演説

宇野外務大臣政務官演説

第43回国際熱帯木材理事会開会式における宇野治外務大臣政務官スピーチ

平成19年11月5日
於:横浜

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(写真)

理事会議長、
大臣閣下、
市長、
ITTO事務局長、
各国代表並びに御列席の皆様、

 第43回ITTO理事会において挨拶する機会を得ましたことは私の喜びです。ホスト国である日本政府を代表して皆様に歓迎の御挨拶を申し上げます。

 まず、ゼメッカ新事務局長のご就任に心からお祝い申し上げます。新事務局長のリーダーシップのもと、ITTOのさらなる発展と成功を祈念します。

議長、
 現在、ITTO及び熱帯林を取り巻く国際環境は急速な変化の時を迎えています。言うまでもなく、今日の最大の課題のひとつは気候変動問題であり、国際社会は早急な対応を迫られています。その中で、持続可能なあり方で経営された森林の役割・便益に世界の大きな注目が集まっています。本年9月にシドニーで開催されたAPEC首脳会議においても、気候変動に関する首脳宣言に、持続可能な森林経営の重要性が明記されました。明年は我が国においていくつもの重要な国際会議が開催されます。我が国は、G8北海道洞爺湖サミットの議長国を務めますが、気候変動を含む環境問題はサミットの主要なテーマの一つになる見込みです。また、G8サミットに先立ち、ここ横浜市において明年5月に第4回アフリカ開発会議(TICAD4)を開催しますが、そこでも森林を含む環境問題は優先事項の一つとなるでしょう。このような状況の下、ITTOが、熱帯林の持続可能な経営に関する知見と経験を活かし、これら様々なプロセスに対して積極的に貢献、発信されることを強く期待します。

 議長、
 ITTO自身も移行期を迎えています。現在までに、スイス、米国、我が国、マレーシアの4か国が新協定を締結しました。ITTOホスト国として、他の加盟国が早急に新協定を締結し、同協定が予定どおり明年2月に発効することを強く希望します。新協定の下でITTOが引き続き違法伐採を含む森林に関する国際場裡の諸課題に対応していくためにも、特に以下の点につき、皆様のご注意を喚起したいと考えます。

 一つ目は、ITTOの強みの一つは具体的なプロジェクトの実施にあるということです。我が国は、ITTOの設立以来最大の拠出国として、昨今の厳しい財政状況にもかかわらず、ITTOの活動を積極的に支援してきました。我が国は、新協定でドナーベースを拡大するための新たな措置が導入されたことを評価しています。そして、この機会に改めて各国からの積極的な拠出を呼びかけたいと思います。

 二つ目として、ITTOの信用と透明性を向上させるために、プロジェクトを効果的かつ効率的に実施し、その目的を着実に達成していくことがITTOにとって極めて重要であるということを指摘したいと思います。

 最後になりましたが、この機会に、理事会準備に尽力されたITTO事務局に敬意を表します。また、ITTOの活動に貴重かつ継続的な支援を行われてきた横浜市の中田市長並びに関係者の皆様に対し、心から御礼申し上げたいと思います。
 今会期の成功とITTOの将来の発展を祈念しつつ、挨拶とさせて頂きます。ご静聴ありがとうございました。

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