記者会見

外務大臣会見記録(平成19年2月)


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外務大臣会見記録(平成19年2月27日(火曜日)9時20分~於:本省会見室)

閣議

(外務大臣)閣議ではロケットの話が伊吹文部科学大臣と高市特命担当大臣からありました。

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中東和平問題

(問)来月15日に、パレスチナ和平の関係で、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、日本の四者協議が東京で開かれるとの報道があるのですが、この日程はもう固まっているのでしょうか。

(外務大臣)そこまできちんと詰まっているわけではないが、3月14日の方向で調整しています。

(問)狙いはどんなところにあるのでしょうか。

(外務大臣)例の「平和と繁栄の回廊」です。日本とイスラエル、パレスチナ、ヨルダンの話です。

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2008年先進主要国首脳会議

(問)2008年のサミット主要国首脳会議が日本で開催されることになり、それぞれの地域が名乗りを挙げています。国会でもそのメッセージ性、警備、地元負担など色々総合的に判断すると言っていますが、今現在名乗りを挙げている所の印象は如何でしょうか。

(外務大臣)皆それぞれ「帯に短し、たすきに長し」と色々表現があると思いますが、これというのがないから色々意見が交わされるのであって、印象と言われても一概には言えません。

(問)メッセージ性はかなり重要なのでしょうか。

(外務大臣)東京が警護の関係は一番というので東京が特に多かったのだと思います。前回、沖縄でして、「沖縄で出来れば、どこでも出来るのではないか。」と色々御意見があるのは知っていますが、日本から何をメッセージにするのかというのは結構大きいと思います。次は、北京オリンピックの1週間か2週間位前になるのではないでしょうか。それから言えば日本で開催した時の印象をきっちり印象づけておくのが大事なことだと思います。その時に何を言うか、何を日本からのメッセージとして発信していくかというのは大きなところだと思います。

(問)決定時期ですが、4月には統一選挙もあり、地域によってはそれが争点になる可能性もあると思うのですが、決定はその後になるのでしょうか。

(外務大臣)そんなに統一地方選挙と関連して考えているわけではありません。

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日朝作業部会

(問)日朝作業部会ですが、開催の目処はどうなっているのでしょうか。

(外務大臣)30日以内にすることになっていますので、基本的には3月15日頃までには30日以内になります。少なくとも今までのところ、北朝鮮側としては六者会合でまとまったいくつかの話をひっくり返すというような話ではなく、それに沿って色々指示が出されているのではないかと見受けられます。従って3月15日までに日朝、米朝のいずれもどこかでという話だと思います。米朝と日朝は似たような時期にすることになるだろうと思います。

(問)似たような時期というと、米朝の前に日朝をしたいと日本側は思っているのでしょうか。

(外務大臣)そんなことはありません。

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外務大臣会見記録(平成19年2月23日(金曜日)9時28分~ 於:本省会見室)

イラクに対する緊急無償資金協力

(外務大臣)イラクに対する人道復興支援のための緊急無償資金協力として、WFP(国連世界食糧計画)、WHO(世界保健機関)、UNDP(国連開発計画)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)等、全部合わせて総額1億450万ドルの支援を行うことを正式に決めました。

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イラン核問題

(問)イランの核問題ですが、IAEAではイランが安保理決議に従わず、ウラン濃縮を続けているばかりか拡大の傾向があるという報告書を提出しましたが、受け止めをお聞かせ下さい。

(外務大臣)その内容が正式に公開されている資料ではないと思っていますので、その内容について逐一申し上げるということは出来ません。少なくとも国連安保理決議1737に従って、イランが濃縮関連活動を停止していない、むしろ拡大していることに不満があるという内容になったということは知っています。それに伴ってどうしていくかというのは今からの話です。

(問)安保理決議に従うような様子は見えないという現状については如何でしょうか。

(外務大臣)これは確か全会一致で決まっていると思いますので、そういう意味ではこれに対してどうしていくか、どういう枠組みでやるのか、ソラナEU代表を送ったりと色々これまでもしてきてますので、これからどうするかというのは今からの話です。

(問)米国とイランの直接対話がなかなか進んでいないと思うのですが、その点については。

(外務大臣)米国とイランは二十何年間か窓口が閉まっていました。その窓口を一応開けて話をスタートさせているということだと思います。色々な意味で、イランと色々な形での話を進めようとしつつあるというのは確かだと思います。中に色々な人を入れてやっても皆出されてしまったりしていますので、現実の情報というのはどうも取れていないというのは皆同じだと思いますが、かなり情報が偏って入ってくるという危険性がありますので、そこのところは気を付けておかなければいけないと思います。イラクの話にしても、英国がムサンナーや隣の県から権限委譲が出来上がっているから撤退しているというのは、権限委譲が出来るほど治安が良くなってきたということです。日本が最初にサマーワから撤退しましたが、英国も南の方でそうしました。クルドの地域は極めて平穏な状況になっています。バグダッド周辺の話に集中しているが、他の所は結構落ち着いてきているという情報もあります。日本にいるとイラク全土がああいった雰囲気だと聞こえますがそれは違っています。そういった意味では、情報がかなり偏ってきていますので、この種の話を判断する時には情報をかなり広く収集した上でないと、なかなか言いにくいというところです。

(問)英国等では追加制裁をすべきではないかという話も出ています。ウランの濃縮関連活動を止めない状況にあります。これから考えなければいけないと言われましたが、追加制裁の問題についてどう対応していきますか。

(外務大臣)これは正直、他の国がどう対応していくかを見た上でないと、日本だけでこうやりますとは、北朝鮮のように隣国として接しているのとは大分違いますので、気を付けねばいけないところです。それから4、5日前も40~50分電話しましたが、イランなりに電話をかけてくるというのはそれなりに深刻ではあるのだと思います。そういった意味では緊張感は高まってきていますし、外国の雑誌を見ていたら、「Next stop Iran?(次の標的はイラン?)」というおどろおどろしい文句が雑誌の表紙になるくらいですから、そういう感じがイランもしているから電話してきているのだと思います。いずれにしても、今の段階で次どうすると決めているわけではありません。

(問)以前、大臣は、原油の輸入についてエネルギーや核に優先されることはないと仰っていましたが、日本にとっては原油の輸入というのが一番大きいところであると思います。その制裁の「壁」についての大臣の考えというのは以前と変わらないのでしょうか。

(外務大臣)基本的には石油が欲しいためにイランの核保有を認める覚悟であるという政策を採ることはありません。

(問)日本はアザデガン油田に関与していますし、イランから原油を輸入していますので、その関係者が注目していると思います。先ほど石油が欲しいためにイランの核保有を認めるような政策は採らないと仰いましたが、アザデガン油田や日本が輸入している原油とこのイランの核問題はかなり影響するのか、それとも切り離して考えるのか。

(外務大臣)基本的には核の話と石油の話は違う話だと思います。この間の電話でも言いましたが、イランが原子力の平和利用の為に技術開発をやることに関して、日本として世界としてそれを何ら阻止するという気は全くない。日本はやれているじゃないかと言うが、うちは少なくとも日本が何をやっているかということに関して、ガラス張りでIAEAが100%の信頼を置ける程、きちんとオープンにやっている。おたくは「やっていない。」と言いながら実は18年間こっそりやっていたという過去の経緯がある。それを全く言わないで、「権利を、権利を。」と言われても、全く無視していたということに関して信頼が無くなっているわけだから、信頼を取り戻すのは結構大変で、信頼を作るのはなかなかやれない。信頼を失うのは一瞬だが、信頼を作るのは大変だから、そういう努力をおたくはしなければだめなのではないのかという話はしました。なかなか簡単にいく話だとは思いません。

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内政

(問)民主党の小沢代表の政治資金の関係で、色々な資料を小沢代表が公開し、各メディアが精査をしているところですが、不動産を取得していること等を国会議員として見て、どういうご感想をお持ちですか。

(外務大臣)感想は色々あります。自分のものではないという話になっていますが、誰が誰に約束したのですかという点にはちょっと興味を持ちました。紙をちらっと見ただけですが、小沢氏が小沢氏に約束したみたいな話で、「沢」という漢字が違う以外は、他に同姓同名の人がいるのかどうかは知りませんが、なかなかピンと来ないなと思いました。事務所費が不動産取得に回るという発想が私にはちょっとありませんでした。名義人の話になりますので、不動産取得税だ、何とか税だと色々ありますから、そういうのに関しては不動産というのはどうかねというのが正直なところです。ただこれが出ると途端に次は何とか厳しくしようという話になって、よく5万円を1万円にという話などをしていますが、それによって透明性はどれぐらい増すのかと聞けば、5万円を1万円にしても手間は猛烈に増えるでしょうが、その手間がかかるだけその他のことに使える時間は減るわけですから、透明性というのはそういうところではないのではないのかね、という感じがします。深く内容を読んだわけではありませんし、ちらっとテレビで見たり、新聞の外題だけしか見ていないのですが、何となく話を聞いているとそういう感じになります。

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外務大臣会見記録(平成19年2月20日(火曜日)8時46分~於:院内大臣室前)

フラトコフ・ロシア連邦首相の訪日

(外務大臣)2月27日から28日まで、ロシアのフラトコフ首相夫妻がお見えになります。天皇皇后両陛下御引見と安倍総理との会談が予定されています。26日からはフリステンコ産業エネルギー大臣が来ることになっていますので、こちらとも会談を行って、フラトコフ首相の訪日に向けた準備の詰めを行う予定です。

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六者会合

(問)六者会合ですが、日朝の作業部会についての調整はどのように進んでいるのでしょうか。

(外務大臣)調整は進んでいます。新聞記者に分からないように。

(問)平壌なり東京なりで開催する形になるのでしょうか。

(外務大臣)場所も知っているけれども言わない。

(問)人選については。

(外務大臣)人選についてもほぼ決まっているけど言わない。

(問)時期については。

(外務大臣)時期もほとんど分かっているけど言わない。

(問)開催に向けてはかなり詰まっているということですか。

(外務大臣)動いています。

(問)北朝鮮側が誠意のある対応をしているということですか。

(外務大臣)どの程度のものを誠意というのかよく分からないので定義が難しい。北朝鮮の話はなかなか話の作り方が難しい。だから言わない。

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チェイニー米国副大統領の来日

(問)チェイニー副大統領が今日来日し、明日会談されますが、日本と米国で確認したい事項を改めてお聞かせください。

(外務大臣)今回のチェイニー副大統領の訪日については、副大統領が議会開会中に海外に行くということはなかなか例がないのですが、選んだのはオーストラリアと日本だけですので、そういった意味では日米関係というものをきちんとしていこうというところなのではないでしょうか。意図を正確には知りません。

(問)北朝鮮に関しても協力していくことを確認したいのでしょうか。

(外務大臣)北朝鮮に関しては、今、ここまでは第一ステップとしてそこそこ来ましたから。

(問)防衛大臣とチェイニー副大統領との会談が開かれないようですが、久間防衛大臣のイラク戦争は間違いだというような発言が影響しているのではないでしょうか。

(外務大臣)それは関係ないでしょう。防衛大臣が来て会わないというのなら兎も角も、チェイニー副大統領というのはナンバー2ですから、そういう意味で言えば総理と会うのがきちんと出来ればいいのではないでしょうか。副大統領というのは上院議長ですからちょっと違うのではないでしょうか。

(問)チェイニー副大統領はオーストラリアにも寄られるようですが、今後、日豪の外務・防衛担当閣僚による会議というのはあるのでしょうか。

(外務大臣)あり得るでしょうね。日米豪の外務大臣会議は今していますから、日米豪の防衛大臣会合というのが開かれる可能性というのは今後の方向としてあり得ると思います。

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内政

(問)先日、中川幹事長が講演で、閣僚には絶対的忠誠心、自己犠牲が求められ、自分を優先する政治家は官邸を去るべきだという趣旨の発言をしていますが、それについての受けとめは如何でしょうか。

(外務大臣)新聞に書いてあったそうですが、例によって私は新聞を読まないので、その種の話が出ていたということしか知りませんので、その意図がちょっとよく分からないというのが正直なところです。皆、それぞれやっておられるし、大体、今の方はそんなに求心力はないでしょうか。閣内に入って総理に仕えるのは橋本総理などこれで4人目ですが、そんなに安倍総理の求心力がない、落ちていると思ったことは、少なくともこの数ヶ月の間はありません。

(問)閣内では皆、意見は一致してやっていけているということですか。

(外務大臣)いけていると思います。今、間違いないと思います。

(問)塩崎官房長官の官邸の女房役としての手腕はどうでしょうか。

(外務大臣)人様の評価というのはとても語れる立場にありません。

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外務大臣会見記録(平成19年2月16日(金曜日)8時45分~於:院内大臣室前)

イランの核問題

(外務大臣)イランの核問題に関する措置について、国連安保理決議第1737号を履行しなければなりませんので、個人、団体の資産凍結の了承を得ました。17日から施行します。これは核不拡散体制や北朝鮮の核問題とも絡んでいる話でもあり、断固たる対応をとる必要がありますので、イランに対する決議を履行していきたいと思っています。

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東ティモールの大統領選挙の実施に対する緊急無償資金協力

(外務大臣)東ティモールが初めて政府自身で大統領選挙を行うので、これに日本として援助をします。

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六者会合

(問)六者会合ですが、次は30日以内の作業部会設置の話になるかと思うのですが、日朝の作業部会については北京のような第三国でやるつもりなのか、日本、北朝鮮のいずれかでやるのか、どういう形でやろうとお考えですか。

(外務大臣)場所はあまり考えていません。あまり遠くないところでやるのでしょう。あまり今は考えていません。

(問)まだ先方の担当者との連絡や具体的な話はしていないのでしょうか。

(外務大臣)協議をする前に根回しのような話をどこかでしなければいけないでしょう。それは来週ぐらいから考えなければいけないところでしょう。北朝鮮も今日が金正日総書記の誕生日でしょうからそれが終わってから考えるのではないでしょうか。30日以内ということですから、来月初めくらいまでにやらなければいけないでしょう。

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外務大臣会見記録(平成19年2月13日(火曜日)18時20分~於:本省中央玄関)

六者会合

(問)六者会合合意文書の取りまとめに至ったわけですが、大臣はどのように評価されていますでしょうか。

(外務大臣)時間がかかりましたというか、随分前々からの懸案でしたが、少なくとも、五カ国で申し込んであった、寧辺の話、また、IAEAの査察監視、プラス今後の核に関する一連の話まで進められたというのは、成果としては大きなものだったと思います。それは率直にそう思います。けっこう大変だったと思いますが、駆け引きとしては、北朝鮮相手に五カ国よくまとまってここまでいけたということだと思いますが。

(問)日朝の二国間の話についても、国交正常化交渉を始めるということになったかと思うのですが、これはまた作業部会とは別にそういう協議を始めるという形になるのですか。

(外務大臣)基本的には、30日以内にということになりましたので、昨日でしたか、4時から1時間くらいやったときに比べて、現実問題としては、日朝について正式に作業部会を30日以内に立ち上げますという話に決まっていますから、ここできちんとした対応ができるきっかけがつかめる、それによってすぐかどうかわかりません、日朝国交正常化交渉というのは前提条件が色々ありますので、その辺のところが、一応話ができあがるようになったというのは、いいことだと思います。

(問)作業部会の中で。

(外務大臣)そうです。

(問)中国の武大偉外交部副部長が、今回の成果を確認するために、六カ国の外相会議をやるという言い方をしているのですが、これはいつどこで。

(外務大臣)最初にライス米国国務長官の方から提案があったのは、1月何日だったか、随分前の段階だったのですが、そのころからやっていた話なので、きちんとするためには、やった方がいいと思いますが。60日以内という話になっていますので、60日経ったところでくらいじゃないでしょうか。違いますかね。

(問)初期措置が終わってからということですか。

(外務大臣)初期措置、いわゆるイニシャル・アクションというのが、アーリー・ハーベストという言葉がイニシャル・アクションという言葉に今変わっていますが、これが60日以内をめどにしていますので、初期段階の措置が終わったところくらいで閣僚会議ということになるのだと思います。

(問)一方で、見返りの支援なのですが、韓国側の首席代表は、5万トンの支援について、各国が平等に負担するものなのだというような言い方をしているのですが、これはどういう。

(外務大臣)石油のことに関しては、最初の段階で5万トン、後そこそこきちんと対応ができたら残り95万トン、トータル100万トンという話になっていると思います。ただ、そのことに関しては、日本は北朝鮮との間には拉致という問題があるので、日本としては、この話には、エネルギーの支援等々に関して、調査するとか、またどこかに売られてしまうとかいうのではなく、本当にきちんと使われるというようなことを調査するとかフォローするとか、色々な表現があるでしょうが、そういった調査に参加するのはやぶさかではありませんが、少なくとも、この日朝の話が決着していない段階で、うちはこの分担に応じることはありません。

(問)では、あくまでも、韓国側が各国均等に負担すべきものだというのは、日本については拉致問題の進展がないと出せないということですか。

(外務大臣)はい。これはもう、各国皆了解しています。

(問)今回、初期的段階の措置としては、日本側が考えていたものはほぼ合意文書の中に取り込まれたというような。

(外務大臣)そうですね。後の核についての計画というか、プルトニウムの申告等々が出ることになりましたので、そのぶんは予定していたものよりは大きかったと考えるべきだと思います。

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外務大臣会見記録(平成19年2月13日(火曜日)8時52分~於:院内大臣室前)

六者会合

(問)六者会合ですが、中国側から最終的な合意文書案が示されたようですが、この文書について大臣はどのように評価されているのでしょうか。

(外務大臣)二次案の話は、それなりに色々な努力の跡が感じられますし、私共としても非核化に向けての大きな妥協がそれぞれ皆出され、それぞれ持って帰っています。今日11時半にもう一度首席代表会議をしますので、その席でもう一度ということになるのだと思います。

(問)日本として評価できることは、寧辺の停止やIEAの査察、作業部会の設置というものが盛り込まれているということでしょうか。

(外務大臣)初期的処置というものに関しては、かなりあの文書よりも前に言っているところもありましたし、我々としてはその点は評価できるところだと思っています。

(問)日本としても今日の文書の合意を目指したいというお考えですか。

(外務大臣)本当に乗ってくるかどうかわかりませんから、あそこは。ですから、本国の訓令を仰いでという話になるのだと思いますので、それからどうなってくるのか、まだそこはわからないです。

(問)ライス米国務長官とはどのような確認をされたのでしょうか。

(外務大臣)ライス長官とは10分から15分ぐらい話しましたが、まだこれが第一歩みたいなものであって、具体的に進めていくのはこれからの話です。拉致の話について日本は日朝協議の時にも色々していますが、この種の話を具体化させていくことが今後我々に残された部分としてあります。これが現実に一応サインしたからといって、そのままスタートできるかどうかというのは分からないところがありますので、それをきちんとさせていくことが一つ。また、日本については核以外の拉致の問題もありますので、この問題に関しては引き続き協力をしてもらうという話が二つ。そして、こういったものを日朝で合意できれば、核の話について色々日本としても貢献できる部分はあるということです。

(問)そういった話は昨日の佐々江アジア大洋州局長から北朝鮮側にもされたのでしょうか。

(外務大臣)基本的にはそうです。

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外務大臣会見記録(平成19年2月9日(金曜日)8時52分~於:本省会見室)

六者会合

(問)昨日の六者協議で、北朝鮮側が初期段階の措置に言及したわけですが、昨日の北朝鮮側の発言に対してどのように評価されていますでしょうか。

(外務大臣)こんなものではないでしょうか。第1回目ですから、昨日は開会式みたいなものでしょう。各者それぞれの自分たちの言い分を述べたというところだと思います。

(問)北朝鮮側の発言は、大臣からすると想定の範囲内という。

(外務大臣)想定の範囲内ですね。

(問)今日、合意文書の作成にもう入るという形になるのでしょうか。

(外務大臣)初期的措置というところですか。その種の文書にいければいいところでしょうね。その中には作業部会の話もありますし、色々ありますから、逐条、これはこれでいいねという再確認をしていくのだと思いますが。

(問)その草案についてはもう既に中国側から日本にも示されている。

(外務大臣)示されていますね。

(問)その内容については満足できるものですか。

(外務大臣)まだ言える段階ではありません。昨日始まったばかりですから。

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外務大臣会見記録(平成19年2月6日(火曜日)9時37分~於:本省会見室)

閣議

(外務大臣)平成19年度の中央団体の歳出歳入の総額見込額について総務大臣から話がありました。閣僚懇では、地域活性化の取りまとめについて、渡辺地域活性化担当大臣から発言があり、それに関連して、総理から同様の取りまとめについての話がありました。強制失踪条約(仮称)について。本日閣議において、強制失踪条約に署名することを決定しています。署名は、本日午後パリで開催される同条約署名式において浜田外務政務官が行う予定です。この条約によって、拉致を含む強制失踪が犯罪として処罰されるべきものであるということが、国際社会において確認されるということになります。将来に向かって同様の犯罪が行われ得るということで、この強制失踪とか拉致という問題に関して、国際的な関心を高める上でも効果があるものではないかと思っていますので、可能な限り早期に締結したいと考えています。

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六者会合

(問)8日から六者会合が再開されますが、北朝鮮の具体的な行動とともに、こちらからエネルギー支援という話が出ていますが、日本として、最低ラインといいますか、アーリー・ハーベストというか、その辺はまず、どのように確保していきますでしょうか。

(外務大臣)少なくとも今まで行われたヒル米国国務次官補と金桂寛(キム・ケグァン)北朝鮮外務次官との間で、いわゆる重油提供について協議を行ったことはないということははっきりしていると思っています。ただ、六者会合における共同声明というものが第4回の時に出ています。これを見ていると、「3.」で、「六者はエネルギー、貿易及び投資の分野において経済面の協力を二国間または多数国間で推進することを約束した」と書いていますから、これは協議することになります。共同声明でそう言っていますから。ただ、それは前提があるのであって、その前提として、核の問題とか色々ありますから、そういった問題が進展せずにエネルギーだけ頂戴というようなそんな調子の良い話は成り立ちませんから。

(問)改めて、北朝鮮にどのような具体的な行動を求める予定でいらっしゃいますか。

(外務大臣)少なくとも、六者会合の共同声明でした色々な話とか、核で言えば、アーリー・ハーベストとして我々が求めたIAEAの査察とか、色々とありましたが、どういう具体的なものを示すかということなのであって、具体的に約束したからといって実行するという保証がないのはこれまではっきりしていますので、具体的なことをひとつひとつ詰めていって、「これだけやったら、これだけします。」というような形でやっていくことになると思います。

(問)日朝協議に関しては、前回は全く話ができませんでしたが、今回はある程度進展の見通しはありますでしょうか。

(外務大臣)この話を進めるにあたって、部会の一つである日朝協議を立ち上げて、そこで色々と話をしない限りはなかなか前に進まない、なぜなら日本がこの案に賛成しなければずっとそのままだからという話は、中国も米国も、北朝鮮に対して、してあります。日朝部会というのがどのような形なのか全然分からない話で、立ち上げたはいいけどいつスタートするのかというのは、またあり得そうですから。そういった話では、具体的な話は全然進まないのにこちらだけ納得してくれと言われても駄目だと、こちらは特殊な事情があるからということだけは、米国にも中国にも、これは日本側から何度となく言ってあります。

(問)拉致問題に主な進展がない場合に日本ができる支援の限界というのをどのようにお考えですか。

(外務大臣)出てくるでしょうね。決まったからこれだけ出してと言われても、これだけエネルギーを、食糧を、お金をと言われても、こちらは他の問題が片付いていないのにこちらだけその分担を安易に払うつもりはありません。

(問)例えば、人道的なものもなかなか難しいと。

(外務大臣)人道的なものの内容がよく分からないのですよね。人道的なものとしてお金を出して、そのお金がきちんと人道支援に回っているのか、それとも一部の人のポケットに入っているのか、よく言われる話ですが、そういったことに関して、きちんとフォローが、アフターケアがきちんとされているのかどうか、私どもとしては関心のあるところです。

(問)エネルギー支援というのはその範囲には入らないということでよろしいですか。

(外務大臣)例の50万トンとかいう話というのは、昔からある話ですが、人道的なものというのはむしろ、主に医療とかそういったものが人道的と言われるものなのであって、それがまた売却されてどこかでお金になってしまいそうな話というのは、なかなか、我々としては、人道的かと言われると、いまひとつ考えざるを得ません。

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外務大臣会見記録(平成19年2月2日(金曜日)8時45分~於:院内大臣室前)

六者会合

(問)米朝の金融協議を踏まえると来週の六者会合の見通しをどう捉えていますか。

(外務大臣)これはよく言うように、いつも期待値は高くても出てくる最後の最後まで答はよく見えません。前回の六者会合でもそれなりにスタートする予定だったのに、実質は全く違いました。そう言った意味では、同じ人に何回もはめられていたらあまり利口な話ではありませんから、期待値というのは結果を見た上でないと何とも言えません。

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内政

(問)国会ですが、予算委員会が柳沢厚生労働大臣の発言で野党の審議拒否が続いていますが、こういう状況は如何でしょうか。

(外務大臣)柳沢大臣の話に不満だと言うのなら、出てきて柳沢大臣に色々皆の前で質すというのが普通で、出てこないというのはあまりよく分かりません。今は特に補正予算ですから、災害復旧関係がいくらあるのでしょうか、結構な額だと思います。そういった意味では、現場は結構切羽詰まった話だと思いますので、ちょっとあまり理解出来ません。

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日米関係(久間防衛大臣の発言)

(問)米国のイラク政策や沖縄の基地問題について、久間防衛大臣の一連の発言で、米国側が久間大臣に不信感を持っているとされていますが、麻生大臣はこれについてどのように思われますか。

(外務大臣)不信感を持っていると貴紙が書いているのかもしれませんが、正面切って不信があると言った人は誰かいますか。誰か聞いたことはありますか。

(問)聞いたことはあります。

(外務大臣)それは誰ですか。

(問)それは申し上げられません。

(外務大臣)そうですか。

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