並行してやりますという話だったのですから。5万トンが来たらやります等、話がまた違ってきているかなと、微妙な違いを感じるようなことはあります。

目次へ戻る

このページのトップへ戻る
前月へ戻る | 次月へ進む | 目次へ戻る