記者会見

外務大臣会見記録(平成18年6月)


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外務大臣会見記録(平成18年6月27日(火曜日)10時22分~ 於:官邸エントランスホール)

麻生大臣のG8外相会合等出席

(問)ロシアを訪問してG8の外相会合に出られますが、大臣として各国の外相とどのような話をしたいのか。特に北朝鮮の拉致問題については如何ですか。

(外務大臣)今でしたらイランと北朝鮮の核の話が多分出てくるのだと思います。日本としては核問題の話は勿論ですけれども、ミサイルの話も含めて、こちらは今、待機状態というか、非常事態というか、待たされている状態ですから、そういうのに加えて拉致問題というのが、多分G8サミットの方でも論議されると思います。そこらのところが全体会合としては話題になるところだと思います。ミサイル、核、それから拉致、そういったところだと思います。

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外務大臣会見記録(平成18年6月22日(木曜日)17時53分~於:本省会見室)

臨時閣議

(外務大臣)外務省からは、スーダンのダルフール地方における人道支援に対する緊急無償資金協力についての話をしています。昨年4月に表明した1億ドルのスーダンへの支援のほぼ全額を実施したことになるのですが、今回、緊急無償資金協力約1 千万ドル、これは5月に総理がアフリカ諸国を訪問した際に表明したダルフールの人道支援を具体化するもので、これで総額約1億ドルのスーダン支援をほぼ実施したことになります。
 環境大臣から、南アフリカ共和国への出張の結果について。猪口大臣から、男女共同参画週間の実施について、6月23日から29日までの一週間という話がありました。

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靖国問題

(問)大臣は以前から、靖国神社が宗教法人ではなくなれば誰でも参拝できると、一宗教法人に戦没者とかの追悼を任せているのはおかしいということをおっしゃっていますが、これは、宗教法人格を外すということだけではなく、靖国神社が持つ宗教性ということについて、参拝の仕方とか祝詞の奏上とか、そういったことが解決する課題になってくるのでしょうか。

(外務大臣)それは、少なくとも、政治家の介入する仕事ではありませんと、ずっと同じことしか言っていませんから。

(問)もちろん、靖国神社側が宗教法人格を外すということが前提にはなります。それは大臣もおっしゃっています。

(外務大臣)当然でしょうね。その後そこがどうされるかというのが、そこが新しく決めるところが決めなくてはいけないところでしょうね。新聞記者が決める話でもないし、そういった話というのを政治家が全部決めさせるという話にしたいわけですか。

(問)別に政治家が決めると言っているわけではないです。

(外務大臣)ではどうしたいのですか。

(問)政治家として、どこに問題があるか、どういう認識を持っているかをお聞きしているのです。

(外務大臣)どこに問題点があるか、ずっと同じ意見を言い続けているではありませんか。

(問)それは宗教法人格を外すだけでいいということですか。

(外務大臣)宗教法人格を外さない間にこちらからどうするかということを言うことはできません。宗教法人格がはずれる前にああするこうするという話がどうして言えるんでしょうか。

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G8外相会合

(問)来週のG8外相会合に大臣はどういったテーマを議題に取り上げ臨むか、特に北朝鮮の拉致問題、ミサイル問題、どのような問題を追求していかれるのか。

(外務大臣)北朝鮮の問題というのは、やはり避けて通れない大きな問題だと思います。この話は。少なくとも、それまでにどういう展開になっているか予想の付けられるところではありません。そういった話というのを、それまでずっと状況が変わっていないという状況を前提にするのか、それまでにどういう変化があるか、それによって違うとは思いますが。

(問)拉致のことはやはり。

(外務大臣)拉致の話は、私どもとしては、G8の首脳会議においてもこの話は是非出してもらいたいという話をずっと、ラヴロフ・ロシア外務大臣に対しても、カタールで話をしたと思いますが、この話は、首脳会議の話題にしてもらいたいという話をしている。

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福田元官房長官の外遊

(問)今日、福田元官房長官がインドネシアに出発されたのですが、今年7回目の外遊ということで、積極的な独自のアジア外交を展開されているのですが、福田さんが総裁選に出馬するのかしないのかというのは、永田町でもずいぶん注目の的になっているのですが、ライバルになりうる立場として、こうした動きをどういう風に見ていらっしゃるでしょうか。

(外務大臣)ちょっと、福田先生の行動についての感想を聞かれても、それはちょっと答えられませんね。どう思っていますか。どうでしょうね、0泊3日なんてことはないのでしょうし、少なくともホテルで泊まられるだろうなと思って、同じ外遊でもいいなあという感じがしないでもありませんが。ちょっと正直、それに対する感想はありません。

(問)外務大臣として、彼のこの積極的なアジア外交、米国の方にもされていますが、こういったものをどう評価されていらっしゃるのでしょうか。

(外務大臣)良いのではないでしょうか。人脈を通じて色々な形で人間関係を作っていくというのは、すごく大事なことだと思っていますから、良いことだと思います。

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自民党の歳出削減案

(問)今、自民党の歳出削減の検討をされていますが、その中でODAが、当初4%を5年間連続でと。昨日あたり、2から4%、いずれにしても削減の方向で動いていますが、これについてどう思われていますか。

(外務大臣)少なくとも、総理大臣が5年間で100億ドルとか3年で倍増とか、色々な形での話をしておられるのに対して、%を決めて向こう5年間マイナス%で固定するというのは、対外的に日本がやりますと言っているメッセージと全く逆のメッセージを発することになるのではないかと思います。

(問)何年間に渡って固定すること自体にはまだ反対ということですか。

(外務大臣)結果としてマイナスになることもあるでしょう。しかし、最初からマイナス%で年間規定するというものに関しては、日本がこれまで総理が外に向けて発信してこられた話とは全く矛盾するということになるように思いますが。

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外務大臣会見記録(平成18年6月20日(火曜日)11時05分~於:本省会見室)

閣議

(外務大臣)平成18年度「国民生活白書」について、少子化、男女共同宣言の話が担当大臣から。内閣の提出案件の成立状況について、法律案91件、条約14件、うち条約14件全て、法律82件が成立。議員立法が14本成立していますという報告が官房長官からありました。G8司法・内務閣僚会議の開催について、毎年問題になるのですが、G8に文部大臣、法務大臣が呼ばれているのだが、国会中で行けないというのが常になっています。今回も副大臣が代わりに出席して、テロ等々の話をしました。ほぼ同じような内容が国家公安委員長の方からありました。

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イラク派遣自衛隊

(問)今日、総理が自衛隊の撤収の決定を表明しますが、自衛隊のイラク派遣を振り返って、大臣として感想を含めどんな見解を持っているのか。

(外務大臣)19日にマーリキー・イラク首相から治安権限の移譲を受けるという話があり、その最初の県に固有名詞が上がったのがムサンナー県だという発表があったことは誠に喜ばしいことだと思っています。少なくとも2年以上に渡って、一人の犠牲者も出ずにこの種の作戦が終了し得る環境ができあがりつつあるということは、野球で言えばノーヒット・ノーランみたいな話だと思うのですが、この種のことが出来たのは希有の例として、少なくとも他国の軍隊の機関誌からの評価は極めて高い。これを完遂、ここまでしてくれた自衛隊隊員に対して心から敬意と感謝を捧げる次第です。陸上自衛隊に限らず、航空自衛隊も約400トンくらい送りましたかね。海上自衛隊も車両を含めて1万4000~5000キロ、あそこまで送っていますので、色々な意味でこういったようなことが、撤退できる可能性が出てきたということは、誠に喜ばしいことだというのが正直な感想です。

(問)陸上自衛隊撤収後の政府としての支援方針をどうお考えですか。

(外務大臣)場所によって随分違うと思いますが、この陸上自衛隊に関しても、ODAとの組合せ等々色々やって、結果として、給水がよく例に出ますが、学校、道路の補修など色々なことをやって、現地の人の声というものを作り、色々な形でやってきたと思います。治安移譲後も順調に平穏な状況が続けられるという前提に立てば、ODA等々、NGOなど色々な形の民間が入りやすい状況ができ得る可能性が出てきているということは良いことなので、そういった点では、陸に関してはそういったようなことが可能性として出てくるということなのだと思います。

(問)円借款については、既に35億ドル規模の枠を設けていますが、更に上積みしていくお考えはありますか。

(外務大臣)50億ドルの約束をしていると思いますので既に決定済みの15億の部分や、その他、事態の推移を見なければ迂闊なことは言えないと思います。

(問)自衛隊の派遣が日本の外交にとってどういう成果をもたらしたとお考えでしょうか。

(外務大臣)「名誉ある地位を得たいと思う」という憲法の前文がある。間違いなくこの種の自衛隊に対する、フランスの「今日の軍隊」という機関誌にも確か載っていたのを読まれたと思いますが、そういうところを見ても、日本人が何故成功したのかということ等が寄せられている文章での評価というのは極めて高い。その状況は我々としても感謝をしていると先程申し上げたとおりです。従ってこういったものは、これは東ティモールにおいても同じでしたし、各地にこれまで派遣された自衛隊員が極めて軍律厳しく、評価が極めて高い。これは陸に限らず海においても同じです。そういった評価というものは、この国、日本という国のブランド・イメージを高める極めて大きな貢献があったと考えています。

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外務大臣会見記録(平成18年6月16日(金曜日)9時40分~於:本省会見室)

閣議

(外務大臣)沓掛防災担当大臣から、概要及び防災に関する計画案についてありました。財政制度等審議会について、財務大臣から歳出、歳入一体改革に向けた基本的考え方について財政制度等審議会建議の提出の話が出ました。閉会中の定例閣議の話がありました。7月24日、東京都内でタウン・ミーティング5周年の記念をするという話が、総理、小池環境大臣、猪口少子化担当大臣からありました。

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モンテネグロ承認と山中政務官のモンテネグロ派遣

(外務大臣)セルビア・モンテネグロについて、政府は本日付でモンテネグロ共和国を承認します。来る6月21日から22日まで山中外務大臣政務官を総理特使としてモンテネグロに派遣して、モンテネグロ首脳と会談する予定です。

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カルザイ・アフガニスタン大統領来日とアフガニスタン「平和の定着」に関する第2回東京会議の開催

(外務大臣)カルザイ・アフガニスタン大統領が7月4日から7日まで訪日される予定で、「アフガニスタンの「平和の定着」に関する第2回東京会議」を開催します。招待国は88カ国です。日本は元兵士の武装解除や動員解除、社会復帰を進めてきました。この会議に私も出席します。アフガニスタンの麻薬は世界の7割ぐらい行っていると思うのですが、そういった意味で、復興支援にあたって、麻薬の温床に逆戻りさせないために、農業支援など色々しなければいけません。カルザイ大統領の来日も3回目になりますが、色々な意味でこれが大きなところだと思いますので対応していかなければならないと思っています。

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総裁選

(問)今日で国会が事実上終わり、自民党内ではこれから総裁戦への流れが強まると思いますが、総裁選に意欲を示しておられる大臣は今後3カ月どのように対応されていくのか改めて聞かせていただけますでしょうか。

(外務大臣)総裁選の流れが強まるのは8月のお盆過ぎだと思います。それまで色々企画を考えて、本人には聞き飽きたからその周りに色々聞いているような形になっているのでしょうが、そういう雰囲気になるのは8月のお盆過ぎだと思います。

(問)大臣は事実上出馬の意志を明らかにしていますが、まだ政権構想といったものを出していないと思うのですが、本格化するのは8月からだとおっしゃいましたが、その段階までに政権構想を明らかにするお考えはありますでしょうか。

(外務大臣)ボールを投げる前に「内角高めのストレートを投げます」と先に話すピッチャーがいるでしょうか。

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イラク情勢

(問)ロンドンで関係国の治安についての協議が行われたり、治安権限の移譲というものに向けた動きが続いていますが、現状での日本政府としての見通しをお聞かせ下さい。

(外務大臣)この間のブッシュ大統領のバグダッド訪問、その前の英国の外務大臣のバグダッド訪問等々、その後の会議やら何やらの発言等々を見ていると、かなりな部分で、地域によりますが、治安というものの回復が見られるのは確かです。従って、その意味ではイラクから撤収等々が出来るかどうかということに関しては、我々としては早めに出来得るような状況になりつつあるかなとは思っています。

(問)今月20日にも英国政府から治安権限の移譲というものを表明したいと日本政府に打診があったという報道もありましたが、そういう英国政府からの打診を大臣は把握されていますでしょうか。

(外務大臣)いつの時期に正式にするかという話を受けているということはありません。

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小泉総理の国会答弁

(問)小泉総理にとっても総理として国会の答弁に立つことが終わるわけですが、総理の国会答弁について何か感想はありますか。

(外務大臣)総理の国会答弁についての感想ですか。どうでしょうね。ものによってかなり温度差があるかなとは思いました。それはそんな感じがしますけれども。あとは、少なくとも努めて原稿が棒読みにならないように努力しておられるように見えましたけれども。それはそんな感じはしましたけれど。特に感想と言われても。

(問)荒っぽいという指摘もありますが。

(外務大臣)そんな風には思いません。質問の方も荒っぽいですから。

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外務大臣会見記録(平成18年6月13日(火曜日)9時34分~ 於:院内・閣議室前)

インドネシアに対する無償資金協力

(外務大臣)インドネシアに対する無償資金協力として巡視船艇3隻の建造のための交換公文の締結を決定しました。また、武器輸出三原則等との関係は、官房長官から発表されます。

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東ティモールに対する緊急無償資金協力

(外務大臣)東ティモールについては、国際医療機関、国連開発計画に対して500万ドルの緊急無償資金協力を行うことにしました。

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日韓EEZ境界画定交渉

(問)EEZ境界画定交渉ですが、日本側は海洋調査を行う際の事前通報制度を議論すべきだと提案しているかと思いますが、なかなか韓国は応じない姿勢です。韓国側の対応を今どのようにご覧になっていますでしょうか。

(外務大臣)今日も引き続きやりますので、内容は今の段階では言えません。

(問)竹島を基点にしたいという主張も韓国はしていますが、今日の協議ではどの辺まで合意に至りたいとお考えですか。

(外務大臣)ピッチャーに次は何の球を投げてくれるかと聞いているような話です。

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サッカー・ワールド・カップ

(問)サッカーのワールド・カップですが、日本はオーストラリアに敗れましたが如何ですか。

(外務大臣)サッカーのワールド・カップは閣議に関係ありません。

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外務大臣会見記録(蒲谷横須賀市長との会談後)(平成18年6月12日(月曜日))

(問)今日は横須賀市長と、どういった話をされたのですか。

(外務大臣)私の方からは空母に関する安全性の話と、それから、万が一の時の防災訓練という話に関してご要請が向こうにありましたので、それの返事をさせて頂いたのと、地元の理解の要請に上がったというのが1点。それから色々従来通りの通常型空母の話もよく新聞に出ているところですけども、通常型空母の来る可能性はありません、全部原子力に替わっていくことになりますので、その可能性はないと申し上げました。市長の方からは、以上の点を申し上げて、よく検討させて頂きます、という、ご返事を頂いたということだと思います。それだけです。

(問)このタイミングで地元まで大臣が見えてご説明されたという意味合いはどういうことか。

(外務大臣)ないんですよ、説明に来る日にちが。国会があったり、今してますから。横須賀まで来るのに2時間くらいかかりますから。ここまで来て、というのは。
 私は大臣に就任した時以降来る機会はありませんでしたから、そう言った意味では、何回か、やりとりがありましたし、そして、市長のほうも東京に何度かお見えになっておりましたんで、私どもとしては、こちらの方から質問をいただいておりましたので、その回答をきちんとすべきではないか、と。市長が自分で持ってお見えになりましたからね。

(問)理解は得られそうか。

(外務大臣)どうでしょうね。検討するというのは、役人の言葉で言うと、よく分かりません、という言葉ですね。前向きに検討します、って言うと、直訳するとよく間違えますんで。慎重に、ということなんだと思いますが。

(問)浚渫工事に関しての話は。

(外務大臣)浚渫工事は、私の方は、原子力空母のほうが喫水線が少し深いと思いますんで、その話も、私どもとしてはいざスタートしたらお願いしなければならない話ですが、それこそもう一回、直接、所管の官庁ということだと、市ということになろうと思いますので、その点の話は私どもから直接きちんとしていかなければいけないと思ってます。

(問)今日は大臣から浚渫の話をしたのか。

(外務大臣)浚渫の話はしましたかね。ちょっと色々しましたので。ただ、浚渫というのは、できてからの話ですから、そういった段階の話ではありません。

(問)米軍との防災協定の話などは。

(外務大臣)防災の話っていうのは、今までは、これまで原子力空母に限らず潜水艦含めて原子力関係でいわゆる事故とかいう話は一回もない。これまで一回もありませんから。これまでモニタリングの結果もはっきりしてますので、そういったところはない。従ってそういったものをやる必要がない、というのがこれまでのアメリカ側の言い分だったと思います。それに対して、私どもは、ないって言ったって、もしかしたらあるかも知れないのだから、そういった時には、市民としては、不安という話は数字だけでは、なかなかそうはいかないので、不安の気持ちを払拭する努力は双方必要なのではないか、ということで、米側と話をして、検討してくれというところまで、去る6月何日だったか、そういった話を、会合をするというというところまで今いっている。いわゆる防災の訓練に関して、双方で検討会をしようという所までは来た、ということです。

(問)政府としては安全性の保証をするというような話は。

(外務大臣)安全性の保証、それは安全を期します、という話はずっと前からしている話です。

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外務大臣会見記録(タウンミーティング)(平成18年6月11日(日曜日))

(問)日中関係についてかなりたくさん質疑がなされたと思いますが、その中で、中国残留日本人について質問させて頂きたいと思います。この件は厚生労働省の管轄であると思うのですが、昨今、密入国ブローカーですとか、この存在を巡って、日本人だと中国政府が認めているのだけれども日本政府から認めてもらえないという存在があるというケースが出てきておりまして、厚生労働省だけでなく、法務省、様々な所が関わってくる問題だと思うのですが、今後外務省として残留日本人問題について対応できることがあるかどうかという見解をお聞かせください。

(外務大臣)この水崎秀子さんの話というのは極めて複雑な話であって、元々はなりすましの話でしょう。「水崎秀子」という名前だったと言って、平成4年の時にこの人が「水崎秀子」として入ってきて、日本で認められて国籍を取得。その後、平成14年になって、中国在住の人が「私がそうです」と言って日本に現れた。その人が日本に来て確認をした結果、後から出てきた人の方が本人らしいということになって、結果としてこちらの方に国籍が与えられた。では最初の人はどこに行ったのかというと行方知れずになっていて、今どこにいるのか、日本にいるのか海外に出ているのか、今、不明ということになっています。それが確かこの人に関する現実だと思います。少なくともその時、戦時死亡で宣告された分を止めて、新たに国籍取得ということになり、戸籍が回復したということになっているのだと思います。この後から来た人も。だから、この種の話というのはなかなか難しい話なのですが、今、中国側に364名の所在確認調査というのをまだ要請しているところなのですが、少なくともこういった問題が完全に終わるというのはなかなか時間がかかる話なのかもしれません。こういったのは、なりすましだっていうことが前提になっていませんものですから、そういったものに関しては、今後、厚生労働省に限らず、法務省、外務省が連携して、色々と中国とも話をしながら詰めていかなければいけないところだと思います。

(問)ごく簡単な質問なのですが、本日の質疑の部分で、対中円借款の話があった時に、大臣が「対応の仕方によっては凍結を再開したということになりますので、これを継続していくかは日中間の流れで決まっていくと思います。」とおっしゃいました。これは何を意図されているということなのですか。凍結が再び有り得るということなのか。

(外務大臣)それは有り得るでしょう。

(問)2008年以降も続ける可能性があるということなのか。

(外務大臣)2008年以降続ける可能性というのは円借款ではないのではないでしょうか。もっと別の協力関係というのは、他に円借款以外にも色々ありますから。他の問題は色々ありますし、逆に言えば、2008年に行く前の段階で何か事が起きたら、残りの2年間は止めなきゃいけないということになるかもしれません。そういったようなものは、色々なことを、友好関係というものをきちんと維持するために、十分今から、あと3年ですか、2年ですか、そういったものには起こり得る可能性はあると思っていかなくてはいけないでしょう。だから、意図しているところは、友好関係が維持されるのが一番の希望です。

(問)外交は関係ないのですが、2つ質問があります。1つは、2016年のオリンピックに福岡と東京が立候補して、福岡オリンピックの可能性はどの程度であるとお考えか。第2点は、北九州の市長選挙が来年ありますが、末吉現市長が、次も出馬されることになった場合には、麻生さんはこれを支持されるかどうか。

(外務大臣)福岡オリンピックになる可能性は、僕は、ちょっと正直言って、計算の方法を真剣に考えないと簡単じゃないと思います。対抗馬は皆、首都でしょう。他の対抗して出てきている国は。その中で日本だけが首都じゃないというのは、結構、ディスアドヴァンテージ、いわゆる不利なところの一つかなという気はします。ただ、コンパクトに小さな地域でパッとまとまっているという状況を考えると、福岡というのは極めて逆にアドヴァンテージがある、有利性があるということだと思いますので、そこのところの評価がどうなるかという点です。これは日本のチャンピオンになったからといって世界で取れるというのは別の話ですから。そこのところを皆間違えて、大阪も失敗した、名古屋も失敗して、なぜ福岡だけ取れるのかと言われて、うちはマル秘作戦、ウルトラCがあります、テレビ九州がやりますとかいう話は、少なくとも私のところには聞こえてこないので、ちょっとそこら辺のところはよくわからないと思う。
 北九州の市長選挙について、これは個人の話なのであって、今5期やられて、評判は極めて、別にケチつけるというのもなかなか難しいくらい、少なくとも全国1823市町村の中で、市長の有能度合い、また経営度合いを、総務省的に見たら、少なくとも5本の指に入る名市長だと、これは皆認めざるを得ないところなのではないでしょうかね。今、5選目でしょうが、そういう端っこの話をしているのではなくて、やるかやらないかの話は、長いか長くないかだけであなたは良いか悪いかを判断しようという話で、僕は長いか短いかで判断する気はありません。従って、これより良い候補者が出てくればいいと思います。良い候補者がないけど長いから辞めるって言った場合、あなた、自分でやりますか。良い市長の候補者を探してこないと、長いから駄目といって替えてもらった時には、良い替わりになる候補者がいない上での話というのは、僕は乗らないのですよ。必ず、ワイマール共和国じゃないけど、後任者が決まらない、後任の候補者が少なくとも決まらないうちに、まず辞めろ辞めろの大合唱で、長いから辞めろと辞めさせて、それで後は誰というような幼稚な話には乗りたくないなと思います。

(問)先程の日中関係の話に関連して、中国の胡錦濤国家主席が宮本大使に対して、条件が整えば訪日したいという意向を伝えたと伝えられていますが、この条件が整えばという条件をどのように受けとめられていらっしゃいますでしょうか。それから、そのコメント全体に対してどう受けとめられていらっしゃいますでしょうか。

(外務大臣)宮本大使が信任状を捧呈した時の話ですよね、この話は。内容を詳しく聞いているわけではないので、その場の雰囲気がわかりませんから、この種の話は少なくともしっかりとした公電を読んで上、もしくは本人と話した上でないと、新聞情報だけでその話を状況判断する程、人は良くないので。しっかりしたものが見えていない段階では何とも言いようがないのですが、何を条件にしておられるのかということを含めて、今から詰めなければいけないところだと思います。だけど、少なくとも訪日する意欲はあるということは、この間の3月31日の話を裏付けている話かなという感じはします。

(問)現在、世界はイランに注目しているわけで、日本も一部作戦に関わった例の包括的提案について、モッタキ・イラン外相が昨日、イランとしての対案を示す可能性を示唆しているのですが、色々動いている中での話かと思いますが、今、世界の一致した考え方という形で包括的な提案を示されていて、今、イランが対案を示すというのは、そういうのは、言い方について、大臣はどのようにお考えですか。

(外務大臣)一昨日でしたか、金曜日にモッタキ・イラン外相の下の、日本人のような名前のアラグチ・イラン国際担当外務次官が日本に来て、外務省で30分くらい話をしました。少なくとも日本としては、今度の案にはロシアも乗った、中国も乗った、日本も乗ったと。この3つが乗った上での話だから、これは少なくとも先進国一致だと。少なくとも交渉のテーブルに着くというのがすごく大事な事であって、今まで過去の経緯を見て面白くないとか何とかかんとか言うのだったら、それは日本だって少なくとも原子力を平和利用に至るまでの間は、いよいよ紆余曲折あって、今日では最も事故の少ないものに作り上げてきた。それは間違いなく開かれたやり方をしてここまで来たのだと。そういった意味では、今回の案は少なくとも世界中がこの案に乗って、少なくともイランの原子力の平和利用に関して、その権利を認めないなんて言っている国はない。少なくとも皆認めた上で、おたくが18年間、少なくとも、「やっていない。やっていない。」と言いながらやっていたということに関して信用を一回失っているのだから、そのためにはきちんとその信用を博するためにどうするかという話として、この案が出ているのだという話をして、自分たちも交渉のテーブルに着くためには対案をということで、その対案を自分で出されるというのは決して悪いことではないので、建設的な話なのではないかと。少なくとも拒否して、「もう全然。」という話ではないというのは、一つのシグナルだとは思います。

(問)日中の歴史共同研究の話をされましたが、これの実現可能性、あるいは大体いつ頃までに出来るのではないかという具体的なものはありますか。

(外務大臣)こちらとして、こういう案をしたらどうだという話は、正確な記憶はないが、とにかくやっていますので、こういった話をするというのは良いことだと思います。いつまでにやるかという事務的な話は私ではわかりません。

(問)先程の中国の胡錦濤国家主席の発言について、条件というのは、ポスト小泉の靖国参拝というのを念頭に置かれているようにも取れるのですが、大臣御自身の靖国参拝についての姿勢をもう一度改めてお聞かせ下さい。

(外務大臣)一つ目の宮本大使の話に関しては、そんな感じには感じませんでした。二つ目の質問に関しては、適切に判断する。この間から申し上げている通りです。

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外務大臣会見記録(平成18年6月9日(金曜日)8時55分~於:院内・閣議室前)

閣議

(外務大臣)閣僚の外国訪問の戦略的な実施について官房長官の下で取りまとめられていることに関して外務大臣から発言をしました。二階経済産業大臣から、既に発表されていますが、田中伸男OECD(経済協力開発機構)科学技術産業局長を、今回、IEA(国際エネルギー機関)の次期事務局長の候補として立候補させることを閣議で決定しました。

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ドミニカ移住訴訟

(問)ドミニカ移民の裁判について、総理から50周年式典に合わせて支援策を検討するよう指示するような発言がありましたが、大臣としては具体的にどのようなお考えですか。

(外務大臣)これはまだ具体的な話というより、ドミニカに移住されていた方々と、今、個別に外務省と話をさせていただいているところなので、一応裁判が終わって勝訴したとは言え、その内容については色々厳しい御指摘もあると思いますので、それに応じて、今、移住された方々との間の交渉をさせていただいています。それで答を出します。

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外務大臣会見記録(平成18年6月6日(火曜日)9時13分~於:本省・会見室)

閣議・閣僚懇談会

(外務大臣)平成17年度の「食料・農業・農村白書」について農林水産大臣から報告があり、平成17年度のエネルギーに関する年次報告について経済産業大臣から。国立大学法人・大阪教育大学の学長の件について、文部科学大臣から。額賀防衛庁長官のシンガポール共和国におけるアジア安全保障会議への参加について。二階経済産業大臣がAPECの貿易担当大臣会合のベトナム出張の報告。閣僚懇談会では、WHO(世界保健機構)の李鐘郁(イジョンウク)事務局長の急逝に伴い、次期事務局長の選出に向けて、日本は今、WHO西太平洋地域の事務局長をしている尾身茂氏を日本の候補者として出すということを決めていますので、これについて支援の要請がありました。以上です。

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イラン核問題

(問)イランの核問題ですが、一部報道で会期末の19日にも、大臣御自身がイランを訪問されてモッタキ外相と会談されるとありましたが、現在そういう検討はされているのでしょうか。

(外務大臣)一部報道にあったことは確かです。読まない私でも教えられましたが、現時点でイラン訪問について決まっていることはありません。

(問)ただ日本として、この前、米国がイランとの交渉のテーブルに着くことについて支持を訴えて、これまでもタイミングごとに電話会談をされたり、かなり日本としての役割を果たしていると思うのですが、そういう意味で訪問というのは、訪問ではなくてもいいのですが、今後、対イランという観点でどういう働きかけが可能になってくるのでしょうか。

(外務大臣)今回の提案は露、中もほとんど一緒になっているという状況で、今までとは違うと思いますので、その件に関してはモッタキ外務大臣に対して、電話というのは既にやりましたけれども、今この段階で会いに行くというような話は考えておりません。

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海外経済協力会議

(問)先程ありました海外経済協力会議ですが、対中国の円借款についてどのようなお話し合いをされたのでしょうか。

(外務大臣)官房長官記者会見までお待ちください。発言は出来ないことになっていて、法律違反になるのでそれまでお待ちください。

(問)対中円借款を、一時的に止まっているものを再開させた上で、G8の首脳会議以降に大臣が中国を訪問するという報道が週末あったのですが、その事実関係は如何でしょうか。

(外務大臣)今、中国を訪問する予定はありません。

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「村上ファンド」代表逮捕

(問)村上ファンドの件について、村上世彰氏とは大臣は個人的なお付き合いはありますか。

(外務大臣)付き合いはありません。

(問)村上氏側から政治献金を受けたことは。

(外務大臣)村上氏からもらったことはありません。

(問)資産運用を任せたことはありますか。

(外務大臣)任せたことはありません。

(問)村上容疑者が逮捕された事件そのものの受けとめや感想をお聞かせ下さい。

(外務大臣)金を儲けたから嫌われたというような発言を確かしていたが、あれは金を儲けたから嫌われたのではなく、金の儲け方が問題だから嫌われたということだと思うので、儲けたから嫌われるのではありません。儲けた場合、やっかまれるだけで嫌われることはありません。

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外務大臣会見記録(平成18年6月2日(金曜日)9時03分~於:院内・閣議室前)

「共謀罪」・「国際組織犯罪防止条約」

(問)民主党の共謀罪の修正案ですが、国際条約との整合性について大臣はどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)内容をよく知りませんが、民主党案のままだった場合は十分条件を満たしていませんから、国際条約の批准は出来ません。

(問)禁固・懲役5年超というのが民主党の修正案なのですが、条約の整合性が取れない中で、そういったものが採決されることについて如何でしょうか。

(外務大臣)基本的には国会の中の議論の話ですからこちらとしてどうのこうの言うことにはなりませんが、少なくとも国際条約を批准するということにあたっては、十分条件を満たしていない。合っていませんから。他国は、G8は全部合っているのでしょうか。終わったと思います。日本だけが合ってないということだと思いますから、その意味では批准をすることは出来ません。

(問)外務省としては修正を求めざるを得ないということになるのでしょうか。

(外務大臣)これまでずっとやってきたわけですけども、国会の論議の中で決まった話ですから、立法府の話として決まったというのであれば、外務省としての立場は国際的な批准は出来ませんということだけです。

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イラン核問題

(問)P5とドイツの外相会合が終わりまして、まだ新しいイランへの提案というのは明らかになっていませんが、日本は再三、国連など一致した対応というのが大事なのだと。そういう流れになって来たかと思うのですが。

(外務大臣)多分、大統領や外務大臣から電話がかかってくるということはそれなりの根回しが終わっていると思います。そうではなかったら、提案はしたがまるまる宙ぶらりんにされたという訳には、なかなか立場上いかないでしょう。だから日本側の了解を求めてくるということは、ある程度話がそこそこ繋がっていると予想するのが正しいと思いますけど。

(問)国際社会が一致し始めた出した中でイランはどう対応すべきだと大臣は思いますか。

(外務大臣)日本としては基本的に、イランが孤立してることになっていかざるを得なくなりますから、その意味では核の拡散を防止するという日本の立場から言ったら、イランがテーブルに着いて色々な話の交渉に応じないと先行きは非常に厳しいことになってくるだろうと思います。

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