平成19年2月7日
於:九段会館
「大ホール」
「平成19年北方領土返還要求全国大会」の開催に当たり、一言御挨拶申し上げます。
政府は、重要な隣国であるロシアとの間で、これまで「日露行動計画」に基づき、幅広い分野で日露関係の進展に努めてまいりました。先月には、日露外務省間で日露両国の共通の戦略的利益とは何かという観点から、第1回日露戦略対話を行っております。
しかしながら、いまだに、日露間において長い間の懸案である領土問題の解決、日露の平和条約締結に至っていないことは誠に遺憾であります。
日露間では、領土問題に関して、皆さんよく御存知のように、これまでの諸合意及び諸文書に基づき、日露両国が共に受け入れられる解決策を見出すための努力を行うことで一致しています。この点については、昨年11月に行われたベトナムのハノイにおける日露首脳会談や外相会談でも確認されています。
政府としては、このような両国の一致した認識を踏まえ、北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するとの従来からの基本方針に従い、今後もロシア側と粘り強く交渉してまいります。また、交渉進展のための環境整備として、北方四島を含む日露の隣接地域において、防災分野で協力を進めていく考えです。
昨年8月、北方四島周辺水域において、我が国漁船が銃撃・拿捕され、乗組員1名の尊い命が失われるという痛ましい事件が発生しました。政府としては、このような事件が起こらないよう、同水域における我が国漁船の安全かつ安定的な操業の確保に今後も全力を尽くしていく所存です。
政府がロシアとの交渉を進めていくに当たっては、国民の皆様一人一人の御理解と御支援が不可欠です。私自身も、かつて日本青年会議所会頭を務めていた時に、民間外交の一環として、北方領土返還運動に積極的に取り組んでいたことがありますが、このような運動は、時間をかけて継続していくことが大切です。返還運動が、全国的に強力に推進されていくためには、地元根室だけではなく、この東京の地からも返還要求の大きな声をあげていくことが極めて重要であると皆さんも思っていることと思います。引き続き皆様方の御協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
最後に、皆様の御健勝を祈念し、実行委員会、参加者の皆様、特に毎年参加されている皆様へ心から敬意を表しまして、私の挨拶とさせていただきます。